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日中文化交流協定締結40周年を記念した特別展「三国志」をレポート。最新の発掘研究成果や「真・三國無双」の展示も
本展覧会は,「リアル三国志」を合言葉に,三国志時代の文物を最新の研究成果として読み解いていくというものだ。展示されているのは,三国志史上最大の発見で,海外初出品となる河南省の「曹操高陵」出土品を筆頭とする,考古発掘成果約160点。本稿では,この展覧会の開催に先駆けて行われた内覧会の模様をレポートしていこう。
特別展「三国志」公式サイト
本展覧会は,「プロローグ 伝説のなかの三国志」「第1章 曹操・劉備・孫権─英雄達のルーツ」「第2章 漢王朝の光と影」「魏・蜀・呉─三国の鼎立」「第4章 三国探訪」「第5章 曹操高陵と三国墳墓」「エピローグ 三国の終焉─天下は誰の手に」という7つのパートに分かれており,展示されているのは中国18地域の40を超える所蔵機関から集めた文物だ。
山東博物館所蔵の獅子。後漢時代のもので,有力者の墓のかたわらにあったと推測されている |
甘粛省博物館所蔵の儀仗桶。涼州(現・甘粛省)の有力者・張将軍の墓に副葬されたもので,同じ涼州出身の軍閥である董卓と関連がある可能性も |
上海博物館所蔵の熹平石経。後漢時代,経書の文字の異同を正すために勅命で作られた石碑だが,董卓の乱によって破壊された |
焦作市博物館所蔵の五層穀倉楼。後漢最後の皇帝・献帝が譲位したのち,余生を送った河南省焦作市にて,多く発掘されるという |
綿陽市博物館所蔵の鉤鑲。後漢から三国時代にかけて使われていた防具 |
寿県博物館所蔵の金製獣文帯金具。鮮卑頭と呼ばれるベルトのバックルで,当時の有力者の副葬品の1つ |
曹操高陵から出土した,白磁の罐(河南省文物考古研究院所蔵)。白磁の誕生は6世紀後半の隋の頃だと考えられており,それを数百年遡ることになるので,類例や関連資料の発見が待たれているそうだ |
曹操高陵から出土した鼎(河南省文物考古研究院所蔵)。上記の罐もそうだが,質素でありつつも丁寧に作られているという |
加えて,横山光輝氏の漫画「三国志」の原画や,NHKの「人形劇 三国志」で実際に使用された川本喜八郎氏制作の人形,そしてコーエーテクモゲームスの「真・三國無双」シリーズに登場する張飛の武器「蛇矛」のレプリカも展示されている。
また音声ガイドには,中国史に精通する歌手の吉川晃司さんに加え,「真・三國無双」シリーズの武将を起用。曹操(CV:岸野幸正),曹丕(CV:神奈延年),夏侯惇(CV:中井和哉),関羽(CV:増谷康紀)のナビゲートで展示を鑑賞できる。
横山光輝氏の漫画「三国志」の原画 |
川本喜八郎氏制作の「人形劇 三国志」で使われた人形 |
また本展覧会は,10月1日から2020年1月5日にかけて,福岡・九州国立博物館でも開催される予定だ。三国志の最新研究成果に触れてみたいという人は,会場に足を運んでみよう。
特別展「三国志」公式サイト
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