プレイレポート
“罪”を背負って生きるとは? 「テイルズ オブ クレストリア」先行プレイレポート。プロデューサーメッセージも掲載
「テイルズ オブ」シリーズと言えば,アクション性の高いバトルシステム「リニアモーションバトルシステム」(Linear Motion Battle System,通称LMBS)が特徴だが,今作が採用しているのはスマホ向けRPG定番のターン制バトル。手軽な操作感に仕上がっているので,シリーズ経験の有無を問わず誰でも楽しめそうだ。
今回4Gamerは,そんな「テイルズ オブ クレストリア」先行プレイレポートをお届けする。記事の最後にはプロデューサー 田川智美氏から受け取ったメッセージも掲載しているので,こちらもぜひ読んでほしい。
「テイルズ オブ クレストリア」公式サイト
罪を背負ったキャラクターが,それでも“生きる”物語
作中ですべての人に所持が義務づけられている「ビジョンオーブ」は,何らかの事件が起きた場合,その場面の映像を記録し,村や街に置かれた「ビジョンセントラル」へと共有できる。「ビジョンセントラル」で映像を見た人々が“有罪”として「断罪の祈り」を捧げると,罪人は「執行者」によって制裁される仕組みで,治安が維持されているのだ。
主人公の「カナタ・ヒューガ」(CV:天﨑滉平)は,村を治める修道士の1人息子だ。身寄りのない孤児を保護し,周囲の尊敬を集める父親のもとで育ったこともあってか,弱きものを守るという強い正義感に満ちた少年である。やや素直すぎるあまり言葉選びに少々難があり,敬遠されることも。
そんな「カナタ」の父親が治める修道院で育った孤児であり,共に育った少女がヒロインの「ミゼラ」(CV:石川由依)だ。しっかりとした意志の強さと,「カナタ」のためなら,どんな手段もいとわないという危うさを持ち合わせている。お互いに少なからず相手を想っていることはうかがえるが,「カナタ」の淡い恋心に対し,「ミゼラ」の抱く感情は恋や愛と呼ぶには難しい,かなり苛烈なものである。
「カナタ」や「ミゼラ」は同じ村で穏やかに暮らしており,「カナタ」も「ビジョンオーブ」や「執行者」こそ公明正大な世界を形作っていると信じている。ストーリー中に罪を犯した人間が裁かれるシーンも描かれるので,この世界がどのような仕組みなのかは,すぐに理解できるだろう。
ある日,ついに孤児の「ミゼラ」を引き取りたいという里親が見つかり,修道院からの旅立ちを迎える。しかし悲劇が2人を襲い,「カナタ」は「ミゼラ」を守るために決して許されない罪を犯してしまう。「ミゼラ」も「カナタ」を守るために大きな罪を背負い,2人は「咎我人(とがびと)」として世界中から追われることになるのだ。
追われる身となった2人と出会うのが,「ヴィシャス」(CV:内田雄馬)だ。世界中から忌み嫌われ,恐れられる存在「咎我鬼(とがおに)」である彼からの問いかけを経て,「カナタ」と「ミゼラ」は「ブラッドシン」という力を手に入れる。そうして2人は,「ヴィシャス」と共に旅立つ……というのが序盤のストーリーだ。
「カナタ」と「ミゼラ」は間違いなく罪を犯しているが,詳しい事情は知らない人々によって,彼らがただ一方的に制裁されるべきなのか。「カナタ」と「ミゼラ」は今後どうなるのか,そもそもこうした仕組みを作ったのは誰なのか,不思議な力を持った「ヴィシャス」は一体何者なのか。先の展開が気になってしかたがない。
ちなみに,旅立ちまではシリアスな話が続くが,ある程度進めるとコミカルなシチュエーションも楽しめるので,そこは安心してほしい。「テイルズ オブ」シリーズでおなじみの「スキット」(キャラ同士の掛け合い)も確認できるようになる。
シリーズキャラクターも多数登場!
