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FFXV田畑氏と鉄拳原田氏によるスペシャル対談。「原田が斬る!」出張版も配信された「FFXV ATR 鉄拳7コラボスペシャル」レポート
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印刷2018/03/21 15:13

イベント

FFXV田畑氏と鉄拳原田氏によるスペシャル対談。「原田が斬る!」出張版も配信された「FFXV ATR 鉄拳7コラボスペシャル」レポート

 「FINAL FANTASY XV ROYAL EDITION」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の発売,およびバンダイナムコエンターテインメントの「鉄拳7」PC / PS4 / Xbox One)と「FINAL FANTASY XV」PS4 / Xbox One)(以下,FFXV)とのコラボレーションを記念した,スクウェア・エニックスの公式Web番組「FFXV オルタナティブ・タイム・レポート 鉄拳7コラボスペシャル」が,2018年3月14日に配信された。

左から田畑氏,中東の石油王のような姿で登場した原田氏,鉄拳7開発プロデューサー兼ゲームディレクターのナカツこと池田幸平氏
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 FFXVの公式配信「アクティブ・タイム・レポート」がついに先日最終回を迎え,タイトルを改め新たな形でスタートした今回は,「鉄拳」シリーズのチーフプロデューサー・原田勝弘氏をゲストに迎え,ゲームやコラボの内容について解説が行われた。後半にはFFXVディレクターの田畑 端氏と原田氏のスペシャル対談も行われた,この配信の模様をレポートする。

田畑氏と原田氏はかつて4Gamerの連載「原田が斬る!」第1回で,(田畑氏いわく)原田氏に“斬られた”ことがあり,現場で会うのはそれ以来なのだとか
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「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」公式サイト

「鉄拳7」公式サイト



最新のFFXVが詰まったFFXV ROYAL EDITION


 番組前半はゲーム紹介コーナーとして,FFXV ROYAL EDITIONとFFXV WINDOWS EDITION,そしてゲストキャラクターとして鉄拳7に登場するノクティスについて,両社の開発陣が紹介するものになった。

 FFXV ROYAL EDITIONは,FFXV本編とこれまで配信された各種DLC,そして「王都インソムニア エクストラマップ」をはじめとするさまざまな新規要素を加えた最新バージョンで,3月6日に発売となったタイトルだ。さらに本編を購入済みの人に向け,追加要素のみの「FFXV ロイヤルパック」も同時発売されている(関連記事)。

FFXV ROYAL EDITIONについて解説した,リードバトルプランナーの五十嵐 翔氏
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 追加要素としては,ボタンの組み合わせで複数の武器を使ったコンビネーションが発動できる「真・ファントムソード」や,敵の攻撃にカウンターを当てる「パリィ」など,より格好よさを追求したアクションが可能に。ほか,新たなエネミーやサブクエストを含む王都インソムニアの追加マップ,主人公ノクティスの視点でプレイできる「ファーストパーソンモード」といった新要素があり,配信ではその一部のデモンストレーションが行われた。

真・ファントムソードのモーションアクターも担当したという五十嵐氏。原田氏に「田畑さんって(上司として)ぶっちゃけどうなの?」と台本にない話題を振られて,あたふたする場面も
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 五十嵐氏が「真・ファントムソード」を使ったバトルを披露し,ノクティスがプレイヤーの操作を離れた場合も,キャラクターの成長に合わせて多彩なアクションを繰り出すようになることを説明すると,原田氏は「スクエニさんはすごくAIの研究をしている」と反応。田畑氏も本作のAIは「本当に仲間と一緒に冒険をしているような感覚になれる」ようにこだわったと言い,「ゲームの中のAIが進化すると,いろんなゲームデザインも変わっていく」と話していた。

 続いてはFFXV WINDOWS EDITIONについて。Microsoftストア,Steam,Originで配信中の本作は,Native 4K(最大8K)までの解像度に対応するなど,PCならではの強化されたグラフィックスがウリとなっている。NVIDIA GameWorksのさまざななグラフィックス技術が導入されたことにより実現した,踏むと倒れるフィールドの草や,風に揺れてフサフサたなびくガルラの体毛といった表現に,原田氏も思わずサングラスを取って見入る場面も。

FFXV WINDOWS EDITIONプログラマー小野哲平氏(左)と濵野翔平氏(右)
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 もちろん最高レベルのグラフィックスで遊ぶためにはハイスペックのPCやディスプレイが必要になるが,手持ちの環境に合わせて細かな設定が可能なので,プレイするだけならそこまで性能は必要ないとのことである。

見ているだけでワクワクするような,より美しいFFXVの世界が広がる。必要動作環境はCPUがCore i5-2500もしくはAMD FX-6100以上,グラフィックスカードがGeForce GTX 760およびGTX 1050,もしくはAMD Radeon R9 280以上となっている
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 原田氏はPC版が出ると聞いてPS4版を途中で止めていたそうで,この完成度を見て「これは楽しみ。待っていてよかった」と喜びの声を開発陣に伝えていた。

ゲームプレイの状況によって対応キーボードを発光させる機能なども紹介された。押すべきキーを光らせたり,演出でキーボード全体が光ったりと,好みで設定が可能だそうだ
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アイトラッキングデバイスによって,ゲーム内のカメラを操作する機能も。ぼんやり見える白い輪がアイトラッキングによる目線の位置で,この方向によってカメラを操作する
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鉄拳7のゲストキャラ・ノクティスは3月20日配信開始


