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セガ・インタラクティブの新戦略「マルチデバイス×ワンサービス」。その熱意や展望が見えたプロデューサーインタビュー
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印刷2016/11/05 12:00

インタビュー

セガ・インタラクティブの新戦略「マルチデバイス×ワンサービス」。その熱意や展望が見えたプロデューサーインタビュー

 セガ・インタラクティブの新たな事業戦略「マルチデバイス×ワンサービス」は,同社のアーケードゲームIPを,スマートフォンなど,さまざまなデバイスに最適化してコンテンツやサービスを提供するという取り組みだ。

画像集 No.002のサムネイル画像 / セガ・インタラクティブの新戦略「マルチデバイス×ワンサービス」。その熱意や展望が見えたプロデューサーインタビュー

 詳しくは「こちら」の記事でお伝えしているが,同事業戦略の説明会では,それに関連するタイトルとして,スマホ向けアプリ「CODE OF JOKER Pocket」(コード・オブ・ジョーカー ポケット,iOS / Android),「StarHorse Pocket」(スターホースポケット,iOS / Android),「SOUL REVERSE ZERO」(ソウルリバース ゼロ,iOS / Android)と,アーケード向けゲーム「SOUL REVERSE」(ソウルリバース)も発表されていた。

【速報】
アーケードゲームのIPが筐体とスマホでマルチデバイス化。セガ,新たな事業戦略として「マルチデバイス×ワンサービス」を発表

【詳報】
セガ・インタラクティブの新たな事業戦略「マルチデバイス×ワンサービス」説明会詳報レポート

 説明会の終了後,4Gamerでは各タイトルのプロデューサー陣に話を聞くことができたので,その内容を本稿に掲載しよう。

■インタビュイー詳細(計4名)
セガ・インタラクティブ 第一研究開発本部 本部長 西山泰弘氏
セガ・インタラクティブ 第一研究開発本部 「StarHorse」シリーズ プロデューサー 佐藤直行氏
セガ・インタラクティブ 第二研究開発本部 「SOUL REVERSE ZERO」プロデューサー 平井徳一氏
セガ・インタラクティブ 第一研究開発本部直轄 UX プロデュースセクション マネージャー/プロデューサー 新小田裕二氏

左から新小田裕二氏,西山泰弘氏,平井徳一氏,佐藤直行氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / セガ・インタラクティブの新戦略「マルチデバイス×ワンサービス」。その熱意や展望が見えたプロデューサーインタビュー

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回,セガ・インタラクティブの新たな戦略が発表されましたが,その発表を終えた今のお気持ちはいかがでしょうか。

西山泰弘氏(以下,西山氏):
 セガ・インタラクティブが,アーケードゲームだけでなく,ほかの展開にも本腰を入れているんだということを皆さんに早くお伝えしたいと思っていたので,それがようやく実現できて,ホッとしているところです。

佐藤直行氏(以下,佐藤氏);
 今回発表させていただくまでに紆余曲折があったので,ようやく一段落という感じです。同時に,リリースまで時間的な余裕がありませんので,これからさらに気を引き締めて行こうと思っています。

平井徳一氏(以下,平井氏):
 先日,スマホ版の「SOUL REVERSE ZERO」関連記事)を発表しましたが,それに続いてようやくアーケード版の「SOUL REVERSE」もお披露目できました。2タイトルとも並行開発を進めていたのですが,ようやくシリーズの立て付けを皆さんにお知らせできました。

4Gamer:
 ありがとうございます。それでは各タイトルについて,順にお聞かせください。
 まずは「CODE OF JOKER Pocket」の紹介では,アーケードゲーム「CODE OF JOKER」の流れを汲んで対戦相手を意識させる作りとのことでしたが,そうした意図などを教えてください。

西山氏:
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 「とにかくガチの対戦ゲームを作りたい」と考えています。僕はスマホでいろいろな対戦ゲームを遊んでいますが,その中で対戦相手とのマッチングがフェアに行われているのか分かりづらい,自分がランキングでどこに位置しているのか意識しにくいと思うことが,ほとんどなんですよね。
 もちろん,コンスタントに100位以内に入れるようなプレイヤーであれば,常にランキングという存在を意識するんでしょうけど,たとえば1万5000位の人が1万4000位に順位が繰り上がったからといって,嬉しいと感じる人はいないですよね。


