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ナツメアタリが開発を手がける新感覚ガンシューティング「GunArena」,プレイレポート&開発者インタビュー。エアソフトガンを軸に,新しい“大人の遊び”を目指す
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印刷2018/08/08 17:50

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ナツメアタリが開発を手がける新感覚ガンシューティング「GunArena」,プレイレポート&開発者インタビュー。エアソフトガンを軸に,新しい“大人の遊び”を目指す

画像集 No.018のサムネイル画像 / ナツメアタリが開発を手がける新感覚ガンシューティング「GunArena」,プレイレポート&開発者インタビュー。エアソフトガンを軸に,新しい“大人の遊び”を目指す
 ナツメアタリとタイトーの共同開発によるアーケード向けの新作ガンシューティング「GunArena」ロケーションテストが,2018年6月8日から7月1日にかけ,関東8か所のプレイスポットで開催された。

 BB弾を発射できるエアソフトガン――いわゆるエアガンを使い,ターゲットを実際に“撃つ”ことができるタイトルということで,光線銃タイプのこれまでのガンシューティングとは一味違ったプレイフィールが楽しめる同作だが,一体どのような経緯で生まれたタイトルなのだろうか。
 ロケテストでのお披露目からは少々時間が経ってしまったが,ロケテスト後のタイトーにて,開発を担当したナツメアタリの内 剛氏に話を聞いてきたので,その模様をお届けする。ロケテストの様子も合わせてレポートしているので,合わせて読んでいただければ幸いだ。


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「GunArena」公式サイト



“マイガン”の持ち込みにも対応し,安全面も考慮された「GunArena」


 まず,ゲームの概要について紹介していこう。
 先にも述べたとおり,本作はBB弾を射出するエアソフトガンを使ったガンシューティングだ。設置店舗には,推奨のエアソフトガンが用意されており,通常はそれを借りてプレイすることになる。今回用意されていたレンタル用のエアソフトガンは,東京マルイの電動ガン「グロック18C」を,本作向けにカスタマイズしたものとのこ。銃身の下にはセンサーを内蔵した大容量バッテリーがセットされていて,銃口がプレイ中のゲーム画面側を向いていないと,電源がカットされ撃てなくなる仕組みとなっていた。実際にBB弾が撃てるという内容だけに,安全性に配慮した設計といえる。
 マガジンはBB弾を100発装填できるロングマガジンを標準装備。店舗によって料金体系は異なるものの,レンタルする場合はこのマガジン単位で貸出し価格を設定しているところもあったようだ。なおこちらのガンは対象年齢が18歳以上となっている。

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公式推奨エアソフトガンのグロック18C。フルオート連射も可能だが,弾がすぐなくなってしまうのでオススメではないらしい
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ガンの中央にあるのがセーフティスイッチ。プレイ時はこれを上げるように画面で指示される
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センサーを内蔵したバッテリー。プレイ中の画面に向けているとき以外は電源が入らない
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ガン本体は無改造で,専用パーツにてカスタムしてある。銃身の下にはバッテリー用の端子が見える
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取り外したバッテリーは,ACアダプターで充電する。これは店舗側に向けた仕様だ
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マガジンはロングタイプが標準で,BB弾は100発装填可能。ゲームでは2gのBB弾を使用する

 そしてターゲットとなる筐体の側は,シンプルかつスリムなデザインだ。これはソフトダーツ機などと並べて設置することを想定したものといい,実稼働時はゲームセンターというより,ダーツバーなどを中心にした展開を想定しているそうだ。

 実際のプレイでは,55インチLCDディスプレイに映し出されたターゲットに向かってBB弾を撃つわけだが,普通のディスプレイでは当然ながら壊れてしまいかねないので,画面の手前に透明な跳ね返り防止材がセットされている。これにより,約2.4mの距離からパワーのあるエアソフトガンで撃っても衝撃が吸収され,スクリーン下に弾が落下する仕組みとなっている。なお落ちたBB弾は,回収口を通って筐体下側の受け皿に集められるとのこと。またこの跳ね返り防止材は,筐体の上下左右にもそれぞれセットされていて,極力周囲にBB弾が跳ばないように工夫が施されているとのことだった。

