紹介記事
「MLB THE SHOW 17(英語版)」で日本人メジャーリーガーのデータをチェック。果たして“現地の評価”はいかに?
そうなると気になるのが,本作に収録されている日本人選手のデータ。なぜかというと,日本では選手のプレイを映像で見ることができても,“現地の評価”までは(言葉の問題もあって)なかなか分からないからだ。現地のファンが日本人選手を絶賛する様子など日本のメディアで見ると,嬉しい一方で「好意的なものだけを選んで紹介しているのでは……」などと思ってしまう。
その点,本作には“日本びいき”のバイアスがかかっていない。これが最終的な“現地の評価”になるわけではないが,1つの見方にはなるだろう。というわけで,日本人選手9人のデータを紹介したい。
■データの見方
●総合能力
POTENTIAL
育成要素があるモードでの潜在能力。Aが最も高く,以下B,C……と続く
OVERALL
選手の総合的な能力。最高値は99
●投球能力
PITCHES
持っている球種。詳細は以下の通り
・12CV(縦に大きく曲がるカーブ)
・2SFB(ツーシーム)
・4SFB(フォーシーム)
・CB(カーブ)
・CIR(サークルチェンジ)
・CUT(カットボール)
・SL(スライダー)
・SNK(シンカー)
・SPL(スプリット)
STAMINA
文字通りスタミナ。高いと試合中に疲労しにくく,多くの球数が投げられる
H/9
ヒットの打たれにくさ。本来はHits per nine innings(1試合に打たれる安打数)のことなので,数字が高いとより多く打たれることになってしまうが,ここでは最高99の能力値に変換されているようだ
K/9
空振りの取りやすさ。Kは野球用語で三振を表す
BB/9
四球の少なさ
HR/9
ホームランの打たれにくさ
CLUTCH
走者を置いたときの安定度
CONTROL
投球のコントロール。筆者がプレイした範囲では,BB/9との違いはゲーム中で説明されていなかった
VELOCITY
球速
BREAK
変化球の鋭さ
●打撃能力
CONTACT VS R
右投手と対戦した場合のコンタクト(バットを投球に当てる)能力
CONTACT VS L
左投手と対戦した場合のコンタクト能力
POWER VS R
右投手と対戦した場合の長打力
POWER VS L
左投手と対戦した場合の長打力
VISION
投球を正しく捉える能力
DISCIPLINE
スイングを途中で止める能力
CLUTCH
チャンスでの勝負強さ
BUNT
バントのうまさ
DRUG BUNT
セーフティバントのうまさ
DURABILITY
ケガのしにくさ
●守備・走塁能力
FIELDING
守備のうまさ
ARM STRENGTH
送球の速度(肩の強さ)
ARM ACCURACY
送球の正確さ
REACTION
打球への反応
SPEED
守備・走塁時の走力
STEALING
盗塁のうまさ
BR AGG
CPU操作時の盗塁の積極性
青木宣親(ヒューストン・アストロズ)
シアトル・マリナーズからヒューストン・アストロズに移籍して2017年シーズンを迎える青木選手。日本人メジャーリーガーとして唯一,2017 World Baseball Classicに参加したことも記憶に新しい。
THE SHOWのデータで目立つのはVISIONとCONTACTの高さだ。スクリーンショットの右上に表示されているストライクゾーンも,得意なコースを表す赤で染まっている。
パワーは低めだがチャンスに強く,バントもうまい(Bunt Masterという特殊能力持ち)ので,“あと1点”が欲しいときに活躍してくれそう。
イチロー(マイアミ・マーリンズ)
シーズン最多安打記録(262本)を始めとした数々の大記録を持ち,野球殿堂入りが確実視されているMLB現役最年長野手。スプリングキャンプでは毎日謎デザインのTシャツで登場するのが恒例になっていて,今年は「人の金で焼き肉が食べたい」「※あくまで個人の感想です」「島根」などの文字が書かれたものでファンの目を楽しませてくれた。
THE SHOWでは,打撃能力こそ全盛期からは見劣りするものの,守備と走塁はいまだにトップレベル。そして特筆すべきは43歳にしてDURABILITYが87というところだろう。
特殊能力も,捕球がうまい「Soft Hands」,送球が正確な「Sniper」,走力に優れる「Speedster」,青木選手と同じ「Bunt Master」,2ストライクになっても動じない「Unfazed」の5つを持っていて,さすがの一言。
