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[TGS 2017]「GUNGRAVE VR」開発者セッションをレポート。迫力のガンアクションを楽しめる開発途中版をプレイしてみた
このセッションは,韓国のゲームパブリッシャであるBLUSIDEのキム氏が,本作の開発に至る経緯を,開発を担当する韓国のゲームデベロッパであるIGGYMOBのケイ氏が,ゲーム概要を説明するという流れで行われた。本稿では,その概要をレポートしたい。
BLUSIDEのキム氏 |
IGGYMOBのケイ氏 |
本作はもともと,IGGYMOBがレッド・エンタテインメントからライセンスを得て開発していたスマートフォン向けのゲームだったという。
そのパブリッシングを持ちかけられたBLUESIDEが,「ガングレイヴなら,VRコンテンツとして構築したほうがいい」とアドバイスしたところ,ほんの半年でIGGYMOBは,PS VR用のプロトタイプを作り上げてきたそうだ。しかも,プロトタイプの時点でVR酔いに関する対策が整っていたそうで,驚いたBLUESIDEは,「すぐにパブリッシング契約の締結を決めた」と,キム氏は述べている。
なお,この開発期間の短さと高い品質を実現できたのは,ソニー・インタラクティブエンタテインメントによる手厚い技術サポートの賜物であったとのこと。
「巨大な二丁拳銃と,多彩な武装を仕込んだ棺桶で撃ちまくって戦う」というゲームのコンセプトこそ,PlayStation 2用の旧作と同様の本作だが,システムのさまざまな部分が変更されている。その最たるものが,主人公ビヨンド・ザ・グレイヴの操る二丁拳銃「ケルベロス」のオーバーヒートだろう。
ケルベロスは,弾を連射しすぎてオーバーヒート状態になると発砲できなくなるので,ジャグリングのような「クールダウンアクション」で,適宜冷却していく必要がある。これは,プレイのメリハリを演出するために盛り込んだ要素とのことだ。
ゲームの操作に用いるのは,DUALSHOCK 4とPS VRのヘッドトラッキング機能だ。ガングレイヴのVRコンテンツなら,両手にPlayStation Moveなどを持った二丁拳銃プレイも面白そうだが,腕への負担が大きいこともあり,試行錯誤の結果としてシンプルなDUALSHOCK 4に落ち着いたという。
GUNGRAVE VRのゲームプレイは,三人称視点のステージと一人称視点のステージという2パターンが存在する。とくに三人称視点のステージは,単に「TPSとして作っていたものをVRに対応させた」というようなものではなく,VRならではの三人称視点モードになっているとのことだ。
新作のプロジェクトには,旧作のスタッフも可能な限り参加しており,たとえば,キャラクターデザインなどを担当した内藤泰弘氏は,イラストのアドバイザー,音楽を担当した今堀恒雄氏は,メインテーマの作曲に携わっているという。
オリジナルキャストにもこだわり,主人公のグレイヴ役には関 智一さん,ヒロインの浅葱ミカ役にはアニメ版CVを担当した佐久間紅美さんが起用されている。
そのほかのキャラクターにも,オリジナルキャストを配役したいとのことだが,異国の声優業界は把握しづらいのか難航している様子で,冗談半分ながら出演者からのアプローチを望んでいた。
プレイヤーキャラクターは,グレイヴのほか,DLCとして新しいキャラクターを追加する予定という。今のところ予定されているのは,九頭文治と浅葱ミカ。時系列的に,文治は死亡しているはずだが,それが本作に登場するということはストーリーにも関係する何らかの秘密があるらしい。
発売時期は2017年内の予定で,オリジナルが日本発の作品であるため,まず日本で発売するということだ。
劇中のグレイヴの眠り(13年)よりも長い,15年という時を経て蘇ったGUNGRAVE VR。手軽かつ爽快な銃撃戦をVRならではの表現で味わえるときを,楽しみに待ちたい。
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