プレイレポート
いよいよ明日発売となる「ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス」を紹介。「ペルソナ」シリーズの魅力やアトラス“らしさ”が気軽に楽しめるRPG
2014年6月に発売された1作目「ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス」(以下,「PQ」)で時空を超えて共演した「ペルソナ3」(以下,「P3」)の特別課外活動部と「ペルソナ4」(以下,「P4」)の自称特別捜査隊に「ペルソナ」シリーズ最新作「ペルソナ5」(以下,「P5」)の怪盗団が加わった総勢28名のペルソナ使いが,絆を深めながら困難と謎に挑んでいく。
「世界樹の迷宮」「ペルソナ」という両シリーズのシステムを融合したゲームシステムが特徴である「PQ」。両シリーズのファンである筆者は,物語を何度も読み返したり,高難度で迷宮に挑んだり,ペルソナ育成に励んだり……と,何周もするほど1作目にはハマってしまったくちで,それは2作目発表の嬉しさでまた何度目かの周回を開始したほどだ。
そんな「PQ」の2作目がいよいよ2018年11月29日に発売される。発売日まで残り1日となった本作の序盤をプレイできたので,ゲームの魅力をお伝えしよう。
「ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス」公式サイト
物語の舞台は“映画世界(ラビリンス)”
閉ざされた映画館と迷宮を行き来し謎を解け
まずは本作のプロローグから紹介しよう。ある日の放課後,“心の怪盗団”として活動する「P5」主人公は,無人の映画館にいる不思議な夢を見る。その後モルガナに起こされて,認知世界「メメントス」で探索を行っていた主人公だったが,ここで仲間たちとともに謎の空間に吸い込まれてしまう。
たどり着いたのは,認知世界を探知するアプリ「イセカイナビ」もエラーになってしまう不思議な街。これまで見たことがないシャドウに襲われ,それをどうにかペルソナの力で退けながら街を脱出した主人公たちだったが,次にたどり着いたのは出口のない“閉ざされた映画館”だった。
この映画館で主人公たちは,閉じ込められてしまった少女ひかりと映画館の支配人ナギ,そして2人に映画を見せ続ける奇妙な生き物ドーと出会う。ドーが映写室から流す映画を観ると,そこに映っていたのは先ほどまで自分達がいた街。そこは,ある事件で主人公たちが改心させた鴨志田 卓にそっくりな“ヒーロー”カモシダーマンが独善的な正義を振るう街だったのだ。
主人公たちは現実世界に戻るため,この映画館と迷宮のような映画世界(ラビリンス)を行き来し,その謎を解くために動き出す。
前作「PQ」では,「P3」主人公か「P4」主人公のどちらかを選択し,それによってストーリーが変化したが,今回は「P5」の怪盗団の視点で物語が始まる。
また,怪盗団の会話の内容や高校生探偵の明智吾郎が一緒に行動しているところなどから,「P5」をすでにプレイしている人であれば「『P5』でいうとこのあたり(の時期)かな」というのが分かるだろう。怪盗団たちの関係性やこれまでの活躍が分かるような会話もあるので,未プレイの人でも物語に入りやすくはなっているが,より楽しみたいのなら「P5」をプレイするか,本作にとって“ちょうどいいところ”まで描かれているTVアニメ「PERSONA5 the Animation」を視聴しておくのがオススメだ。
謎多きラビリンスで待ち受けるシャドウたち
弱点を突いてバトルを有利に進めよう
ここからは「世界樹の迷宮」と「ペルソナ」両シリーズの“いいとこどり”な,探索とバトルについて紹介しよう。
探索の舞台となるラビリンスは,複数の階層に分かれ,多くの仕掛けがあり,そして手強いシャドウたちが徘徊する“迷宮”だ。迷わず目的地へ向かいこの迷宮の謎を解くためには,下画面でしっかりと地図を描くことが重要となる。探索に役立つアイテムが手に入る宝箱,ショートカットとなる抜け道,仕掛けを起動するスイッチ,貴重な素材が手に入るオタカラスポットなど,気になるものがあればそれに応じたアイコンを設置しよう。
オートマップ機能も用意されているので,「マッピングこそやり込み要素だ!」という世界樹シリーズファンから「地図を描くのは苦手……」というプレイヤーまで,それぞれの楽しみ方が可能だ。
