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中国のPCパーツ大手Colorfulが日本市場で本格展開。まずはグラフィックスカード8製品から
発表前日である8月23日にリンクスは,同社が取り扱う,あるいは取り扱いを検討しているColorful製品を披露するプレスイベントを,東京・秋葉原で行った。本稿では,イベントで披露されたグラフィックスカードを中心に,Colorful製品を簡単に紹介したい。
世界全体で10台程度の超レアカードも投入?
Colorfulは,ゲーマーをターゲットとした製品ブランド「iGame」(アイゲーム)や,PCケースや電源ユニットを扱う「Segotep」(セゴテップ),社名そのままの「Colorful」といったサブブランドを展開している。リンクスはこの中から,iGameブランドの6製品と,Colorfulブランドの2製品をひとまず取り扱うという。国内だと,Colorfulブランドの2製品はバルク的な存在になるとのことだ。
ラインナップと販売代理店想定売価は表のとおり。
製品名 | 搭載GPU | 冷却方式 | 発売日 | 想定売価(税込) |
iGame GTX1080Ti Kudan | GeForce GTX 1080 Ti | 空冷または液冷 | 2017年9月末 | 未定 |
---|---|---|---|---|
iGame GTX1080Ti Neptune W | GeForce GTX 1080 Ti | 簡易液冷 | 8月26日 | 11万2140円前後 |
iGame GTX1080Ti Vulcan X OC | GeForce GTX 1080 Ti | 空冷 | 8月26日 | 11万4550円前後 |
iGame GTX1080Ti Vulcan AD | GeForce GTX 1080 Ti | 空冷 | 8月26日 | 9万8710円前後 |
iGame GTX1080 U-TOP-8G | GeForce GTX 1080 | 空冷 | 8月26日 | 7万3940円前後 |
iGame GTX1060 Vulcan U 6G | GeForce GTX 1060 6GB | 空冷 | 8月26日 | 3万6840円前後 |
N1070-805-WK | GeForce GTX 1070 | 空冷 | 8月26日 | 5万5510円前後 |
N1060-605-WK | GeForce GTX 1060 6GB | 空冷 | 8月26日 | 3万5830円前後 |
日本での主力商品となりそうなiGameブランドのグラフィックスカードは,ブラケット部分についたボタンを押して再起動するだけでオーバークロック動作が可能な「One-key overclocking」や,グラフィックスカード上に小さなLEDディスプレイを装備して,GPU名や動作クロック,動作温度やファン回転数といった情報を表示できる「iGame Status Monitor」といった機能が特徴であるという。
ただ,One-key overclockingは,今回国内販売するiGameブランドのカードすべてが対応しているものの,iGame Status Monitorに対応する製品は「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載する「iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」だけとのことだ。
さて,今回発表となった8製品のうち,7製品は8月26日に発売となるのだが,実は一番注目を集めそうな製品は,発売日が2017年9月末とやや遅い「iGame GTX1080Ti Kudan」だろう。
iGame GTX1080Ti Kudanは,特別に選別された「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載するグラフィックスカードだ。3連ファンを採用し,かつ液冷にも対応したGPUクーラーを組み合わせ,さらには液冷ラジエータとホースが一体型になった後付けの液冷ユニットも付属するという大仰な製品だが,真に注目すべきは,「世界最高」(Colorful)という動作クロック設定だ。発表によると,ベースクロックは1657MHz,ブーストクロックは1784MHzになっているという。
ところが,選別の基準が厳しいため,肝心のGPUが全世界で10台分程度しか取れず,国内で販売できるのは,そのうちの1〜2台程度という,まさに超レアものであるとのこと。そんなレアものだけに,価格や販売方法も未定なのだが,相当に高価な製品となるのは間違いない。
それ以外の製品で目を惹くのは,iGame Status Monitorを備える「iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」だろうか。ただ,税込の販売代理店想定売価は11万円を超えるので,人を選ぶ製品なのは確かだ。
全般的に,台湾の大手メーカー製グラフィックスカードの上位モデル並みか,それ以上という強気な価格設定のため,同クラスのGPUを搭載する他社製品に比べると,どうしても割高感が否めないのは残念なところ。価格がこなれてくるまでは,厳しい戦いを強いられることになりそうだ。
マザーボードを引き出せるMini ITXケースや,好きなディスプレイを付けられる一体型PCケースが面白い
プレスイベントのメインは,iGameブランドのグラフィックスカードであったが,
そんなSegotepブランドの製品から,ちょっと変わったPCケースが2製品出展されていたので,簡単に紹介しよう。
1つめは,Mini ITX仕様のPCケース「Kunlun TG3」だ。ちなみにKunlun(クンルン)とは,中国の神話に出てくる「崑崙山」から取ったもので,Segotepブランドのハイエンド製品で使う名称とのことである。
Kunlun TG3のポイントは,マザーボードや電源ユニットを載せる部分が可動式になっていて,筐体からスライドして簡単に引っ張り出せる仕組みになっている点だ。キューブタイプのMini ITXケースでは,内部にマザーボードや各種コンポーネントを組み込むのが難しかったりするが,Kunlun TG3は,これらを取り付ける部分を外に引っ張り出せるので,組み立て作業が楽にできそうである。
筐体の奥行きが長いので,iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのように大型のグラフィックスカードや,簡易液冷CPUクーラーのラジエータを組み込むことも可能だ。ただ,ストレージ用のスペースは,マザーボードを載せている台の裏側にあるそうで,アクセスしにくそうなのは気になった。
リンクスによれば,似たような機構を備えたPCケースは,以前にも他社からいくつか出ていたが,商品として成功したものはなかったとのこと。Kunlun TG3の北米市場におけるメーカー想定売価は190ドル前後とのことで,相応の価格で登場すれば,国内市場でも評価されるのではないだろうか。
背面パネルは強化ガラス製なので,見せるPCケース的な使いかたもできるだろう。
かなり特異なコンセプトのPCケースだけに,仮に国内販売されたとしても,相応に高価な製品となりそうではある。コンセプトが気に入ったなら,チャレンジしてみるのも面白そうではないだろうか。
Colorful 公式Webサイト(英語)
リンクスのColorful製グラフィックスカード製品情報ページ
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