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「New 電波人間のRPG」はプレイヤーとの対話によって常に進化していく作品となる。ジニアス・ソノリティ山名 学氏インタビュー
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印刷2017/05/02 12:00

インタビュー

「New 電波人間のRPG」はプレイヤーとの対話によって常に進化していく作品となる。ジニアス・ソノリティ山名 学氏インタビュー

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「New 電波人間のRPG」はプレイヤーとの対話によって常に進化していく作品となる。ジニアス・ソノリティ山名 学氏インタビュー
 ニンテンドー3DSのダウンロード専用ソフトとして人気を博した電波人間のRPGシリーズのスマホ向けタイトル「New 電波人間のRPG」iOS / Android)が,2017年2月28日にリリースされた。
 カメラを通して見える不思議な生物「電波人間」をキャッチし,彼らをメンバーに加えて冒険をしていく,シリーズ伝統のゲームシステムを踏襲しつつ,本作ではスマホ向けにさまざまなアレンジが加えられている。

 2017年4月27日からは全国の公園を対象に,GPS機能を最大限に活用したキャッチイベントが開催されており,さらなる盛り上がりを見せているタイトルでもある。このイベントの開催に合わせ,本作を手掛けたジニアス・ソノリティ代表取締役社長の山名 学氏に,開発秘話や今後の展望,シリーズ5周年を迎えての抱負を聞いてきた。

「New 電波人間のRPG」公式サイト

「New 電波人間のRPG」ダウンロードページ

「New 電波人間のRPG」ダウンロードページ



本作での山名氏の肩書きは「作業人」!? 

データ修正を正月返上して自ら作業した


ジニアス・ソノリティ代表取締役社長
山名 学氏
画像集 No.004のサムネイル画像 / 「New 電波人間のRPG」はプレイヤーとの対話によって常に進化していく作品となる。ジニアス・ソノリティ山名 学氏インタビュー
4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。「New 電波人間のRPG」の配信が2月に開始されましたが,まずは本作の開発に至った経緯からお聞かせいただけますか。

山名 学氏(以下,山名氏):
 ニンテンドー3DSの「電波人間のRPG FREE!」を基本無料の仕様でリリースしてから約2年が経過して,おかげさまで現在も遊んでくれている方がいらっしゃるのですが,容量などの関係もあって,遊びの部分でこれ以上の拡充ができない限界近くまで来てしまったんです。
 そこで,昨年ポケモンさんと「ポケとる」3DS / iOS / Android)を作らせていただいたノウハウを生かして,スマホ向けの「電波人間のRPG」を作れるのではないかと考えたのが最初のきっかけでした。

4Gamer:
 今回山名さんは,本作の開発にもかなり深く関わっているとのことですが,どのような仕事をされていたのでしょう?

山名氏:
 平たく言えば「作業人」ですね(笑)。最初にゲームの仕様をまとめて,開発部署に作ってもらうことになるわけですが,その方針を伝える段階で,こちらである程度作ったものを見せたほうが早いということで,実際に自分で作り始めてしまったんです。
 開発中も,普段ならできあがってきたものを見て「ここをこうしたほうがいい」とフィードバックするんですが,とにかく時間も人手も足らなかったので,できたものを受け取って,家に帰って夜に自分で直すという作業をしていました。直すのは主にデータ部分なんですけどね。

4Gamer:
 それで作業人と(笑)。

山名氏:
 スタッフにはちょっと気分の悪い思いをさせてしまいましたが,そのぐらい時間が足らなかったんですよね。

4Gamer:
 ベテランクリエイターの山名さんらしい職人気質なエピソードですね。実際,どのぐらいの期間で作られたんでしょう?

山名氏:
 昨年6月ぐらいにスタートして,リリースが今年の2月末でしたから,実質8か月ですね。ゲームが形になってきたのが10月半ばぐらいで,いざデータを入れ込んでみると思ったように動かず,そのまま時は流れて,クローズドβテスト直前になっても仕様の1/4も入っていなくて,正月出勤することを決めました。風邪を引けないので,点滴を打ちながらやってましたね。

4Gamer:
 社長自らそこまでされたんですか!?

山名氏:
 社長といっても,大きな会社ではないので,やれることはやろうと思ってまして。ゲーム作りって,昔からそういうところがありましたからね。僕は昔から現場にいたので,現場を前にするとどうしてもツルハシを持って作業したくなってしまって。

4Gamer:
 短い期間で作られたのは,何か理由があったんですか?

