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舞台「信長の野望・大志 夢幻 〜本能寺の変〜」のゲネプロをレポート。史実を知る信長と光秀が本能寺で対面すると……
本稿では,プレビュー公演前に行われた,SIDE織田の公開ゲネプロ(通し稽古)の模様をお届けする。
■出演キャスト(敬称略)
織田信長役:鶏冠井孝介
明智光秀役:谷 佳樹
<織田家>
お市役:田中れいな
前田利益(慶次郎)役:友常勇気
柴田勝家役:鵜飼主水
丹羽長秀役:中村ヒロユキ
森蘭丸役:高岡裕貴
浅井重政(万福丸)役:小栗 諒
煕子(ひろこ)役:小川夏果
帰蝶役:和久井 優
茶々役:前田亜美
<羽柴家>
羽柴秀吉役:後藤健流
ねね役:斉藤レイ
石田三成役:影山達也
うた役:橋本耀
黒田官兵衛役:幸村吉也
<上杉家>
上杉謙信役:根本正勝
直江兼続役:宮澤 佑
お船役:根岸 愛
<徳川家>
徳川家康役:竹石悟朗
石川数正役:登野城佑真
本多忠勝役:宮元英光
榊原康政役:霜月 紫
井伊直政役:松田将希
瞼(まぶた)役:香音有希
<毛利家>
毛利輝元役:田渕法明
吉川元春役:輝海
小早川隆景役:吉武大地
山中鹿之助役:山本誠大
<その他の勢力>
松永久秀役:南 翔太
鈴木重秀(雑賀孫一)役:柏木佑介
真田昌幸役:菊田大輔
下間頼廉役:矢野たけし
真田信幸役:岩崎良祐
本願寺顕如役:吉田宗洋
足利義昭役:加藤凛太郎
お橋役:笹木香利
お焦役:荒澤 守
今井宗久役:彦摩呂
ゲネプロの前には囲み取材が行われ,織田信長役の鶏冠井孝介さん,明智光秀役の谷 佳樹さん,お市役の田中れいなさん,前田利益(慶次郎)役の友常勇気さん,茶々役の前田亜美さん,今井宗久役の彦摩呂さんが公演にかける意気込みを語った。
鶏冠井さんは,「今回は,日本の歴史上で一番のミステリーである本能寺の変を取り上げています。本能寺の変という名に負けることなく,素晴らしい舞台を皆で作り上げられたと考えています」とコメント。
谷さんは,「今回はSIDE明智があるので,これまでの2回の舞台より何倍も意気込んでいます。たくさんの方に,本来の歴史とは違う本能寺の変と,光秀や信長がどんな人物だったかを観て,感情移入していただきたいです」と語った。
田中さんは,「お市は悲しんだり怒ったりしてもあまり感情を表に出さないので,舞台における感情表現が難しいと思っていました。ただ今回は,兄上に対して,やっと妹らしさを出せるシーンがあって,すごく嬉しくて……。ほっこりするという感じではないのですが,兄妹愛を感じていただけるとうれしいです」と自身の演技の見どころに言及した。
友常さんは,「前回は武田勝頼でしたが,今回は織田家の前田慶次郎を演じています。学校では教わらない本能寺の変,そして個性豊かなキャラクター達の演技に期待してください」と話す。
前田さんは,これまでの舞台を通じて茶々がどんどん成長していることに言及し,「(歴代の茶々役の中で)私が一番身長が高いことが,今回のこだわりのひとつらしいです」と裏話を明かしつつ,「個性豊かな登場人物の中で,私も一輪の花を添えられるようがんばります」と意気込みを見せた。
そして彦摩呂さんは,「宗久はストーリーテラーですが,今回はうろうろすることもあります。ただ,今までと同じくお茶のシーンは一切ありません! 本能寺の変というクライマックスをぜひ楽しんでください」と語っていた。
公演の見どころを問われた谷さんは,「SIDE明智では,これまで光秀が取っていた行動の裏で,妻・煕子がすごく重要な役割を担っていたことが明かされます。過去2回の舞台で張られた伏線の回収にもなっており,SIDE織田とは風合いが少し違うんです」と回答。
