ニュース
キャラクターが織りなす“音”のみのライブ「ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING “Sound Only Live DAY3”」のライブレポートが公開
本日(2020年6月15日),ブシロードが展開する「BanG Dream!」発のボーイズバンドプロジェクト「Argonavis」において,キャラクターが織りなす“音”のみのライブ「ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING “Sound Only Live DAY3”」のライブレポートが公開された。このライブは,6月14日に開催されたもの。本ライブは4月28日,29日に行われたDAY1とDAY2の好評を受けた追加公演で,新たなセットリストやボイスドラマによって構成された内容になっていたようだ。また,ゲストとして「風神RIZING!」のメンバーも登場している。
以下に掲載しているライブレポートでは,出演陣の台詞や動向,それぞれのシーンでの出来事などが事細かく記されているので,ライブに参加した気分になって読んでみてはいかがだろうか。
関連記事
あの熱いライブ体験を振り返ろう――「ARGONAVIS 3rd LIVE」DAY2のオフィシャルレポートが公開
2020年4月29日に実施された,「ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING "Sound Only Live"」DAY2のオフィシャルレポートが公開された。本ライブは,開催延期となった3rd LIVEにて予定していたセットリスト,演出をもとにキャラクターが織りなす“音”のみのライブだ。
「アルゴナビス from BanG Dream! AAside(アルゴナビス フロム バンドリ! ダブルエーサイド)」公式サイト
DAY.3 Argonavis×GYROAXIA GUEST: 神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
2020年6月14日、キャラクターが織りなす”音”のみのライブ「ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING “Sound Only Live DAY3”」が開催された。このライブは4月28日、29日に開催されたDAY1、DAY2の好評を受けた追加公演となる。
本稿ではゲストに『風神RIZING!』のメンバーを迎え、新たなセトリ&ボイスドラマによって構成されたライブの模様をレポートする。
蓮による会場アナウンスが終わると同時に、会場は暗転。
深紅のライトに切り替わると、激しい掻き鳴らしの中、ステージ中央には那由多を除くGYROAXIAメンバーの姿が。またたく間に会場は興奮に包まれ、最後に那由多がステージ後方からゆったりステージ中央につくと、新曲『LIAR』からスタート。ラップをする那由多とそれに従うメンバーが、目を離すことを許さないジャイロの世界を展開する。涼しい顔でレベルの高い演奏を披露するのが、GYROAXIAらしさだろう。
続いたのはカバー楽曲『狂乱 Hey Kids!!』。先日公開されたリリックビデオが背後に映し出される中、ステージに赤と青のスポットライトが降り注ぐ。
お馴染みとなったカバー楽曲『CORE PRIDE』を終えると、各メンバーはステージ上でライブへの意気込みを語った。
賢汰「この追加公演のステージでもGYROAXIAの音楽を客席に届けよう」
礼音「俺たちGYROAXIAの音楽、全部を感じて帰ってくれよな!」
