プレイレポート
「無双OROCHI3」プレイレポート。170人の武将が神術で暴れ回る,派手で爽快な仕上がりに
武将の総数,170人。個性派揃いだが,操作は統一されていて遊びやすい
本作は,「真・三國無双」と「戦国無双」の武将豪傑たちが一堂に会する,“夢のオールスター”的なタイトル「無双OROCHI」シリーズの最新作だ。三國と戦国の武将達は,2つの世界が融合した不可思議な地に誘われる。元の世界へ戻るには,オリュンポスの主神・ゼウスが作った「ウロボロスの腕輪」が必要だが,腕輪は持ち主に神の如き力を与える危険な品でもあり,織田信長はこれを利用して周囲を侵略し始める。武将達はそれぞれの思惑で腕輪を求め,そこに神々も絡んで激しい戦いを繰り広げるのだった。
“夢のオールスター”とはいえ,物語は独立しているので,無双シリーズを知らなくても楽しめる。お気に入りの武将を見つけたら,「真・三國無双」や「戦国無双」を遊んでみるのもアリだろう。
前作の大ボスだった遠呂智や九尾の狐,画面を遮ってしまうほどの巨体を持つ牛鬼や,4本の腕を振るう渾沌など,個性溢れる武将も登場。さらには,アレスやアテナ,オーディンと言った神話の神々が新たに加わり,OROCHIシリーズ初登場となる武将も34人参戦している。
さらに,一部キャラクターの武器やアクションが「真・三國無双7 Empires」「戦国無双4-II」準拠のものになるという変更も加わった。
本作に登場する武将は,なんと総勢170人。物語を進めていくと,我も我もとプレイヤー陣営に参戦してくれる。この辺りの大盤振る舞い感はこれまでのOROCHIシリーズと同様だ。戦闘では,実際に戦う「チームメンバー」3人と,パラメーターを上げる「サポートメンバー」4人を選んでパーティを編成し,バトルメンバーを切り替えつつ戦っていく。群がる敵を吹っ飛ばす,無双シリーズならではの気持ち良さは,もちろん本作でも健在だ。後述する「神器」も合わせて,まさに一騎当千の強さである。
170人の武将は個性派揃い。傾奇者の前田慶次は派手な紙吹雪と共に敵を吹っ飛ばし,恰幅のよい董卓は両手から爆弾を投げまくり,陸遜は分身しつつ敵を切り刻む……などなど,面白い技を簡単操作で繰り出せる。
技の見た目が個性的なだけでなく,アクションゲームとして面白いネタが仕込まれていることも多い。例えば,アテナはいくつかのチャージ攻撃で赤い光線を出し,当たった敵を石像にしてしまう。そこに黄色い光線を出す技を当てると,石像をバラバラの破片に砕くことができる。また,アレスはチャージ攻撃で武器を竜に変化させられるのだが,竜を操作して敵兵を喰わせると攻撃がパワーアップしていく。劉備の息子・劉禅はカンフー映画の様に龍床几(ベンチ)で敵を殴るのだが,攻撃中に任意でカウンターの構えに移行でき,ここに敵の攻撃を受けると自動で反撃を行う。暗君と呼ばれた彼が牙を隠し持っているというわけで,ゲーム的にもキャラクター的にも面白い造形と言えるだろう。このほかにも,書ききれないほど色々なアクションが楽しめるため,ぜひとも自分で触って確かめてほしいところだ。
董卓は爆弾で戦う。チャージ攻撃で投げた爆弾を任意に起爆できる,ユニークな性能の持ち主 |
袁紹のチャージ攻撃,かっこいいポーズは本作でも健在。見た目はユーモラスだが,周囲に放つ閃光には武器の属性が乗るので,意外と馬鹿にできない |
武将の数が多いだけに,操作を覚えきれるか心配になる人もいると思うが,基本操作は統一されているので心配ない。武将達は[□]の通常攻撃と,[△]のチャージ攻撃を組み合わせてコンビネーションを出せる。[□]→[△]で打ち上げ,[□]2回→[△]で敵を気絶させ,[□]3回→[△]とすると周囲をなぎ払う……と,大筋は統一されているので誰を使っても大丈夫だ。また,戦国の武将達は,(通常技を出していない状態から)[△]で「神速攻撃」が発動,[□]でフィニッシュを決められる。要は,普段と逆の[△]始動コンビネーションがあるということで,雑魚の群れに切り込んで縦横に暴れ回るのはなかなかに爽快だ。