岩隈久志(シアトル・マリナーズ)
2012年のMLB入り以来,9勝,14勝,15勝,9勝,16勝とコンスタントに活躍し,2013年にはリーグの最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞の候補にもなっているのに,なぜか日本のスポーツニュースではあまり報道されていない印象がある岩隈選手。もっと評価されるべき。
THE SHOWでは,球速を変化球のキレとコントロールで補う投球スタイルと,高いスタミナ,四球を出しにくい「Control Artist」という特殊能力を持っている。派手さはなくても,安定した成績を残せるはずだ。
上原浩治(シカゴ・カブス)
4シーズンを過ごし,ワールドシリーズ制覇も経験したボストン・レッドソックスからシカゴ・カブスに移った上原選手。登板試合の投球内容を球種まで交えて振り返るブログはファン必見だ。
THE SHOWのデータはBREAKの99を始めとして全般的に高く,弱点らしい弱点はHR/9ぐらい。さらに,「Untouchable」「Pressure Cooker」「Fighter」といった特殊能力を持っていて,三振を取りやすかったり,9回以降や走者を置いた状態になると能力が上がったりするので,安心してクローザーを任せられる。
川崎宗則(シカゴ・カブス)
何度もマイナーリーグに落ちながら這い上がってくるしぶとさ,超ポジティブな言動と行動,謎のダンスなどでチームメイトやファンの心を掴んでいる川崎選手。2016年のワールドシリーズではメンバー登録から漏れるも,チームに帯同して士気を高めた。
THE SHOWでの基本能力はメジャーとマイナーの境界あたりという感じになっているのだが,特殊能力で「ムードメーカー」的なものをつけてもらいたかったというのが正直なところ……などと書いているところに川崎選手の日本球界復帰報道が。もしかしたら本作は“MLBの川崎宗則”を体験できる最後のタイトルになるかも。
田澤純一(マイアミ・マーリンズ)
上原選手と同じくレッドソックスを離れ,今度はイチロー選手のチームメイトになった田澤選手は,日本のプロ野球を経由せずにメジャー入りしたことでも知られている。
THE SHOWの能力はだいたい70前後でまとまっていて,プレイヤーからすると“使い勝手のよい中継ぎ”という印象。本拠地での試合だと能力が上がる「Homebody」を持っている。
田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)
日本のラストシーズンに24勝無敗(1セーブ)という圧倒的な成績を残してMLBに旅立った田中選手は,いまや押しも押されもせぬニューヨーク・ヤンキースのエース。
日本時代は剛速球で三振を取りまくるイメージがあったが,THE SHOWでは変化球のキレとコントロールの能力が高くなっている。また,STAMINAが93のうえ,省エネピッチングができる特殊能力「Workhorse」を持っているのも見逃せないところで,MLBではあまり見られない完投にも挑戦しやすそう。
ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)
2015年に右肘の手術を行い,2016年シーズン途中で復帰したダルビッシュ選手は,2017年シーズンの開幕投手を務めるようだ。
故障明けながらOVERALLは89と,今回紹介している9選手中最高の評価なのはさすがと言うべきか。k/9が93のうえ,特殊能力「Untouchable」持ちなので,どんどん三振を狙っていこう。
前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)
MLBデビューとなった2016年シーズンで16勝という好成績をおさめた前田選手。基本給を抑えて出来高を高くするという契約を不安視する声もあったが,結果的には正解だったのではないだろうか。
THE SHOWでは,OVERALLが82と高い割に,個別の能力値がそれほどでもなく,特殊能力もないところが気になる。さらに言うと顔の似てなさ具合が……。
「MLB THE SHOW 17(英語版)」公式サイト
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