涼「GYROAXIAなら、みんなを幸せにできると思う。うん、絶対だよ」
深幸「俺にみんなの声を聞かせてくれ!」
那由多「おい、準備はいいか……いくぞ、GYROAXIAの宣戦布告『MANIFESTO』」
という那由多の宣言から演奏された『MANIFESTO』は、これぞGYROAXIA、を存分に感じられる一曲だ。続く初めての披露となるカバー楽曲『Rage on』は、伸びやかな那由多の声が堪能できる秀逸なカバー。英詞の歌唱も難なくこなす彼の多才さに驚かされる。
続くのは憂いや切なさも感じられる声音で歌い上げる『REVOLUTION』。ラストのサビ前では「刻め、俺たちと生きる刻を」と宣言し、怒涛のように声を張り上げると歓声があがった。
ラストは「お前ら、こんなもんで満足か? まだ足りねぇ。魂に刻んでいけ」という宣告に、低いギターサウンドが重なる『SCATTER』。那由多の圧巻のシャウトを皮切りに、ギターの賢汰・礼音、ベースの涼が駆け、ステージ前面でパフォーマンス。正確な音を刻む賢汰と、ややアドリブを交えつつもライブ感で魅せる礼音と涼。それを深幸の揺るぎない迫力のリズムが支える様子はまさに王者の風格だ。ピックを投げるような仕草で飴を投げる涼の仕草だけがややコミカルか。会場のテンションが最高潮となったとき、爆発音とともにステージ上で火花が散る。那由多の宣言通り、驚きと興奮によって『魂に刻まれる』ライブとなった。
歌い終わった那由多が、もうここに用はないとばかりにステージを後にする姿は、もはや恒例となりつつある。他メンバーも演奏後はクールに立ち去る中、深幸だけは会場全体に礼をして、ゆっくりと去っていった。
GYROAXIAメンバーがステージから去ると、舞台袖から何やら声が聞こえてくる。風神RIZING!の若草あおいが、椿 大和と神ノ島風太の2人を見失って探し回っているようだ。3人の出番は迫っている。大和はようやく現れたものの、道に迷い、ライブ会場を一周してきたのだという。ついにステージから3人を待つ登場SEが響き、焦りが募るが、それでも風太は現れない……と思われたが、「よっしゃー!ライブ、間に合ったばい!おまたせ!」と元気に風太が戻ってきた。
あおいに叱咤されつつ、ようやく3人はステージへ。演奏されたのはカバー楽曲『HOT LIMIT』だ。夏を代表する有名楽曲だが、サックスとトロンボーンのサウンドによってフウライらしいカバー楽曲になった。
「俺んとこ来ないか?」という風太の台詞と共にスタートしたのはカバー楽曲『One Night Carnival』。他のバンドにはないアッパーな楽曲だ。両手を左右に振るパラパラを風太が繰り出すと、会場は笑顔でいっぱいに。あおいはわずかに苦笑めいた笑顔で、大和は無表情だが、彼なりにノリながら身体を揺らす。ラストのフッフー! というコーラスでは、会場の声もひとつになった。
そして保護者のような立場で2人を叱り飛ばすあおいは「フウライの音楽をめいっぱい楽しんでくださいね!」と挨拶。
大和は一見クールな表情で「ギター、椿 大和だ。……ほかに何を言えばいいんだ?」と、相変わらずマイペースに掴みどころがない。
そして風太による「次も全力で盛り上げていくばい! 騒いで叫んで笑って跳べ!」というアオリから、オリジナル楽曲『バンザイRIZING!!!』へ。長崎のご当地モチーフと共にカラフルな色彩がはじけるMVが流れる中、全員がステージ上を駆け回る。あおいは楽し気に、大和は荒削りではあるが、楽しげに弾んだギタープレイを見せる。容姿端麗なギタリストが演奏する姿に、女性ファンからは黄色い悲鳴も。「よかたい!」「いくばい!」という独特の「よかたいいくばいコール」では会場に笑顔が咲いた。
