このゲームの読者の評価
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神宮寺シリーズ中、最も内容の無い作品 25 - 投稿者:やわらか14(男性/30代)
- 投稿日:2018/12/20
- 良い点
- ・UI、操作感の大幅改善
・上質なBGM - 悪い点
- 上記以外の全て
- 総評
-
体験版にないものは製品版にもないと考えて間違いないです。
一言でまとめると「神宮寺シリーズ中、最も内容の無い作品」です
■よかった点
・UI、操作感の大幅改善
見た目は独特なものがありますが、本質的には「コマンド総当たりADV」です。
スタンスはボタンを押して呼び出さないとでてこない選択肢、
思考の樹はフラグ収集です。
画面にあらわれるコマンドは最低限に抑えられ、
本作のもっとも特徴的な部分である360度ビューを
画面いっぱいで堪能することができます。
場所移動以外では画面の切り替えはなく探索がスムース行えます。
Switch版ではすべての操作がタッチで行えるのでとても快適です。
神宮寺シリーズでまったく進化してこなかったUIが
デザイン・操作の両面で改善されコマンド選択式ADVの進化系といえる出来になっています。
だた、これらがゲームとして新しい面白さを提供するに至ったかというと話が別です。
・音楽
神宮寺シリーズに不可欠な上質なBGMは本作でも健在です。
■悪い点
■シナリオ面
・設定改変
シリーズ過去作と照らし合わせるといろいろ設定がおかしいです。
長年続いている作品なので作品ごとに設定がまちまちなこともありますが
少なくとも『夢の終わりに』に繋がるようにはなっていません。
パラレルワールドの話です。
・ボリュームのなさ
ボリューム不足は散々指摘されまくっているのに
増えるどころか減っているのに呆れます。
1周6〜7時間程度でクリアでした。追加シナリオ等はなし。
誰がプレイしてどんなに行きづまっても10時間は超えないでしょう。
・シナリオの描写の薄さ
シナリオライターのインタビューいわく
「単体でスピンオフが作れるくらい」
「ひとりひとりのキャラクターを練り込みながら作った」
らしいですが、そんなものはどこにもありません。
登場人物全員モブくらいに誰がどういうキャラクターで
それぞれどういう関係なのか描けていません。
例え話ですが、主人公以外全員死亡でも惜しいとも悲しいとも思わなかったでしょう。
どのくらい描写が薄いかというと、出てきてちょっと会話しただけのキャラAが
間を置いて再登場したら「じつは私はBのことが大好きなのー」
みたいなことをと急に叫びだす具合です。
Aが再登場するまでの間に第三者あるいは状況証拠によって
Bとは親密であるということが明かされるということもなしにです。
前述の演出の貧弱さもあって盛り上がらず感動はないし、
キャラクターや事件を掘り下げる前に話がすすんでいくので
なにか事件が進展したり、登場人物が酷い目にあったり
悲しい目にあったりしても感じるものはありませんでした。
・寄り道要素がない
本来行く必要のないところに行ってみても「用事はない」でおわり、
まれに人がいても会話がとくにあったりもしません。
舞台がニューヨークで、主人公の祖父は多くの人に愛されていた
という設定ですが祖父に縁のある人たちと交流できる機会がなく、
そもそもどこにいっても人がいないので
名もない田舎町のようです。
過去の神宮寺作品ではストーリーと関係ないところで
街の人たちと交流できる要素がありましたが
近年の作品にはなくなってしまったので、それが本作で
復活してくれたらと期待していたので残念です。
・演出面の退化
3じゃないDSにすらあったスチルがなく、ムービーもなし
360°ビューと動く立ち絵がそれをカバーしているかというと
そういうこともありません。
立ち絵は動きますが「よく見たら動いている」
くらいの申し訳程度でLive2Dの無駄遣いです。
表情も変化に乏しく目パチ口パクすらありません。
さらに立ち絵がアップで表示されることもないので
表情の変化があったとしてもわかりづらく
常にいつもの立ち絵がいつものポーズで立ってる状態です。
常に、というのはキャラクターが瀕死の大けがを負ったときでも、
足元に何者かに殺された人(少なからず縁がある)が横たわっている場面でもです。
どんな劇的な場面でもそれを印象づけるような変化がなく
後述のテキスト描写の弱さもあって心にのこるものがありません。
■システム面
