プレイレポート
「バトルフィールドV」,バトロワモード“ファイアストーム”の先行プレイムービー&レポートをお届け。BFらしさを残しつつバトロワに昇華
本モードはBFシリーズを手がけるDICEと,Criterion Gamesが共同で開発したものだ。4GamerはCriterion Gamesのスタジオに招待され,一足早く“ファイアストーム”をプレイできたので,そのインプレッションをお届けしたい。
なお,プレイムービーも撮影したのだが,In-Game Voice chatを利用していたため,サウンドはミュートしている。音がないので迫力は欠けるが,どのようなゲームかは分かると思うので見てほしい。
迫りくる火の手から逃げ延び勝利を目指せ
「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」の爆発的なヒットで,シューターゲームのジャンルの1つとして成立した“バトルロイヤル”。プレイヤーは何も持たずに広いフィールドに降下し,建物内など,さまざまな場所に落ちている武器や回復アイテムを集め,徐々に縮まっていく安全地帯の中で,最後の1人(あるいはチーム)を目指す,というゲームだ。
「バトルフィールドV」のバトルロイヤルモード“ファイアストーム”も,基本はそれらを踏襲しているが,本作ならではの要素も用意されている。
ファイアストームという名称は,安全地帯外のダメージを受けるエリア(「毒ガス」「パルス」「ブルーゾーン」などゲームによってその呼称は違う)が,炎に包まれていることから来ているようだ。つまりプレイヤーは迫りくる火の手から逃げながら,敵との戦闘を繰り広げていくことになるわけだ。
迫りくる炎というのはなかなか迫力がある。炎に飲み込まれた建物は,バラバラに破壊されるため「何やらヤバイ」という緊張感が生まれる。
実際は炎の中に入っても「継続的にダメージをくらう(ダメージ量は円の大きさによる)」だけなのだが,炎に「恐怖」を感じるのは人間の本能なのだろうか。数あるバトロワゲームの中でも随一の演出だ。
マップは「Halvoy」という名称で,面積は既存マップの「Hamada」の約10倍と広大である。スタート時点で,すでに炎の円の範囲が決定している状態となっている。1つの広大なマップではあるが,試合ごとに利用できるエリアが異なる,というのは面白い要素だ。
なお,今回のプレイでは4人での分隊モードと,ソロモードが楽しめた。プレイ人数は最大64人,分隊なら16チームだ。
ファイアストームならではのシステム
熾烈な戦いを勝ち抜き,最後の1人を目指すバトルロイヤル。当たり前だが,戦い抜くための武器が登場する。基本的にはコンクエストなどにも登場する武器がベースとなっているが,「PUBG」や「Apex Legends」のようなアタッチメントの付け替えといった要素はない。
武器を含むあらゆるアイテムには「コモン」「レア」「エピック」というレアリティが設定されている。銃器なら「コモン」は何もカスタマイズが施されておらず,「レア」で照準器が搭載され,「エピック」はスコープ,拡張マガジンなどが装着されているといった具合だ。
プレイヤーは2つのメインウエポン,1つのサブウェポン,回復アイテム,グレネード,アーマー,バックパックを装備可能だ。「パンツァーファウスト」などのガジェット類はバックパックの大きさによって持てる量が異なるが,何もない状態だと2つまで所持できる。
プレイヤーの耐久力はアーマーとヘルスに分かれており,アーマーは装備によってゲージが変化する。被弾したアーマーはプレートを交換して耐久力を回復できる。ヘルスは注射を打って徐々に回復する方式で,移動しながらの使用も可能だ。
倒れた分隊員はコンクエストモードなどと同じように蘇生可能だが,ダウン中はピストルあるいは近接武器を使って最後の抵抗もでき,相手に一矢報いることができる可能性もある。ただ,本編と違いトドメをさせるようになっているので,効果的な抵抗もできず仕留められることの方が多そうだ。
車両搭乗中にやられた場合や,格闘戦におけるフィニッシュムーブの発動では「倒れる」という状態にならず,即死するようだ。
なお,マッチング時に兵科を選択可能だったのだが,見た目以外に兵科ごとの違いは分からなかった。
バトルロイヤルにおける戦車という存在
「バトルフィールドV」のバトルロイヤルモードには,本編と同じく多数の乗り物が登場する。農業用のトラクターから戦車,試作ヘリコプターまで17種類が用意されているようだ。
気になるのは戦車の存在だろう。バトルロイヤルのゲームではなかなか見られない,純粋な“兵器”が登場するわけで,少なくないプレイヤーが「歩兵で対抗できるの?」と不安に思っているはずだ。今回は戦車にも乗ってきたので,その所感をお伝えしたい。
