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ミュージカル「DREAM!ing〜White Maze〜」囲み取材&ゲネプロ公演レポート。「混ぜるな危険」ペアの過去や想いが明らかに
コロプラの「DREAM!ing」(iOS / Android。※2021年5月17日にサービス終了)を原作とした舞台シリーズの最新作となるミュージカル「DREAM!ing〜White Maze〜」が,2024年12月14日に都内の飛行船シアターで開幕した。ミュージカル「DREAM!ing」(Dミュ)は,2020年に1作目が上演され,今回が4作目ならびにシリーズ最後の公演となっている。
本稿では,公演に先駆け行われた囲み取材とゲネプロ公演の様子をレポートしていく。物語や演出のネタバレとなるような記述,写真が含まれるため,今後観劇予定の人は注意してほしい。
ミュージカル「DREAM!ing」公式サイト
「Dミュ」への思いや感謝が語られた
メインキャスト囲み取材
ゲネプロ前には,本公演で主要キャラクターを演じた新兎千里役の樋口裕太さん,獅子丸孝臣役の長江崚行さん,針宮藤次役の反橋宗一郎さん,三毛門紫音役の杉本 凛さん,虎澤一生役の白石康介さん,浅霧巳影役の塚本凌生さん,久磨凛太朗役の宮内伊織さん,バク役の吉田邑樹さん,桐谷洋介役の磯貝龍乎さんの囲み取材が行われた。
キャスト陣からは,4年にわたり上演された「Dミュ」への思いや感謝が存分に語られた。
――ついに公演開始となる今の気持ちをお願いします。
樋口裕太さん(新兎千里役):
今回,オリジナルストーリーで新兎&獅子丸ペアの真実が描かれています。本当にファンの皆さんも待ち望んでいたことだと思いますので,しっかりと舞台で表現しお伝えできたらと思います。
――本公演の見どころを教えてください。
長江崚行さん(獅子丸孝臣役):
原作では描けなかった部分であり,「DREAM!ing」を受け継いだ新たなストーリーを隅から隅まで味わっていただければと思います。また個人的には,オリジナルキャラクターであるバクがどのような動きを見せるのかに注目していただきたいです。
――ファンの皆さまへ向けて,メッセージをお願いします。
樋口裕太さん(新兎千里役):
今までミュージカル「DREAM!ing」に関わってくださったすべての方の思いを背負い,僕ら2人(新兎&獅子丸)が主軸となりやらせていただきます。
今回最後ということになってしまうのですが,僕は“最後”という言葉があまり好きではないので,皆様にはいつもどおりの「DREAM!ing」を観に行くつもりで楽しんでもらえたらと思っています。最後までよろしくお願いします!
長江崚行さん(獅子丸孝臣役):
初演から一丸となり走ってきた皆に「4作目を任されているな」という緊張や,いろいろなものが織り混ざっている状態です。
今作でミュージカル「DREAM!ing」は終わってしまうのですが,彼らにはこの先の未来があり,あくまで青春の一部を切り取っているだけに過ぎないので,湿っぽくならずに皆で楽しんで良い思い出を作れたらと思います。
反橋宗一郎さん(針宮藤次役):
ミュージカル「DREAM!ing」は今回で4作目となります。1作目,2作目,3作目があり,それぞれバトンをつないでくださった方や,今回出演していない方々へ向けて,チーム一丸となり一生懸命お届けできたらと思います。
杉本 凛さん(三毛門紫音役):
「DREAM!ing」は喜怒哀楽がたくさん詰まった作品で,中には面白い場面や考えさせられるシーンも多く存在します。
また,本公演では懐かしい「ゆめライブ」も盛りだくさんですので,最後まで頑張って良い思い出にしたいと思います。
白石康介さん(虎澤一生役):
本当にこの作品やカンパニーがすごくすごく大好きですし,たまに帰ってこれる家族みたいな存在だと感じています。舞台で共演するのは最後ですが,精一杯すべてを出し切り笑顔で終わりたいと思っています。
塚本凌生さん(浅霧巳影役):
僕は2作目「Rainy Days」(ミュージカル「DREAM!ing〜Rainy Days〜」)から出演させていただき,本当に役者としていろいろなものをいただいた作品ですので,最後の最後まで皆さんに何か返せるよう努めて参ります。よろしくお願いします。
宮内伊織さん(久磨凛太朗役):
僕が演じる久磨凛太朗は,3作目「FUN!:C'est la vie」(ミュージカル「DREAM!ing〜FUN!:C’est la vie〜」)から登場しており,自身も今年から「Dミュ」に参加させていただきました。
本作は作り手や観にきてくださる方からの愛情を感じるとともに,想像してたより何倍も感動的なシーンが多い印象を受けました。今回も舞台を作っていく中で,皆さんに感謝が伝われば良いなと思っています。
吉田邑樹さん(バク役):
オリジナルキャラクターであるバクとして,(Dミュへ)来てくださった方にもさまざまな感情をお届けし,楽しんでいただけるように一生懸命頑張ります。
磯貝龍乎さん(桐谷洋介役):
今回でラストとなりますが,しみったれた空気はなしにして,皆笑顔で終われたらなと思います。よろしくお願いします!
