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西川善司の3DGE:5K解像度の業務用VR HMD「VIVE Focus 3」体験レポート。VRコントローラのトラッキング精度に驚く
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印刷2021/06/11 15:56

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西川善司の3DGE:5K解像度の業務用VR HMD「VIVE Focus 3」体験レポート。VRコントローラのトラッキング精度に驚く

VIVE Focus 3
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 去る2021年5月11日,HTCは,新型VRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)「VIVE Pro 2」と「VIVE Focus 3」を発表した。
 各機種の仕様は,発表時のニュース記事を,ゲーマーや一般消費者向け製品であるVIVE Pro 2の詳細は,HTCの日本法人であるHTC NIPPONが5月中旬に行ったメディア向け体験会での体験レポートを参照してもらうとして,本稿では,業務用に位置付けられているスタンドアロン型のVIVE Focus 3を実際にテストした体験レポートをお送りしよう。

VIVE Focus 3の製品ボックス内箱(左)と内容物(右)。外箱は発売地域ごとに変えるそうで,取材当日には未完成だった
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 HTCは,「VIVE」シリーズの新型VR HMDとして,PC接続型の「VIVE Pro 2」と,ビジネス向けスタンドアロン型の「VIVE Focus 3」を6月下旬に発売する。本稿では,一足先に実機を体験した西川善司氏による,VIVE Pro 2の体験レポートをお届けしよう。5K解像度と120Hz表示は,VR HMDの没入感を高めてくれたのだろうか。

[2021/05/28 19:00]


VIVE Focus 3を実際に体験


 VIVE Focus 3は業務用VR HMDという触れ込みの製品である。ビジネスシーンでの運用面に特化したVIVE Focus 3の仕様について,HTCのスタッフが分かりやすい説明をしてくれたので,まずは動画を確認してほしい。


 ポイントの1つは,顔に触れる「フロントガスケット」や,ヘッドバンドの後ろ側に組み込まれたバッテリーが磁石で取り付けられているので,簡単に着脱できる点にある。

バッテリーを取り付けるカバーやフロントガスケットは,磁石式で簡単に外せる(左)。右写真はヘッドバンドの後ろ側で,右上に見える白いLEDがバッテリー残量計だ。VR HMDの電源を入れたり,バッテリーを外したりしなくても,外側から残量を確認できる
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 説明に続いて,筆者が自らVIVE Focus 3の装着を行ってみた。
 HMD本体にはケーブルがつながっていないので,スタッフから受け取ったあとは,とくに支援を受けることもなく,スっと被ることができた。

VIVE Focus 3を装着する筆者
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バンドの後部にある締め付け具合の調整ダイヤル
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 付け方の手順は,まず,ヘッドバンドのリリースボタンを押して側面バンドを開放状態にしてから,帽子をかぶるような動きで頭頂部から降ろすように被ったうえで,後ろ側にある締め付けダイアルを回してテンションをかけていき頭部に固定するという流れだ。とくに難しいものではない。
 なお,事前に使用していた人と頭のサイズが大きく違う場合,頭頂部を縦断するマジックテープ付きの上部バンドでサイズを調整する必要はあるかもしれない。

瞳孔間距離と上下位置を調整している様子
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 VIVE Focus 3を被って電源を入れると,緑色をした数本の縦線と横線が十字に交わるようなキャリブレーション画面が表示され,瞳孔間距離(Interpupillary distance,IPD)や被った上下位置の正しさをチェックできるようになっていた。VIVE Focus 3は,業務用途を想定しているため,メニュー画面などを開かずとも,インスタントにこうした調整ができるようになっているのだろう。

 なお,筆者がVIVE Focus 3を体験した5月中旬時点では,日本向けの環境で動かせるVIVE Focus 3専用コンテンツはまだなかったため,実際に体験できたのは,VIVE Focus 3のチュートリアルだ。
 チュートリアルを開始して筆者の目の前に現れたのは,ディズニー映画のオープニングか,あるいはディズニーリゾートのナイトパレードのような,3Dパーティクルグラフィックスで描写された美しい風景に,多彩な動物が舞い踊るオープニング映像だった。「光って動き回るピクセル」で3Dオブジェクトを描く映像(※専門的にいえばポイントクラウド的な3Dグラフィックス)なので,1ピクセル単位の表現力と速くても鮮明に見える画素の応答速度が試される映像表現だったわけだが,これが,かなり鮮明に見えたことに驚かされた。

 筆者によるVIVE Pro 2の体験レポートでも,1ピクセル単位の微細な表現力の高さに圧倒されたと述べている。VIVE Focus 3もディスプレイパネルや接眼レンズを含めた光学系はVIVE Pro 2と同じスペックなので,ビジュアル体験としてはまったく同等であった。