「外伝ストーリー」や「ヒストリー」でさらに深掘り
メインストーリーには「テイルズ オブ」シリーズのキャラクターがこの世界の住人として多数登場し,物語を彩ってくれる。「テイルズ オブ ファンタジア」の「クレス」が「カナタ」の剣術の師匠として登場しており,「テイルズ オブ エクシリア」の「ミラ」,「テイルズ オブ ベルセリア」の「ベルベット」の2人は,何らかの理由で行動を共にしていることが,ストーリー序盤に判明する。
彼らにはそれぞれの目的があるようだが,メインストーリー内で多くは語られない。そんな彼らの背景を深掘りできるのが「外伝ストーリー」となっている。こちらにもさまざまなシリーズキャラが登場するので,ひと通り触れておきたいところだ。
例えば「クレス」の物語は,「カナタ」と「ミゼラ」が村を去ったあとの状態から始まる。彼は元々,ある魔物を倒すために「カナタ」の村にいることがメインストーリー上で語られていたが,村を訪れた「テイルズ オブ シンフォニア - ラタトスクの騎士 -」の「エミル」や「マルタ」が「クレス」に同行し,いよいよ魔物の討伐へ挑むことになる。
こうしたシリーズキャラとの出会いを経て,今作がシリーズ初プレイという人は「このキャラが気になるけど元の作品って……?」と興味を抱くこともあるだろう。シリーズ経験者の場合は「懐かしい!」「まだやっていない作品のキャラだ」といった反応になると思われる。そんなときに役立つのが「ヒストリー」というコンテンツだ。
「ヒストリー」では,各作品のキャラクターはもちろん,あらすじ,ゲーム画面,公式サイトへのリンクなどが紹介されている。オリジナルタイトルにとどまらず,さまざまな作品が網羅されているので必見だ。
お手軽操作で派手な演出も見られるバトル
戦闘は最大4名(編成自体は6名)のキャラが参戦できるターン制バトルで,画面右下にあるコマンドアイコンをタップして攻撃方法を選ぶというシンプルな操作感となっている。キャラごとにさまざまな効果がある「術技」や「秘奥義」と呼ばれる特別な技を発動させて,戦っていこう。
派手な演出も用意されているため,見応えは十分だ。
敵や仲間キャラには「属性」の概念があり,相性の有利不利によって与ダメージ/被ダメージの増加/減少が発生する。敵に対して有利な属性を揃えて挑めば,バトルをよりスムーズに進められるので,仲間が増えてきたら,パーティ編成時に属性を意識してみるといいだろう。
味方は同ターン内に稼いだヒット数に応じてダメージに補正がかかるので,強力な「術技」や「秘奥義」の前にヒット数を重ねておくこともバトルを有利に進めるコツだ。
一部の強大な敵は,危険な攻撃を繰り出すこともある。その際は「BREAKゲージ」が発生し,カウントがゼロになるまでゲージを削り切らなければ,大ダメージを受けてしまう。カウント内に削り切ることに成功すると敵は「BREAK状態」となり,敵は1ターン行動不能&味方の攻撃がすべてクリティカルでヒットする。大きなチャンスとなるので,「術技」や「秘奥義」はこのために温存しておくのも一つの手だ。
バトル中およびリザルト画面では「テイルズ オブ」シリーズらしいキャラ同士の掛け合いも入るので,属性の有利不利に関係なく,気に入ったキャラを並べてバトルに挑むというのも面白い。
メインキャラクターの入手方法は「ストーリーを進める」「召喚」のふた通りある。シリーズキャラクターに関しては主に「召喚」で出現する「メモリアストーン」というアイテムからの具現化を通じて入手できる形だ。「メモリアストーン」自体は装備品として扱われ,「召喚」や「クエスト報酬」などでも手に入れられる。
仲間になったキャラのプロフィールやボイス,2Dイラスト&3Dモデルなどをじっくりと眺められる「キャラクタールーム」も用意されており,ここではアタッチメントの変更も行える。
アタッチメントを変更すると,戦闘画面やホーム画面などさまざまなところに反映されるので,お気に入りのキャラクターを好きな見た目にカスタマイズしてみるといいだろう。
序盤はメインストーリーを読み進め,バトルで詰まったら強化クエストに挑み,レベルが上がったら再挑戦。合わせてキャラクタールームの多彩な要素も味わうというのが,基本的なプレイサイクルとなりそうだ。
今作もストーリーとキャラの魅力を外しては語れない「テイルズ オブ」らしい作りで,シリーズ初体験の人には親しみやすく,シリーズファンであればシリーズキャラの登場を通じて懐かしさにも浸れる。そんなシリーズ経験を問わず誰でも楽しめるゲームとなっているというのが,「テイルズ オブ クレストリア」の先行プレイを通じて得た印象だ。先行プレイでは触れられなかったが,「マルチバトル」が搭載されることも明らかになっており,こちらも楽しみにしたい要素である。
「テイルズ オブ クレストリア」マルチバトルなど最新ゲーム情報が公開。LINEスタンプの無料配布,テイクレまんがも連載決定
バンダイナムコエンターテインメントは本日(2020年5月1日),新作スマホゲーム「テイルズ オブ クレストリア」について,マルチバトルなど最新のゲーム情報,LINEスタンプの無料配布,ゲーム内容を紹介する漫画の連載決定などを発表した。
先行プレイレポートは以上となる。冒頭でもお伝えしたとおり,プロデューサーの田川智美氏からのメッセージも受け取っているので,最後にぜひご一読を。
田川智美氏:
4Gamerさんに先行してプレイして素敵な記事を書いていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
シナリオ、バトルシステム以外にも、これまでの情報発信では深堀できていなかったより細かいゲームの詳細が分かってきて、早く遊びたいと感じてくださっていたらとても嬉しいです。皆様のところに早くお届けできるようチーム一丸となって最後の追い込みをしているので、もうだけ少し待っててくださいね!
※画面は開発中のものです。
「テイルズ オブ クレストリア」公式サイト
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