演奏が終わり、下手にハケる風太とあおいとは反対に、上手にハケていこうとする大和。どうやら間違っていたらしく、慌てた様子であおいが駆け寄り、上手へと引きずっていく。最後まで少々天然な様子に、会場からは笑い声があがった。
そして会場の照明が切り替わり、ステージ上ではボイスドラマが公開された。
DAY1、DAY2のライブを終えたArgonavisとGYROAXIAは打ち上げを合同でやることに。しかし深幸が予約した店は、なんとサブマリーナ。Argonavisの行きつけで、小規模ながらもライブ用機材を備えているライブカフェだ。マスターの厚意で貸し切りとなった店内で落ち着いた両バンド(※那由多不参加)は、結人の音頭によりソフトドリンクで乾杯するのだった。
ボイスドラマが終わると、ステージ中央にぼんやりと青いライトが落ちる。お馴染みとなった登場ミュージックの中、Argonavis5人が青く照らされたリフターからゆっくりと現れた。
一曲目はアニメ主題歌にもなっている『星がはじまる』。星を思わせる華やかなライトの中で蓮が高らかに歌い上げ、一気に会場の興奮は頂点に。メンバーの声が重なるコーラスでは、会場はそれぞれのカラーに染まった。
続くのは蓮の「On Bass 的場航海!」のふりから、航海がベースのソロプレイを魅せたのはカバー楽曲『メリッサ』。サビでは蓮が圧巻のロングトーンで会場を圧倒する。わずかにあどけなさを残しつつも力強い歌唱力を堪能できる一曲となった。
間断なく続いたのはライブでは初の公開となる『What-if Wonderland!!』。思わずダンスを踊りたくなるようなリズムの中、蓮・結人・航海がステージを跳ねる。結人の「飛べー!」のアオリに会場も縦ノリで応えた。
演奏を終えたメンバーはステージ上でライブへの意気込みを語る。
結人「最強に熱いライブにしようぜ!」
航海「またひとつ前に進んだArgonavisの演奏を皆さんにお見せします!」
凛生「今日も最高の景色を見せてくれてありがとう!」
万浬「絶対に楽しませて見せるから、俺たちのことちゃんと見ててね!」
蓮「今日も僕たちの全部を賭けて歌います! ……『Steady Goes!』」
蓮の「On Guitar 五稜結人!」のふりから結人のギターソロへ。お立ち台にのぼっての力強いプレイは、男性ファンが多いのも頷ける。続けて『ゴールラインへ』。1st LIVEから演奏され続けてきた思い出深い2曲に、アニメのストーリーを思い出し、感慨深くなったファンも多いのではないだろうか。映し出されたMVの夜空を背景にして、Argonavisはここはまだゴールじゃないと誓う。
そして再びボイスドラマパートへ。
打ち上げはArgonavisの結成にまつわる話題に。Argonavisの結成はこの春だった……という話題から、結人・那由多・礼音・賢汰が同じ高校に通っていたことや、賢汰が元はベースボーカルだったことなど、意外な事実が明かされる。そしてArgonavisは結人と航海が出会ったことがバンド結成のきっかけとなったこと、その後ボーカルを探す中で特撮の主題歌をカラオケで熱唱する蓮を見つけたことが語られる。
そこから、特撮が原作となったアニメの曲を両バンドで演奏しないか? という流れに。
ライブパートに戻り、両バンドメンバーの混合編成により、特撮を原作としたカバー楽曲『UNION』が演奏された。ギターは礼音と結人の元バンドメンバー、ベースは涼、ドラムは深幸、キーボードは凛生という構成。DAY1、DAY2でそれぞれ”CROSSING”を果たしたメンバーだけに息はぴったりだ。打ち上げで語り合い打ち解けたのか、メロディが伸びやかに響く。
再びドラマパートへ。