山名氏:
 弊社の作品は,どれも基本的に制作期間は短いんですよ。だいたい1年ぐらいですね。過去にはもう少し時間をかけていたものもあったんですが,ずっと同じ物を作っていると精神衛生上あまりよくないというのが分かって。

4Gamer:
 具体的にはどんな影響が?

山名氏:
 あまり時間が進まないんです。例えば1作品に4年かかったとすると,完成間際にクリエイターがグッと成長する機会が4年に1回になってしまいますからね。会社としても4年に1回しか収益が入らないというのは現実的ではなくて。さらにそれだけ時間をかけて作ったものが,果たして今求められているのかを考えてしまうんですよね。

4Gamer:
 なるほど。

山名氏:
 ゲームも映画もそうですが,エンターテイメントコンテンツとしては,タイムリーに出していくことがベストではないかと僕はずっと思っているんです。もちろん長い時間と多くのお金をかけて作ることを否定しているわけではないですが,今はとにかく時代の移り変わりも激しいですからね。家庭用ゲーム機の5〜6年周期と比較すると,スマートフォンは2年で新機種が出るペースですから。

4Gamer:
 ハードやOSがどんどん新しくなって,作り手が大変そうだということは,どのゲームを見ても分かります。

山名氏:
 だから早いに越したことはないんですが,今回はとにかく時間が足らなかったですね。

4Gamer:
 例えば,すでに作り慣れているノウハウを生かして,時間を短縮するようなことはできなかったんでしょうか。

山名氏:
 一番時間がかかったデータ部分は流用できないんですよ。むしろできなかったことを今回のスマホ版に入れ込みたくて,それが手間がかかる要因にもなってしまいました。

4Gamer:
 プレイする層もまったく違いますしね。従来作と比較するとフィールドがなかったり,連れていけるパーティの人数が4人になったりと,システム的にかなり変わっているのは,やはりプレイヤー層の違いが理由なんでしょうか。

山名氏:
 まさにそうですね。RPGのフィールドって,うろうろ歩き回って何かを探すこともゲームの楽しみの一つなんですが,スマホのお客さんは自らフィールドを迷って歩く楽しさを好まない方も多くて,とりあえず最初はフィールドなしの方向性でリリースしました。人数に関しても,8人パーティは正直多すぎたということをずっと考えていたんです。単純に8人が並んで冒険するのは面白いのではないかという,見た目を優先した仕様で,実際には8人いなくても十分遊べる。管理も大変なので,今回は4人としたんです。

4Gamer:
 確かにフィールドに関しては,自由に歩き回れるタイプのスマホ向けRPGは少ない印象ですね。

山名氏:
 ええ,スマートフォン向けゲームはゲーマーだけが遊ぶわけではないので,ダンジョンの分かれ道で,ちょっとでも道をくねらせるとそこで迷ってゲームを止めてしまう方が少なくないんです。迷うことを楽しいと思わない人もいるんですよね。

4Gamer:
 手軽さや分かりやすさが重視される傾向にあります。

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山名氏:
 正直なところ,リリース当初はそれがあまりよく分かっていなくて,途中で止めてしまうお客さんが少なからずいたというのは事実です。シリーズの特徴を見ながら,よりシンプルにしたつもりでいたんですが,単にシンプルにしただけでは続けてもらえるモチベーションにはつながらないんですよね。幸いスマホゲームはすぐにアップデートができるので,どうすればいいか分かったところから優先的に反映させていこうと思っています。

4Gamer:
 ゲーム自体はシンプルでしたが,ゲーム画面などはニンテンドー3DS版と比較して結構情報が多いことも気になりました。

山名氏:
 あの画面も,必要な情報をできる限り入れ込んだ結果なんです。これは改善すべき事案でもあって,社内のスタッフはゲームにすごく慣れているので,その視点で考えると,今の画面に出ている情報は快適に遊ぶために必要なものなんですが,その一方でスマホゲームをメインに遊ぶお客さんが見ると,データが多すぎてやる気が削がれてしまう要素でもあります。そのどちらを取るかということで,前者を優先したんですが,やっぱりちょっと多すぎですよね。
 全体的にまだお客さんのニーズに応えられていない部分が多いことは,反省材料として受け止めています。

4Gamer:
 そういった部分は今後のアップデートで対応されていくんでしょうか?

