インタビュー
[gamescom]「エースコンバット7」の河野一聡氏&下元 学氏にインタビュー。「Dark Blue」トレイラーの内容についていろいろ聞いてみた
今回4Gamerは,gamescom 2018の会場で,「エースコンバット」シリーズブランドディレクターの河野一聡氏と,「エースコンバット7」プロデューサーの下元 学氏にインタビューをする機会を得た。先日公開された「Dark Blue」トレイラーを中心にいろいろな話を聞けたので,その内容をお届けしよう。
4Gamer:
ついに発売日が発表されましたが,これまでを振り返ってみていかがですか。
河野一聡氏(以下,河野氏):
ファンの皆様の反応を見ていたら,どれだけ期待されている作品なのかを改めて感じさせられました。なので,発表してほっとできたのはほんの一瞬で,すぐプレッシャーに変わりました。
4Gamer:
ゲーム自体は完成しているのでしょうか。
河野氏:
材料もほぼ揃っていて,できているとは言えるんですけど,最後の1〜2か月のブラッシュアップがクオリティを決めるので,ある意味ではここからが勝負です。
4Gamer:
今回の主人公は懲罰部隊ということで,これまでとは少し違ったスタートラインになりそうですね。
河野氏:
ひよっこの新人から最終的にエースになるという展開は,すでに何度もやってしまっています。ですので,今回は懲罰部隊というどん底まで落ちていただいて,そこからエースコンバットらしいカタルシスを味わっていただくのがいいかなと思いました。
4Gamer:
先日公開されたトレイラーでは,懲罰部隊が反乱を起こしたことを示唆させるセリフが確認できましたが,「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」のように第三勢力として活動することになるのでしょうか。
河野氏:
あまり詳しくはお話できないのですが,少なくともトレイラーから類推して全てが分かってしまうようなストーリーではないです。エースコンバットのトレイラーって引っ掛けが多いんですよね(笑)。
「ハーリングの鏡」というワードも飛び出しましたが,エースコンバット5に登場した,オーシア連邦大統領のハーリングと関係するものなのでしょうか。
河野氏:
本作はエースコンバット5から約10年後が舞台になっています。当然,その10年を生きてきたキャラクターもいるわけで,そこを考えれば自ずと答えは出るかと。ただ,「エースコンバット5を知っていないとダメ」という風には作りたくなかったので,「ハーリングの鏡」の本当に意味するところは,本作からプレイする人でも分かるように作ってます。
4Gamer:
動いているストーンヘンジが確認できましたが,あれは「エースコンバット04 シャッタードスカイ」でメビウス1に破壊されなかった最後の1基なのでしょうか。
河野氏:
実は,その日のうちにファンの方々に検証され,それを否定することができないという感じです(笑)。ファンの皆様の検証スピードには毎回ビックリさせられますね。
4Gamer:
アーセナルバードが展開したバリアは何なのでしょう。
河野氏:
いわゆるバリアです……としか今は言えませんね(笑)。でも,実際にバリアは研究されているんですよ。目に見えるバリアではないですけど,電磁波を利用して衝撃波を防ぐ。ミサイルを手前で防ぐバリアはさすがにまだないみたいですが(笑)。
4Gamer:
ゲーム内に登場する兵器は,どのように考案されていますか。
河野氏:
エースコンバット自体は現実のテクノロジーだったり,研究が始まっていて何年か先には実現するだろうという兵器だったりを,一足早くゲームの中で実現させています。
以前,関 賢太郎さんという軍事系のライターさんから,「エースコンバットのUAV(無人機)の運用方法は,未来に実現する正しい運用方法だ」と感動のコメントをもらいました。
4Gamer:
トレイラーでは,情報戦の崩壊をイメージさせるセリフとビジュアル演出も印象的でした。
河野氏:
情報があるからこそ見えてる世界というものがもし潰(つい)えたら……という意味も,サブタイトルである“スカイズ・アンノウン”に込めています。
多連装ミサイルやレールガン,レーザーなども確認できましたが,これらは任意の装備で機体をカスタマイズするようなものではなく,機体依存の特定装備から選択する旧来的な方式なのでしょうか。
河野氏:
特殊兵装は機体依存です。カスタマイズは後々情報を公開しますが,別の要素で考えています。できれば「ミッションの攻略上,この機体を使いたい」とか,「この機体に乗って,この武器を使いたい」というような遊び方をしてもらいたいので,「1つの機体になんでも着けられる」というふうにはしていません。
4Gamer:
SF的な兵器のほか,両翼下にガンポッドを着けたMig-21には驚かされました。
河野氏:
先ほどの話と少し矛盾する部分ではありますが,機体のイメージを守りすぎてしまうと,Mig-21のような古い機体の場合,ミッション攻略が難しくなってしまいます。ですので,アドバンテージを何かつけられないかと考え,あのようにカスタマイズできるようにしました。
4Gamer:
最後に現れた黒い架空機は一体何なのでしょうか。
河野氏:
あれはサービスショットです。今回のトレイラーには,ナンバリングのエースコンバットが帰ってきたことを感じてほしかったのと,それぞれのシーンに考察できる余地を詰め込みつつ,涙腺を刺激するような要素も入れたいという思いがありました。
エースコンバットと言ったらこうでなくちゃ,というのを実現しようとなると,今あるものを伝えきらないと期待してもらえないかと思い,ついついサービスショットまで入れてしまいました(笑)。ファンの皆様が盛り上がることで,自分たちへのプレッシャーを作り出しているという状況でもあるのですが……。
4Gamer:
「エースコンバット3 エレクトロスフィア」が正史に組み込まれた経緯について教えてください。
下元 学氏(以下,下元氏):
今まで公式には言っていなかったのですが,主なシリーズ作品の世界はゆるくつながっていました。今回,11年ぶりのナンバリング作品ということで,僕としては“エースコンバットの世界”をしっかりとお伝えしようと思い,では「どこまでを正史とするか」を,チーム内でじっくりと検討しました。
開発スタッフとして長年やっているメンバーの中には,3に憧れてチームに入ってきた人もいるので,当然その話も出てきます。エースコンバット7の舞台も2019年頃ということを考えると,3の舞台である2040年が,さほど遠くないところまで来ているので,そことのつながりを入れられないかと考えて「これは正史にしよう」となりました。
4Gamer:
シリーズが長く続いている作品ですと,予備知識がないと入りづらいイメージがありますが,そのあたりは工夫されていますか。
下元氏:
本作から始める人でも楽しめるよう,主要キャラクターは新しくしており,ストーリーも予備知識なしで楽しめるように作っています。
ただ,歴史を知っているほうが面白いという部分もあるので,今後公式サイトなどで,エースコンバットの世界をより楽しめる,読み物的なコンテンツを出していく予定です。
4Gamer:
来月開催される東京ゲームショウ2018には出展されますか。
下元氏:
はい。今年も試遊出展とステージを予定しています。詳細は決まりましたらご案内させていただきますが,最新情報も出していくので,ご期待ください。
4Gamer:
最後に,本作の発売を待ちわびているファンにひとことお願いします。
下元氏:
まずは12年ぶりのナンバリングということで,ファンの皆様にはご期待いただきたいです。また,本作からエースコンバットの世界に触れるという人でも分かるような内容にしていますので,今までプレイしたことがないという人も,ぜひ遊んでもらえたらと思います。
河野氏:
発売日を発表できましたが,ファンの皆様に支えてもらえなければ,この今日もなかったので,ただただ感謝しております。
4Gamer:
ありがとうございました。
「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」公式サイト
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エースコンバット7 スカイズ・アンノウン
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