Argonavisの全メンバーが揃うまでの経緯が語られる傍らで、早寝派の蓮は眠そうだ。眠気を覚ますためと連れ立って外に出た蓮と万浬は、これまでの出来事を振り返る。蓮はArgonavisメンバーと出会ってからは初めて知ることばかりだったと思い返す。万浬は蓮が諦めずに自分をバンドに誘ってくれたからこそ今があるのだと語った
するとそのとき、打ち上げに参加していなかった那由多が通りかかる。賢汰に預けたままになっていたホテルのカードキーを取りに来たらしい。賢汰に夕食を勧められている那由多に構わず、両バンドメンバーはセッションをしようと盛り上がった。賢汰は那由多にこれ以上歌わないようと諭すが、それにより火がついた那由多は、蓮と共にマイクを取るのだった。
蓮のオーダーにより、『STARTING OVER』へ。本来は結人とのツインボーカルとなる楽曲だが、那由多と蓮の2人による歌唱となった。すべてを睨みつけ、挑むかのような那由多と、どこまでも楽しそうな蓮は鏡合わせのようだ。しかし『僕に勝てるのは僕だけ』『俺に勝てるのは俺だけ』と歌い上げる姿は、共通する確固たる芯も感じさせる。それに応え、二日間のライブを終えた他のメンバーも”限界を振り解く”音を全力で奏でた。
歌い終えたものの、蓮はまだまだ歌い足りないようだ。結人は自分のアコースティックギターにのせて歌うことを提案し、演奏されたのは『流星雨』。アニメでの光景を呼び起こす、しっとりした歌声が重なり2人の特別な絆を感じさせた。
2人が歌い終えると、そろそろサブマリーナは閉店の時間になっている。翌日の昼までGYROAXIAは函館にいるということで、航海と賢汰はランチを、礼音・涼・深幸は結人に五稜郭を案内してもらうことを約束する。蓮はライブの余韻と共に、Argonavisの仲間と歌い続けることを誓うのだった。
そして歌われたライブパートでは『AGAIN』と『雨上がりの坂道』の2曲を、蓮は名残を惜しむように大切に歌い上げた。そして会場へと「僕たちはまた会えます。僕たちArgonavisは、皆さんと未来を生きます!」と語り、他のメンバーも強く頷く。そしてライブでの演奏は初めてとなる新曲『Starry Line』が演奏された。これまで登場のバックミュージックとなっていたメロディが始まり、あっと驚いた人も多いだろう。蓮の歌とメンバー全員の演奏がつながり、ひとつの星座のような魅力を湛えた一曲だ。サビではステージ上からキラキラとした紙吹雪が舞い、あたかも満点の星空のようだった。
演奏を終えたArgonavisは横並びでステージに立ち、手を繋いだまま深々と礼。そしてメンバー全員で手を振りながら去っていった。
アンコールはArgonavis・GYROAXIA2つのバンドによる『AAside』。那由多と蓮による、3日間のライブの集大成となる音が会場を魅せる。”CROSSING”したことにより、お互いの演奏への理解が深まったことだろう。結人と礼音、賢汰や航海といった、やや因縁のある2人も、晴れやかな顔で音を紡ぐ。そして銀テープが会場に降り注ぐ中、全メンバーが感謝と次のライブへの想いを語り、去っていった。
楽曲もステージパフォーマンスも常に変化し続けるArgonavisとGYROAXIA。今後のライブに期待が高まる。またゲストとして参加した3バンドも、披露されたオリジナル楽曲は1曲のみでまだまだ魅力は未知数だ。これからの展開を期待して待とう。
出演
DAY3
Argonavis
七星 蓮(CV:伊藤昌弘)、五稜結人(CV:日向大輔)、的場航海(CV:前田誠二)、桔梗凛生(CV:森嶋秀太),白石万浬(CV:橋本祥平)
GYROAXIA
旭 那由多(CV:小笠原 仁)、里塚賢汰(CV:橋本真一)、美園礼音(CV:真野拓実)、曙 涼(CV:秋谷啓斗)、界川深幸(CV:宮内告典)
ゲスト
風神RIZING!
