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ゾンビはもう古い! 「ワールド・オブ・ダークネス」の世界観をベースにした人狼が主人公のアクションRPG「Werewolf: The Apocalypse」とは
まだ,詳しい情報が明らかにされていない本作について,White Wolf PublishingのCEOで,Cyanideとの企画交渉を担っているトビアス・ショーグレン(Tobias Sjögren)氏と,リード・ストーリーテラーのマーティン・エリクソン(Martin Ericsson)氏に,おぼろげながらも概要を聞いてきたので紹介しよう。
「Werewolf: The Apocalypse」公式サイト
1991年にリリースされて以降,「ダンジョンズ&ドラゴンズ」に次ぐ人気を誇るTRPGとしてファンからの注目を集める「ワールド・オブ・ダークネス」は,東京をベースにしたモジュールもリリースされるなど,日本のゲーマーにもよく知られた存在だ。
吸血鬼が主体となる「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」や,秘密結社と伝統魔術の使い手の戦いを描いた「メイジ:ジ・アセンション」,さらには陰陽道などをモチーフにした「Kindred of the East」など,現代社会の裏で蠢く魔物達を扱うシリーズが存在するが,その中でも「ワーウルフ:ジ・アポカリプス」では,人狼(ワーウルフ)を主人公にしたストーリーが描かれている。その世界観をテーマに現在開発中の「Werewolf: The Apocalypse」は,ジャンルとしてはアクションRPGになるという。
人間達を襲うのも“間引き”によって環境維持を図るためで,そうした守護神としての心の優しさが,現在の人類の栄華を招く結果となり,人狼13氏族は人類の殲滅に動き出すべきかどうかで意見が分かれているという。
「Werewolf: The Apocalypse」のコンセプトは“血が騒ぐ瞬間”であると語るエリクソン氏。本作で敵となるのは,原油パイプラインのために森林を伐採するような,大企業のリーダー達になるようだ。ワーウルフが主役のファンタジーとして,屈強なモンスターに変化し,人間達を八つ裂きにしてしまうような過激な描写もあるという。
もちろん,手あたり次第に相手を殺しまくるゲームではなく,それによるモラル面での結果も描いた大人向けのストーリーで,エリクソン氏は「18歳では,まだ若い。20歳くらいを対象にしたゲームを作る予定なんです」とジョーク交じりに説明してくれた。
また,大自然がベースとなる広大なマップが採用される予定だが,オープンワールド型になるのかどうかは,今後,Cyanideと煮詰めていくという。
ちなみにWhite Wolf Publishingは,CCP Gamesが開発中だったMMORPG「World of Darkness」が2014年に中止されたのち,2015年にParadox Interactiveの出資を受けて傘下企業となっている。
しかし,経営判断には自由が与えられているとショーグレン氏は話しており,そのおかげで,現在Paradox Interactiveによる開発がウワサされる「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」系列のゲームとは別に,Focus Home InteractiveとCyanide Studioにアプローチして「Werewolf: The Apocalypse」の開発に着手することができたのだそうだ。
まだまだ詳細が煮詰まっていない様子の「Werewolf: The Apocalypse」。Cyanide自身も,近々リリースされる予定の「Styx: Shards of Darkness」や,現在開発中の「Call of Cthulhu」,さらには専属チームがいるとされる「Blood Bowl」や「Pro Cycling Manager」など,非常に手広い活動を行っており,発売はしばらく先になりそうだ。ともあれ,ゾンビだらけのゲーム業界でワーウルフの登場は興味深いところで,続報に期待しておきたいところである。
「Werewolf: The Apocalypse」公式サイト
- 関連タイトル:
Werewolf: The Apocalypse - Earthblood
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