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Intelが次に狙うカテゴリ特化型PCは「クリエイター向け」? Intel最新の取り組みが語られたプレスセミナーをレポート
ただ,今回はCOMPTUEX TAIPEI 2018で発表となった「Core i7-8086K」(以下,i7-8086K)やPC向けの新技術がテーマであったため,その概要を簡単にレポートしたい。
1968年,米国カリフォルニア州のいわゆるシリコンバレーでスタートしたIntelは,最初の事業計画が単語数にして165ワードで収まってしまうという,本当に小さな企業であったという。それが成長していくにつれてPC業界で大きな地位を占めるようになり,やがては世界最大の半導体メーカーとして成長を遂げるわけだが,その力の源泉になったのは,プロセスの微細化技術と半導体の製造技術,そしてUSBのような業界標準規格の推進にあったそうだ。
Overson氏に続いて登壇した日本法人の執行役員マーケティング本部長である山本 専氏もIntelとPCの歴史を簡単に振り返ったうえで,2018年におけるPCのトレンドとIntelの取り組みをまとめて説明した。
山本氏が挙げたトレンドは,eスポーツ,コンテンツ制作者向けPC,VRやMixed Reality(MR,複合現実),ビジネス向けPCという4点だ。とくにeスポーツについては,Intelがeスポーツイベントの運営企業である「Electronic Sports League」(ESL)と組んで主催している大規模イベント「Intel Extreme Masters」を,2018年はすでに2回実施したこと(関連記事)や,韓国で行われた平昌冬季オリンピックでもeスポーツイベントを開催したことをアピールしていた。
山本氏の話で興味深かったのは,コンテンツ制作者(クリエイター)向けPCの話だ。Intelは大手PCメーカーと組んで,高性能,優れたデザイン,高い柔軟性(拡張性)を有するPCを開発し,クリエイター向けとしてアピールしていくというのである。ゲーマー向けPCで成功しつつあるアプローチを,今度はクリエイター向けPCという形で展開しようといったところか。
クリエイター向けに特化したPCに,Intelが取り組むだけの市場が存在するのか疑問に思うところだが,山本氏によれば,米英中の3か国だけで5000万人以上のクリエイターが存在するそうで,世界全体を合わせればさらに大きな市場があるという見積もりであるという。
山本氏は,こうしたカテゴリ特化型PCが今後重要になるだろうという考えを示していた。
山本氏は,i7-8086Kについても簡単に取り上げ,i7-8086Kと,40年前に登場した「Intel 8086」の実物を披露した。i7-8086Kの登場は日本でも大きな話題となり,世界的に見ても,日本におけるオンラインでの盛り上がりは,米国に次ぐほどであったそうだ。
土岐氏によれば,シャープやInnoluxが製造するLow Power Display Technology対応液晶パネルを使うことで,バッテリー駆動時間が20時間程度のノートPCの場合,さらに4〜8時間は動作するようになるそうだ。
Optane対応製品は,大きく分けてPCのマザーボードに組み込んで使うストレージキャッシュ製品のOptane Memoryシリーズと,M.2インタフェースやPCI Expressなどを利用して使うストレージ製品のOptane SSDシリーズという2種類がある。土岐氏は,Optane Memoryを組み込んだPCであれば,データ読み込みが高速化できるので,ゲームにおいては最大4.7倍も速くなったという事例を紹介していた。
もちろん,どんなゲームでもそれだけ高速になるわけではないだろうが,プレイ頻度の高いゲームにおける読み込み時間を短縮したいと考えている人なら,Optane Memoryに挑戦してみる価値はあるかもしれない。
Intel日本語公式Webサイト
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