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「FIFA 19」の世界大会「CONTINENTAL CUP 2018」,日本からはナスリ選手が進出。日本代表選考会をレポート
今回の大会は,世界大会「CONTINENTAL CUP 2018 Presented by PlayStation」への出場権を懸けたもの。5月に開催された「明治安田生命eJ.LEAGUE」の決勝ラウンドに出場した選手から10名が選抜され,トーナメント方式で競い合った。
世界大会は,フランスでのParis Games Weekの会期中(現地時間10月26日〜28日),場内のPlayStationブースにて実施される。参加選手は世界各国から集まった32名で,優勝者には賞金のほか,「EA SPORTS FIFA19 Global Series」のポイントが与えられ,2019年7月より行われる「FIFA eWorld Cup 2019」に出場する足がかりとなる。また,現実のサッカー大会「UEFA Champions League」決勝戦にも招待される。つまり日本代表に選ばれるということは,eスポーツ選手としての大きなチャンスや,世界最高峰のサッカーをじかに観覧する機会に近づけるというわけだ。
この日の選手たちは,試合に勝つ精神力だけでなく,新システムへの適応も求められることとなった。というのも,FIFA 19は2018年9月28日に発売されたばかり。シュートの際にタイミング良くボタンを追加入力することで精度を上げられるが,失敗すると逆に精度が落ちる「タイミングフィニッシュ」,チームの戦術を細かく調整できる「ダイナミック戦術」といった新システムが加わっている。体験版がリリースされた9月13日から数えても1か月で新システムに適応しなければならないわけで,この辺りはeスポーツならではの試練と言えるだろう。
10人の選手が集った日本代表選考会は,5人総当たりのリーグ戦が予選として行われ,上位のナスリ選手,fantom選手,かーる選手,マイキー選手の4人が決勝トーナメントに進むこととなった。
決勝トーナメントはホーム&アウェイ,つまり同じチーム構成で「1st leg」「2nd leg」を戦う方式で,合計得点が多い側が勝利となる。同点だった場合はアウェイ戦におけるゴール数で判定される。また,今回はどの選手も能力が85で固定され,いわゆる「総合85モード」での大会となっており,身長や体格,軸足はゲーム内選手のスペックが反映される仕様上,体格の良い選手に恵まれたベルギーやイングランドを選択する選手が多かった。
決勝トーナメントに出場した選手達は,「タイミングフィニッシュ」「ダイナミック戦術」といった新システムを駆使し,ハイレベルな試合を展開していた。
選手の能力は85で固定される「総合85モード」。但し,身長や体格,軸足といったデータは選手それぞれのものが反映される |
決勝戦に進出した選手たち。左から,fantom選手,ナスリ選手,マイキー選手,かーる選手 |
準決勝第1試合はナスリ選手(ベルギー)対fantom選手(イングランド)。予選リーグを無敗で抜けたナスリ選手は2戦合計5-4(3-2/3-2)で危なげなく勝利した。
準決勝第2試合はマイキー選手(ベルギー)対かーる選手(フランス)。これは「明治安田生命eJ.LEAGUE」の準々決勝と同じカードで,そこではマイキー選手がゴール近くのボールを処理しようとした際にオウンゴールをしてしまっての2-1で敗れている。普通なら苦手意識を抱いて萎縮してしまいそうなものだが,マイキー選手は果敢に攻め込むハートの強さを見せ,1st legは4-2,2nd legは2-2でリベンジを果たした。
1st legではナスリ選手は開始直後から猛攻を見せたうえ,マイキー選手にシュートを許さず3-0で前半戦を終える。後半戦ではマイキー選手もなんとか1点を入れるが,ナスリ選手がリードを崩さず4-1で勝利した。
続く2nd legでは,ナスリ選手がガッチリと守ったうえで,ダメ押しの得点を入れて2-0で前半を終了。後半戦で勢いに乗ったナスリ選手は,ゲーム内の10分ごとに得点するという怒濤の攻撃で5-1の圧勝。結果,ナスリ選手が「CONTINENTAL CUP 2018」日本代表の座を全勝無敗で手に入れた。
試合終了後,ナスリ選手に合同インタビューを行ったので,その様子をお伝えして本稿の締めくくりとしたい。
――本日の試合を終えての感想をお願いします。
ナスリ選手:
結構な試合数を戦いましたが,無事に優勝できて嬉しいです。
――FIFA 19が発売されて間もない時期の選考会でしたが,練習するにあたって重視した点を教えてください。
ナスリ選手:
海外選手のプレイや発言を参考にしつつ,特に「タイミングフィニッシュ」を重点的に練習しました。
――海外選手のどういった点が優れていると考えていますか。
ナスリ選手:
言ってしまえば全てですね。日頃からレベルの高いプレイヤーと戦っていると思いますし,そこから得られた知識やプレイの選択などを見習うべきと思います。
――「FIFA eWorld Cup 2018」以降の練習ではどんな点を強化したのでしょうか。
ナスリ選手:
ディフェンスが弱点だったので,まずはここを強化しました。
――決勝戦ではかなり堅固なディフェンスをされていましたが,弱点の克服には成功したということでしょうか。
ナスリ選手:
ある程度克服できた,と思います。
――ナスリ選手は,他の選手から「かなり高い精度で仕上がっている」と評価されていましたが,新システムへの適応について,ご自身での評価を教えてください。
ナスリ選手:
自分は適応がそんなに早いわけではないので,練習量で勝負しました。
――新システムに適応するのは大変でしたか。
ナスリ選手:
結構大変でしたね。何が強いのかも分からないような状態でしたから,もの凄く頭を使わないと形にならないんです。
――では,今後さらに新作が出た場合,今回の経験を活かした効率化ができそうですか。
ナスリ選手:
そうですね。海外の選手なども参考にしつつ対応できればと思います。
――今後戦いたい海外の選手は誰でしょうか。
ナスリ選手:
戦いたくない選手はいますね(笑)。アルゼンチン代表のニコラス選手です。大会までの期間は短いですが,ニコラス選手を倒せる位にまで仕上げられたらなと思います(ナスリ選手は,「FIFA eWorld Cup Grand Final 2018」のグループリーグでニコラス選手に敗れている)。
――準決勝と決勝の自己採点はどれくらいでしょうか。
ナスリ選手:
準決勝は10点満点中の8点です。「コントロールシュート」を打たれる場面が多かったので,もっと警戒しないといけないと思いました。決勝は10点です。
――先日,イギリス在住のプレイヤーを対象とした「ePremier League」の開催が発表されました。ビザを取得すれば日本人でも参加できるはずですが,こうした大会へ参加する意志はありますか。
ナスリ選手:
出たいとは思っていますね。プレミアリーグは一番の憧れですから。ただ,ビザを取るところまでは考えていません。
――「FIFA eWorld Cup 2018」ではコーチを付けた選手が好成績を修めていますが,ナスリ選手がコーチを起用する考えはありますか。
ナスリ選手:
コーチを付けたいとは思っていますが,具体的な話は決まっていません。
――パリの「CONTINENTAL CUP 2018」への自信のほどを聞かせてください。
ナスリ選手:
既に出場を決めている選手が強い方ばかりなので,試合を通して勉強できればいいなと思っています。得られるものは必ずあるはずなので,日本に持ち帰りたいです。
――期待しています。ありがとうございました。
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