一般的なディスプレイパネルで採用されるRGBストライプ型サブピクセル構造(左)と,スマートフォンやVR HMDなどで採用事例の多いRGBペンタイル型サブピクセル構造(右)のイメージ図
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 ちなみに,VIVE Focus 3とVIVE Pro 2は,両眼解像度が4896×2448ピクセル(5K)で,片目あたりで2448×2448ピクセルの解像度がある。しかも,これまでのVIVEシリーズとは異なり,サブピクセルがRGBストライプ構造となっているので,数字どおりの高解像度なグラフイックスを実現できているわけだ。
 筆者の感覚としても,一般的な液晶ディスプレイのフルHD解像度をやや超えているくらいの解像感を感じた。VIVE Focus 3はVR HMDではあるが,もし,マウスやキーボードがVR HMD装着状態でも普通に使えるとしたら,この画面を使ったPCでの作業をそつなくこなせる気がする。

 あえて気になる点をいえば,VR HMDの外枠と中央の仕切りが原因で,視界の外周や中央に現れる黒い枠や柱の存在。いわゆるVR HMD特有の「潜望鏡感」だ。これは現在のVR HMDが抱える共通の課題であるものの,解消するにはあと2倍くらい視野角の拡大が必要になるかもしれない。

VIVE Focus 3の接眼レンズ部
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 ちなみに,この「潜望鏡感」を解消するために,「StarVR」のような一部のウルトラハイエンド級VR HMDでは,横長のディスプレイパネルを左右の目それぞれに割り当ててることで,180度を超えた視野角を実現することで対策している。しかし,ゴーグル部分が重くなるとか,VR HMD全体が大きくなる,コストが高くなるといった問題も抱えているのが実情だ。
 VIVEシリーズにおける潜望鏡感の問題は,VIVE Focus 3で採用した新しい特殊光学系のアプローチで解消していってほしいと思う。

新しいダブルレンズ光学系の採用により,視野角は従来の110度から120度へと広がった
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 VIVE Pro 2は,5K対応のディスプレイを120Hz(120fps)で駆動できるが,VIVE Focus 3は,内蔵するSoC(System-on-a-Chip)の性能による制約もあり,90Hz駆動となっている。ただ,VIVE Focus 3で筆者が体験したチュートリアルコンテンツの範囲では,VIVE Pro 2での120Hz体験との差は実感できなかった。

 頭部の追従性(ヘッドトラッキング)はどうだろう。
 VIVE Pro 2は,部屋の四隅に設置した「Base Station」からの信号を使ってのヘッドトラッキング(アウトサイドイン方式)を行っていたが,VIVE Focus 3は,VR HMDの四隅に組み込まれたカメラを用いたインサイドアウト方式のヘッドトラッキングを採用している。

四隅(赤丸部分)に組み込んだカメラで,ユーザーの動きやVRコントローラを認識する
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 今回の体験では,やや大げさに頭を振りまわしてみたりもしたが,極めて安定した追従性を実現していた。また,頭を大きく揺らしても,体積的に大きいゴーグル部に頭が振りまわされているような感覚は,これまでのVR HMDと比べれば少ないと感じた。これは,バッテリー部をヘッドバンド後部にカウンターウェイトとなるように配置した新デザインの恩恵と,基本フレームにマグネシウム合金を採用したことなどにより,従来製品に比べて約20%の軽量化を実現したのが効いているのだろう。

ゴーグル部の重みに対するカウンターウェイトの役割も果たすバッテリー部分は,ワンタッチで脱着可能だ(左)。右はバッテリーを取り外したヘッドバンド後部である
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VIVE Focus 3のVRコントローラ
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 筆者が感心したのは,手で操作するVRコントローラの認識が早くて正確なことだ。
 これまでのVR HMDでは,ユーザーが持っているコントローラの向きが,VR画面に表示されている状態とずれていたり,コントローラを激しく動かすとVR画面からコントローラが消えて,突拍子もないところから再び現れるといったことがあった。しかし,VIVE Focus 3ではそれがない。

 筆者は,かなり意地悪に,両手に持ったコントローラを背中に隠したうえで,再び眼前に突き出すといった操作をしてみたのだが,VIVE Focus 3が備えるヘッドトラッキング用カメラの視界内に飛び込んできた段階で,瞬時にその動きや向きを認識,追従したのだ。お見事である。

