連載
マフィア梶田の二次元が来い!:第466回「からっぽの島に幻想を根付かせる海辺の映画館」
つい先日,大林宣彦監督の最新作である「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の関係者向け初号試写が行われました。
映画界のレジェンドである大林監督と縁深い,数々の豪華俳優陣がキャストに名を連ねる本作。光栄なことに,マフィア梶田は旧帝国陸軍の「成田中尉」という役どころを演じさせていただきました。役者としては若輩もいいところですが,こんな自分にオファーを出してくださった大林監督の顔に泥を塗ってはいけないと,気合いに気合いを入れて実力以上を出し切ったつもりです。
マフィア梶田の二次元が来い!:第417回「アストルティアの旅でアイデンティティを問われる陸軍中尉」
ライター,マフィア梶田がお送りする週刊連載「マフィア梶田の二次元が来い!」。今週は,NetEase Gamesより配信中の「Identity V」を取り上げた「RADIO 4Gamer Tap(仮)」第95回のアーカイブをご紹介。また,「リアル脱出ゲーム」と「ドラゴンクエスト」がコラボした「大魔王ゾーマからの脱出」の話題もお届けします。
初号試写時点での本編上映時間は,インターミッションを挟んで3時間。昨今の映画としては非常に長く,下手をすると映画における「インターミッション」とはなんなのか,知らない人々もいるかもしれません。
ただ,この映画ほど「時間を忘れる」という言葉が相応しい作品もないと思います。スクリーンを見つめていると,次第に時間の感覚が曖昧になっていくんです。この映画を表現するのに相応しい言葉があるとすれば,「夢」でしょうか。寝ている時に見る夢の多くは他愛もない,支離滅裂なものですが,稀に現実の人生経験と並ぶような,心震わす夢もあります。覚めたあとも,しばらくボーッと反すうしてしまうような,そんな夢に限りなく近いものが本作にはあるんです。理屈じゃなく,観たものの心に根付いてしまう生々しき幻想世界。
映画そのものの評価は,これから観客の皆さんが決めるものですが,少なくとも自分にとって大林監督の魂そのものとも言えるこの傑作に出演できたことは,生涯の誇りとなりました。まずは東京国際映画祭,そして各地の映画館で皆様に観ていただけること,今からとても楽しみにしています。
第32回東京国際映画祭,日本映画界のレジェンド・大林宣彦監督を特集!
「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」。この週末で無事クリアできました。終盤のアークデーモンとか鬼のようにイオナズンを使ってくるのでなかなかに辛い旅路でしたが,終わってみればいい思い出。充実した冒険の旅だったと思います。
やったぜ。 #PS4share pic.twitter.com/JbVUTVfK2x
— マフィア梶田 (@mafia_kajita) August 10, 2019
というわけで,クリア直後からノータイムで「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」(PS4 / Nintendo Switch / PC)に着手。前作が素晴らしかったので分かっではいましたが,やはり今作も極めて完成度の高い「ドラクエ」ですね。
前作からの明確な変化としては,ゲーム最序盤から共に戦ってくれる「シドー」という相棒が存在するのと,ビルドできる世界が大幅に拡大していることでしょうか。各章毎にエリアを攻略していく形だった前作とは違い,「ビルダーズ2」ではさまざまな島を船で行き来できるようになっています。
また,前作では主人公が「ビルダー」という唯一無二の存在であり,物作りの能力に乏しい町の住民達はスポット参戦で探索に協力したり,料理や素材を収納箱に入れてくれるというシンプルなルーチンの元に活動していました。
ところが,本作の住民達には「主人公に影響されてビルダーとして覚醒する」というテーマがあり,彼らは主人公と同等か,下手をするとそれ以上に働いてくれます。畑を耕したり,鉱石を採取してくれたり,ストーリーの節目となるポイントでは設計図の指示に従って放っておいても自動的に施設をビルドしてくれたり。これにはとても驚かされました。
考えてみれば,孤独な旅路だった「ドラクエI」から「ドラクエII」では仲間という概念が追加され,船で海を渡れるという変化がありました。その重要な要素が「ビルダーズ」でもそのままリンクしていることに気付いて,思わず唸らされましたね。原点へのリスペクトをストレートにゲーム性へと反映した,見事というほかないゲームデザインだと思います。
それだけでなく,前作の評判を受けたうえでの課題にだったであろう細部が調整され,遊びやすさが大幅に向上しています。ビルドはストーリー上の縛りが緩くなったことでより自由度が増し,オブジェクトの配置によるポイント変動も消えたので効率を追い求める必要がなくなりました。本当の意味で,思い描いたとおりの町並みを作れるようになっています。
かと言って過度な自由度が「ドラクエ」の魂を損なうこともなく,自分のような「ビルドめんどい勢」がストーリーを追いかけやすい塩梅に制限を設けている。気遣いの天才かよ。
自分は現在,2番目の島でゴーレムのために銅を集めているところですが,ストーリーの雰囲気からして「ビルダーズ2」のボリュームは前作を大きく上回りそうな予感です。しばらく夢中になれそうなゲームがあるというのは,幸せなことですね。普段の生活や仕事にもハリが出るってもんです。
今回は,オンラインでのマルチプレイモードもあるようなんですが,発売からだいぶ時間が経っているのでマッチングする相手がいるかどうか,際どいところですな……。ただ,元々ゲームはソロプレイの方が好きですし,その点はあまり問題にならないかもしれません。
かつての自分のように「スピンオフ」だからと,ビルダーズはまだ未体験な方々。ドラクエ好きであれば,今からでも絶対に遊んでおくべきタイトルですよ!
「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」公式サイト
- 関連タイトル:
ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
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ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
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(C)2018 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
Developed by KOEI TECMO GAMES CO.,LTD.
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