コマンド方式のターン制で進むシャドウとのバトルは,アトラスのRPGではおなじみ“敵の苦手属性を見極め,弱点を突く”戦い方が重要となる。
属性は,前作「PQ」にあった「斬」「懐」「突」が「物理」に統一された代わりに,ペルソナシリーズとしては「P5」で復活した「念動」「核熱」が追加。さらに「エイハ」や「コウハ」などの「呪怨」「祝福」属性の与ダメージスキル,モルガナの「猫足ステップ」や喜多川祐介の「間食の技術」といった「ペルソナ」シリーズファンならニヤリとしてしまうような名前のスキルなど,新しいスキルも増えているようだ。
こちらも前作同様,本作ではスキル使用時の消費SP(スキルポイント)管理がかなり重要だ。これを気にせず戦っているとほんの数回でSPが尽きてしまうのだが,弱点を突く戦い方を意識していれば逆に“ずっと俺のターン”状態で,SPをほぼ消費しないまま勝利できるのだ。
「ペルソナ」シリーズおなじみ,仲間による「追撃」や「総攻撃」に加えて,「P5」の「バトンタッチ」が,BOOST!状態をパスするというサポートスキルとして登場。今回のプレイでは確認できなかったが,特定のキャラクター同士で発動する「協力技」という新要素もあるので,これらを生かしてバトルを有利に進めよう。
追撃 |
バトンタッチ |
おなじみベルベットルームの住人が探索をサポート
「サブペルソナ」でペルソナ使いたちを強化しよう
新しいペルソナは,希少なシャドウをバトルで倒したり,ベースとなる映画館にあるベルベットルームでペルソナ合体を行ったりすることで手に入る。ペルソナの数も増えているようで,序盤から前作にはいなかったペルソナも登場し,さらに前述のとおり新スキルも増えているので,こだわり派という人ならかなり楽しく悩みながらペルソナ育成に励めそうだ。
パーティには前列と後列があり,編成時にどちらに置くかを選択することになる。各キャラクターには前列向きか後列向きかがあるのだが,サブペルソナの育て方次第でそれを気にせず編成できるようにもなるのだ。これによってパーティ編成の自由度もかなり上がるため,そういった意味でもぜひこだわりぬいてペルソナを育ててほしい。
この映画館でペルソナ使いたちをサポートしてくれるのは,前作に続いて登場するエリザベス,テオドア,マーガレット,マリーという4人にジュスティーヌ&カロリーヌを加えた,おなじみベルベットルームの住人達。前作では,主に自由気ままな振る舞いで異変をエンジョイしていた(?)エリザベスを中心とした出来事で楽しませてもらったが,これにジュスティーヌ&カロリーヌが加わったことでどんな騒動(?)が巻き起こるのか気になるところだ。
一筋縄ではいかない物語の展開に期待大
気軽にアトラス“らしさ”が楽しめるRPG
今回の先行プレイでは,「ペルソナ3ポータブル」の女性主人公と出会うところまでで,「P3」の特別課外活動部と「P4」の自称特別捜査隊には会えなかったが,怪盗団や彼らがどのような形で邂逅することになるのか楽しみなところ。草食恐竜になった(?)「P4」の花村陽介が登場する「ジュネシック・ランド」(関連記事)と,「P3」のアイギスそっくりなロボットが出てくる「A.I.G.I.S」(関連記事)という第2,第3のラビリンスの情報が明かされているが,ペルソナシリーズらしい,一筋縄ではいかない展開が期待できそうだ。
また,これは前作をプレイした際,筆者が個人的に“ニヤリ”としたところではあるのだが,3Dダンジョン探索やバトル時の隊列,主人公以外の仲間もペルソナを付け替えできるところなどは,「女神転生」シリーズのプレイヤーや1作目からの「ペルソナ」シリーズファンにはグッとくるものがあるはず。そんな本作は,気軽に「ペルソナ」シリーズのキャラクターの魅力に触れることができ,アトラスのRPG“らしさ”が楽しめるゲームとしてオススメできるタイトルだ。
「ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス」公式サイト
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ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス
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