もちろん[○]で大技「無双乱舞・無双奥義」も繰り出せる。動作中は無敵なので,敵をどんどん倒して「無双ゲージ」を溜め,バリバリと使っていこう。
孟獲はヤシの木やキノコなどさまざまな品をブン回して戦うが,基本操作はほかの武将達と変わらない |
早川殿の無双奥義は,武器をラクロスのラケットのように振るって,光の玉を投げる |
[L2][R2]を押すと操作武将を切り替えられる。チャージ攻撃の最中に切り替えると「スイッチコンボ」となり,竜巻が発生して敵をまとめてくれるので,どんどんヒット数が増えていく。100ヒット位は当たり前,少し工夫すれば1000,2000とヒット数が増えていくのがなんとも爽快だ。後述する神格化には300ヒット以上のコンボが必要なので,できれば意識して稼いでいきたい。自由に練習ができる「模擬戦」というフィールドも用意されているので,いろいろと試してみよう。
神器から繰り出す神術,そして神格化で新たなバトルを楽しめる
本作の戦闘の目玉になるのが神器と神術,そして神格化だ。神器とは,雷の槌「ミョルニル」,海の力を秘める「トライデント」,魔法の紐「グレイプニル」など,各国の神話に登場するアイテムで,これを使って出す技が神術である。
要するに,前作までの固有技「タイプアクション」の替わりに,「通常神術」([R1]+[□]),「チャージ神術」([R1]+[△]),「固有神術」([R1]+[○])という新たな攻撃技が出るようになった。
タイプアクションは無双ゲージを消費するため,同じ無双ゲージを使う無双乱舞とは両立しづらかった。一方,神術には専用の「神術ゲージ」が用意されているため,バリエーション豊かな攻撃をしつつ,いざというときには無双乱舞で緊急脱出できるのも嬉しい。
武将それぞれに受け持ちの神器が決まっており,自由に付け替えるようなことはできないのだが,同じ神器であれば誰が使っても通常神術とチャージ神術は共通なので覚えやすい。
神術のバリエーションはさまざまだ。単に攻撃するだけではなく,一ひねりが加えられているのが面白い。例えばグレイプニルの通常神術は,敵をまとめてくれるのでコンボ数を稼ぐのにもってこい。トライデントの通常神術は,呼び出した波に乗りつつ体当たりするのだが,移動方向は自由に変えられるので敵の多い方へ突っ込むと有効だ。「レーヴァテイン」のチャージ神術は,任意の位置に隕石を落とせるため,遠距離から敵集団を狙うと効果的……といった具合で,使いこなせばこれまでとはひと味違った戦闘を楽しめる。ヒット数が多ければ神術の威力も上がり,後述する合体神術に必要なゲージも早く溜まるため,できるだけコンボを意識したい。
神術の中でも派手なのが固有神術だ。神術ゲージと無双ゲージの両方を使うが,その効果は絶大。“固有”という名前通りに,その効果は武将ごとに異なる。例えば同じ「ネクタル」の固有神術でも,井伊直虎はバラをまき散らしながら回転蹴りを放ち,張飛は一定時間パワーアップするなど,170人の武将それぞれに専用のものが用意されている。もちろん,これらの神術は前述した通常攻撃とチャージ攻撃のコンビネーションや,スイッチコンボとも組み合わせることが可能だ。
また,敵武将も神術を使ってくるため,戦闘はさらにスリリングになっている。敵の神術もこちらが使うのと同様の性質があり,下手をすると大ダメージを受けかねないのだ。幸い,敵の神術は発動までに時間がかかるため,その間にこちらの神術を当てれば阻止できる。阻止に成功すれば大爆発が起きて周囲の敵を巻き込むため,敵武将の動きをシッカリと見て対処していきたい。
各種神術を当てるなどして「合体神術ゲージ」が満タンになれば,[L2]+[R2]で「合体神術」が発動。巨大なエネルギー弾で広範囲の敵を吹っ飛ばしてくれる。前作の「真・合体技」に相当する最強必殺技で,うまく決めれば敵兵を一掃できる。真・合体技は,発動した後にできるだけ多くの敵を巻き込むべくうまく攻撃する必要があったのだが,合体神術はこうした工夫は必要なく,撃ちっぱなしで済む。ここは好みが分かれるかもしれないが,爽快さは増した印象を受ける。