山名氏:
 もちろん対応していきます。先日の大型アップデートでも,お客さんからいただいた要望をかなり反映させていて,今後も積極的に対応していきます。とくに見た目に関しては,もう少し易しく見えるよう,全体のデザインを整える可能性は高いですね。

4Gamer:
 例えば見た目などを直してしまうと,見えていたものが見えなくなったりして,改善前のほうがよかったという声が出てくる可能性もありますが,そこはどうお考えですか?

山名氏:
 そこは仕方ないところだと思います。両者が納得できるいいアイデアが出れば別ですが,あちらを立てればこちらが立たずということは必ず出てきますから,そこは少しずつ対応していくことを考えています。いきなり変えると,そこまで慣れてきた人が嫌になってしまいます。慣れている人も違和感を感じないところから変えていきたいですね。

4Gamer:
 プレイヤーの要望には常に応えていくスタンスなんですね。

山名氏:
 はい。リリース後に改善できる今の時代のゲームだからこそ,お客さんの意見は大事にしていきたいんです。作って出すだけで終わっていた昔の家庭用ゲームではできませんでしたからね。こうやって,アップデートでお客さんの声に応えられるようになったのはとても嬉しいんです。

4Gamer:
 アップデートといえば,リリース前にCBTを実施されていましたよね。そのときもプレイヤーからさまざまな要望が届いたのではないでしょうか。

山名氏:
 ええ,ありがたいことに。CBTのときも,参加者の要望やバグ報告のメールに全部自分で返信していましたが,600人ぐらいの方に参加いただいたので,夜中も休日も関係なくひっきりなしにメールが来るんです。あのときはとんでもないもの(CBT)を始めてしまったと思ったんですが,始めてしまった以上途中で止めるわけにはいけませんでしたし,もらったご意見1つ1つに目をとおさせてもらいました。
 お客さんと対話をしながら作ることで進化を遂げていく,現代ならではの作り方は,個人的にも性に合っているような気がします。

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出現条件がWi-Fiから位置情報に

よりイベントが開催しやすくなった


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4Gamer:
 システム的な部分もお聞きしますが,電波人間をキャッチする「ARキャッチ」について,従来作は電波人間の出現条件をWi-Fi情報から取っていましたが,それが本作ではGPSの位置情報に変わったそうですね。これはスマホだからこその仕様なんでしょうか。

山名氏:
 実はWi-Fiでやることも考えていたんですが,iOSがWi-Fiの情報をアプリに反映できない規定があるんです。Androidは使用可能なんですが,それでも昨今の事情ではプライバシー保護の観点から,Googleさんはあまり推奨していなくて。それならと両方で使用できるGPSの位置情報に変更しました。
 それと位置情報を使うと大きなメリットがあって,例えばゲーム内イベントで特別な電波人間を特定の場所に出現させやすいんです。以前までは現地に専用のWi-Fi波を飛ばすルーターを設置するか,あるいは現地まで行ってWi-Fi波の情報を調べてくるか,どちらかしか手段がなかったんです。各地に仕込みに行くこともありましたが,これまでのやり方ではどうしても限界があって,全国規模のイベントが実現しにくかったんです。

4Gamer:
 それが位置情報ならもっと簡単になるというわけですね。

山名氏:
 はい。位置情報ならその場所の座標さえ分かれば,仕込むのは簡単ですよね。ゴールデンウィーク期間中のキャッチイベントでは,特定の公園に行くことでレアな電波人間が出るようになっているのですが,今後もそういったイベントを定期的に行っていきます。
 また先日のアップデートで「電波人間マップ」という機能を搭載しまして,どこに電波人間がいるかを地図で確認できるようにしました。アイコン周辺まで行くことで特定の電波人間をキャッチできます。

2017年4月25日のアップデートで追加された“電波人間マップ”では,どの場所にどの電波人間がいるかが表示される
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ゴールデンウィークイベントの開催期間は5月10日(水)14時59分まで。限定電波人間の出現する公園一覧はこちらの特設サイトをチェック
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4Gamer:
 位置情報で出現する電波人間が変わるということですが,どの程度の距離を移動すると出現する電波人間のラインナップが変わるんでしょう?

山名氏:
 ロケーションによって違いますね。都心部のような住宅密集地だと100mから150m程度で変わりますが,あまり人が住んでいないところだと,その間隔は広くなります。周囲の居住数が基準になっているので,海の上などは出てこないんですよ。あと,海外は非対応なので,人がいるいないに関わらず海外では出てきません。

4Gamer:
 そうなると,人がいない郊外などではゲームはプレイしにくかったりしませんか?

