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印刷2019/09/13 14:23

インタビュー

[TGS 2019]「CODE VEIN」5年近くの開発期間を経て,発売を目前に控えた心境を吉村 広氏と飯塚啓太氏に聞いた

 バンダイナムコエンターテインメントから2019年9月26日に発売が予定されている「CODE VEIN」PlayStation 4 / Xbox OnePC版は9月27日発売予定)。発売日を目前に控えている本作の発表は2年半前まで遡り,企画から数えると5年近くの開発期間だという。
 東京ゲームショウ 2019会場にて,ディレクターを務める吉村 広氏とプロデューサーの飯塚啓太氏インタビューを行う機会を得たので,現在の心境を語ってもらった。

吉村 広氏(写真左端)と飯塚啓太氏(写真右端)
画像集 No.001のサムネイル画像 / [TGS 2019]「CODE VEIN」5年近くの開発期間を経て,発売を目前に控えた心境を吉村 広氏と飯塚啓太氏に聞いた

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 バンダイナムコエンターテインメントが2019年9月26日に発売を予定しているアクションゲーム「CODE VEIN」が,東京ゲームショウ 2019にプレイアブル出展されている。“死にゲー”と呼ばれる本作の「最新試遊バージョン」で強敵達に挑んできたので,その模様をお届けしよう。

[2019/09/12 19:14]

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは発売を目前に控えた現在の心境をお願いします。「CODE VEIN」の発表は2017年4月ですから,あれから2年半が経過しています。

吉村 広氏(以下,吉村氏):
 実は企画から数えると5年近く開発をしてきましたので,やっとここまでたどり着けたという思いでいっぱいです。先日,体験版を配信(関連記事)しましたが,発表時から楽しみにしていただいているお客様から「ずっと待ってました!」というコメントも届きまして,非常に嬉しく思っています。
 お待たせしたぶん,ご期待のハードルは上がっていると思いますが,それをちゃんと満たすことができるのか。ドキドキハラハラしながら過ごしています。

飯塚啓太氏(以下,飯塚氏):
 2年前の東京ゲームショウに試遊版を出展しましたが,そこから「CODE VEIN」の皆さんに楽しんでほしい部分,とくに「バディとの探索」を中心にブラッシュアップを続けてきました。
 体験版を配信していますので,まずはこちらでストーリーやキャラクターメイキングといったところを楽しんでいただきたいです。

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4Gamer:
 あらためて「CODE VEIN」の企画が立ち上がった経緯を教えてください。

吉村氏:
 「CODE VEIN」の開発チームは,「GOD EATER」チームが母体になっています。当然,「GOD EATER」シリーズをしっかり作っていこうという流れがあるのですが,クリエイターとして我々が培ってきた経験やノウハウを生かして,「ワールドワイドな市場に挑戦したい」という思いもあったんです。
 海外市場で提供されている良質なアクションゲームに対して,「我々もチャレンジしたい」「そこで力を発揮したい」と考えていたスタッフが集まり,一緒に立ち上げたのが「CODE VEIN」だったんです。

4Gamer:
 開発期間が5年という長期にわたっていますが,相当難航されたのでしょうか。

吉村氏:
 発売日の延期を発表してからの空白期間がありましたから,非常に苦しい期間のように見えたと思います。ただ,幸いなことにその間もバンダイナムコスタジオを中心に,パートナー各社さんと高いモチベーションを保って,開発を継続することができました。
 もちろん,お客様をお待たせしていることに心苦しさはありつつも,しっかりと時間をとって,クオリティを高めてブラッシュアップを図れる機会もそうそうありませんから,開発チームの士気は高いまま発売日を迎えられそうです。

飯塚氏:
 もちろん,当初の発売日に合わせて完成を見据えていたんですが,まだまだやりたいこと,やれるであろうことがたくさんがありましたので,開発スタッフ一同,覚悟を決めて「やりきろう。作りきろう」ということになったんです。

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4Gamer:
 高難度のいわゆる“死にゲー”と呼ばれるジャンルは,難しくても「また挑戦したい」と思わせる要素が重要です。その点で「CODE VEIN」ならではの要素とは何でしょうか。

吉村氏:
 やはり「バディ」の存在が大きいです。バディという頼れる仲間がいることで,プレイヤーがやられてしまったときの因果関係がはっきりするという効果があります。自分が倒れてしまっても,バディは「ゲストヒール」で助けてくれます。ただ,これは無制限ではないので,何度も何度も倒れていると,最終的にはバディと共に力尽きます。
 しかし,何度となく倒れる経験をしていることで,「何が良くなかったのか」「どうすれば回避できただろう」ということが考えられる。自分が倒されてしまった要因が把握しやすいと思います。