こちらがGunArena筐体。ソフトダーツ機のように,縦に細長い筐体だ
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写真では分かりづらいが,画面の前には透明な跳ね返り防止材が張られていて,当たったBB弾は下に落ちる仕組みだ
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上下に3か所ずつに設置されたセンサー。これでBB弾がヒットした位置を読み取る
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パネルにはセレクトボタンとOKボタンがある。モードの選択などに使用する
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コインシュートの左には,プレイの成績を保存するゲストカードと,そのQRコードを読み込むカメラがある
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写真中央の黒い部分が,ガンのセンサーの受光部。ゲームプレイ中にはこれがONになり,射撃が可能になる
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筐体の下には毛足の長いマットが敷かれ,こぼれたBB弾が転がらないように配慮されている

 プレイにあたっては,規定のクレジットを入れて初回プレイ時に配布される専用のゲストカードを読み込ませればスタート。ロケテストバージョンでは5種類のゲームモードが用意されていて,選択すると必要となるBB弾のおおよその数が,スタート時に表示される形となっていた。それぞれ紹介していこう。

ブルズアイ

 画面のランダムな場所に現れる大小のターゲットを撃って合計スコアを競うモード。ターゲットは中心に近いところを撃つほど点数が高く,中心に当たれば10点の「ブルズアイ」となる。規定のラウンドで高得点を取ると,ボーナスラウンドが追加となる。射撃の正確さがポイントとなる,競技性の高いゲームといえる。推奨BB弾数は約20発だ。

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スコアアタック


 リアルなフィールドに次々と人型のターゲットが現れ,それを撃って得点を競うモード。高得点が取れるポイントがターゲットによって変化するほか,ターゲット自体が動いているものもあって難度は若干高め。ゲームとしてはオーソドックスなものだが,エアソフトガンを使うとなれば話は別。本作ならではの体験といえる。推奨BB弾数は約100発だ。

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クラッシャー


 画面に表示されるボトルやグラスなど,壊れるターゲットをどんどん壊してクリア時間を競うモード。すべて壊すと次の画面が表示される。ターゲットには複数が積まれた状態のものもあって,撃ち方次第では一気に両方壊せるといった戦略性もある。ターゲットが壊れるエフェクトや音が激しいので,ギャラリーウケするモードかもしれない。推奨BB弾数は約100発だ。

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ミッションファイト


 2〜4人まで参加できるマルチプレイモード。画面に表示されるミッションに従って,交代しながらターゲットを狙っていく。ミッションは,例えば「ピンク色を狙え」とか「8点以下に当てろ」といった感じで,ゲームを重ねるごとに難しくなっていく模様。3回ミスしたプレイヤーが負けとなり罰ゲームを受ける。推奨BB弾数は約60発で,ゲーム展開次第だが,1マガジンあれば4人でプレイできそうだった。

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ゼロワン301&501


 ダーツの「ゼロワン」のルールで,画面に表示されるダーツボードを撃って,合計点数を301点もしくは501点にピッタリ合わせる,という対戦モード。撃つと点数が引かれていき,残り点数をオーバーするとバーストになって,やり直しとなる。先に規定の点数をピッタリ出したプレイヤーの勝利。推奨BB弾数は約60発だ。

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 なお「ミッションファイト」と「ゼロワン301&501」は,パーティーゲームを想定したゲームデザインで,ゲームの敗者となったプレイヤーには「恋ばな」「もう1品オーダー」「変顔」といったペナルティを選択するルーレットが用意されていた。

 ゲームをプレイしてみて感じたのは,弾を撃ち出したときに反動を感じるのが新鮮……なのはエアソフトガンだから当然としても,着弾時にちゃんとエフェクトが出るというところは,ちょっとした驚きだった。ガンシューティングとしては,これも当たり前の演出ではあるものの,反動を感じてからわずかなラグを挟んでエフェクトと効果音が現れる。些細なことながら,光線銃タイプのガンシューティングとの大きな違いと言えるだろう。
 さらに店舗によっては,自前のエアソフトガンの持ち込みを許可しているところもあり,“マイガン”でプレイできるというのも新しい。あとで聞いた話によれば,着弾の判定は跳ね返り防止材の上下に取り付けられたセンサーで行われているそうで,対応できるエアソフトガンの幅はかなり広そう。つまり銃としての性能は使用するエアソフトガン依存というわけである。


