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森 利道氏や植田佳奈さんらが10年の歴史を振り返るトークを展開。「BLAZBLUE」シリーズ生誕10周年記念イベントレポート
BLAZBLUEシリーズは,2008年11月にアーケードタイトルとして稼働を開始した「BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER」(以下,BBCT)を第1作とするアークシステムワークスの対戦格闘ゲーム。
当日の会場では,シリーズの生みの親である森 利道氏をはじめ,ディレクターの遠藤良平氏,プランナーの小澤 陸氏,そしてレイチェル=アルカード役の声優を務める植田佳奈さんが登壇し,シリーズの振り返りや歴代タイトルを使用した森氏との対戦企画,来場者の質問に答えるフリートークなどが実施された。
来場したファンと共に10年の歴史を振り返ったイベントの模様をお届けしていこう。
歴代BLAZBLUEを振り返ろう
シリーズ振り返りのコーナーでは,歴代のBLAZBLUEシリーズを紹介しつつ,当時のさまざまな思い出が語られた。
■「BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER」
10年前の2008年11月に稼働が開始したシリーズの第1作。
16:9の画面比率に対応した2D対戦格闘ゲームとして登場した本作だったが,最初のロケテスト時には知名度が低く,約40人が参加する小規模なものだったと森氏は振り返る。また,稼働時にプレイヤーとして遊んでいた小澤氏は,「16:9のワイドな画面に3Dで描かれた背景,必殺技の演出も派手で,すごいゲームが稼働したな」と当時は感じていたと語った。
レイチェル役の声優として作品に参加した植田さんは,森氏の第一印象を「最初はちょっと怖そうな人だと思っていたが,話したらすぐ打ち解けて仲良くなれた」と語っていた。また,レイチェルの音声について,演じる前は見た目の印象から幼い声を練習していたが,森氏から「もっと大人びた声でお願いします」といった指示があり,予想していたものとはまったく違った音声収録になったとのこと。
BBCTのアーケード稼働中に,シリーズの名物ともいえる公式Webラジオの「ぶるらじ」が始まっている。また,5月31日の「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」の発売に合わせて,最新回を更新すると告知された。
■「BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT」
シリーズ2作目となる「CONTINUUM SHIFT」(以下,BBCS)では,BBCTから5キャラ追加され,全17キャラクターが参戦した。
遠藤氏は本作の家庭用を制作するタイミングでBBチームにアサインされたとのことで,森氏より家庭用のストーリーモードの仕事をお願いされたが,納期が非常に短いこともあり,「この仕事は本当に終わるのだろうか……」といった心境で当時は制作を続けていたと苦労を語っていた。
遠藤氏の苦労話に続くように,植田さんも家庭用に実装されたフルボイスのチュートリアルモードが,自身の声優人生で最も大変だった仕事だったと語る。収録量が非常に多かった上に,当時は格闘ゲームの文化を知らなかったため,収録したセリフも「言っている意味が分からなく呪文のようでした……」とのこと。
なお,以降の家庭用でもチュートリアルモードは実装されているが,次作から他の参加声優陣に分担してもらい,収録量は1/3くらいに落ち着いたようだ。また,植田さん自身が次作収録時には,格闘ゲームについて詳しくなってきており,収録もスムーズに進行したという,自身の成長を実感できた思い出がありますと語っていた。
■「BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT II」
「CONTINUUM SHIFT II」では,レリウスとプラチナが追加され,全19キャラクターとなった。
キャラクターセレクト画面が花の形に見えるということで,小澤氏から「なんで花の形になったんですか?」といった質問が森氏に投げかけられたが,これに対し「とくに理由はないけど,ヒマワリに見えますよね(笑)」と回答。キャラクター追加の影響でデザインを変更したところ,意図することなく花の形になってしまったようだ。
本作はBLAZBLUEシリーズでは初となる「NESiCAxLive」対応タイトルで,以降アーケードで稼働するすべてのシリーズ作品は「NESiCAxLive」で配信されていく。
なお,当時プレイヤーとしてシリーズを遊んでいた小澤氏は,このタイミングでアークシステムワークスにアルバイトとして入社したとのこと。また,公式全国大会「BLAZBLUE REVOLUTION(ぶるれぼ)」が開催されたのも本作となる。
■「BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA」
森氏曰く,すべての作品に注力しているが,その中でもとくに気合いを入れて制作した作品が「CHRONOPHANTASMA(以下BBCP)」という。
アーケード版の稼働前に実施したロケテストも大盛況で,視察しに来ていた小澤氏はどうしても我慢できずにロケテストに参加してしまったと語っていた。