・2018年のゲームとは思えないシステム
もう毎度のことですが、高速スキップ・既読スキップなし
フローチャート、栞機能、達成率リストなど
アドベンチャーゲームでついていてほしいと思う機能は1つもありません。
十何年も前の個人作成のフリーゲームにすら
デフォルトであるような機能が2018年の最新機種のゲームに
ついていないというのはもはや哀れとしか言えません。
後述のオートセーブとの合わせ技で1周目以降が完全な苦行になっています。
ただ1点、バックログは見やすくて、かなり前の方までさかのぼれるので
ここだけはシリーズ最高の快適さです。
・やることが場所移動と総当たり探索だけ
最初に体験版にないものは製品版にもないと考えて間違いないと書きましたが
体験版になくて製品版にはあるものは場所移動くらいです
360°ビューやスタンスを使った新しい遊び方がなにかできそうなものなのに。
(私はここ以外にゲームレビューを投稿していませんし、他サイトへの転載を許可していません。
もしこのレビューが4gamer以外に掲載されていたらそれは無断転載です)
・周回が作業
マルチエンディングです。
前述のとおりオートセーブ、チャプターセレクトなし、高速スキップ・既読スキップなし。
クリア後に開放されるエピソード等追加要素なし。
1回クリアしたら同じものをショートカットなしでやりなおすことになります。
いつの時代のシステムだと思いましたが1994年発売の『かまいたちの夜』にすら
チャプターセレクトがあり、ストーリーに変化がありました。
『9時間9人9の扉』のように最初からやりなおすことに
大きな意味があるのかというと、ありません。
徹底して途中から始めさせたり、スキップさせたりしない仕様なら
もしかしたら、開発者の中では高い意識と高尚な目的に彩られたなにかがあったのかもしれません。
でもそれがなにかまったく感じ取ることはできませんでした。
さらにエンディングリストなど進捗を確認できるものがないので、
トロフィーシステムのないSwitch版ではどの程度回収したのかわかりません。
最悪、マルチエンディングだということに気づかれない可能性もあります。
エンディングまでの道程の描写がスカスカなので、
トゥルーでないEDに辿り着いて消化不良でも
そういう終わりだと思われても何の不思議もありません。
・煙草システム=ヒント に当たるものがない
シナリオが説明すべきところを説明しない所が多く、
次に行くところ・やることが判らずしらみつぶしということが多々ありました
■何にお金と時間ががかかったの??
・背景
背景画を発注する余裕も、写真を加工する人手もなかったのか、
素人が見ても判るPhotoshopのフィルタ感丸出しの写真加工です。
ろくに手を加えていないので変に溶け崩れたような画になっているところが多数。
クローズアップした探索画面だと、ドロっとして細部がわかりにくくなった絵から
鍵穴のような小さなポイントを探し出してタッチしないといけないところもあり
ストレスフルでした。
せめてポイントとなる部分くらい整える努力をしてほしいものです。
半端な加工をするくらいなら写真そのままで使った方がましだったでしょう。
・ボイス
たいしたボリュームでもないのにパートボイスです。
声優さんのファンなら欲しいと思うバックログ等からボイスを聞き直す機能はありません。
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3000円くらいのゲームなら気になるところもあるけど
まあ面白かったと言えるでしょうが本作は7000円超の作品です。
一体何に予算と時間(3年!だそうです)を使ってこの出来なのかまったくわかりません。
このレビューを一通り書いたあと、公開されていた
製作者インタビューを読みましたが
特徴的なシステムだの練りに練ったキャラクターだの天才の発想をゲーム化だの
なにか得意げに語ってましたが私がプレイした作品の中に
それらはなに一つとして入っておらず、一体何の話をしているのかわかりませんでした。
神宮寺シリーズは好きで再始動したときは嬉しかったし応援もしてきましたが
いいかげん疲れてきました。悲しいです。 - プレイ時間
- 10〜20時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 4 5 3 1 1
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