 気になったところで言えば,撃った弾の数はちゃんと自分で把握しておく必要があるところだろうか。残弾数が表示されるわけもなく,うっかりしているとプレイの途中で弾切れになってしまうことも。
 筆者が訪れたロケテスト会場の1つ「ASOBIBA 秋葉原フィールド」では,来場者もサバゲーファンが多いためか,マガジン交換も含めて楽しんでいたようだったが,客層の違うダーツバーなどの場合は,注意が必要そうだった。
 ちなみにゲームプレイにおけるスコア保存には,初回プレイ時にもらえるゲストカードに保存される。ロケテストでは,何種類かのデフォルトネームが設定済みのカードが用いられ,成績のみが保存可能だったが,実稼働時にはスマホの専用アプリで名前を登録し,成績やランキングが確認できるようになるという。
 個人的な感想としては,画面やアプリだけではなく,プレイしたその場で結果がプリントアウトされる形なら,かなり盛り上がる気がするのだ……皆さんはいかがだろうか。


新しい大人の遊びを目指して――「GunArena」開発者インタビュー


 ここからは,本作の企画と開発を担当したナツメアタリの内 剛氏へのミニインタビューをお届けする。いわゆるゲームセンターのゲームとはちょっと毛色の違う本作は,どのように生まれたのか。話を聞いてみた。

ナツメアタリ GA事業本部 AM開発室 マネージャの内 剛氏
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4Gamer:
 ロケテストを終えてみて,プレイヤーからの反応はいかがですか。

内 剛氏(以下,内氏):
 おおむね好評でホッとしています。とくに秋葉原のASOBIBAさんのように,ガンを持ち込んでプレイできたスポットでは,腕試しができることを喜んでいただけたようでした。サバイバルゲームって,撃たれたときは自己申請するものなんですけど,この部分ってゲーマーとしてはいささか不完全というか,マイナスに感じる部分なんだそうです。「GunArena」なら自分の射撃スキルを一目瞭然に示せますので,その点を評価いただいた感想が多かったですね。

4Gamer:
 ああ,なんとなく分かる気がします。

内氏
 ええ。現役のゲーマーの皆さんにプラスの評価をいただけたことは,とても励みになりました。一方で,ダーツバーのような店舗では,ダーツとはまたちょっと違う遊びとして,エアソフトガンを使うこと自体に新鮮さを感じるという声をいただきました。

4Gamer:
 なるほど。ところで,この「GunArena」はそもそもどういった経緯で企画されたタイトルなのでしょうか。

内氏:
 元々の企画は,エアソフトガンを撃ったときの反動の手触りと,弾がターゲットに命中したときの爽快感を手軽に味わえないかという,単純な動機から生まれたものでした。ですが,ナツメアタリはソフトウェア開発の会社ですし,筐体を作るようなノウハウは持っていなかった。この企画の場合,安全性にも配慮する必要がありましたし,そこでアーケードの老舗であるタイトーさんにご協力をお願いすることにしたんです。

4Gamer:
 今回のロケテストは,一般的なゲームセンターではなく,ダーツバーやサバゲーフィールドが会場として選ばれていますが,これは元からそういう狙いなのですか?

内氏:
 はい。主に考えているのはダーツの市場です。ソフトダーツは需要はあるはずなのに,なかなか新商品が出てこない市場で,そこに本作を投入してみようと考えました。
 またサバイバルゲームに興味はあるけど,装備を整えるのはハードルが高いという層が一定数いて,そういう人達に向けたタイトルでもあります。もっと気軽にエアソフトガンに触れてもらい,さらにゲームとして遊べるものを。最近は「サバゲー女子」のような女性ファンも増えていますから,そういったところにアプローチできたらいいなと。

4Gamer:
 ロケテストでも,女性プレイヤーの姿はちらほら見かけましたね。

内氏:
 ええ,中には男性よりうまい方もいて。ダーツは投げるのに腕の筋力が必要なので,女性は男性に比べて不利な面がありますが,エアソフトガンは純粋に射撃センスの勝負です。そういう意味では対等に勝負ができます。

4Gamer:
 店舗からの評判はどうだったのでしょうか。ロケテストでは,遊び方を案内してくれるオペレーターさんがついていたようですが,稼働時もこの形ですか?

