プレイレポート
彼女たちはそこに“いる”。次世代声優育成ゲーム「CUE!」には,きらきらした青春が詰まっていた
16人の声優のキャストにはフレッシュな新人女性声優が起用され,ミニライブなどのオフラインイベントをとおして,ゲームの展開とリンクしたキャストたちの成長を見られるのも魅力の1つとなっている。そんな本作がついにベールを脱いだということで,本稿ではそのプレイレポートをお届けしよう。
「CUE!(キュー)」公式サイト
「CUE!(キュー)」ダウンロードページ
「CUE!(キュー)」ダウンロードページ
声優のタマゴたちを応援したくなる成長物語
物語の舞台となるのは小さな声優事務所「エールブルー」。ここには16人の声優のタマゴが所属し,社長の鳳 真咲やレッスンコーチの由良桐香,チーフマネージャーの五十鈴りおによるサポートのもと,デビューに向けて着々と準備が進められている。プレイヤーはひょんなことから,声優たちの成長を見守るマネージャーになるのだ。
プロローグで出会う女の子,六石陽菜に声をかけたのがすべての始まりだった。プレイヤーはまだマネージャーでもなんでもない存在で,ちょっとした親切心から足を挫いた彼女を事務所へ送り届けた。事務所側から見ればお客さんのはずなのに,なぜか2人分のコーヒーを自分で淹れて,事務所の社長に命じられるまま資料のコピーをとって,気が付いたらアルバイトとして働くことになっていた。そう,プロローグではプレイヤーがいかにしてマネージャーになったかが描かれている。
多少強引な部分はあれど,プロローグでは「CUE!」の舞台設定や大まかなゲームの流れを見せながら,プレイヤー自身の「所属声優を応援したい」気持ちを高める展開を丁寧に描いている。唐突にチュートリアルへ放り込んでプレイヤーを置いてきぼりにせず,遊び手の気持ちを盛り上げながらスムーズに物語へ誘う流れが見事だった。きっとここでこうくると分かっていながら,社長からマネージャー就任宣言をいただいたときは,愛の告白よりも胸がトゥンクしたぐらいだ。社長,一生ついていきます!
彼女たちの物語は,それぞれのユニットにフォーカスした「メインストーリー」,キャラクター好感度によって開放される「キャラクターエピソード」,レッスンのチャプター習熟度でアンロックされる「レッスントーク」,リンクボーナスの開放で読める「リンクストーリー」,期間限定イベントで公開される「イベントストーリー」の5つで描かれる。
声優のタマゴたちは文句なしに個性豊かであるものの,大きな夢を抱えた志半ばの“タマゴ”であるがゆえに,不安定で,決して強くない。「Flower」「Bird」「Wind」「Moon」の4人1組のチームに分かれて活動するといっても,最初からチームメイトと無条件に仲良くできるわけでもない。
メインストーリーでは,ときにハラハラさせられたり,ときに胸を締め付けるような気持ちになったり,ときにほんわかとした空気に癒やされたりと,マネージャーの視点でさまざまな体験をさせてもらえる。怒濤の展開に心が疲れて先を読めないシンドさはなく,単純に先の展開が気になるタイプのストーリーで,読み進めているうちに「弱気だったあの子がこんなに立派になって……!」と,どこか親心に似た感情を味わうことになるだろう。
◆Flower
◆Bird
◆Wind
◆Moon
レッスンと収録をとおして成長を見守る
それがマネージャーのお仕事
声優を育成するといっても,マネージャーであるプレイヤーがすべきことはそこまで複雑ではない。「レッスン」で経験値を溜め,得られたピースや強化アイテムでスキルに磨きをかけたら,「収録」に挑戦してレッスンの成果を発揮させる。声優たちの活動を見守ってマネージャーランクが上がったら,「ストーリー」で彼女たちの物語を読み進める……というのがざっくりとしたプレイサイクルだ。
■レッスン
基本の“き”にあたる大変重要なモード。レッスンをこなさなければ声優は育たない。4人の声優をチームに編成し,レッスンを行うことでパネルピースや,声優経験値,マネージャー経験値を得られ,声優の好感度も上昇する。さらに,特定の声優を編成してレッスンすれば,「収録」のスコアアップを狙える「リンクボーナス」の開放・レベルアップも行えるという,まさに声優たちのスキルアップには欠かせないものだ。