戦車の入手方法は2つあり,1つはガジェットの「フレアガン」を使って飛行機に投下してもらう方法。トレイラーではIV号戦車がパラシュートでゆっくり降下しているシーンが見られる。シェリダンもびっくりだが,ゲームなのでそういうものと割り切ってほしい。
2つめはマップの特定ポイントにある「ビークルハンガー」で確保する方法だ。ハンガーの扉は閉ざされており,戦車を手に入れるには2か所のバルブを回して開けなければならない。
こちらは場所が固定されているうえに,バルブの操作中はすさまじく大きなサイレンが鳴り響くため,周囲に「いま戦車が取られてます!」と教えてしまう。
開けている最中に襲撃される可能性もあるし,戦車を手に入れたところを出口で待ち伏せされるパターンもある。いずれにせよ,強力な兵器を得るにはそれなりのリスクがあるのだ。
コンクエストモードなどでは1人で操縦手と砲手を兼任できた戦車だが,ファイアストームでは操縦手と砲手が分かれている。戦車はその種類によって搭乗可能人数が変わり,チャーチル重戦車だと操縦手,砲手,火炎放射器手,機関銃手の4名となっていた。
これは分隊モード時のものだ。ソロモードのときはあいにく戦車に搭乗する機会がなかったので,そちらも同じ仕様かはわからなかった。
その戦闘力だが,たしかに正面から相対した場合は強い。銃弾を跳ねのける厚い装甲のため,対戦車装備がない状態で出くわしてしまうと,どうしようもなくなるのは間違いない。とはいえ,対戦車装備である「パンツァーファウスト」は入手しやすいガジェットの1つであるため,対抗手段がないということは起こりにくいはずだ。
また弾薬のほかに「燃料」の要素も追加されている。コンクエストモードでは援護兵で修理できたが,ファイアストームでは被弾しても修理できないようだった。ただ,今回のプレイで見つけられていないだけで修理用のガジェットが存在するかもしれない。
戦車が強いのはあくまで「敵の来る方向がある程度分かっている場合」である。バトルロイヤルではその特性上,敵がどこからやってくるか分からないので,その真価を発揮しづらいと感じた。エンジンの轟音とその巨体で発見されやすいので,伏兵にあっけなくやられることも少なくない。
とはいえ,精鋭の分隊が搭乗すれば猛威を振るう可能性があるし,戦車の死角をカバーする随伴歩兵を展開するなど,運用次第ですさまじい戦闘力を発揮するポテンシャルは持っていると感じた。「バトルフィールドV」のバトロワにおける特徴的な要素であるだけに,そのバランスの調整には注目が集まりそうだ。
“パンツァーファウスト”がもたらす戦術の多様性
歩兵が戦車に対抗するためのガジェットであるパンツァーファウストだが,対戦車戦闘だけがその用途ではない。
「バトルフィールドV」の大きな特徴の1つとして,建物を含む破壊要素がある。パンツァーファウストは「破壊」を実行できるガジェットとしては入手しやすく,利用する機会は多いだろう。
コンクエストなどのリスポーン可能な戦場においては,建物の破壊はちょっとしたマップの変化でしかなかったが,「1度死ぬと終わり」なバトルロイヤルでは大きな要素だ。
「PUBG」では「あの建物をうまく使われると,ちょっとどうしようもないよね」という状況に陥りがちだが,ファイアストームではその建物ごと吹き飛ばし,状況を変えられる。戦術的にも生存戦略的にも,他のバトルロイヤルゲームとはひと味違う,面白い変化が見られそうだ。
もう1点大きいのは「対戦車」としてのパンツァーファウストだ。筆者がプレイ中,キューベルワーゲンに直撃させてみたら一撃で吹き飛んだ(もともとダメージを受けていた可能性はあるが)。
乗り物が登場するバトロワゲームでは,その機動力を生かした戦略・戦術が生まれているが,簡単にビークルを破壊しうるパンツァーファウストは脅威となるだろう。
ちなみに似たようなガジェットとして「対戦車地雷」「ダイナマイト」などがある。対人・対車両・対建造物と,プレイヤーのアイデア次第で,奇抜な利用方法も編み出されそうだ。
ファイアストームは「バトルフィールドV」の味を残しつつ,しっかりとバトルロイヤルとして昇華させている。正直に言わせてもらうと,どうせオマケ程度と思ってそこまでの期待はしていなかったのだが,出てきたものは他のバトルロイヤルゲームと比べても遜色ない完成度で,想像以上に楽しめた。
現在進行形で「バトルフィールドV」を楽しんでいる人はもちろん,ひと味違うバトルロイヤルが楽しみたい人にもお勧めだ。
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