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[E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載
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印刷2019/06/13 21:18

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[E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

 Bethesda Softworksから,2019年7月26日に発売予定のシリーズ最新作「Wolfenstein: Youngblood」PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)。リリースが近づく本作の開発を行う,MachineGamesのエグゼクティブ・プロデューサー,ヤーク・グスタフソン(Jerk Gustafsson)氏に単独インタビューを行ったので紹介しよう。

画像集 No.009のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

 すでにご存じのように,仕切り直し後のシリーズとしては3作めとなる本作は,前作「Wolfenstein II: The New Colossus」から19年後,ちょうど1980年の世界が舞台となる。前作までの主人公B.J.ブラスコヴィッチがパリでの作戦中に消息を絶ち,彼の双子の娘,ジェスソフがその行方を求めて,ナチス占領下のパリに潜入するというストーリーが描かれる。


 そう,本作の主人公はB.J.ではなく,まだ10代とおぼしき2人の少女である。今回,プレイアブルデモに触れる時間もあったが,その導入ムービーでは,幼い頃は鹿を撃つことさえ躊躇するほどウブだったジェスとソフが,訓練された戦士として成長するまでの様子が紹介されていた。

本作の主人公となる,黒髪のジェスと金髪のソフ。それぞれ,本名はジェシー(Jessie)とゾフィア(Zofia)というらしい。ソフは熱くなりやすく,ジェスのほうが落ち着いて肝が据わっている印象だ
画像集 No.002のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

 そんな本作の真骨頂とも言えるのがCo-opモードで,それぞれのプレイヤーがジェスとソフを担当する。今回のデモでは,パリに向かうために敵の飛行船に潜入するという導入部分をプレイできた。マップ自体は広いものではなかったが,筆者がガンガン銃撃しながら前進し,パートナーになった参加者が迂回して背後から攻撃を加えるといった,これまでとは異なる戦術的なプレイが楽しめた。

 興味深かったのが,プレイ中にパートナーのプレイヤーが筆者に向かって親指を立て,「グッドジョブ!」のようなセリフを投げかけてきたときだ。これはただのエモートではなく,筆者のアーマーを強化してくれた。筆者も思わず親指を立て返したところ,相手にも同じ効果が見られた。お互いを勇気づけ合い,さらに仲間意識が芽生えそうな,双子の姉妹らしいギミックである。

画像集 No.005のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

 そもそも,なぜ本作はCo-opモードを重視しているのか。そのあたりからグスタフソン氏に話を聞かせてもらった。

今回のインタビューを受けてくれた,MachineGamesのエグゼクティブ・プロデューサー ヤーク・グスタフソン氏。「Wolfenstein: Youngblood」は,Arcane Studios Lyonとの共同開発という形をとっている
画像集 No.001のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

4Gamer:
 本作は「ウルフェンシュタイン」というブランドでありながら,B.J.ブラスコヴィッチが主人公でないというのがユニークなところですね。

ヤーク・グスタフソン(以下,グスタフソン氏):
 ええ。その最大の理由は,初めに協力プレイを作りたいという企画があったからなのです。前作はストーリーを重視してシングルプレイ専用ゲームにしたのですが,仲間と協力してプレイしたらどうなるのか,といったことは話し合っていました。
 しかし,B.J.を主人公にすると,そのパートナーは恋人のアーニャになります。これではB.J.という存在が大きすぎて,相棒の存在感がかすんでしまうので,アーニャがすでに妊娠していたというストーリーラインをうまく利用して,彼らの娘達を主人公にしようと決めたのです。

4Gamer:
 若い女性が主人公になったからかもしれませんが,今回プレイアブルデモを体験してみて,非常にハートフルというか,いい意味で軽さのあるゲームプレイになっていると感じました。

グスタフソン氏:
 確かに,ストーリーはライトなものになっているので,それがプレイヤーの心理に影響しているのかもしれません。もともとナチスの独裁からの解放という,考えてみれば軽々しくないテーマをライトに扱っていたゲームですから。
 これまでのシリーズでは,父親の肉体的・精神的な暴力にあいながらも成長していったB.J.の生い立ちにも触れており,そうした暗さが下地にありました。それに対して,ジェスとソフは愛されて育ったというコントラストをしっかりと表現し,そのことが父親の消息を探し求めるモチベーションにつながるようにしようとしたのです。2人が決してシニカルに物事を見たり,ダークな雰囲気に包まれたりしないように注意しました。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

4Gamer:
 なるほど,それは非常に大きな違いですね。
 2人が着込んでいるのはダート・エチュード(Da'at Yichud)のパワースーツだと思いますが,このあたりの経緯を教えていただけますか。