また,世界最大の格闘ゲームイベント「Evolution」のメイン種目として,初めてBLAZBLUEシリーズから選出されたタイトルで,グランドファイナルのガリレオ選手とどぐら選手の伝説の試合は,格ゲーマーの間で今でも語り草になっている。この時は森氏も「開発者冥利に尽きます」と号泣してしまい,グランドファイナル後のインタビューでは植田さんが森氏のフォローに回っていたとのこと。なお,植田さんもあの試合に感動してしまい,以降は毎年欠かさずEvolutionを現地観戦するようになったという。
■「BLAZBLUE CENTRALFICTION」
「BLAZBLUE」シリーズ最終章と銘打たれ,過去最多の36キャラクターが参戦した「CENTRALFICTION」(以下,BBCF)。
シリーズ完結…? と書かれているが,「あくまでもラグナの物語が完結しただけです」と語る森氏。ネタバレになってしまうので,多くは語れないが,2008年からシリーズに出演している植田さんも「完結となっているけど,森さんは完結していないと言っているし,終わった感覚はないですよね」とのこと。
■「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」
「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」(以下,BBTAG)は,他作品とのクロスオーバーに加え,シリーズ初のタッグバトルが採用されたタイトル。
植田さんが担当するレイチェルは本作でも参戦しており,比較的早い時期に収録があったので,「終わったと思ったら,またすぐ始まった」といった感覚が強かったという。
森氏曰く,「BLAZBLUEという名前を冠しているものの,シリーズの系統は少し違うので,こういうお祭り的なタイトルもありだなと思って遊んでほしい」と語っていた。
歴代のレイチェルを振り返ろう
一通りシリーズの歴史を振り返ったところで,続いてゲストの植田さんがCVを務めるレイチェルを振り返るコーナーに。森氏がイラストを担当したのはBBCTとBBCPで,BBCT版のレイチェルは実に13年前に生み出されたイラストだという。というのも,BBCTの稼働は10年前だが,キャラクターイラストをすべて描き終えたタイミングで,ほかのゲームの仕事が入るなど,諸々の事情で進行が遅れてしまい,結果的に2008年の稼働となったとのことだ。
なお,植田さんは初めて出会ったレイチェルということでBBCT版が一番思い入れが深いという。また,最新作となる「BBTAG」版のレイチェルもアンニュイな感じが好きと気に入っており,森氏も「若干,自分のレイチェルを意識しているような気がするんですよね」とお気に入りに挙げていた。
BLAZBLUEシリーズ 対戦コーナー
森氏と来場者による歴代BLAZBLUEシリーズを使用した対戦コーナーでは,BBCT,BBCF,BBTAGの3タイトルで実施され,森氏に勝利したプレイヤーに,コラボドリンクがプレゼントされた。また,対戦の実況を個人的に遊びに来ていたという公式大会でも実況を務める新宿スポーツランド店員のなかお氏が担当し,会場を盛り上げていた。
フリートークコーナー
イベントの最後は,来場者の質問に森氏が答えるフリートークのコーナー。ぶっちゃけトークも多く,記事にはできない回答も多かったが,「公式全国大会の予定はありますか」といった質問に,「開催時期は未定ですが,BBTAGとBBCFで大会をやる予定があります」と森氏が回答。今後も継続して公式大会は続けていきたいとも語っており,プレイヤーにとっては大きなモチベーションとなったようだ。
フリートーク後には総括として,登壇した小澤氏,遠藤氏,植田さん,森氏がそれぞれ以下のコメントを残し,BLAZBLUEシリーズ生誕10周年記念イベントを締めくくった。
小澤氏:
BLAZBLUEシリーズ10周年を迎えました。BBTAGも5月31日に発売され,まだまだ開発陣もがんばっていきますので,皆さんの応援のほどよろしくお願いします。
遠藤氏:
10周年ということですが,BLAZBLUEシリーズはまだまだ終わりません。15年,20年と長く続けていきたいと思っていますし,スタッフ一同がんばっていきますので,これからもどうぞよろしくお願いします。
植田さん:
10年の振り返りでしたが,本当に1日中でもしゃべり続けられるほど思い出が湧き出てきて,5年後には15周年を,10年後には20周年をやりたいなと思いました。BLAZBLUEシリーズはキャスト同士も仲が良くて,「いつまであの声が出るかな?(笑)」と冗談を言いあったりもしていますが,これからもがんばっていきますので,末永くお付き合いください。本日はありがとうございました。
森氏:
本日は多くの方に集まっていただきありがとうございます。5月31日にBBTAGを発売しますが,格闘ゲームを触ったことがない人でも面白く遊べるゲームになっているので,そういう人にこそ遊んでほしいと思っています。もちろんBBTAGだけでなく,「1on1」の格闘ゲームも続けていきたいと思っていますし,ゲームセンターで対戦するという文化も残していきたいと考えています。
また,スマホタイトルの「BLAZBLUE ALTERNATIVE DARK WAR」も作っていまして,もう少しでリリースというところまで来ていますので,こちらも今しばらくお待ちいただければと思います。
最後に,BLAZBLUEシリーズは10周年を迎えましたが,3人も言っていたようにまだまだ続けていきたいコンテンツだと考えています。それには皆さんの応援が必要ですので,これからもBLAZBLUEをよろしくお願いします。
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- 編集部:T田
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