趙雲や真田幸村など,一部のキャラクターは,条件を満たせば[R3]で腕輪の力を借り,一定時間の神格化が可能だ。神格化すれば,文字通り神々しい姿になって,攻撃速度や移動速度が上昇し,いくら神術を使っても神術ゲージが減らなくなるなど性能もアップ。神格化状態で切り込んで敵をバッサバッサなぎ払うのは実に爽快だ。
これに加えて,固有神術も変化する。神器「ブリージンガメン」の上に乗ってコンサートっぽく舞う関銀屏や,天使のような姿になってお色気で敵を悩殺(?)する井伊直虎などユーモラスな技を持つ武将もいて,いろいろと試してみるのが楽しい。
神格化のためには,幽霊のような敵「カオスオリジン」を300ヒット以上で倒すと出現する,宝石のようなアイテム「神力の雫」が必要となる。カオスオリジンは周囲の敵兵を強化し,通常攻撃が効きにくい状態にしてしまうため,あえて通常攻撃でヒット数を稼ぎ,神術でトドメを刺すのが有効だ。神格化できないキャラクターも神力の雫があれば「覚醒・無双極意」状態になって攻撃力と防御力が大幅にアップするため,しっかりと300ヒットを決めておきたい。
派手な大技に隠れがちだが,「騎乗神術」([R1]+[×])は今回の目玉の1つと感じられた。これは,馬を神術で呼びだして即座に騎乗状態に移行するというもので,前作のように自分で乗り込む必要が無い。「味方の総大将を助けたいなど,急いでいる時に限って馬が来ない」「せっかく呼び出した馬が敵兵に押されて微妙にズレてしまい,乗り込みに失敗する」といった悲劇が無くなっており,かなり快適になった。
また,騎乗神術はあらゆる行動をキャンセルできるという特性を持っている。徒歩で交戦中に範囲攻撃が来たら騎乗神術で馬に乗って逃げ出したり,大技の隙を騎乗神術でキャンセルしてフォローしたり,敵の群れから敵の群れへコンボを繋ぎつつ渡り歩いたりなど,これまでのOROCHIシリーズではできなかった機動戦が可能になった。敵を打ち上げた状態から騎乗神術を使い,騎乗攻撃で追撃するなど,一風変わったコンボも成立する。これまではオマケ的な存在だった騎乗攻撃も充分主力に組み込めるので,前田慶次や趙雲,呂布など騎乗攻撃に優れた武将は新たな戦法を試せそうだ。
見た目は派手になりつつも,遊びやすくなったOROCHIシリーズ最新作
170人の武将それぞれが派手で面白い技を持ち,神術のシステムがさらなる攻撃バリエーションを加える。それらで武将達が暴れ回る様はいい意味でブッ飛んでおり,OROCHIシリーズの存在感がこれまで以上に増した印象だ。
一方で,武将ごとのタイプアクションを神術という形で共通化して整理し,必要なリソースも独立させることで気軽に使えるようにするなど,プレイヤーの負担も軽減されており,アクションゲームとしての完成度も高まった。
また,前作までだとヒット数は一部レア属性のトリガーになっているに過ぎず,意識することもあまりなかったが,今回は神術の威力やカオスオリジンの報酬など,誰もが使えるパワーアップに直結しており,騎乗神術のスピード感と合わせてコンボをつなぎたくなる新たなモチベーションとなっているのも面白い。
武器に属性を付与するシステムも「武器同士の合成」から「属性のパーツを収集して武器にはめ込む」となり自由度が上がっているのに加え,同じ武器でも基礎性能が違う場合があるようで,収集要素も楽しめる。また,武将の育成についても無双シリーズ恒例の「パワーアップアイテムの装備」ではなく「レベルアップで得られるスキルポイントを割り振る」方式となり,武器の属性システムと合わせてアクションRPG的な側面が強くなっていると感じられた(最終的には全てのスキルを得られるうえ,振り直しも自由なので育成を失敗する心配はなさそうだ)。
なお,今回のテストプレイでは発売前だったため,協力プレイや対戦モード「バトルアリーナ」を体験することができなかった。とくにバトルアリーナはチームを組んでの陣取り合戦という,これまでの無双シリーズになかったルールになっているため,発売後の盛り上がりが楽しみだ。
「無双OROCHI3」公式サイト
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