VIVE Focus 3のヘッドトラッキング用カメラからわざと外れるように大きくコントローラを振りまわしてみたが,その追従性に大きな乱れはなし。大したものだ
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VIVE Focus 3のスピーカーは,付けた時の圧迫感がないばかりか,音質も良好だ
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 音響性能も,想像していたのよりだいぶ良好だった。VIVE Focus 3では,左右の耳に触れないオープン型の指向性スピーカーをヘッドバンド側面に組み込んでいるのだが,一般的なヘッドフォンとそれほど変わらないサウンドが楽しめた。それでいて,耳を覆うような圧迫感がないので,長時間装着して作業するにはおあつらえ向きのスピーカーだと思う。

 それに加えて,耳に直接音を入れる方式でないため,周囲の環境音が適度に聞こえるのも,ビジネス用途には向いているのかもしれない。この仕組みだと,VIVE Focus 3を被った複数人のユーザー間で,マイクなしで互いに声をかけ合いながらの作業も行えなくはないのだ。確実な音声コミュニケーションが必要なのであれば,マイクを使った音声通話を使うべきだろうが,ある程度なら,音声通話がなくてもなんとかなる。
 たとえばだが,逆に環境音が聞こえる特徴を活かして,VRコンテンツ自体の音は部屋に設置したサラウンドスピーカーで聞かせて,VIVE Focus 3を被ったユーザーには,効果音や通話音声だけをオープン型スピーカーで聞かせるといったコンテンツもアリかもしれない。

 体験の最後には,VR HMDを取り外すことなく周囲を見る「パススルーモード」(シースルーモード)を試した。VIVE Focus 3のヘッドトラッキング用カメラが撮影しているリアルタイムの白黒映像をもとに作り出した周囲の映像を,VR HMD上で見るというものだ。若干,現実よりもミニチュア感のある視界となりはしたが,これはアップデートなどで改善されるとのこと。

 パススルーモードは,VRコントローラの[VIVE]ボタン,あるいはVIVE Focus 3本体側のボタンを2回押すことで,いつでも呼び出せるようになっている。VIVE Focus 3に限らずVR HMDを使っていると,「床に落ちたVRコントローラを拾う」とか「周囲にある現実の障害物を確認する」といったごく短い現実世界での作業は,できればVR HMDを装着したまま行いたいもの。そうした要望は,機能が叶えてくれそうだ。

 ちなみに,VIVE Focus 3は,HTCが手がけるVR HMDとしては初めて電動ファンを使ったアクティブ冷却システムを採用しているわけだが,体験中,騒音などは気にならなかった。


HTC NIPPON社長の児島氏に,VIVEの現状を聞いてみた


HTC NIPPONの代表取締役社長である児島全克氏
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 VIVE Pro 2とVIVE Focus 3の体験会の席で,VIVE製品の現状について,HTC NIPPON代表取締役社長の児島全克氏に話を聞いた。

西川:
 もともとHTCのVR部門は,Valveが提唱する「SteamVR」プラットフォームをハードウェアとして具現化することに取り組んでいる部署という位置づけだったと思いますが,VIVE Focusシリーズなど,その枠組みを超えた製品も出てきました。

児島全克氏:(以下,児島)
 Valveさんとは現在も良好な関係ですよ。HTCが手がけるVR HMD製品のうち,ヘッドトラッキングの仕組みとしてBase Stationを利用するシステム――今回の製品でいえば,VIVE Pro 2――はSteamVR規格に準拠した製品ですから,Valveさんと協力して取り組んだ製品といえます。

西川:
 VIVE Focus 3は,単体でヘッドトラッキングが行えるVR HMDですね。こちらのシリーズはSteamVRとはあまり関係がない,と言うことでしょうか。

児島:
 VIVE Focus 3は,Base Stationを使わずにVIVE Focus 3単体でヘッドトラッキングを行いますから,“ハードウェア面において”はValveさんとは関わりのない,HTC独自のVRプラットフォームといえます。

西川:
 VIVE Focus 3は,日本では,どのように販売していくのですか

児島:
 日本の企業系ユーザーからの引き合いが強いこともあり,かなり力を入れて販売していきます。日本では6月11日から,日本のVIVE Focus 3公式Webページから先行予約の受付を開始いたします。実際の発売は6月末ごろになります。
 VIVE Pro 2の先行予約がかなりの速度感で埋まりましたので,VIVE Focus 3も同様な傾向になると思っています。

西川:
 VIVE Focus 3は,バッテリー交換のしやすさなどをアピールしていましたが,アクセサリー類は日本でも販売されるのでしょうか。

児島:
 日本でも,VIVE Focus 3用のアクセサリーはすべてを販売していく予定です。

西川:
 VIVE Focus 3は,メインプロセッサーとしてQualcommの「Snapdragon XR2」を搭載することで,単体でVRコンテンツが実行できる性能を備えています。しかし,PCと接続しても使えますよね。これは,既存の「VIVE Focus Plus」と同様にストリーミング技術による実現ですよね