神ノ島風太(CV.中島ヨシキ)
椿 大和(CV.金子 誠)
若草あおい(CV.酒井広大)
【取材・文】鷹羽 知
DAY3セットリスト
01.LIAR(新曲)/GYROAXIA
02.狂乱 Hey Kids!!(カバー)/GYROAXIA
03.CORE PRIDE(カバー)/GYROAXIA
04.MANIFESTO/GYROAXIA
05.Rage on(カバー)/GYROAXIA
06.REVOLUTION/GYROAXIA
07.SCATTER/GYROAXIA
08.HOT LIMIT(カバー)/神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
09.One Night Carnival(カバー)/神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
10.バンザイRIZING!!!/神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
11.星がはじまる/Argonavis
12.メリッサ(カバー)/Argonavis
13.What-if Wonderland!!(新曲)/Argonavis
14.Steady Goes!/Argonavis
15.ゴールライン/Argonavis
16.UNION(カバー)/Argonavis
17.STARTING OVER/Argonavis×GYROAXIA
18.流星雨 Acoustic ver./Argonavis
19.AGAIN/Argonavis
20.雨上がりの坂道/Argonavis
21.Starry Line(新曲)/Argonavis
22.AAside/Argonavis×GYROAXIA
2020年6月14日、キャラクターが織りなす”音”のみのライブ「ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING “Sound Only Live DAY3”」が開催された。このライブは4月28日、29日に開催されたDAY1、DAY2の好評を受けた追加公演となる。
本稿ではゲストに『風神RIZING!』のメンバーを迎え、新たなセトリ&ボイスドラマによって構成されたライブの模様をレポートする。
蓮による会場アナウンスが終わると同時に、会場は暗転。
深紅のライトに切り替わると、激しい掻き鳴らしの中、ステージ中央には那由多を除くGYROAXIAメンバーの姿が。またたく間に会場は興奮に包まれ、最後に那由多がステージ後方からゆったりステージ中央につくと、新曲『LIAR』からスタート。ラップをする那由多とそれに従うメンバーが、目を離すことを許さないジャイロの世界を展開する。涼しい顔でレベルの高い演奏を披露するのが、GYROAXIAらしさだろう。
続いたのはカバー楽曲『狂乱 Hey Kids!!』。先日公開されたリリックビデオが背後に映し出される中、ステージに赤と青のスポットライトが降り注ぐ。
お馴染みとなったカバー楽曲『CORE PRIDE』を終えると、各メンバーはステージ上でライブへの意気込みを語った。
賢汰「この追加公演のステージでもGYROAXIAの音楽を客席に届けよう」
礼音「俺たちGYROAXIAの音楽、全部を感じて帰ってくれよな!」
涼「GYROAXIAなら、みんなを幸せにできると思う。うん、絶対だよ」
深幸「俺にみんなの声を聞かせてくれ!」
那由多「おい、準備はいいか……いくぞ、GYROAXIAの宣戦布告『MANIFESTO』」
という那由多の宣言から演奏された『MANIFESTO』は、これぞGYROAXIA、を存分に感じられる一曲だ。続く初めての披露となるカバー楽曲『Rage on』は、伸びやかな那由多の声が堪能できる秀逸なカバー。英詞の歌唱も難なくこなす彼の多才さに驚かされる。
続くのは憂いや切なさも感じられる声音で歌い上げる『REVOLUTION』。ラストのサビ前では「刻め、俺たちと生きる刻を」と宣言し、怒涛のように声を張り上げると歓声があがった。
