プレイレポート
Switch向けレースゲーム「ギア・クラブ アンリミテッド 2」プレイレポート。実在する50種類以上の車をカスタマイズしてレースを楽しもう
本作は,“Nintendo Switch初のリアルレースゲーム”として2017年12月に登場した「ギア・クラブ アンリミテッド」の続編だ。開発は前作同様に「テストドライブ アンリミテッド」などを手がけたフランスのデベロッパ,Eden Gamesが担当している。リアル志向ながらも,幅広い層の人が楽しめるカジュアルなレースゲームとして仕上がっている本作のプレイレポートをお届けしよう。
なお,今回は開発バージョンを使用しており,画面分割でのオフラインマルチプレイのほか,“クラブ”を作成して仲間とレースをしたり,世界中のプレイヤーとレースを楽しめる“マルチプレイヤーモード”は試せなかった。そのため,シングルプレイ用の“キャリアモード”のみをプレイしていることを事前にお断りしておきたい。
上位カテゴリにステップアップしながらチャンピオンを目指すキャリアモード
キャリアモードは,父親が経営するレーシングチームを再建するため,テストドライバーとしてサポートしていた主人公(プレイヤー)が,正規ドライバーとしてチャンピオンシップに参戦するところから始まる。チームの同僚,ナディアやニルスらのサポートを受けながらワールドチャンピオンを目指していくのだ。
本作には,海岸沿岸のDREAM BAY,山岳地帯のGIANTS VALLEY,砂漠地帯のDEAD RIVERS,雪山地帯のGLACIERSというシチュエーションの異なる4つのエリアに分かれたマップが用意されている。
マップ内には,約3000キロ以上の道が張りめぐらされているのだが,本作はオープンワールドタイプのドライブゲームとは異なり,マップ上のアイコンを選択して,決められたルートでレースを行うため,マップを自由に走り回ることはできない。
チャンピオンシップは,A,B,C,D,最終レースと5つのコンペティション(カテゴリ)があり,A1,A2,A3というようにそれぞれが3つのクラスに分けられている(最終レースのみ例外)。
さらに1つのクラスには,複数のレースを走り,順位を競うステージが4つ用意されており,合計すると250種類以上ものレースが楽しめるようになっている。また,チャンピオンシップとは別に,1つのレースだけで競うエキシビションレースも存在するなどボリュームは十分だ。
最初は,A1クラスのみに参戦でき,レースをこなしてステージを進めていくことで,A2クラス,A3クラスへと進み,続けてB1クラス……という形で上位カテゴリにステップアップしながら,最終レースでのチャンピオンを目指していく。
レースモードは,順位を競う一般的なレースの“ダービー”,走破タイムで競う“タイムアタック”のほか,前作にはなかった一定時間が経過すると最下位から脱落していく“サバイバル”が新たに登場している。
サバイバルは,トップにならないと勝てない。カウントダウンがゼロになる前に順位を上げよう |
未舗装路のダートコースや雪上コースも登場する。滑りやすくなるがコントロールできないほどではない |
車をカスタマイズして挙動の違いやカーデザインを楽しもう
本作に登場するメーカーは,ポルシェやロータス,マクラーレン,ケーニグセグ,ブガッティなどの海外メーカーに加えて,トヨタや日産,三菱などの国内メーカーもあり,各社からライセンス許諾を受けた50種類以上の実在車種が収録されている。
また車種にも,レース同様にクラスが設定されており,B1クラスの車はB1クラスのレースにしか参戦できない。
車には,最高速,加速性能,ハンドリング性能のほか,アンダーステアまたはオーバーステア傾向なのかが設定されており,これらの要素により,車種ごとに挙動特性が再現されている。
また,各車種にはIPという数値が存在する。これは,その車がどれだけの性能を秘めているかを計る目安のような値で,242-327,391-422のように上限値と下限値が決められている。
IP値は車にカスタマイズパーツを組み込むことで上がり,プレイヤーはIPの上限値まで車の性能を引き出せるのだ。
新たな車を買うにも,所有する車をカスタマイズするにも,資金(クレジット)が必要だ。主な資金集めの方法は,レースに参戦して賞金を得ることなので,資金稼ぎのためにレースを繰り返すことになる。