 前半の最後は,鉄拳7の新キャラクターとして配信されるノクティスのデモンストレーションが行われた。

ノクティスを紹介するバンダイナムコスタジオのナカツこと池田幸平氏(左)と,バトルディレクターのミシマスターこと安田 純氏(右)
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 配信済みのPVについての話題では,鉄拳チームとFFXVチームの共作によって実現したという,ノクティスが仲間達と掛け合いをするシーンの裏話を語られた。
 原田氏によれば,最初はすべて鉄拳チーム側で制作していたのだが,ノクティス達のセリフにFFXVチーム側から多くの修正が入ったため,急遽その部分をFFXVチーム側で制作することになったとのこと。鉄拳チームでは,PVを作るときに動きやテンポにこだわりこそすれ,セリフ自体にはそれほど頓着していなかったと言い,原田氏も「普段RPGを作っているチームの観点は,僕らとはまったく違っていて,異文化を感じた」と語っていた。とはいえ共作によって,鉄拳7ファンもFFXVのファンも納得のいく内容に仕上がったとのことである。


 気になるノクティスのプレイフィールについては,池田氏が「ちゃんと鉄拳の駆け引きができるキャラクター」と紹介。「ウルトラストリートファイターIV」から参戦した豪鬼や,「THE KING OF FIGHTERS」や「餓狼伝説」シリーズに登場するギース・ハワードは,元が2D格闘ゲームのキャラクターということで,これまでの鉄拳シリーズとは一味違った面白さを鉄拳7にもたらしたが,今回のノクティスは,開発陣の多くが「意外と鉄拳っぽいキャラになったね」と口にするほど鉄拳らしいキャラクターに仕上がっているという。

 FFXV本編同様,武器召喚を駆使して戦うスタイルだが,巨体のキャラクターも少なくない鉄拳の中では,飛び抜けてリーチが長いということもなく,[△](右パンチ)連打による片手剣コンボをはじめ,比較的簡単なコマンドで初心者でも壮快なアクションが楽しめるという。また熟練者向けには,性質の違う5種類の武器の使い分け,パリィやシフトといったノクティスならではの要素を駆使することで,さまざまな攻防が可能だという。大会などでの活躍にも期待がかかるところだ。


 専用ステージであるハンマーヘッドの背景には,プロンプトやイグニス,グラディオといった仲間達も登場。バトル中の状況に応じてノクティスを応援したり,近くに来ると驚いたりなどリアクションが変わるような演出も用意されているとか。
 ちなみに,これまでのコラボキャラクターは鉄拳チームでイチからモデルを作っていたそうだが,今回共に3Dグラフィックスのゲームということで,FFXVチームから素材提供を受けて制作したそうだ。一方でノクティスステージのファイナルラウンドのBGMは,鉄拳のサウンドチームによるアレンジとのことである。

ノクティスの衣装のカスタマイズも自在に行える(一部制限あり)
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ゲーム制作の苦労が語られた「原田が斬る! 出張版」


 インターバルを挟んでイベント後半では,「原田が斬る! 出張版」として,田畑氏と原田氏の対談が行われた。トークにあたっては,事前に9つのテーマが設けられており,その中から選んだものを軸に進行する方式だ。

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トークにあたり設けられたテーマがこちら
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 2人が最初に選んだテーマは「苦渋の決断」。立場上,開発では常に決断を強いられる2人だが,田畑氏は最初の直感に従って早めに決断をするタイプで,「あまり考えすぎてしまうことで,決断を鈍らせたくない」と回答。RPGはほかのジャンルと比べても仕様の量がはるかに多いので,判断は早いほうがいいとのことだった。またFFXVでは,時間的制約で諦めざるをえない仕様は発売後に追加する仕組みにして,判断のスピードを上げたとのことだった。
 一方「外見からズバッと決断するタイプだと思われがち」と前置きした原田氏は,とにかく登場キャラクターを決めるのには毎回悩まされているとのこと。ゲームバランスを考えれば登場キャラクターは20人前後がベストだが,シリーズが続くごとにキャラクターは増えるもので,どうしても旧キャラクターの誰かは登場できないことになる。それが何より辛いとのことだった。登場キャラクターを選ぶに当たっては,ベストなチョイスにするべく毎回たくさんのデータを参考にしているそうだが,少数意見も刺激として拾うために,辛いながらもTwitterの声にも目を通しているそうだ。

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 続いてのテーマは,「キャラクターの『死』」について。FFシリーズでは,物語の中でキャラクターの死が描かれることが少なくないが,3歳の娘がいる原田氏は,そうしたシーンを目にするのが最近とても辛くなったそうだ。そこで,極論として「ああいう描写は必要なんですか?」と田畑氏に尋ねることに。

 対して田畑氏は,映画などと同様に「“死が必要かどうか”という観点では考えていない」と言う。開発チームとしては,プレイヤーに愛されるキャラクターにするべく,命を吹き込むことに全力を傾けるが,そうして生まれたキャラクター達がどういう物語を辿るのかは,また別の話なのだそうだ。

ストーリーでプレイヤーの心を動かすようなゲームを作った経験がないという原田氏。「そこに凄く興味がある」と話していた
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 最後のトークテーマは「命を持たないものへの感情移入」というものに。田畑氏は自宅にあるロボット掃除機に家族が愛着を持っているというエピソードを披露。原田氏も大切に使っていたテレビが壊れたときに一晩泣き明かしたことがあるそうで,両氏とも「大切に思う気持ちが感情移入につながる」と同意していた。
 自分達の作品についても,そうした魂を感じてもらえるものを作っていきたいと言いつつ,VRや高度なAIの登場によって感情移入の手法が大きく変わっていく将来を考えていると語り,トークは締めくくられた。

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