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5人を乗せた船は,未来へと動き出す――「BanG Dream! Argonavis 1st LIVE」ライブレポート

 2019年5月17日,様々なメディアミックスを展開する「BanG Dream!(バンドリ!)」発のボーイズバンドプロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!(アルゴナビス フロム バンドリ!)」の1st LIVEが舞浜アンフィシアターにて行われた。

photo by 西槇太一
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 これまで,Argonavisによるライブは3回行われてきた。始まりは2018年7月の“0-1st LIVE”で,このときはギター,ベース,キーボードの3人編成だった。続く9月のライブでボーカルが,12月のライブでドラムが加わり,ついにフルメンバーとなった。12月の時点でこのメンバーでの楽曲披露は行われたが,この日のライブは5人揃ってから初めての“フルライブ”ということになる。さらに会場は,これまで拠点としていたライブハウス(下北沢GARDEN)から,4桁クラスの大きな会場へとスケールアップした。彼らが迎えた大舞台は,いかなる景色を見せてくれるのか――。

 会場に足を踏み入れてまず筆者が驚いたのは,男性客の多さだった。「バンドリ!」発ということを考えれば男性ファンが多いのもうなずけるが,Argonavisのライブが初体験だった筆者は,男性声優や俳優によるバンドということで,女性客が多そうだと思っていたのだ。しかし実際はおよそ半々といったところで,いわゆる男性ロックバンドのライブのような雰囲気となっている。

 そんななか,ライブはスクリーンに映し出されたミニキャラによるドラマからスタートした。ステージを前にして緊張する5人のやりとりがかわいらしく,たくさんの声援が飛ぶ。5人は「みんなに僕たちの歌を聞いてほしい!」と決意を固め,「Argonavis!」とコール。メンバー紹介ムービーののち,ステージの巨大なセリからキャストが登場する。大きな拍手と歓声に包まれるなか,彼らは円陣を組み,ポジションに着いた。

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 1曲目は彼らのファーストシングル「ゴールライン」だ。歌い出しから目の前の世界がぱっと明るく広がるような,爽やかな楽曲だ。観客も歌声を合わせ,会場は早くも一体化する。多くの観客は色とりどりのペンライトを振っているが,ラウドな音楽ライブのように,拳を上げて音楽を楽しむ人もいる。皆の声を聞こうと耳に手をやるボーカルの伊藤昌弘さん(七星 蓮役),客席に笑顔を向けるギターの日向大輔さん(五稜結人役),アンプに足をかけてベースを聴かせる前田誠二さん(的場航海役)。途中でリードボーカルを取ったキーボードの森嶋秀太さん(桔梗凛生役)は大きく両手を広げ,ドラムの橋本祥平さん(白石万浬役)は,曲のフィニッシュでスティックを高く掲げ,天を指した。5人はこれだけの規模の会場での演奏が初めてとは思えぬ貫禄で,堂々とそこに存在していた。

「みんな,一緒にノッてください!」

 バンドのイメージカラーの青から一転,燃える炎のように赤いライトに照らされ,披露された2曲目は「Butter-Fly」のカバーだ。ワンコーラスが終わった時点で大歓声が上がり,自然と手拍子が沸き起こる。ステージのスクリーンにはメンバーの姿が映し出されているが,時折映り込む観客たちも彼ら同様,皆が笑顔を浮かべている。このうえなくハッピーでパワフルな空気を作り上げ,自己紹介を含めたMCタイムへと続く。

「今日は最高に楽しいライブにするから,よろしくたのむぜ!」(結人)
「みんなの顔を見ていたら,緊張がふっとんだよ!」(航海)
「綺麗な景色だ……最後まで楽しんでいってくれ」(凛生)
「満員御礼! こんなにたくさんの人が来てくれて本当に嬉しいよ!」(万浬)
「こんなステージで歌えるなんて,本当に夢みたいだ。僕はいま,みんなと生きてる」(蓮)

 “ここからはじまる航海の歌”と紹介されたオリジナル曲の「Steady Goes!」が始まると,会場は再び沸き上がり,観客たちは手拍子で,コールで,拳を上げて音楽に乗る。ボーカルの伊藤さんは「宜候(ようそろ)」の歌詞で客席を指差して射抜くポーズを決める。キャッチーで無条件に心が踊る音楽と,彼ら5人が持つキャラクターの魅力。彼らの音楽が初体験だった筆者も,その熱量とエンターテイメント性に魅せられステージに釘付けになった。

