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印刷2018/06/15 13:42

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[E3 2018]「Ori and the Will of the Wisps」は,進化したアクションと手描き風のグラフィックスで,面白さはOri紙付き

 「ファンタスティックでアートフルな描き込み系グラフィックス」と「死にゲーよろしくの硬派なアクション性」が刺激的なコントラストを生み出していたアクションゲームの傑作,「Ori and the Blind Forest(オリとくらやみの森)」の続編「Ori and the Will of the Wisps」PC/Xbox One)が,2019年にいよいよ登場する。
 E3 2018会場では,最新ビルドを使った実機プレイを開発者らが披露してくれたので,その模様をお伝えしたい。

「Ori and the Will of the Wisps」公式サイト



剣術アクションとワイヤーアクションが搭載された新たなOri!


 プレゼンテーションをしてくれたのは,パブリッシャであるMicrosoft側のプロデューサーMark Coates氏と,デベロッパであるMoon StudiosのテクニカルディレクターGennadiy Korol氏だ。

 Coates氏は「前作に比べて,Ori and the Will of the Wispsで大きく変革されたポイントは3つある」と述べ,「この3つを知ってから公開されている映像を見ることで,新たなOriがどういうゲームなのかを理解してもらえると思う」と加えて,さっそく実機プレイを開始した。

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 続編も,移動とジャンプを繰り返す2Dプラットフォームアクション(足場を飛び渡っていくことを基本としたアクション)で,小動物のように尻尾を揺らして走る,主人公Oriの可愛らしい振る舞いと,人間のような二足歩行を織り交ぜた独特な魅力は本作でも変わらない。

 さて,3つの変革ポイントのうち最初に紹介されたのが,「新たな戦闘システム」だ。
 本作のOriは,序盤から剣術アクションが使えるようになった。バシュッっと敵を切りつけるアクションは,接近戦はもちろん,飛びかかってくる敵に対しても撃退が可能な「万能性の高い武器」(Coates氏)とのこと。

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 続いて紹介されたのは,ワイヤー付きのアンカーを撃ち出してさまざまな対象に引っかける,「グラップルアクション」だ。驚いたことに本作のOriは,序盤からターザンのようにスイングして遠方に飛び移るというアクションが可能になっている。
 Coates氏はさらに,これらの新アクションをコントローラの[B][X][Y]ボタンに自由に割り当てられるようになったと続けた。例えば[X]をグラップル,[Y]を剣術アクションに割り当てることができるということだ。ちなみに[A]には,必ずジャンプボタンが割り当てられるという。

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 「グラップルは移動の手段だけではない。剣術と組み合わせることで,格闘ゲームのようなコンボ攻撃ができるようになった」とCoates氏は続ける。プレイを担当したKorol氏は,離れたところにいる敵をアンカーで引き寄せ,そのまま突き刺したり,切りつけて吹き飛ばした敵を再び引き寄せて追撃したりなど,かなり派手なコンボを見せてくれた。
 Coates氏によれば,本作のアクションは,「踊るように攻撃する」(Attack like Dancing)ことができるようにデザインしたそうだ。


ゲーム性を拡張する穴掘りアクション!


 3つめが,本作ならではのアクション「穴堀り」(Burrow)だ。
 砂地に限られるが,まるで水中を泳ぐイルカのように,地中を掘り進めるようになったのだ。自在に方向を転換したり,加速したりする様子は「掘っている」というよりは,まさに「泳いでいる」といった印象だった。

 この穴掘りアクションによって,ゲームには3つの広がりが付け加えられる。
 1つめは,これまで単なる背景でしかなかったゲーム世界の一部が,探索可能な領域に拡張されることだ。砂壁の向こうに別の世界が広がっていたり,大地の奥底にシークレットアイテムが隠されていたりするという。

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 2つめは,ジャンプアクションが拡張されること。砂地に潜った状態でダッシュ(加速)すると,速度を増して地中を掘り進むことになるが,この状態で地面から飛び出すと大ジャンプになる。したがって,前作では障害でしかなかった「踏むと崩れる砂の足場」も,この穴掘りにより,大ジャンプの踏み台として活用できるようになるわけだ。プレイ担当のKorol氏は実際に,「崩れて消える砂の足場」を巧みに活用した連続大ジャンプを見せてくれたが,かなりトリッキーな操作を要求されるようではあった。コアなアクションゲームファンにとって,挑戦しがいのある操作になりそうだ。

 3つめは,攻撃手段として活用できること。地面に潜って,上を歩く敵に対して飛び上がり攻撃が行えるのだ。Korol氏が見せてくれたのは,トゲトゲ付きの甲羅を持ったカメのような敵の攻略だった。このカメ,剣術アクションをお見舞いしても,甲羅が固くて全然効いていない様子だったが,おもむろに地面に潜り,真下から飛び上がり攻撃をすれば,あら不思議,一瞬で倒せてしまった。カメの弱点は,柔らかい下腹部だったのだ。
 穴掘り+ダッシュと組み合わせれば,ド派手なコンボも狙えるだろう。

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4K解像度に対応して,グラフィックスも進化


 グラフィックスは前作同様の手描き風のもので,フレームレートは“60fps死守”で設計されている。さらに,描画に3Dグラフィックスパイプラインを採用していることもあり,前作では実装していないリアルタイムの物理挙動なども盛り込まれている。

 例えば,吊り橋のような足場でOriが小刻みにジャンプを繰り返すと,足場を支えている綱や,縄でできた手すりがバネのような挙動で細かく動く。これは,物理シミュレーションベースの実装とのこと。また,Oriが棒状の足場に飛び移ると,反動で棒が左右に揺れるのだが,前作ではその動きのアニメーションパターンを用意していたのに対して,本作では物理シミュレーションの結果として60fpsで揺れるという。

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 これ以外にも,Oriのアクションなどで画面に閃光が走ると,背景がそれに影響を受けて動的に光るのだが,こうした表現を,3Dグラフィックス的なライティングではなく,あらかじめ設定された「Oriの放つ閃光」と,「その光を受けて背景がどう光るのか」というパラメータを組み合わせたカスタムシェーダによって実現しているらしい。つまり本作のグラフィックスは,背景の描き込みだけでなく,動的なライティングまでアーティストがハンドメイドで設計したといえる。プレイしたときに,そのシーンに出現した光が背景にどういう影響を与えるのかを観察すると面白そうだ。

 本作のゲームエンジンには「Unity」が採用されており,グラフィックスは4K対応。PCおよびXbox One Xでは4Kグラフィックスが楽しめる。日本での展開も予定されているようなので,続報を楽しみに待ちたい。

プレゼンテーションを行ってくれたMark Coates氏(右)と,Gennadiy Korol氏(左)
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