 僕らがアーケード向けゲームを作りながら思ったのは,そういった部分をきちんと意識させて,どんな順位だろうが対戦を楽しんでもらいたいということです。ゲームを熱心に遊ぶ人には,「ランカー」と呼ばれるために100位以内を目指すといったふうに,ある種の秩序的なものがあるんですが,これは昔の「バーチャファイター」から現代の「三国志大戦」まで一貫して変わりません。

 そこで「CODE OF JOKER Pocket」は,完全にフェアなマッチング環境を用意して,対戦前にある程度相手の状況が分かるような仕組みにしました。対戦相手に向かって「このプレイヤーは勝率が高いからデッキもスゴい」「オレは最近の勝率が高いから,こんな強い相手とマッチングするんだな」といったことを考えながら,対戦することが大事だからです。

 そういった雰囲気を「殺伐としている」と捉える人は,個人的には対戦ゲームに向いていないと思います。同じくセガ・インタラクティブが開発している「SOUL REVERSE ZERO」や,セガゲームスの「チェインクロニクル」をぜひ遊んでくださいというくらいの気持ちで「CODE OF JOKER Pocket」を開発しています。

4Gamer:
 まさに“ガチ”ですね。

西山氏:
 とはいえ,フレンド同士で対戦するのも結構面白いですよ。たとえば「バーチャファイター」で強いフレンドに勝つというのは相当にハードルが高いことですが,「CODE OF JOKER Pocket」はカードゲームでドローの運要素がありますから,格上の相手でも“ワンチャン”あります。ちなみにフレンドマッチを繰り返し遊ぶだけでも,そこそこの報酬がもらえる作りになっています。

4Gamer:
 スマホ版とアーケード版で対戦はできるんでしょうか。

西山氏:
 現状,あえて考えていません。アーケード版は稼働してから時間が経っており,プレイヤーのカード資産がだいぶ蓄積しているからです。スマホ版の初期段階ではカードの種類を相当絞り込む予定で,徐々に緩めていきます。最初からすべてを入れてしまうと,新規のプレイヤーが覚えきれないと思いますので。
 どこかのタイミングでスマホ版がアーケード版に追いついたとき,スマホ版vs.アーケード版の対戦も実現したいと思っています。

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4Gamer:
 分かりました。次は「StarHorse Pocket」について教えてください。こちらは,ゲームセンターに行ってアプリを起動するとボーナスがもらえたり,アプリで育成した馬をアーケードでレースに出走させられたりといった連動要素が紹介されていました。

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佐藤氏:
 前者はほぼ確定ですが,後者のレース連動に関しては今まさに検討中という段階なので,詳しくはお伝えできません。将来的には,スマホで育てた馬がゲーセンで走り,その逆も可能にして,それぞれにメリットが生じるという形にまとめたいですね。

4Gamer:
 競走馬の育成には,血統を覚えるなどの少々高いハードルがありますよね。スマホ版を作るにあたって,そういった部分に配慮したところはありますか。

佐藤氏:
 ゲームの初期段階では,「血統を覚えてないといけない」とかは無いんですよ。確かに血統を勉強した方が楽しみは広がりますが、最初は,なんとなく高そうな馬同士とか,名前を知っている馬同士を配合するとかでもいいと思うんですよ。また,スマホ版ではあらゆる場面でプレイヤーをサポートする「秘書」が登場するので,困ったら「秘書」を頼ってみてください。

西山氏:
 みんな「ディープ産駒」(ディープインパクト産駒)を作りたがるんですよね(笑)

佐藤氏:
 まさに「ディープインパクトって聞いたことがある」くらいの知識でいいんですよ。より詳しくなりたければ,そこから勉強してもらってもいいですし。

西山氏:
 「StarHorse」シリーズは16年続いていますからね。その間に,まったくの初心者を競馬の深みに導いていくノウハウを蓄積していますから,スマホ版も誰でも遊べる作りになっていますよ。

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4Gamer:
 期待が高まりました,ありがとうございます。それではアーケードゲームの「SOUL REVERSE」についても教えてください。先行して発表された「SOUL REVERSE ZERO」はスマホ向けRPGですが,アーケード版はどういったものになるんでしょうか。

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平井氏:
 スマホ版とアーケード版はゲームとして別物になります。それ以上の情報は,今後の発表をお待ちください(笑)。もちろん両者は連動しますし,連動イベントなどもいずれ実施する予定ですが,そこには「連動しすぎない」というポリシーを持っています。
 やはり「どちらも遊ばなきゃいけない」だと,嫌がる人も出てきますから。両方遊ぶことで少々有利にはなりますが,さじ加減には気をつけています。