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 ここでメンバーが一旦ステージ袖に捌けると,1st LIVE数週間前の練習スタジオの様子を描いたミニキャラによるドラマが流れ,場を和ませる。
 続いては5人それぞれのソロボーカルタイムへ。トップバッターはギターの日向さんによる「サムライハート(Some Like It Hot!!)」のカバーだ。客席はイメージカラーであるオレンジのライトでいっぱいになり,日向さんは「愛してまーす!」と叫ぶ。ボーカルが加入する前のArgonavisは,ギター,ベース,キーボードが楽曲ごとにリードボーカルを担当していただけあり,全員が“歌える”のも特徴の1つだろう。

 ベースの前田さんも,「季節は次々死んでいく」のカバーで甘いハイトーンを聴かせる。次に,客席のライトが紫から緑に変わり,キーボードの森嶋さんが「青い栞」のカバーを披露。普段のクールなイメージとは一転し,優しく包むようなボーカルだ。

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 ドラムの橋本さんが登場し,ハンドマイクではなくヘッドセットマイクのまま,「シュガーソングとビターステップ」のカバーを元気いっぱいでキュートなダンスに乗せて歌う。最後に伊藤さんが「UNION」のカバーを披露し,伸びやかで魅力あふれるボーカルを聴かせた。

 青を基調とした衣装に着替えたメンバーが再びステージに揃い,ドラムのカウントから「流星雨」の演奏が始まった。本曲は,伊藤さんと日向さんのボーカルの絡み合いと,それを支える骨太なサウンドが聞きどころだろう。そのメロディは広い海のような壮大さを感じさせ,聴いていると自然と心が高揚していく。まだオリジナル楽曲の少ない彼らだが,それらは決して,著名な楽曲のカバーにも聴き劣ることはないと感じる。この曲のフィニッシュで,最後の音が鳴り終わらないうちに,大きな歓声と拍手が沸き起こっていたのもその証拠だろう。

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 続いて「天体観測」の演奏を終えると,あらためてArgonavisのバンドメンバーを演じるキャストによる自己紹介とMCタイムがスタートした。ここでは,ギターの結人を演じる日向さんが,ギブソン社に制作してもらった“世界で1本しかないArgonavisオリジナル・五稜結人モデル”のギターで演奏していたことを明かした。また,航海を演じる前田さんのベースもギブソン制作の“的場航海モデル”となっており,光の加減でキラキラと光るスパークル加工が施されているものなのだそうだ。さらに万浬を演じる橋本さんが演奏に使っていたドラムは,パール社が用意したものとのこと。バンドカラーの青をイメージし,「ウルトラ ブルーフェイド」と呼ばれるラメグラデーションが使われ,フロントヘッドにはバンドロゴがデザインされていた。

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 また,衣装替えしてきた服はそれぞれのメンバーカラーもポイントになっているとのことで,キーボードの凛生役の森嶋さんとボーカルの蓮役の伊藤さんが,衣装をよく見せようとくるくると回る姿も見られ,会場はとても朗らかなムードに包まれた。

 ライブ終盤は,前田さんのベースソロから始まる「メリッサ」のカバーでスタートした。伊藤さんのロングトーンで大歓声が起き,続く「READY STEADY GO」では,速いリズムをきっちりと刻む橋本さんのドラムと日向さんのギターリフが観客をぶち上げ,森嶋さんがグリッサンドを決めた。

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 一息ついて,伊藤さんが「男子いけますかー!?」とコールすると,客席から「イエー!」と太く大きな声が上がる。次に「女子いけますかー!?」と叫ぶと,今度はそれに負けないほどの歓声が起きた。会場を揺るがすほどの声出しタイムののち,「みんなで撃ち抜いていきたいと思います!」と,「GO!!!」のカバーが会場に投下された。メンバー全員が代わる代わるボーカルとなり,「BANG!!」では会場も一体となって声を出す。曲のラストでは,撃ち抜かれた橋本さんが仰向けにのけぞるコミカルな場面も見られた。

 ミニキャラによるドラマでは,蓮の大好きなハンバーガーショップ「ラッキーピエロ(通称“ラッピ”)」へと食事へ行き,出会いを思い返す5人の姿が描かれた。ドラマ後にメンバーがステージに戻ると,伊藤さんが「最後に全員の想いを,声を聞いてください」と,新曲の「VOICE」を披露した。メンバー全員がフレーズを1つずつ,想いや熱を込めるように歌い上げる。ステージには無数の銀テープが舞い,会場全体がきらきらとした音と光で包まれ,大盛況のなかライブ本編は終了となった。

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 2ndシングルや次回ライブの告知ののち,アンコールに応え,ライブTシャツに着替えたメンバーがステージに登場。なんと次の曲「Steady Goes!」では,スマホでの撮影OKとアナウンスされ,多くの観客たちが,この熱いライブを少しでも記念に残そうとステージに見入っていた。そして演奏を終えたメンバー5人から,最後に一言ずつ挨拶があった。

日向大輔さん(五稜結人役)
 我々Argonavisメンバーは,最初は3人でスタートしました。僕と前ちゃん,森嶋さんと3人で……覚えてますか? スパルタ6時間(笑)。0-2nd LIVEで伊藤ちゃん,0-BEYONDで祥平ちゃんが加わり,今日やっと“1st LIVE”を迎えることができました。やる前から泣きそうでした,感動しましたね。これからも5人で,みなさんと一緒に走り続けていきたいと思いますので,応援よろしくお願いします!