4Gamer:
 その要因が明確であれば,対策も立てられるから,再挑戦の意欲が湧くということですね。

吉村氏:
 ええ。さらにバディは情緒性が非常に高く,頼れる仲間ですから,「一緒に挑戦したい」とプレイヤーにモチベーションを与える存在になっています。

飯塚氏:
 バディはプレイヤーに追随してくるNPCという位置づけではありますが,6人のキャラクターはアクションでもストーリーの面でも個性を持っています。それぞれの背景が描かれるエピソードも用意していますので,物語が進むにつれて,より魅力を感じられると思います。

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吉村氏:
 バディに加えて,「CODE VEIN」には「ブラッドコード」と呼ばれるシステムがあります。いわゆるキャラクタービルドにおける「ジョブ」にあたるものですが,自由に随時切り替えることができます。
 キャラクターのパラメータも変わりますので,「次はブラッドコードを切り替えて挑戦しよう」と思える要素になっています。

4Gamer:
 バディは「頼りになる相棒」という存在だと思いますが,強すぎるとプレイヤーにとっては逆効果になりかねません。AIの調整において,重視したポイントはありますか。

吉村氏:
 アクションの面で目指したのは「頼れるけど出しゃばらない」「手柄はプレイヤーのものに」といったところです。アクションゲームにおける「おもてなし」の存在ですね。この調整やAIの設計には「GOD EATER」シリーズのノウハウが生きています。
 ただ,「CODE VEIN」では探索も重要ですから,かなり複雑な事象におけるおもてなしが求められるということで,試行錯誤を繰り返してきました。

飯塚氏:
 どちらかと言えば,プレイヤーには「力不足」ではなく「頼りになる」という感情を抱いてほしいので,ある程度なら任せっきりでもだいじょうぶです。ただ,それを選ぶのも,一緒に戦い,ときには守ってあげるのも,プレイヤー次第となります。バディに戦わせているうちに,敵の動きを見極めるというのも,一つの選択です。

吉村氏:
 AIの調整には,バディが発言するねぎらいの言葉や励ましの言葉といった要素も含まれますが,最終的には「一緒に旅をしたいと思う仲間」になってもらいたいですね。

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4Gamer:
 それではゲームのサイクルについてお聞きします。クリアしたフィールドを再び探索したい,攻略したいと思わせる要素はありますか。

吉村氏:
 1つのフィールドにはボスが待ち受けていて,それを倒すことでクリアとなり次のフィールドに進めるようになります。クリアしたフィールドのボスが復活することはありませんが,その世界の住人が入ったりして変化が起こります。彼らからサブクエストを受注することもできますので,新しい遊びが生まれる仕組みを用意しています。

4Gamer:
 エンディング後の展開はいかがでしょう。クリア済のフィールドをさらに探索したり,クリア後の状態を引き継いで最初からプレイしたりすることはできるのでしょうか。

吉村氏:
 どちらも可能です。周回プレイに関してはプレイヤーだけでなく,より強くなった状態の敵も選択できるようになります。

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飯塚氏:
 マルチエンディングを採用していますので,周回プレイのなかで自分にとって最も理想的なエンディングを探していただくというイメージですね。

4Gamer:
 エンディングが分岐する要素とは何でしょうか。ヒントだけでもいいのですが……。

吉村氏:
 詳細は明かせませんが,「CODE VEIN」は探索アクションRPGです。この“探索”という部分がキーワードですね。どう探索したのか……結構大きなヒントですよ(笑)。

4Gamer:
 最後になりますが,「CODE VEIN」の発売後に予定されている展開を教えてください。

飯塚氏:
 発売後は皆さんからいただくご意見やご要望に対して,積極的に対応していきたいと思っています。合わせて追加コンテンツの配信も用意していますので,皆さんに長く楽しんでいただける形にできればと考えています。

吉村氏:
 「CODE VEIN」はワールドワイドでたくさんのユーザーさんと共に楽しんでいけるタイトルを目指しました。日本の皆さんはもちろん,海外の皆さんの意見を取り入れつつ,コミュニケーションを図っていきたいと考えているので,非常にワクワクしています。
飯塚氏:
 どんなご意見をいただけるのか,ドキドキでもありますけれど,それも楽しみながらスタートを切りたいと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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