児島:
 はい。本機では「PCVRモード」と呼称しています。PCVRモードでは,ホストPCで描画した映像をMPEG系技術によって圧縮して,VIVE Focus 3へ伝送します。別売りのUSB Type-Cケーブルを使用すれば有線接続で,WiFiを用いれば無線接続でPCVRモードが利用できます

西川:
 ストリーミング技術を使ってのVRとなると,気になるのが遅延です。大体どのくらいの遅延がありますか

児島:
 今のところ,VIVE Focus 3で計測したデータは持ち合わせていませんが,先代のVIVE Focus Plusでは,Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)を使用して大体20〜40msでした。VIVE Focus 3はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応していますから,この値よりも速くなるのではないか,と考えています。

西川:
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 VIVE Focus 3の発表に合わせて,VIVE Focusシリーズユーザー向けのビジネススイートソフトウェアとして,「VIVE XR Suite」が発表されました。こちらは日本ではどう展開するのでしょうか

児島:
 今回発表したVIVE XR Suiteは,ひとつのVIVEアカウントでVIVE XR Suiteに含まれるすべての構成ソフト,つまり「VIVE Sync」「VIVE Campus」「VIVE Sessions」「VIVE Social」「VIVE Museum」が使えることを想定しています。
 しかし,日本の企業系ユーザーからは,「1つしか使わない」という意見が多いため,国内ではVIVE XR Suiteの形ではなく,各構成ソフトを希望に合わせてライセンスしていくという方針を検討中です。

西川:
 説明を聞く限り,VIVE XR Suiteに含まれる各ソフトは,あまり機能的な違いを感じられませんでした。それぞれにどのような違いがあるのかを教えてもらえますか。

児島:
 HTCが自ら開発したVIVE Syncは,我々が最も力を入れている中小規模のVRミーティングが可能なグループミーティングソフトウェアです。さまざまな機能がありますが,会議の議事録テキストを自動で作成できます。また,会議中に,会議に対して発話するのではなく,自分自身に対する音声メモをとることもできます。

VIVE Sync
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 VIVE Campusは,大規模なVRミーティングが可能なもので,大規模なVR空間で同時多発的なVRイベントを開催できます。
 現実世界のイベントと同じように,イベント開催場所に近づくとそのイベントの音声が大きく聞こえる仕組みがあり,イベントに参加している人々の声も,遠近で聞こえ方が変わります。なので,「静かなところで話そう」といってイベント場所から離れて小規模な井戸端会議のようなことも行えますし,ミーティングルームを使って完全な静かなところで話し合えたりもします。
 グラフィックスも遠近で品質が変わる表現も取り入れています。

VIVE Campus
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 VIVE Sessionsは,オンライン授業や講義を行うために,講演者対大勢の聴講者を想定したオンライン会議システムです。
 VIVE Sessionsの最大の特徴は,講師が事前に講義を行っておき,その様子を3D空間まるごと保存して,任意のタイミングで再生できることです。2D映像ではなく,3Dでのリプレイのようなイメージですね。こうすることで,同じ内容の講義を同時多発的に,あるいはタイムシフトで行うことができますし,イベント参加者にとっては,リアルタイムのVR体験として受講できます。
 リアルタイムの質疑応答には答えられないことになりますが,任意のタイミングでリアルタイムに切り換えることはできますので,講義が終わったタイミングの質疑応答タイムで,リアルタイムの講師を登壇させて,これに応じると言ったことができます。

VIVE Sessions
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西川:
 説明を聞くと,それぞれで特徴が違うというのが分かりました。VIVE Socialは,人気を博している「VR Chat」ベースのものですね。

VIVE Social
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児島:
 そのとおりです。VR Chatでは,3月26日から「VIVE Wonderland」と呼ばれるバーチャルリアリティパークを実施していまして,6月1日から,このVRテーマパーク内で,今回発表されたVIVE関連製品をVR展示しています。特定時間帯に限られますが,場内には日本人スタッフもおりまして,製品についての説明などを行っています。質問もできます。

 余談ですが,このVIVE Wonderlandで働いているスタッフの一部はアルバイトなのですが,オンライン面接などを経て採用した,日本各地に在住されている方達です。現実世界では顔を合わせていない方もいます。出勤先はVR空間ですから,通勤もありませんし(笑),これは我々も「新しい働き方」の事例としても注目しているんです。

VIVE Wonderland
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西川:
 それは面白い試みですね。そうした雇用が増えていけば,パンデミック下においても有意義なイベント開催と雇用創出を,同時に実現させていけそうです。

HTCのVIVE Focus 3製品情報ページ


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