グスタフソン氏:
 ご存じのように,これは「Wolfenstein: The New Order」以降のシリーズに登場しているパワースーツです。もともとは古代の技術を秘めた特殊アイテムとして,キャロラインが装着しており,さらに「Wolfenstein II: The New Colossus」でも大怪我を負っていたB.J.が利用しました。
 その後については本作をプレイしていただければ分かりますが,今は科学者のアビーがそのテクノロジーを受け継いでいます。ジェスとソフはか弱い女の子ですから,パワースーツの能力が必要なのです。

4Gamer:
 20年近い年月を経て,パワースーツも改良されているのでしょうか。

グスタフソン氏:
 もちろんです。プレイアブルデモでも配色をカスタマイズできたと思いますが,今回はアクションを重ねることでレベルアップし,そこで得たアビリティポイントを利用してアップグレードが可能になっています。今後の楽しみにしていただきたい部分ですね。

画像集 No.006のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

4Gamer:
 本作はソロでもプレイできるのでしょうか。

グスタフソン氏:
 はい。その場合は,AIがもう1人のプレイヤーを担当することになります。ソロでプレイできるというのは,私自身,非常に気にかけていたことでもあります。MachineGamesがゲーム作りを継続していく中で,ソロプレイでストーリーを堪能できるという基本的な部分を失ってはいけないと考えています。
 ただ,本作の開発に限って言えば,双子の主人公というのが開発チームにとってクリエイティブ面における1つのチャレンジになっています。1人が欠けた状態でのソロプレイを追求すると,“2人で1つ”という根本的な部分が失われてしまうので,うまくAIが機能するよう調整には苦心しましたね。

4Gamer:
 今回のデモでユニークに感じたのが,相手のプレイヤーを勇気づけることで,アーマーが強化されるというシステムでした。

グスタフソン氏:
 相手に親指を立てて,「よくやった」なんて言う行為を英語でペップシグナル(Pep Signal)とかペップトーク(Pep Talk)と呼びますが,ゲームシステムとして我々は「ペプシング」(Pepsing)と名付けています。
 これまで協力プレイで何か良いプレイをした相手に,手を振るようなエモートを出すことが多かったと思いますが,それを発展させたものと言ったところでしょうか。協力プレイでお互いを称え合いながらプレイしてほしいと思ったのです。

画像集 No.007のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

4Gamer:
 ソロプレイでも,AIキャラクターがペプシングしてくれるのでしょうか。もしそうだとすると,常にペプシングを繰り返してゲームが簡単になりすぎませんか?

グスタフソン氏:
 AIキャラクターもペプシングをしてくれますよ。ただし,ペプシングにはクールタイムが設定されており,お互いがある程度の距離にいることも前提になっていますから,タイミングが合わないとうまく利用できません。決してゲームが簡単になるというわけではないと思います。

4Gamer:
 飛行船の中で,かなり早い段階で重装備のリーダーユニットを倒したのですが,その後も次々とナチス兵が湧き出していたように感じました。このあたりも前作とは異なるのでしょうか。

グスタフソン氏:
 ええ。Co-opゲームになったことで調整した部分です。前作では指揮官でなければアラームを作動させることができませんでしたが,今回は一般兵士でも救援部隊を呼ぶことができ,指揮官を先に倒してもしばらくは敵が出現してきます。出現する地点にも工夫を加えていて,飽きが来ないチャレンジングな要素になったと思います。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [E3 2019]Co-opがとてつもなく楽しい「Wolfenstein: Youngblood」。開発者へのインタビューを掲載

4Gamer:
 それでは,最後にもう1つだけ。これからのウルフェンシュタインは,ジェスとソフの“ブラスコヴィッチ姉妹”のストーリーになっていくのでしょうか? 例えば1990年代になると,もうB.J.は還暦を越えているくらいの年齢ですよね。

グスタフソン氏:
 遥かに越えちゃっていますね(笑)。今の時点で次回作についてはお話できませんし,何も考えていませんが,話を巻き戻すこともあり得ますし,いろいろできると思います。そもそも,B.J.は首から下は人造人間みたいなものですから,年齢なんて関係ないですね(笑)。

4Gamer:
 確かに(笑)。まずはB.J.の消息を確かめるべく,「Wolfenstein: Youngblood」をしっかりとプレイしたいと思います。本日はありがとうございました。

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 「Wolfenstein: Youngblood」はインタフェースと字幕が日本語化される予定で,北米でのPC版の価格は29.99ドルと,手頃な設定になっている。だからと言って,決して手を抜いて作られたわけではなく,今回のインタビューからも分かるように,Co-opプレイを主軸にさまざまな試行錯誤や新要素が練り込まれた作品になっていると感じた。

「Wolfenstein: Youngblood」公式サイト

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