少し作業的な要素になってしまうが,手っ取り早く稼ぐならば,賞金が高めのエキシビションレースに挑戦するのがオススメだ。
また,車をカスタマイズするには,自分のファクトリーとなる“パフォーマンスショップ”を充実させる必要がある。
エンジンとギアボックスを強化できる“メカニカルワークショップ” |
タイヤやブレーキを強化できる“タイヤワークショップ” |
ダートや雪上など未舗装路でのラリーレース用のカスタマイズを行う“ラリーワークショップ” |
エアロパーツやボディキットなどを装着できる“コスメワークショップ” |
エアロダイナミクスを強化する“風洞実験設備” |
車の軽量化を図れる“ボディワークショップ” |
これらの設備は購入したら空いているスペースに配置するだけで利用できるようになる。それぞれの施設は1から5までレベルがあり,高性能パーツを組み込むには施設をアップグレードしていく必要がある。
パフォーマンスショップでは,設備の拡充以外にも,トイレ,コーヒーメーカー,ロッカールーム,所有車の展示スペースなど環境アイテムを設置して楽しめる。また,テーマも替えられ,パフォーマンスショップ全体を古い工場やクラブ風にカスタマイズすることも可能だ。設備やアイテムは,自由に配置換えができるので,あれこれと並べ替えているだけで,結構楽しい。
リアル志向ながら,初心者から上級者まで幅広い層が楽しめるカジュアル寄りのレースゲーム
レースゲームのキモとなる車の挙動については,路面変化や荷重移動による挙動変化など,物理演算されて再現されている印象だ。
コーナーはきちんと減速しなければアンダーステアが出て曲がれないし,無理矢理リアを流して曲がろうとしても,スピンするか,横を向きすぎて大きく減速してしまう。
しかし,慣れてくると,タイヤのスキール音を聞きながら減速しすぎない程度に微妙にリアを流し,綺麗にコーナーをトレースして走れるようになる。こんな走りができるようになると一段と面白くなるだろう。
プレイ画面は3パターン。ボンネット視点と2種類の後方視点が用意されている |
操作系は一般的なドライブゲームと同じ。ジャイロ操作も使用できるが,反応が過敏すぎて操作が難しかった |
そのためには,プレイヤーを補助してくれる運転支援システム(アシスト機能)を自分の好みに合わせて設定するのが良い。運転支援システムは,速度コントロールをアシストする“ブレーキング”,車の制御をアシストする“ABS”,ステアリング操作をアシストする“ステアリング”があり,それぞれを5段階で調整できる。
なお,本作には車のセッティングを変更する要素がないため,車を乗り換えたり,カスタマイズをしたりしたら,運転支援システムで好みの操作感になるように調整していた。
また,接触などのミスをなかったことにしてくれる巻き戻し(リワインド)が用意されている。自分のミスでスピンしたり,コースアウトすることも多いが,ライバル車はレーシングラインをキープしようとするため,突っ込んでくることが多々あり,そのたびに巻き戻し機能でライバル車と接触前まで戻すことになった。巻き戻し機能は使用回数が無制限ということもあり,非常にお世話になった。
とはいえ,本作は,レースゲームとしてのリアルさは残しつつ,カジュアル向けに仕上げられており,レースゲーム初心者から上級者まで幅広い層が楽しめるバランスになっている印象だ。
レースだけでなく,車を集めるコレクション要素,車を強化したり,デザインを変えたりするカスタマイズ要素,さらにファクトリーを強化していく育成要素もあるので,レースをこなしながら,さまざまな楽しみ方ができる。
また,Nintendo Switchならば,自宅のテレビでじっくりとプレイしたいときはTVモードで,外出中も遊びたければ携帯モードで,友達と対戦したければテーブルモードでと,さまざまなプレイスタイルが選べる。いつでもどこでも手軽に遊べるレースゲームなので,気になった人は遊んでみてほしい。
「ギア・クラブ アンリミテッド 2」公式サイト
- 関連タイトル:
ギア・クラブ アンリミテッド2
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