レッスンは「魔法少女協会マジック◆ワークス」をはじめとした4つの作品から選択でき,それぞれの作品は4キャラクター×3チャプターで構成されている。初めから選べるのは「マジック◆ワークス」と曜日レッスンのみだが,マネージャーランクが上昇すればほかの作品も開放される仕組みだ。
レッスン中はマネージャーとしてただ見守るのみ。手持ち無沙汰だな〜という人は,画面左下のログを観察しよう。声優たちにも用事があるようで,レッスンに参加するときもあれば,漫画の発売日,ゲーム開発,店の手伝いなどで欠席することも。見守るだけと聞くと退屈そうに感じるが,声優ごとのコンディションや欠席の理由を見ているだけでも,それぞれの個性を想像できて個人的には面白ポイントだった。
■収録
基本となる「レッスン」に対して,「収録」はいわば腕試しの場だ。声優たちを鍛え上げたら「収録」でレコーディングに挑戦しよう。
「収録」はメインキャスト4人+サブキャスト+ゲストでレコーディングを行い,スコアの達成を目指すモードだ。ただレア度の高い声優を編成すれば大勝利というものではなく,声優個々のパラメータはもちろん,作品ごとの収録属性や配役の適性,声優スキル,リンクボーナスなどの複数の要素がスコアに影響し,適材適所でキャストを選ぶことでハイスコアを狙える。
■声優の強化アレコレ
■上映
「収録」で難度BEGINNERのチャプターを“Cランク”以上でクリアすると,対応する作品の映像を「上映」で鑑賞できる。クリアしたチャプターの映像がアンロックされる形だが,1〜3のチャプターを同様にクリアすれば全編をとおして再生できるようになることを覚えておこう。上映作品に最初からキャスティングされている声優は固定だが,キャスティングシートで声優をアンロックすればキャスト変更が可能だ。
どちらかというと「上映」はやりこんだ人向けのご褒美であり,エンドコンテンツのようなものだ。最初からキャスト変更は思いのまま! とまではいかないが,自分が考える最高のキャスティングで映像を見られるのはなかなかうれしい。
声優のタマゴたちが手のひらの上で息づく
そこに“いる”感覚がたまらない
「CUE!」で一番驚かされたのは,声優のタマゴたちの“存在感”だ。平たく言えば,声優1人1人の動きと表情に個性を感じられるほどにグラフィックスやアニメーションの作り込みがすさまじい。
いまやLive2Dによるアニメーション演出は珍しくはなく,ただ動いているだけであれば驚きも少ない。しかし「CUE!」のそれは一味違っていた。声優のタマゴたちがそこに“いる”感覚……手のひらの上でしゃべり,またたき,ころころと表情を変える彼女たちがまさに目の前にいるような臨場感があるのだ。
この“臨場感”はどこから生まれるのか。おそらくこれは,シーンに合わせた陰影の変化や,会話中の目線の変化といった,とても細かな工夫からくるものなのだろう。例えば夜の駅前でのシーンでは,周りの暗さ(背景)に合わせてキャラクターのグラフィックスが暗めのトーンになり,背後の建物の光がさして逆光を受けたような処理が施されている。場面がステージの舞台袖に変われば,会場の照明が漏れる右側だけに光が当たったような処理に変わっていた。
仕草1つをとっても声優たちは顔の角度や目線を変え,話をしている相手を見て,うなずき“話を聞いている”。こうしてシナリオのシーンに合った見た目,動きによって彼女たちがそこに“いる”ような,手を伸ばせば届きそうな感覚が生まれているのかもしれない。いやー,これがたまらんのです。
筆者が何を伝えようとしているかはプロローグを少し読むだけでも感じられるはずだ。目で,耳で彼女たちの存在を感じ,この感覚を味わってみてほしい。
16人の声優のタマゴたちがいかに成長し,どのように羽ばたいていくのかはとても気になるところ。毎日コツコツと育成に励むタイプのゲームが好きな人は,夢にひたむきな声優のタマゴたちを支えるマネージャーとなり,その行く末を見守ってほしい。彼女たちに最高の景色を見せられるのはアナタだけなのだから。
「CUE!(キュー)」公式サイト
「CUE!(キュー)」ダウンロードページ
「CUE!(キュー)」ダウンロードページ
※本稿で使用しているスクリーンショットはすべて開発中のものです。
(C)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved.
(C)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved.