プレイレポート
京極晴也(CV:杉田智和)率いるカスミガセキに勝利を! 「三極ジャスティス」クローズドβテストプレイレポート
世界観監修・シナリオに「高機動幻想ガンパレード・マーチ」の芝村裕吏氏を迎え,2017年10月に「いよいよ戦争を始めますか?」との刺激的なキャッチと共に発表された本作。その初お披露目となるクローズドβテストが,2018年2月22日から3月8日までの期間で行われた。
「サンジャス」で描かれる“戦争”とはいかなるものなのか。実際に筆者がCBTを遊んでみてのプレイレポートをお届けしよう。
「三極ジャスティス」公式サイト
3つの勢力に分裂した近未来の日本
覇権を握るのは秩序か,自由か,暴力か
芝村裕吏氏が手がける作品の特徴といえば,その容赦のない世界観設定だろう。本作も例にもれず,なかなか強烈な世界観が用意されている。
「サンジャス」の舞台となるのは,遺伝子改良を施した“人工人間”を作り出す技術「ライフサイエンス」が発展した近未来の日本だ。
2038年,日本政府はライフサイエンス全面解禁を強行する官製クーデターを敢行。米軍の核兵器と自衛隊を接収し,革命は成功を収めたかに見えた。しかし,海外の支援を受けた旧国会議員がゲリラ活動を開始。それと時を同じくして,人工人間工場を占拠した犯罪組織が抗争を始める。
これらの勢力はそれぞれ,理想国家の建設を望む新政府「カスミガセキ」,生命倫理と自由の守護者「ヤオヨロズ」,武力と兵力を得た巨大犯罪組織「ダークシスターズ(ダクシス)」を名乗り,2041年より本格的な衝突を開始した。
プレイヤーはゲーム開始時,これら3勢力の中からひとつを選んで志願することになる。
サイボーグやら人体オーグメンテーションが大好きで,SF系シミュレーションゲームで人体改造技術があれば迷わず取得する生粋の物質主義者である筆者は“ライフサイエンスの全面解禁”という素晴らしい理念を掲げるカスミガセキを選択。武装セーラー服や武装ドールも素晴らしいが,やはり人体改造の魅力には抗えぬ。
勢力を選択すると,さっそく組織のリーダーが登場。カスミガセキでは,杉田智和さん演じる「京極晴也(キョウゴクハレルヤ)」が出迎えてくれる。
諸々の会話があった後,プレイヤーは監察官と呼ばれる役職を与えられ,機動兵器「要塞機」を用いた部隊の戦術指揮を任されることに。この身に余る大役,謹んでお請け致します。
事情を理解したら,さっそく戦場へ出発! ……と,単純に事は運ばない。
本作のゲーム目的は,2か月の期間内(CBT期間中は期間短縮)で行われる物語の区切り「チャプター」と,チャプター内で展開される「作戦」を有利に進めることだ。作戦内では拠点を奪い合う「エリア」が展開され,各エリアでの戦闘結果如何に応じて作戦の勝敗が決定する。現在のゲーム目標と,必要な行動を見極めるのも監察官の務めだ。
とはいえ,一気に色々な用語が展開されて,ちょっと頭が混乱してきた頃合いだろう。ゲームの流れを把握するにあたって,必要な要素を簡単にまとめてみたので,理解の助けにしてほしい。
◯チャプター
2か月ごとに展開されるストーリーのこと。チャプターの内容に応じた作戦が複数展開され,その内容に応じて後のストーリーが変化する。
◯作戦
チャプター内で展開されるイベントのこと。作戦の成否は,作戦内で実施されるエリア内での戦闘結果によって決定される。
◯エリア
作戦内で展開される戦場の単位のこと。毎日新たなエリアが設置され,エリアごとに勝敗が決定される。また,ひとつの作戦内には複数のエリアが存在し,プレイヤーの階級によって参加できる戦場が変化する。
◯戦場と拠点
エリア内に存在する個々の戦場。戦場は複数の「拠点」で構成されており,拠点の制圧状況によって戦場での勝敗が決定される。
支配エリアの確保を見据えて戦場を選択
味方との連携が勝利への鍵だ
ゲームの基本を理解したら,いざ戦場へ。自分が参加したいエリアを選択すると,敵味方の勢力範囲が一望できるマップが表示される。
こちらは参戦できるエリア(戦場)の選択画面。この画面に限らないが,支配勢力などが表現される際には赤がカスミガセキ,青がヤオヨロズ,緑がダークシスターズを現している |
マップ上では各勢力の拠点を確認できるほか,参戦している味方プレイヤーのリストや,エリア自体の残り戦闘時間,自勢力チャットなどが利用できる |
各戦場における目標は,マップ上に「拠点」を配置して「支配エリア」を増やし“制圧点”を獲得することだ。拠点を配置できるポイントは複数用意されており,それを3勢力で奪い合う格好になる。
ただし,闇雲に拠点を配置してはいけない。拠点が配置できるポイントは線で繋がれており,三角形を組み合わせたフラクタル構造を成している。その中で三角形の頂点を取るようにして自勢力の拠点を配置しなければ支配エリアを獲得できず,制圧点を産出してくれないのだ。
敵の拠点を破壊する場合は,戦闘を仕掛けて「耐久力」をゼロにせねばならない。個人で何度も同じ拠点を攻撃するとかなりの時間がかかってしまうので,チャットなどを活用して同エリア内の味方と連携しよう。
また,拠点で戦闘を繰り返すと“SP”が累積し,これを消費することでプレイヤーキャラが習得している特殊能力「戦術」を発動できる。拠点の強化や回復を行える唯一の手段なので,SPが溜まったら忘れずに使っていこう。
さて,戦うべき拠点を選択したら,いよいよ要塞機を用いての戦闘だ。拠点制圧戦では,ケイブお得意の弾幕シューティングを基盤としたアクションゲームが展開される。
操作は非常に簡単で,画面上をタッチ&スライドさせることで自由な方向に移動できる。敵を攻撃範囲内に捉えれば自動で射撃してくれるので,方向転換などの操作も不要だ。
触ってみると,その操作の軽快さに驚かされる。相手の弾を避けているだけで,敵拠点に配置された小型兵器がドカンドカン壊れていく様子はまさに爽快だ。
また,要塞機には固有の「アクション」が設定されており,画面右下のアクションボタンをタップすることで発動できる。例えば,最初に搭乗できる要塞機は,高速で直線状に移動する「ダッシュ」が使用可能だ。
さらに,戦闘中に一定時間が経過すると,要塞機に搭乗するキャラクター固有のスキルも使用可能になる。これまた強烈な効果が多く,小型兵器であればラクラク一掃できるほどの火力を供給してくれる。
ダッシュで特攻を仕掛け,有象無象の一般兵器を殲滅して華麗に去っていく姿はまさにロボットアニメのごとく。このままカスミガセキに勝利を献上しようではないか!