ラストは「お前ら、こんなもんで満足か? まだ足りねぇ。魂に刻んでいけ」という宣告に、低いギターサウンドが重なる『SCATTER』。那由多の圧巻のシャウトを皮切りに、ギターの賢汰・礼音、ベースの涼が駆け、ステージ前面でパフォーマンス。正確な音を刻む賢汰と、ややアドリブを交えつつもライブ感で魅せる礼音と涼。それを深幸の揺るぎない迫力のリズムが支える様子はまさに王者の風格だ。ピックを投げるような仕草で飴を投げる涼の仕草だけがややコミカルか。会場のテンションが最高潮となったとき、爆発音とともにステージ上で火花が散る。那由多の宣言通り、驚きと興奮によって『魂に刻まれる』ライブとなった。
歌い終わった那由多が、もうここに用はないとばかりにステージを後にする姿は、もはや恒例となりつつある。他メンバーも演奏後はクールに立ち去る中、深幸だけは会場全体に礼をして、ゆっくりと去っていった。
GYROAXIAメンバーがステージから去ると、舞台袖から何やら声が聞こえてくる。風神RIZING!の若草あおいが、椿 大和と神ノ島風太の2人を見失って探し回っているようだ。3人の出番は迫っている。大和はようやく現れたものの、道に迷い、ライブ会場を一周してきたのだという。ついにステージから3人を待つ登場SEが響き、焦りが募るが、それでも風太は現れない……と思われたが、「よっしゃー!ライブ、間に合ったばい!おまたせ!」と元気に風太が戻ってきた。
あおいに叱咤されつつ、ようやく3人はステージへ。演奏されたのはカバー楽曲『HOT LIMIT』だ。夏を代表する有名楽曲だが、サックスとトロンボーンのサウンドによってフウライらしいカバー楽曲になった。
「俺んとこ来ないか?」という風太の台詞と共にスタートしたのはカバー楽曲『One Night Carnival』。他のバンドにはないアッパーな楽曲だ。両手を左右に振るパラパラを風太が繰り出すと、会場は笑顔でいっぱいに。あおいはわずかに苦笑めいた笑顔で、大和は無表情だが、彼なりにノリながら身体を揺らす。ラストのフッフー! というコーラスでは、会場の声もひとつになった。
そして保護者のような立場で2人を叱り飛ばすあおいは「フウライの音楽をめいっぱい楽しんでくださいね!」と挨拶。
大和は一見クールな表情で「ギター、椿 大和だ。……ほかに何を言えばいいんだ?」と、相変わらずマイペースに掴みどころがない。
そして風太による「次も全力で盛り上げていくばい! 騒いで叫んで笑って跳べ!」というアオリから、オリジナル楽曲『バンザイRIZING!!!』へ。長崎のご当地モチーフと共にカラフルな色彩がはじけるMVが流れる中、全員がステージ上を駆け回る。あおいは楽し気に、大和は荒削りではあるが、楽しげに弾んだギタープレイを見せる。容姿端麗なギタリストが演奏する姿に、女性ファンからは黄色い悲鳴も。「よかたい!」「いくばい!」という独特の「よかたいいくばいコール」では会場に笑顔が咲いた。
演奏が終わり、下手にハケる風太とあおいとは反対に、上手にハケていこうとする大和。どうやら間違っていたらしく、慌てた様子であおいが駆け寄り、上手へと引きずっていく。最後まで少々天然な様子に、会場からは笑い声があがった。
そして会場の照明が切り替わり、ステージ上ではボイスドラマが公開された。
DAY1、DAY2のライブを終えたArgonavisとGYROAXIAは打ち上げを合同でやることに。しかし深幸が予約した店は、なんとサブマリーナ。Argonavisの行きつけで、小規模ながらもライブ用機材を備えているライブカフェだ。マスターの厚意で貸し切りとなった店内で落ち着いた両バンド(※那由多不参加)は、結人の音頭によりソフトドリンクで乾杯するのだった。
ボイスドラマが終わると、ステージ中央にぼんやりと青いライトが落ちる。お馴染みとなった登場ミュージックの中、Argonavis5人が青く照らされたリフターからゆっくりと現れた。
一曲目はアニメ主題歌にもなっている『星がはじまる』。星を思わせる華やかなライトの中で蓮が高らかに歌い上げ、一気に会場の興奮は頂点に。メンバーの声が重なるコーラスでは、会場はそれぞれのカラーに染まった。
続くのは蓮の「On Bass 的場航海!」のふりから、航海がベースのソロプレイを魅せたのはカバー楽曲『メリッサ』。サビでは蓮が圧巻のロングトーンで会場を圧倒する。わずかにあどけなさを残しつつも力強い歌唱力を堪能できる一曲となった。