“嘘”がカギとなる完全オリジナルストーリー
物語の舞台は,各界の著名人や才能溢れる人たちが集う名門校「東雲学園」。将来が有望視される特進クラスの生徒たちは皆,“首席”を目指しており,見事選ばれた暁には国家レベルの権限が与えられる。
首席への条件は「ゆめシステム」を使用し,ペアで「ゆめライブ」を行い,多くのフォロワーを獲得すること。
本作では,自分の心の中が相手に見えてしまう「ゆめライブ」を通じてストーリーが展開され,首席獲得や学園生活に奮闘するキャラクターたちの姿が描かれている。
ミュージカル「DREAM!ing」の大きな特徴は,シリーズごとに物語の中心人物が変化していくことである。
1作目は望月悠馬&花房 柳,2作目「Rainy Days」では柴咲真也&白華時雨,3作目「FUN!:C'est la vie」は牛若 湊&志部谷 幽に焦点を当てていたが,本作では1年生であり「混ぜるな危険」ペアの新兎千里&獅子丸孝臣にスポットが当たっている。
舞台は新兎と獅子丸がオンラインゲームで遊ぶ場面から始まる。2学期が終了し冬休みへと突入した東雲学園だが,特進クラスの生徒たちに休む暇はなく,各ペアが年末に実施される「ゆめライブ配信」への準備を進めていた。
いつも揉めてばかりの2人も配信へ向けて練習しなければならない……という危機感は感じていたが,ズルズルと時間が過ぎていってしまう。
一方,学園内では「ゆめライブ会場に“幽霊”が出る」という噂が流れており,同級生である針宮藤次とともに真相解明に乗り出した新兎は「ゆめシステム」内でしか生活できない謎の少年,バクと出会い親睦を深めていく。
本作では,バクを通じて変化していく新兎&獅子丸の関係性や2人の過去,そして物語が進むごとにバクの正体や彼の目的について判明していく。
ミュージカル「DREAM!ing〜White Maze〜」は,「Dミュ」を初めて観劇する人や,「DREAM!ing」をあまり知らない人でも十分に理解しやすい構成となっている。
本公演では開幕前に前説が設けられており,ここでは3年生の久磨凛太朗&虎澤一生が物語の概要や登場キャラクターについて説明してくれた。なお,前説は開演の15分前に行われるため,早めに来場することをおすすめする。
そして今までの「Dミュ」ではメインストーリーをベースとしたシナリオを展開してきたが,今回はシリーズ初の完全オリジナルストーリーとなっている。
“嘘”について考えさせられるストーリーは,「これからどうなっていくのだろう?」とハラハラさせられるはず。
また,本音を隠し周囲に接する新兎や,嘘が嫌いな獅子丸の“嘘”に対する心情や思いも本作では明らかになっていた。
さらに「Dミュ」の見どころである「ゆめライブ」シーンでも,これまでとは違う試みが行われている。
囲み取材時に杉本さん(三毛門紫音役)も口にしていたが,本公演では過去作で歌唱した楽曲を再度披露する場面があり,「Dミュ」を長く追ってきたファンは懐かしさを覚えるのではないだろうか。ミュージカル「DREAM!ing」の“集大成”を感じる構成や演出は,観る人を驚きや感動へと包んでいくだろう。
ほかにも,思わずクスッと笑ってしまう針宮のユーモア溢れる場面や,観客を楽しませる客降り演出とあっという間の150分だった。
ミュージカル「DREAM!ing〜White Maze〜」は,東京/飛行船シアターにて12月22日まで上演中だ。当日券も用意されているため,気になった人や,「Dミュ」のラストを見届けたい人はぜひ足を運んでいただきたい。
ミュージカル「DREAM!ing」公式サイト
(C)COLOPL・ミュージカル「DREAM!ing WM」製作委員会