拠点は複数の区画に分割されており,それぞれの区画を守る指揮官とボスを倒せばミッションコンプリートとなる。「小型機と同様にサクサクっと倒してしまおう」と特攻を仕掛けると,密度の高い弾幕に阻まれて一瞬で味方要塞機が蒸発してしまった……あれれれ?
実は,プレイヤーが操作する要塞機はあくまで“攻撃”に特化した機動兵器であり,初期段階の装甲は非常に脆い。たとえボスでなくとも,ちょっと多段ヒットを愛ければすぐ壊れてしまうほど柔らかいのだ。
さらに,要塞機に搭乗するキャラクターには4種(火,氷,雷,無)の「属性」が割り振られており,相性が悪ければ数発の被弾が命取りになることも少なくない。
そうした失敗があったあと,繊細な操作を心がけるようになってから,戦闘はかなり安定するようになった。勝利に至るまでのスピードはやや落ちてしまうものの,そこは安定性とのトレードオフといったところか。戦場を駆ける英雄を目指すのは,もうちょっと成長してからということで。
タレントツリーにポイントを割り振り
戦場での得意分野を手に入れよう
日々戦闘を繰り返していくと,だんだんと敵勢力も強くなっていく。それに対抗するためには,自身の要塞機をはじめとする兵器や,搭乗する兵士たちを強化し,戦力を拡充せねばならない。
まずは兵器の製造と強化だ。要塞機が装備する武装は,戦闘勝利時に獲得できるドロップアイテムを用いて強化できる。単純に性能が向上するので,戦線に送り出す部隊の装備品はキッチリ強化しておこう。
戦闘で獲得した「設計図」を用いれば,新たな要塞機や武装を製造することも可能だ。要塞機は,装備した武装によって攻撃の種類も変化するので,強化するアイテムを見極めるため,自分に合った武装を見つけておきたい。
プレイヤー自身の能力を向上させるのも重要だ。プレイヤーは戦場で戦いを重ねるごとに経験値を獲得し,レベルが上昇していく。この際に獲得できる“TLP(タレントポイント)”を使ってタレントツリーから「タレント」(才能)を獲得することで,プレイヤーの能力を拡張できる。
そして,強力な能力は前提条件となるタレントを獲得しなければ獲得できず,タレントツリーはタレントの種別(CBTでは「戦術ツリー」と「開発ツリー」)に分割されていた。つまり,成長させるタレントの種類によって,自分の強みが変化していくのだ。
より強力な兵器を獲得するために開発ツリーを伸ばすか,戦場全体のことを考えて戦術ツリーを伸ばすか……。なかなかどうして悩ましい。
こういった仕様を理解したら,あとは同じ勢力の仲間たちと息を合わせて戦うだけだ。
その結果として,クローズドβテストの第1週で展開された作戦「戦いの予兆」は,我らがカスミガセキが勝利を果たした。安堵した官僚戦士たちは眠りについたが……監察官達は翌朝の展開に驚愕することになる。
第2週に開始された作戦「戦いのきざし」では,接続時間が“18時〜23時まで”から“24時間終日”に変更されたのだが,この初日に「ダクシス」のメンバーが深夜に行動を開始。他勢力の虚を突いた“夜襲”を実行したのである。結果,新作戦はダクシスの大幅リードからの開幕となった。
犯罪組織の奇策によってカスミガセキ,ヤオヨロズの両勢力は大いに混乱させられたわけだが,それと同時に本作の奥深さを真に実感させられもした。各戦場の結果がストーリー展開に直結する本作において,この行動は物語自体にも少なからず影響を与えることだろう。プレイヤーが直接要塞機を操作するゲーム部分だけでなく,戦略レイヤーにおけるプレイヤー間の協調が,これほど明確にゲーム全体に影響を与える作品は稀と言える。
今回のクローズドβテストでは制限されていた機能も多く,これでも“すべてを遊び尽くした”とは到底言えない段階だ。今後行われる正式サービス時には,より多くの選択肢が用意され,各勢力が頭を悩ますことになるだろう。プレイヤー間でどんなドラマが生まれ,戦術が熟成されていくのか……。今から正式サービスの開始が楽しみでならない。
「三極ジャスティス」公式サイト
(C) 2018 CAVE Interactive CO.,LTD.
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