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新作STG「ソルクレスタ」の実機プレイが公開。「百鬼魔道」や「The Wonderful 101: Remastered」の新情報も発表されたプラチナゲームズの生放送をレポート
番組には,神谷英樹氏や,「World of Demons - 百鬼魔道」のプロデューサー・田中孝治氏,「ソルクレスタ」のプロデューサー・鷲阪崇人氏,「The Wonderful 101: Remastered」のプロデューサー・中尾裕治氏らが出演 |
番組では,「World of Demons - 百鬼魔道」と,新作シューティング「ソルクレスタ」(PC / PS4 / Switch),「The Wonderful 101: Remastered」(PC / PS4 / Switch)の最新情報などが3部構成で発表されたので,そのレポートをお届けする。
プラチナゲームズ「納涼“特盛”生放送」
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こだわりの世界観づくりの裏側が語られた
「World of Demons - 百鬼魔道」
第1部では,4月2日にAppleのサブスクリプションサービス“Apple Arcade”でリリースされた,「World of Demons - 百鬼魔道」の開発秘話が語られた。
本作は,浮世絵や墨絵から飛び出してきたような,幻想的なグラフィックスが特徴のスマホ向けアクションゲームだ。プレイヤーは“鬼の血族”である侍・鬼丸となり,邪気によって凶暴化してしまった妖怪や鬼たちと戦っていく |
まず初めに,プロデューサーの田中孝治氏と,ディレクターの酒部遼也氏から,本作の大きな特徴でもある妖怪たちのビジュアルや設定が,いかにして作られたかが説明された。
ディレクターの酒部遼也氏(写真中央),プロデューサーの田中孝治氏(写真右) |
続いて,「World of Demons - 百鬼魔道」のシナリオや世界観設定,英語版のシナリオ,および妖怪の監修を行ったアルトジャパンのMatt Alt氏と依田寛子氏が登場し,設定などに関する深い説明が行われた。
Matt氏と依田氏は,日本文化に造詣が深く,2008年には海外向けの妖怪解説本「Yokai Attack!: The Japanese Monster Survival Guide」(外国人のための妖怪サバイバルガイド)も出版している人物だ。
アルトジャパンのMatt Alt氏(写真左)と依田寛子氏(写真右) |
依田氏によると,当初のプロットでは妖怪たちにセリフがなく,主人公(人間)の言葉のみで物語が進む形式だったそうだ。そこで,妖怪の特徴を際立たせるためにキャラクター付けをする提案を行い,妖怪も話す現在の形に落ち着いたのだという |
妖怪と会話するシーンが挿入されたことで,“邪気に侵された妖怪を助ける”というコンセプトが強調され,より奥深いストーリーを楽しめるようになった。それに合わせて,序盤には人間と妖怪が共に暮らす様子を表現するビジュアルも挿入されている |
本作は海外向けにもリリースされている。Matt氏によると“妖怪”という概念自体が海外では浸透していないため,それを伝えるために,英語版では妖怪の紹介テキストに日本語版にはない注釈を入れるなど,かなり気を使って翻訳が行われているとのこと。
海外では,“Demons(悪魔たち)”と表現されている本作の妖怪たちだが,西洋的な価値観における悪を象徴する“悪魔”と,日本における“妖怪”ではかなりニュアンスが異なっている。そういった感覚の違いを乗り越えるのはなかなか大変だったようだ。
また,本作における妖怪は,実際の伝承に忠実に描くことをコンセプトにしており,江戸時代に多くの妖怪画を描いた,浮世絵師・鳥山石燕の「画図百鬼夜行」内のデザインが参考にされている。
妖怪図鑑の現代版(英訳版)は,Matt氏によって書かれたとのことだが,その資料を集めるのにはかなりの苦労があったようだ。劣化のない資料はなかなか見つからず,最終的に,スミソニアン博物館でデジタルデータ化された高画質の資料を発見できたのだという。
資料の中には背後が描かれていない妖怪も存在した。そのような場合は,妖怪のモチーフになったものを入手してデザインしたとのこと。「木魚達磨」は,効果音も本物の木魚を使って収録されている |