山名氏:
 そこに関してはニンテンドー3DSの頃から指摘されていた部分なんですが,そもそも電波人間は電波によって生まれるキャラで,人がいないところには電波が飛んでいない,つまり電波人間もいないということなんです。
 これは,このゲームの根本に関わるところなので,あえて仕様は変えていないんです。最初に集まる3人と,無料でもらえるジュエルでガチャを引けば,ある程度ゲームはプレイできてしまうんです。たまに駅の近くなど人がいるところに行ってもらえれば,ほかの電波人間にも出会えますので,忘れずにキャッチをしてみてください。そのために,探索中も,バトル中も,いつでもキャッチができる仕様にしているんですよね。

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4Gamer:
 これはAR機能のあるスマホゲームで必ず出てくる懸念事項かと思うのですが,歩きスマホ対策についてはどのようにお考えですか。

山名氏:
 それは現在対策を検討中です。GPSの場合はプレイヤーの移動速度を計測できますので,速度上限に達するとキャッチできないようにしようかと,統計を取って対応していく予定です。
 環境や端末によって移動時と停止時に誤差が出ることがあるので,完全に止まった状態でキャッチする仕様にしてしまうと,いつまで経ってもキャッチできない可能性も出てくるので,そのしきい値をどこに設定するか検証している最中です。

4Gamer:
 イベント以外で特別な電波人間をキャッチできることもあるんですか?

山名氏:
 かなりレアですが,ランダムで出てくるようになっています。先日実装したマップはそのためのものなんですよね。

4Gamer:
 マップに出てくる電波人間が入れ替わる周期のようなものはあるんでしょうか。行ってみたけどキャッチできなかったということもありそうですが……。

山名氏:
 これまでは大型アップデートに合わせて入れ替えをしていますが,数時間でいなくなってしまうようなことはないですね。その時期が来たら公式サイトやTwitterなどで事前告知しますので,その前にキャッチしに行っていただければと。

4Gamer:
 例えば,ご当地電波人間のような存在がいると楽しそうだと思ったんですが,いかがですか。

山名氏:
 もちろん考えてはいます。各地の電波塔周辺とか,やってみたいんですが,そうした場所に安易に設置していいのかどうか,現状では分からないところもあるんです。先ほどお話ししたように,現地に行かなくても設定できるようになったとはいえ,実際に足を踏み入れていい場所なのかどうか調査が必要ですから,なかなか難しいんですよね。お客さんがイベントをどう楽しんでくれるかを見て,次回以降のことを考えていきたいです。

4Gamer:
 ゲームをプレイしてみると,他のタイトルと違って画面切り替えなどのレスポンスがスムーズに感じられたのですが,これは内部的にどのような処理をされているんでしょうか?

山名氏:
 スマホゲームの場合,何かしらの動作ごとに必ずサーバーとの通信を行いますが,サーバー側で特殊な処理をしていて,なおかつ1回あたりの通信容量を小さくしているので,レスポンスが早いんです。サーバーはイチから構築していて,かなり大変だったんですが,反応速度は確実に上がりましたね。実はバトルもターンごとにサーバーと通信していて,それを高速でやりとりして画面に出しています。同時に数万人が遊べる仕組みを実現できているんです。
 ほとんどの処理はサーバーでやっているので,スマホは「ディスプレイ付きリモコン」みたいなものですね(笑)。

4Gamer:
 おおなるほど。レスポンスがよくて,毎ターン通信しているようには感じませんでした。

山名氏:
 早く感じるのはサーバーの処理だけに限らないんですけどね。例えばスマホ内部にあるSDカードなどの記憶媒体から読み込むときに,一度読み出したものをキャッシュして再利用しているとか,何かの処理中も別のことをやる非同期スタイルにするとか,いろいろ工夫をしています。


もっと気軽に電波人間に触れられる新作の構想も

そしてNintendo Switchへの期待感も!?


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4Gamer:
 ゲームのサウンドについても話を聞かせてください,これまでは崎元 仁さんが担当されていましたが,本作は別の方が担当されているとか。

山名氏:
 はい,今回は多和田 吏さんにお願いしました。「ドラゴンクエストVI」を作っていた頃に,すぎやまこういち先生に崎元さんと多和田さんを紹介していただいたんです。
 多和田さんは弊社の創立メンバーでもあって,「ポケモンコロシアム」「ポケとる」などのサウンドもお願いしていますし,縁は深いんですよね。

4Gamer:
 本作のサウンドについてはどんなオーダーを出されたんでしょうか。

山名氏:
 うちからお願いしたのは「わかりやすく」ということだけで,後は完全にお任せでした。僕個人も彼のサウンドはすごく好きなんですが,なぜ彼のサウンドにみんなが惹かれるのか論理的に理解できていなくて(笑)。何かこちらでいちいち注文するよりも,任せたほうが絶対にいいものができてくると確信したんですよね。

4Gamer:
 評判はいかがですか?