間断なく続いたのはライブでは初の公開となる『What-if Wonderland!!』。思わずダンスを踊りたくなるようなリズムの中、蓮・結人・航海がステージを跳ねる。結人の「飛べー!」のアオリに会場も縦ノリで応えた。
演奏を終えたメンバーはステージ上でライブへの意気込みを語る。
結人「最強に熱いライブにしようぜ!」
航海「またひとつ前に進んだArgonavisの演奏を皆さんにお見せします!」
凛生「今日も最高の景色を見せてくれてありがとう!」
万浬「絶対に楽しませて見せるから、俺たちのことちゃんと見ててね!」
蓮「今日も僕たちの全部を賭けて歌います! ……『Steady Goes!』」
蓮の「On Guitar 五稜結人!」のふりから結人のギターソロへ。お立ち台にのぼっての力強いプレイは、男性ファンが多いのも頷ける。続けて『ゴールラインへ』。1st LIVEから演奏され続けてきた思い出深い2曲に、アニメのストーリーを思い出し、感慨深くなったファンも多いのではないだろうか。映し出されたMVの夜空を背景にして、Argonavisはここはまだゴールじゃないと誓う。
そして再びボイスドラマパートへ。
打ち上げはArgonavisの結成にまつわる話題に。Argonavisの結成はこの春だった……という話題から、結人・那由多・礼音・賢汰が同じ高校に通っていたことや、賢汰が元はベースボーカルだったことなど、意外な事実が明かされる。そしてArgonavisは結人と航海が出会ったことがバンド結成のきっかけとなったこと、その後ボーカルを探す中で特撮の主題歌をカラオケで熱唱する蓮を見つけたことが語られる。
そこから、特撮が原作となったアニメの曲を両バンドで演奏しないか? という流れに。
ライブパートに戻り、両バンドメンバーの混合編成により、特撮を原作としたカバー楽曲『UNION』が演奏された。ギターは礼音と結人の元バンドメンバー、ベースは涼、ドラムは深幸、キーボードは凛生という構成。DAY1、DAY2でそれぞれ”CROSSING”を果たしたメンバーだけに息はぴったりだ。打ち上げで語り合い打ち解けたのか、メロディが伸びやかに響く。
再びドラマパートへ。
Argonavisの全メンバーが揃うまでの経緯が語られる傍らで、早寝派の蓮は眠そうだ。眠気を覚ますためと連れ立って外に出た蓮と万浬は、これまでの出来事を振り返る。蓮はArgonavisメンバーと出会ってからは初めて知ることばかりだったと思い返す。万浬は蓮が諦めずに自分をバンドに誘ってくれたからこそ今があるのだと語った
するとそのとき、打ち上げに参加していなかった那由多が通りかかる。賢汰に預けたままになっていたホテルのカードキーを取りに来たらしい。賢汰に夕食を勧められている那由多に構わず、両バンドメンバーはセッションをしようと盛り上がった。賢汰は那由多にこれ以上歌わないようと諭すが、それにより火がついた那由多は、蓮と共にマイクを取るのだった。
蓮のオーダーにより、『STARTING OVER』へ。本来は結人とのツインボーカルとなる楽曲だが、那由多と蓮の2人による歌唱となった。すべてを睨みつけ、挑むかのような那由多と、どこまでも楽しそうな蓮は鏡合わせのようだ。しかし『僕に勝てるのは僕だけ』『俺に勝てるのは俺だけ』と歌い上げる姿は、共通する確固たる芯も感じさせる。それに応え、二日間のライブを終えた他のメンバーも”限界を振り解く”音を全力で奏でた。
歌い終えたものの、蓮はまだまだ歌い足りないようだ。結人は自分のアコースティックギターにのせて歌うことを提案し、演奏されたのは『流星雨』。アニメでの光景を呼び起こす、しっとりした歌声が重なり2人の特別な絆を感じさせた。
2人が歌い終えると、そろそろサブマリーナは閉店の時間になっている。翌日の昼までGYROAXIAは函館にいるということで、航海と賢汰はランチを、礼音・涼・深幸は結人に五稜郭を案内してもらうことを約束する。蓮はライブの余韻と共に、Argonavisの仲間と歌い続けることを誓うのだった。