コーナーの最後には,新情報として「World of Demons - 百鬼魔道」のオリジナルLINEスタンプが発表された。
スタンプには,本作に登場した妖怪の一部が登場しており,吹き出しの中のテキストは,自由にカスタマイズ可能になっている。既に配信中なので,興味がある人はチェックしておこう。
また,プラチナゲームズのAmazon公式ストアでは,10月から本作のオリジナル手ぬぐいも発売される。
実機プレイ&システム解説が行われた
新作シューティング「ソルクレスタ」
第2部では,2021年内にリリースが予定されているシューティングゲーム「ソルクレスタ」を扱っていた。
本作は,日本物産が手掛けた「ムーンクレスタ」と「テラクレスタ」の,“魂を引き継いだ”というシューティングゲームだ。味方機と合体して性能を強化できるだけでなく,機体を組み替えて攻撃のスタイルを変更したり,分離してフォーメーションを組むことで特殊な攻撃を発動したりと,自由自在な戦い方が楽しめるのが大きな特徴となっている。
出演者は,総監督とシナリオを担当する神谷英樹氏と,プロデューサーの鷲阪崇人氏,ディレクターの佐藤貴宣氏で,本邦初公開となる実機プレイを披露。それに合わせて,ゲームシステムの紹介も行われた。
神谷英樹氏(写真中央)と,鷲阪崇人氏(写真右),佐藤貴宣氏(写真奥) |
「ソルクレスタ」は,プレイ開始時の自機は1機だけで,敵を撃破すると出現するパワーアップアイテムを入手することで2機目,3機目の自機が出現。自機同士を合体させることで,強力な攻撃を放てるようになる。
合体には“順番”の概念があり,先頭にしている機体の種類によって性能が変化する仕組みになっている。また,2番目の機体もサブ攻撃を行うとのことで,組み合わせのバリエーションはかなり広そうだ。
敵を撃破した際にはメダルが散らばり,取得すると画面の右側に表示されたゲージがたまっていく。ゲージが一定値を越えるごとに表記されたパワーアップを得られるので,メダルの取得も考えて動いた方がいいだろう。
ゲージで得られるパワーアップには,コマンドを入力することで特殊な攻撃方向に弾を発射できる「コマンドショット」も |
特定のパワーアップアイテムを入手すると,“分離状態”かつ“定められた図形を描く”ことで,強力な攻撃を発動できる「フォーメーション」が使用可能となる。
3機ではなく,2機でしか使えないフォーメーションもあり,これらを使った攻撃で敵を倒すと,出現するメダルが増える。うまく使えば,より効率的に攻略を進められそうだ。
使いこなすには少し難しそうなシステムが多く搭載されている本作。神谷氏は解説の中で,「最初は避けて撃ってだけで手一杯かもしれない。それでも十分楽しめるけど,繰り返し遊ぶことで適切なフォーメーションを使い分けられるようになる」と語っている。
ゲームの難度はノーマル,イージー,ベリーイージーと複数用意されているほか,コンティニュー時にその場で復活する仕様になっているとのことなので,シューティングゲームが苦手な人であってもクリアだけなら難しくはなさそう。
番組では,実機プレイの後に音楽についても説明があった。本作のサウンドを担当するのは古代祐三氏で,トーク中には,過去に手掛けた作品の思い出話も。なお,古代氏と初めて会ったときの神谷氏は,「緊張してカミカミだった」とのこと |
実機プレイの後には,「ムーンクレスタ」から始まる“クレスタ”シリーズと,本作のつながりについても説明があった。
先にも触れたように,本作は「ムーンクレスタ」「テラクレスタ」の続編と位置づけられている。ただ,神谷氏によると,「テラクレスタII マンドラーの逆襲」や「テラクレスタ3D」といったタイトルとの関連もあり,それら“クレスタサーガ”に含まれるシリーズの世界観は,本作に反映していると話していた。
また,日本物産の「テラフォース」などの作品については,シリーズ作品を手掛けた藤原茂樹氏に確認を取り,「それらはテラクレスタサーガには含まれない」という了解を得ているとのこと。
よって,作家性やゲームデザインは踏襲しているものの,それらの作品は物語には組み込まれていない。
「ソルクレスタ」だが,9月2日と3日に開催が予定されている「BitSummit」に,アーケード筐体で稼働するバージョンが出展されることが明らかにされた。
あくまでも“筐体に入れた”だけで,アーケード版が発売されるわけではないようだが,神谷氏は「筐体で遊べる機会を作りたい」とも話していた。