一方,鶏冠井さんは,SIDE織田については「信長は現代の記憶を持っており,そこには現代人の弱さ,現代人にしか考えられない思考があります。その考え方と,戦国時代の武将や女性の凜とした生き方との対比が色濃く出ているシーンがたくさんあります」と話していた。
公演中,田中さんが歌うシーンがいくつかある。田中さんは「新曲はアニメの主題歌みたいな,かっこいい感じ」としつつ,「今回は,歌いながらほかの皆さんと一緒に演じる,ちょっとだけミュージカルのようなシーンがあります。『信長の野望・大志』の舞台では,初めての演出なのでがんばります」とコメント。
また前田さんは,「茶々はお市の歌が好きという設定ですけれども,実は私個人も田中さんの歌のファン。いつも舞台の裏で楽しんでいます」と感想を述べた。
最後に鶏冠井さんが,「『信長の野望・大志』の舞台では最多となる49人で,1か月以上にわたり,誰も手を抜かずに今日までやってきました。今までよりも『この舞台をいいものにしよう』という思いを込めています。SIDE織田,SIDE明智とも必ず楽しませます!」と,改めて意気込みを語っていた。
舞台「信長の野望・大志」シリーズでは,“現代の記憶”を持ち“先の世”を知る数名の武将達によって改変された,史実とは異なる戦国時代が描かれていく。そのため,2018年に上演された舞台「信長の野望・大志 -春の陣- 天下布武 〜金泥の首編〜」および「信長の野望・大志 -冬の陣- 王道執行 〜騎虎の白塩編〜」の続きとなる今回のストーリーは,世間に知られている史実とは異なった天正10年からスタートする。
例えば,史実上の上杉謙信は天正6年に亡くなっているはずだが,舞台シリーズでは現代の知識によって一命を取り留めており,織田信長に協力しているといった次第だ。
そうなると「以前の公演を観ていないと話が分からないのでは?」と思う人もいるかもしれないが,そこは舞台の冒頭でこれまでに何が起きたのか,おさらいがなされるのでご安心を。
さらに,現代の記憶を持つ武将達が「本来の歴史では〜」と史実との違いに言及するシーンも多々あり,ストーリーを分かりやすくする配慮がなされている。
舞台の前半では,東で徳川家康が真田と手を組み,西では雑賀衆と本願寺に毛利が協力してそれぞれ攻めてくるという過酷な状況の中,明智光秀のいる本能寺へと向かう信長の姿が描かれる。信長も光秀も現代の記憶を持つ武将であり,そのため2人は本能寺の変で何が起きるかを知っているにもかかわらず,である。
また,舞台の後半では,とある意外な人物の介入により事件が発生し,それをきっかけに本能寺に武将達が集結していく。その背後には,現代の記憶を持つ武将達の「先の世のために史実を守るべきか否か」という葛藤や,「史実を変えれば自分が……」という野望が見え隠れするのだ。
本舞台の見どころは,史実を知る武将同士の駆け引きばかりではない。あえて史実どおりに行動しようとする信長を叱咤するお市を筆頭に,武将達を支える女性陣は極めて魅力的に描かれている。
また,戦国時代を扱っている舞台だけあって,武将達が舞台狭しと暴れ回る,スピード感に溢れた迫力ある殺陣も大きな見どころのひとつだ。
そして舞台の最後には,次回公演の予告もなされた。スクリーンに大きく映し出されたのは「桶狭間」の文字。ということは……と,いろいろ想像が膨らむところだが,続報に期待したい。
今回の公演は,SIDE織田とSIDE明智という2つのストーリーで展開されるため,双方を観ることでストーリー全体の流れや武将達の心理をより深く理解できる構造となっている。興味のある人は,ぜひ双方のストーリーを堪能してほしい。
「信長の野望・大志 夢幻 〜本能寺の変〜」公式サイト
- 関連タイトル:
信長の野望・大志 with パワーアップキット
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