そして歌われたライブパートでは『AGAIN』と『雨上がりの坂道』の2曲を、蓮は名残を惜しむように大切に歌い上げた。そして会場へと「僕たちはまた会えます。僕たちArgonavisは、皆さんと未来を生きます!」と語り、他のメンバーも強く頷く。そしてライブでの演奏は初めてとなる新曲『Starry Line』が演奏された。これまで登場のバックミュージックとなっていたメロディが始まり、あっと驚いた人も多いだろう。蓮の歌とメンバー全員の演奏がつながり、ひとつの星座のような魅力を湛えた一曲だ。サビではステージ上からキラキラとした紙吹雪が舞い、あたかも満点の星空のようだった。
演奏を終えたArgonavisは横並びでステージに立ち、手を繋いだまま深々と礼。そしてメンバー全員で手を振りながら去っていった。
アンコールはArgonavis・GYROAXIA2つのバンドによる『AAside』。那由多と蓮による、3日間のライブの集大成となる音が会場を魅せる。”CROSSING”したことにより、お互いの演奏への理解が深まったことだろう。結人と礼音、賢汰や航海といった、やや因縁のある2人も、晴れやかな顔で音を紡ぐ。そして銀テープが会場に降り注ぐ中、全メンバーが感謝と次のライブへの想いを語り、去っていった。
楽曲もステージパフォーマンスも常に変化し続けるArgonavisとGYROAXIA。今後のライブに期待が高まる。またゲストとして参加した3バンドも、披露されたオリジナル楽曲は1曲のみでまだまだ魅力は未知数だ。これからの展開を期待して待とう。
出演
DAY3
Argonavis
七星 蓮(CV:伊藤昌弘)、五稜結人(CV:日向大輔)、的場航海(CV:前田誠二)、桔梗凛生(CV:森嶋秀太),白石万浬(CV:橋本祥平)
GYROAXIA
旭 那由多(CV:小笠原 仁)、里塚賢汰(CV:橋本真一)、美園礼音(CV:真野拓実)、曙 涼(CV:秋谷啓斗)、界川深幸(CV:宮内告典)
ゲスト
風神RIZING!
神ノ島風太(CV.中島ヨシキ)
椿 大和(CV.金子 誠)
若草あおい(CV.酒井広大)
【取材・文】鷹羽 知
DAY3セットリスト
01.LIAR(新曲)/GYROAXIA
02.狂乱 Hey Kids!!(カバー)/GYROAXIA
03.CORE PRIDE(カバー)/GYROAXIA
04.MANIFESTO/GYROAXIA
05.Rage on(カバー)/GYROAXIA
06.REVOLUTION/GYROAXIA
07.SCATTER/GYROAXIA
08.HOT LIMIT(カバー)/神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
09.One Night Carnival(カバー)/神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
10.バンザイRIZING!!!/神ノ島風太、椿 大和、若草あおい from 風神RIZING!
11.星がはじまる/Argonavis
12.メリッサ(カバー)/Argonavis
13.What-if Wonderland!!(新曲)/Argonavis
14.Steady Goes!/Argonavis
15.ゴールライン/Argonavis
16.UNION(カバー)/Argonavis
17.STARTING OVER/Argonavis×GYROAXIA
18.流星雨 Acoustic ver./Argonavis
19.AGAIN/Argonavis
20.雨上がりの坂道/Argonavis
21.Starry Line(新曲)/Argonavis
22.AAside/Argonavis×GYROAXIA
「アルゴナビス from BanG Dream! AAside(アルゴナビス フロム バンドリ! ダブルエーサイド)」公式サイト
(C)ARGONAVIS project.
(C)DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
(C)bushiroad All Rights Reserved.
(C)ARGONAVIS project.
(C)DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
(C)bushiroad All Rights Reserved.