また,BitSummitのインディーズゲーム関連イベント“BitSummit THE 8th BIT”の配信では,9月2日の11:45から12:20にかけて,「ソルクレスタ」について語るトーク番組が実施される。
番組には,神谷氏に加えて吉田修平氏や稲葉敦志氏が出演し,ここでしか聞けないトークを披露する予定とのことなので,より詳しい情報を知りたい人は期待しておこう。
「BitSummit THE 8th BIT」のコンテンツ&ゲスト情報を特設サイトで公開。当日は情報番組“ぶらり旅BitSummit出展ゲーム紹介”を生配信
日本インディペンデント・ゲーム協会は本日,9月2日と3日に開催するインディーズゲームイベント「BitSummit THE 8th BIT」のコンテンツ&ゲスト情報を盛り込んだ特設サイトを公開した。また,当日はすべての出展ゲームと,注目の新作ゲーム情報をYouTube公式アカウントより生配信するとのこと。
プラチナゲームズ 公式サイト
「ソルクレスタ」誕生秘話 神谷英樹(総監督)
ヴォークンが主役のDLCが発表された
「The Wonderful 101: Remastered」
番組最後となる3部では,アクションゲーム「The Wonderful 101: Remastered」に関する情報がアナウンスされた。本作は,2013年にWii Uで発売された「The Wonderful 101」のリマスターで,本コーナーには,神谷氏と,本作ディレクターの佐藤氏に加えて,プロデューサーの中尾裕治氏が出演した。
先に掲載した記事の通り,今回の配信では最新DLC「ザ・プリンス・ヴォークン」が発表された。すでに配信も始まっており,番組内では,DLCを用いた実機プレイと,開発裏話が語られたので,本稿ではその様子をお伝えする。
「The Wonderful 101: Remastered」プロデューサーの中尾裕治氏(写真中央) |
「The Wonderful 101: Remastered」,ヴォークンがリーダーになるDLC“ザ・プリンス・ヴォークン”の配信がスタート
プラチナゲームズは2021年8月28日,同社による情報番組「納涼“特盛”生放送」で,アクションゲーム「The Wonderful 101: Remastered」のDLC“ザ・プリンス・ヴォークン”を発表した。すでに配信がスタートしている。
DLC「ザ・プリンス・ヴォークン」は,ゲーム本編に敵として登場するキャラクター“ヴォークン”を主人公として操作できるようになる追加コンテンツだ。
ストーリーモードとタイムアタックモードで使用可能で,オペレーションセレクト中は,通常モードとヴォークン使用モードを自由に切り替えられる。
本編でもヴォークンを仲間して使用することはできるが,あくまでワンダフル・ワンダブルオーのメンバーとして参戦する形式だった。しかし,本DLCで追加されるゲームモードでは,常にヴォークンがリーダーとなり,すべてのユニファイ・モーフを1人でこなすことができる。
さらに,チーム全体で記号を作ることで発動できる強力な技“ワンダー・ライナー”は,宇宙怪獣「ユニファイモンスター」の召喚に置き換えられており,ほかのキャラクターとは,まったく異なる戦いかたが楽しめる。
本DLCの企画は,プロデューサーの中尾氏が発案したもので,開発はその日から始まったものだという。ディレクションも実質的に中尾氏が行っていたとの発言もあり,中尾氏の熱量に支えられて実現したことがうかがえる。なお,単にキャラクターを追加するだけに収まらなかったのは,本編でヴォークンが仲間になる場面が既に存在し,単純に新しいユナイト・モーフが増えるだけではインパクトに欠ける,という事情もあったようだ。
結果的に,ヴォークンは通常とは異なるユナイト・モーフを持つこととなり,戦いかたやゲームシステムの使いかたが変化する,非常に影響の大きなコンテンツとなった。
神谷氏は,これを「バリューがあるコンテンツ」と表現し,その出来栄えを高く評価していた。
ワンダー・ライナーで呼び出せるユニファイモンスターは一覧化されていて,いつでも確認できる |
これらの情報が発表された公式番組「納涼“特盛”生放送」は,YouTubeのプラチナゲームズ公式チャンネルでアーカイブの視聴ができる。実際のトークを聞きたい人は,そちらを視聴しておこう。
プラチナゲームズ「納涼“特盛”生放送」
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