プレイレポート
勇者さまーランドが本日開園! 南の島のテーマパークで繰り広げられるコメディRPG「WORK×WORK」プレイレポート
主人公となるのは,何をやってもうまくいかない,労働意欲の低いダメバイトの「ポチ夫」。そんなポチ夫がアルバイトとして働く勇者さまーランドに,王位継承権1位から18位に落ちてしまったエルリック王子,通称「18」がやって来るところから物語が始まる。
18の目的は,勇者さまーランドにいる「魔王」を倒して,王位継承権1位の座に返り咲くこと。しかし,本来はアトラクションに過ぎない勇者さまーランドに,本物の魔王がいるはずもない。なぜか18に気に入られてしまったポチ夫は,上客である王子の機嫌を損ねないため,仕方なく話を合わせて18をツアーに案内することに……。
4Gamerでは,本作のプロデューサーを務めるフリューの山中拓也氏とグラフィックスを手がけた今川伸浩氏へのインタビューを掲載しているが,今回はそのプレイレポートをお届けしよう。
レジェンドクリエイターが名を連ねる「WORK×WORK」はどんなゲームに仕上がったのか。山中拓也プロデューサーとグラフィックスの今川伸浩氏に聞いた
フリューが2018年10月4日に発売予定のNintendo Switch用ソフト「WORK×WORK」。これまでも数多くの名作を手がけてきたスタッフ達が「今,作りたいRPG」を目指して開発したという本作について,プロデューサーの山中拓也氏と,グラフィックスの今川伸浩氏に話を聞かせてもらった。
「WORK×WORK」公式サイト
福利厚生が最悪の勇者さまーランドで,お客様のお手伝い
勇者さまーランドのインストラクターとして働いているポチ夫の仕事は,ランドに遊びに来たお客様(勇者さまーと呼ぶ)をツアーに案内し,バトルの手助けをして,ダンジョンを攻略すること。勇者さまーランドでは,インストラクターごとに誰を担当するかが決まっており,ゲームを進めると個性豊かなキャラクターが,ポチ夫担当の勇者さまーとして登場する。
大まかなゲームの流れは,そんな勇者さまーから4名を選んでツアーに出発するというもの。ツアーによっては,必ず参加する“ご指名”の勇者さまーもいるが,誰を連れていくかは基本的に自由だ。勇者さまーには「せんし」や「ヒーラー」など,それぞれ希望のロール(役割)があるので,バランスのいいパーティ編成を心がけよう。
ツアーを有利に進めるために,勇者さまーにはポチ夫が自腹で購入した武器をレンタルすることができる。武器ごとに属性や使えるスキルが異なるので,ダンジョンに出現するモンスター(という名の従業員)に合わせて選んであげるといいだろう。また,これまたポチ夫が自腹で購入した回復アイテムなどをポーチに入れて持って行けるので,出発前に身銭を切ってしっかり準備しておこう。
ツアー中は,バトルやイベントなどが設定されたダンジョンパネル上を1つずつ進行していく。バトルは勇者さまーが自分で判断して行動するオートバトルとなっており,ポチ夫はそれを見守りつつ,要所で作戦の変更を指示したり,回復アイテムを使ったりして,勇者さまーをサポートしてあげるのだ。バトルに勝利すると宝箱が出現することがあり,おたからを入手できる
おたからはポチ夫が持ち帰ってもいいが,勇者さまーにあげると満足度が上がり,それに応じてツアー終了後にもらえる報酬もアップする。ツアーの最後に登場するボスを見事倒すことができれば,ダンジョンクリアだ。勇者さまーにレンタルする武器には耐久度があり,運が悪いとツアー終了時に壊れてしまって赤字になることも。もちろん,誰も弁償してくれないので,もう一度自腹で買い直すしかない。なんてヒドイ職場だ!
勇者さまーは,バトルに勝利すると手に入る「モンコイン」を集めることでレベルアップし,少しずつ強くなっていく。基本,見ているだけのオートバトルなんて楽勝じゃん! と思う人もいるかもしれないが,中盤以降はしっかりレベルを上げていかないと,苦戦すること間違いなしだ。
また,勇者さまーのツアー満足度に応じてもらえる「イイネ」が一定量に達すると,ポチ夫自身のインストラクターレベルが上がり,ポーチのスロット数が増えたり,バトル中の割り込みアクション使用後の待機時間が減少したりする。勇者さまーは一緒にツアーをこなすことで「なかよし度」が上がり,サブクエストが発生したり,キャラスキルが強化されたりするので,何度もツアーに挑戦して,ポチ夫と勇者さまーを鍛えよう。
楽しく笑ってちょっぴり泣ける,それでいて不穏な独特の世界観
ラバーストラップのようにグネグネと動く可愛らしいドット絵と,陽気で楽しい音楽が魅力的な本作だが,何よりも楽しいのは,次々と登場するヘンテコなキャラクターだ。どう見てもラッコなのに,ラッコ扱いされると全力で否定する「ラッコ先輩」や,犬のくせに18よりも上位の王位継承権17位を持つ「ぷっぷ」など,設定を見ただけで思わず吹き出してしまうキャラクターがてんこ盛りだ。
キャラクター同士の掛け合いも楽しく,中でも18の王位継承権が下がってから,やたらと絡んでくるようになった第16王子の「メル」と18の茶番劇は,筆者のお気に入り。こう書くとメルが嫌味なヤツのように思われるかもしれないが,そんなことはなく,18は18でわがままなだけの人間ではないことが,少しずつ分かってくる。物語を進めるにつれ,どのキャラクターにもどんどん愛着が湧いてくるのだ。
一方のポチ夫は基本的に3択(ときどき2択)でしか話さないため,その胸の内ははっきりとは分からないが,母親から届いた手紙を読んだときにはホロリとさせられた。こんなのズルいよ……。
しかし,一見するとほんわかしており,たまにちょっとイイ話もある勇者さまーランドだが,その裏には大きな秘密が隠されており,それが何かの拍子に見え隠れするのがなんとも怖い。どうやらそれは,18が探している“本物の魔王”と関係がありそうなのだが,先の読めないストーリー展開にハラハラさせられる。
ユーモアにあふれた世界観と油断のならないストーリーが絶妙にブレンドされた「WORK×WORK」。子供向けのように見せかけて,実は大人のほうがより深く味わえそうな,独特で唯一無二の風情を持ったゲームに仕上がっている。興味を持った人は,ぜひ遊んでみてほしい。マスコットの「ウミウシちゃん」も,あなたのご来園をお待ちしています。キュピーッ!
「WORK×WORK」公式サイト
- 関連タイトル:
WORK×WORK
- この記事のURL:
(C)FURYU Corporation.
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