山名氏:
 聴いていただいている方からの評判はかなりいいです。今回FM音源を使って作っていて,僕らの世代には響くものがあります。それが今の人にどう聞こえるのか気になっていたんですが,抵抗なく聴いていただけたようですね。スマホだとどうしても音を切ってプレイする機会が多くなってしまいますが,可能ならイヤフォンなどでサウンドを聴きながら楽しんでいただきたいです。

4Gamer:
 ゲームをこれから始めるという人に,本作のオススメの遊び方はありますか?

山名氏:
 基本的に無料の範囲で十分に遊べる内容なので,気軽に触っていただくのがいいと思います。ミッションに従って進めてもらえれば,課金アイテムのジュエルもたくさんもらえますしね。
 それとフィールドマップがないとはいえ,他のスマホRPGよりは探索要素は強くて,ステージを歩く楽しみをたくさん詰め込んだので,のんびり歩いてみてください。もちろんあまり考えなくても進めますが,探索することでいいことがあるので,自由に楽しんでいただけるのではないでしょうか。

4Gamer:
 電波人間のRPGシリーズが今年5周年を迎えましたが,それに対するお気持ちや今後の展望などをお聞かせください。

山名氏:
 正直なところ,5周年という節目はあまり意識していませんでした。本作もそれに合わせようと思ったわけではないんですよ。発売から5年が経過して,ファンの方も増えたので,これからも頑張っていきますが,個人的にはもう少しシンプルな方向のゲームを作りたいという気持ちが強いです。
 RPGとして冒険をすること以外に,電波人間というキャラクターが好きで,デコレ部分を気に入ってくれている方も多くて,そこだけを遊びたいという要望もかなりあるんです。そういう方に向けた気軽に電波人間とふれ合えるような遊びは,今後考えていきたいですね。

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4Gamer:
 「おでかけ」で「いいね」が多い島へ行くと,すごいことになっていますよね。

山名氏:
 そうなんですよ。ああいう遊びが好きな人は多いので,今のように冒険と直結させなくても楽しめるようなものを提供していきたいと思っています。

4Gamer:
 プラットフォームは,やはりスマホですか。

山名氏:
 スマホはもちろん,これまで作ってきたニンテンドー3DSでもありでしょうし,あとはNintendo Switchなんかでやるのも面白そうですよね。

4Gamer:
 山名さんから見てNintendo Switchの感触はいかがでした?

山名氏:
 とても面白そうなハードだと思います。でももしSwitchで電波人間のRPGをやるなら,これまでと同様にもっとやり込めるものを作りたいんですよね。今Nintendo Switchを手にされているお客さんって,ゲームをやりたくて買っている方が多いと思うので,そういう人に向けたものは考えていきたいです。ただ,カメラやGPS機能がないので,これまで携帯できるハードで作ってきた電波人間のRPGを作るとなると,いろいろ考えなければならない部分は出てきます。据置きハードとして捉えて考える方向性もあるでしょうし。

4Gamer:
 ちなみに「電波人間のRPG FREE!」のサービスもまだ継続されていくのでしょうか。

山名氏:
 はい,やっていきます。「電波人間のRPG FREE!」は現在もたくさんの方に遊んでいただいていて,さらに新規の方も毎日増えているんですよ。冒頭でお話しをしたように,容量などの関係で内容をがらっと変えるような新しい要素を実装するのは難しいですが,それでも今遊んでくれている方が,これからもずっと楽しめるアップデートを続けていくつもりです。

4Gamer:
 「電波人間のRPG FREE!」とは別に,ニンテンドー3DSで新作を作る構想などはないんですか?

山名氏:
 具体的な予定はないですが,これまでのノウハウで性能を技術的に十分理解できているハードなので,何か新しいことをやる可能性はゼロではないですね。
 僕らとしてはプラットフォームに特別なこだわりはなくて,それぞれに着いているお客さんに向いているものを提供することを大事にしていきたいと考えていますので,今後もぜひご期待ください。

4Gamer:
 シリーズの今後に期待しています。ありがとうございました。

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