前田誠二さん(的場航海役):
 0-1st LIVEからここまであっという間でした。昨日やったよね? くらいの感覚で……。こんなに素敵なところでライブができるのも,メンバーやスタッフ,駆けつけてくださる皆さんのおかげです。恵まれてます。Argonavisは,これからもずっとずーっと愛されるように,みなさんが結婚してお孫さんをライブに連れてきてくれるくらいになれるように,頑張りたいと思います(笑)!

森嶋秀太さん(桔梗凛生役):
 スタッフの方が教えてくれたのですが,ちょうど1年前,去年の5月18日に初めて3人で音を合わせたんです。あれから10年くらい一緒にいたような感じがします。それから伊藤くんと橋本くんが参加して,5人になって初めてArgonavisが完成して。こうしてライブができたのは,メンバーやスタッフ,先輩バンド,たくさんの方のお力で,感謝しかありません。少しでもこの感謝の気持ちを皆さんに返していけるように,これからも全力で突き進んで行きます!

橋本祥平さん(白石万浬役):
 今でも,ここに立っていることが不思議です。まさか自分が音楽を,バンドをやるなんて思ってもいなかったです。それがいろいろな縁が重なって,Argonavisの一員としてここに立たせていただけて,自分はどれだけ恵まれてるんだって思います。僕はこのメンバーで,行けるところまで行こうと思っています。どんな荒波にも負けないような丈夫な船にしたい。ぜひこの船に乗って,一緒に旅をしてください!

伊藤昌弘さん(七星 蓮役):
 Arご……(伊藤さんがバンド名を噛んでしまい,後ろで笑いながらずっこけるメンバーたち)ARGONAVISプロジェクトが始まってちょうど1年,ようやく5人揃って最高の船出を迎えることができました。僕は0-2nd LIVEから参加させていただきましたが,ファンの皆さんはすごい熱気で,あたたかく迎えてくださいました。これから僕ができることは,ちょっとでも背中を押せるような,勇気を持ってもらえるような歌を歌っていくことです。魅力的なキャラクターをもっともっと魅力的にできるように,精進していきたいと思います!

 そして5人は揃って深々とお辞儀をすると,うなずきあい,それぞれのポジションに着く。「今日いちばんの声を聞かせてもらえますか?」と,最後の最後に披露したのは「ゴールライン」だ。この日のオープニングナンバーでもあった本曲だが,ここに来て,最初とはまた違った景色が広がったように思えた。メンバーが,観客が,ここにいる全員がいつまでもこの時間が終わらないようにと願い,それとともに,次に会う未来へと思いを馳せているように感じられた。何かが終わるゴールは,また新たな何かが始まるスタートでもある。ステージの上のメンバーも,観客も,皆が笑顔を浮かべている。希望という星を目指し,まだ見ぬ未来という大海へ大きな船がゆっくりと動き出す――そんな景色が浮かんでくるようだった。

 日向さんがイヤーモニターを外して観客の声を聞き,前田さんがベースを高々と掲げ,伊藤さんが「また一緒に歌いましょう!」と叫び,曲を終える。後ろに転がりそうになった橋本さんに森嶋さんが笑顔で手を貸した。5人は最後に前へ出て手をつなぎ,マイクを通さずに「ありがとうございました!」と叫ぶ。彼らという船は,この先どこへ進んでいくのだろう。その旅をこれからも見守っていきたいと感じさせる,熱いライブだった。

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■出演
Argonavis
ボーカル:伊藤昌弘(七星 蓮役)
ギター:日向大輔(五稜結人役)
ベース:前田誠二(的場航海)
キーボード:森嶋秀太(桔梗凛生役)
ドラム:橋本祥平(白石万浬役)

■Bang Dream! Argonavis 1st LIVE セットリスト
ゴールライン
Butter-Fly(cover)
Steady Goes!
サムライハート(Some Like It Hot!!)(cover)/五稜結人ソロ
季節は次々死んでいく(cover)/的場航海ソロ
青い栞(cover)/桔梗凛生ソロ
シュガーソングとビターステップ(cover)/白石万浬ソロ
UNION(cover)/七星 蓮ソロ
流星雨
天体観測(cover)
メリッサ(cover)
READY STEADY GO(cover)
GO!!!(cover)
VOICE(新曲)

―encore―
Steady Goes!
ゴールライン

「ARGONAVIS」公式サイト

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