内氏:
 いえ。今回はロケテストということであのような形になりましたが,製品版では基本的に店舗側にお任せしたいと考えています。ただ,店舗によっては負担になるケースもあると思いますので,できるだけ軽減する工夫は必要だと思っています。ロケテストの実施店舗からは幸いにもご好評をいただいていまして,価格設定になどにもよりますが,導入を前向きに考えてらっしゃる店舗さんもあるようでした。

4Gamer:
 貸出用のエアソフトガンは,東京マルイさんのグロック18Cでしたが,これを選ばれた理由は。

内氏:
 貸出用のガンとして適切なものをと探していくうちに,辿り着いたのが東京マルイさんの製品だったんです。無改造で安全装置を付けることができましたし,東京マルイさん側でも,安全なエアソフトガンに力を入れているということで,全面協力していただけることになりました。

4Gamer:
 安全性という意味では,BB弾の跳ね返り防止機構が良くできていると感じました。あれは相当苦労されたのでは?

内氏:
 そうですね(笑)。とくに素材の選定に苦労しました。もっと粘着性がある素材も試しましたが,くっついた状態のBB弾にさらに次の弾が当たることで跳ね返ってしまい,ボツになりました。結果,現状の形に落ち着いたんです。

4Gamer:
 ロケテストでは5種類のモードが遊べましたが,これはどういう狙いだったのでしょうか。

内氏:
 最初は競技性の高い「ブルズアイ」と「スコアアタック」を考えていました。そこにもう少しカジュアルなものを,ということで「クラッシャー」が加わり,ダーツバーに置くことを想定して,ルールが共通の「ゼロワン」を用意した形です。

4Gamer:
 例えば,ライフルなどの長物に対応する予定はあるのでしょうか。

内氏:
 ガンの安全装置が約2.4m想定なのは,ソフトダーツ機と並べて置くことを前提にしているためで,長物で撃つこと自体は設計上問題ありません。ロケテストでも,一部の店舗では独自にロングレンジでの大会を開いていましたし。製品版で長物専用のルールを設けるかどうかは,対応できる店舗がどの程度あるかによって検討したいと思っています。

4Gamer:
 ロケテストでは店舗によっての料金設定が違いましたが,実稼働時にはどうなるでしょうか。

内氏:
 今回はいろいろな意見をうかがうために,それぞれ違う設定を試すことにしました。今後はタイトーさんと相談しながら標準価格を設定し,店舗にはその中から選んでいただく形になると思います。我々としても初めての試みですので,そこはしっかり考えていこうと思っています。

こちらは新小岩のダーツバー「L-Amuse」でのロケテストの様子。ここでは台自体はフリープレイで,別途エアソフトガン+マガジン(100発)のレンタルが300円(税込)という価格設定になっていた(別途入場料金が必要)。一方「ASOBIBA 秋葉原フィールド」はマイガンの持ち込みが可能で,その場合は1プレイ100円(税込)だったようだ
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4Gamer:
 稼働後は専用アプリがリリースされるとのことですが,どんな機能が予定されているのでしょうか。

内氏:
 まだ決定ではありませんが,ゲストカードを持っていなくても,アプリ内のQRコードをかざすことで,データを保存できるようにしたいと思っています。ほかはオンラインランキングの確認や,新規ステージ配信のお知らせなどですね。

4Gamer:
 最後に稼働に向けた抱負を聞かせてください。

内氏:
 我々としては,皆さんの銃の腕前を世界レベルで試せる場所を提供したい,という思いで開発しています。エアソフトガンを安全に楽しめる,新しい大人の遊びとして楽しんでいただけたらうれしいですね。ソフトダーツに取って代わるぐらいの気持ちで作っていますので,ぜひご期待ください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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