西山氏:
 「SOUL REVERSE」シリーズに限らず,マルチデバイス×ワンサービスの取り組みでは,“アーケード版もスマホ版もプレイしなければいけない”という強制的な仕組みは排除しているんです。
 理想としては,「SOUL REVERSE ZERO」のプレイヤーがオフ会をやるときに,アーケード版のあるゲームセンターに集合してほしいくらいのイメージですね。これは「CODE OF JOKER Pocket」も「StarHorse Pocket」も同じです。

4Gamer:
 タイトルも気になったので聞いてみるんですが,「SOUL REVERSE ZERO」は“ZERO”と付くだけあって,「SOUL REVERSE」より前の話と捉えていいんでしょうか。

平井氏:
 ええ,そのとおりです。「SOUL REVERSE ZERO」からすべてが始まります。ただしゲームとしては,繰り返しになりますが,まったく異なります。もちろん英霊をテーマにした世界観や,すべての要素をリッチに作っていることなどは共通していますけどね。

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西山氏:
 セガのAM2研が作るゲームですからね。アーケードでも感情を揺さぶるような仕上がりになると思いますよ。

4Gamer:
 ありがとうございました。ところで,マルチデバイス×ワンサービスの取り組みでは,巷で話題の「VR」への展開もあるのでしょうか。

西山氏:
 もちろん視野には入れています。これまでアーケードゲームの開発で培ってきたノウハウは,VRにも活用できると考えていますから。

4Gamer:
 ありがとうございました。それでは最後に,あらためて皆さんの意気込みをお聞かせください。

平井氏:
 発表しているとおり,「SOUL REVERSE」シリーズはすべての要素を各デバイスの最高峰と並ぶくらいリッチに作っています。「SOUL REVERSE ZERO」を皮切りに展開していきますので,よろしくお願いします。また,マルチデバイス×ワンサービスの今後の展開にぜひ注目してください。

佐藤氏:
 「StarHorse」は今後もずっとアーケードで続けていくタイトルです。スマホ版の「StarHorse Pocket」は,アーケード版のプレイを休眠している人や,アーケード版のハードルが高いと思い込んでしまっている人にぜひ触ってほしいです。そこからまた,アーケード版に触れてくださると嬉しいですね。
 正直なところ「StarHorse」も「StarHorse Pocket」も,馬の育成をしなくとも,競馬感覚で馬券を買っているだけでも楽しめるんですよ。リアル競馬のレースに合わせたイベントの配信も行いますので,競馬好きの方も注目してくださると嬉しいです。

新小田裕二氏:
 僕はアーケードIPのスマホ版のプロデューサーとして,今回は「CODE OF JOKER Pocket」と「StarHorse Pocket」に関わっています。新たにスマホ版から入ってくる皆さんの目線に立ち,アーケード版のままでは分かりにくい部分を改善したり,スマホのUIに合わせた最適化を図ったりしていきます。
 また今回の取り組みでは,「チェインクロニクル」の「チェンクロ酒場」のように,リアルの場でプレイヤー同士をつなげるような展開も予定しています。ぜひご期待ください。

西山氏:
 僕らはアーケードゲーム市場もスマホゲーム市場も最大化したいと考えながら,各々のタイトルに取り組んでいます。
 その中で「CODE OF JOKER Pocket」は,お話ししたとおりスマホゲームの中で一番ガチな対戦ゲームを目指しました。これは発表会で岩城(セガゲームス 取締役 セガネットワークス カンパニー COO 岩城 農氏)が発言したように,今のスマホゲーム市場では各タイトルがプレイヤーの可処分時間の奪い合いをしているからです。
 そうした市場では,エッジが立っていることが強みになります。それは,ほかの2タイトルも同じです。馬が大好きという人は,ぜひ「StarHorse Pocket」を遊んでください。きれいなグラフィックスやキャラクター,協力プレイが好きな人には「SOUL REVERSE ZERO」があります。
 そうやってそれぞれエッジの立ったスマホゲームをトリガーとして,アーケードゲーム市場とWin-Winでやっていこうというのが,マルチデバイス×ワンサービスの取り組みです。今後セガ・インタラクティブでは,さまざまなタイトルでこの取り組みの展開をしていきますので,ぜひ注目してください。

4Gamer:
 ありがとうございました。


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「SOUL REVERSE ZERO」公式サイト

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