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どんな物語も人とのつながりには敵わない――「セブンス・リバース」田中弘道氏,廣瀬髙志氏へのインタビューで語られた“はじまりとこれから”
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印刷2016/12/14 00:00

インタビュー

どんな物語も人とのつながりには敵わない――「セブンス・リバース」田中弘道氏,廣瀬髙志氏へのインタビューで語られた“はじまりとこれから”

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントがサービス中の「セブンス・リバース」iOS / Android)は,非同期型でありながらMMORPGにおけるコミュニケーションの醍醐味を味わえるスマホ向けオンラインRPGだ。

画像集 No.003のサムネイル画像 / どんな物語も人とのつながりには敵わない――「セブンス・リバース」田中弘道氏,廣瀬髙志氏へのインタビューで語られた“はじまりとこれから”

 本作の開発スタッフには,「ファイナルファンタジーXI」(以下,「FFXI」)のプロデューサーを務めた田中弘道氏,「ラグナロクオンライン」の元ゲームマスターである廣瀬髙志氏という,古くからのPC向けMMORPGプレイヤーにはおなじみの2人が名を連ねている。今回4Gamerでは,2016年12月15日より開催予定のアサルトバトル実装に先駆け,本作の開発経緯や今後のアップデート予定についてインタビューを敢行した。

 田中氏のガンホー入社の経緯や,「セブンス・リバース」とともに歩んだ4年の歳月,2人のゲーム開発に対するこだわりなど,興味深い話を合わせて聞くことができたので,ぜひ最後まで目をとおしてほしい。

写真左から,プロデューサー田中弘道氏,ディレクター廣瀬髙志氏
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同時接続型MMORPGのボトルネックを解消したかった

「セブンス・リバース」が誕生するまでの歩み


ガンホー・オンライン・エンターテイメント
執行役員 開発本部 開発担当本部長
田中弘道氏
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 事前登録者数77万人を突破し,配信前から多くのユーザーに注目された本作ですが,サービス開始後の反響はいかがですか。

田中弘道氏(以下,田中氏):
 当初はそこまでの登録者数にはならないだろうと話していましたが,蓋を開けてみたら図ったかのように77万人以上になりました。これだけの登録者数を記録できたということは,それだけ多くの方に期待していただけたのだと感じています。

廣瀬髙志氏(以下,廣瀬氏):
 本格的なスマホ向けRPGというところで,とくにRPGファンのみなさんから注目していただけたのではないかと思います。
 スマホ向けとして気軽に遊べるタイトルを意識していましたが,「より攻略性の高いものがほしい」という濃い意見もよく届きますので,今後のアップデートやイベントに活かしていきたいです。

4Gamer:
 せっかくなので開発に至った経緯をお聞きしたいのですが,本作の開発が始まったのはいつ頃のことだったのでしょうか。

田中氏:
 4年前ですね。開発初期はスマホだしカジュアルな方向にしようと考えていたのですが,ガチのRPGファンのスタッフが開発していたこともあって,作っているうちにシッカリやり込めるものになっていました。これはどう見てもカジュアルなゲームじゃないよねと言いながら作っていて,まぁこうなってしまったものは仕方がない(笑)。

4Gamer:
 タイトルが発表されたときに,PC向けMMORPGに精通しているお2人が参加されているのを知って驚きました。

田中氏:
 このゲームを作ることになったのは,僕自身がガンホーに入社する経緯にも関わってくることですね。2012年頃は僕の病気が重くなっていて,「FFXI」や「FFXIV」のプロデューサーという激務に耐えられなくなってしまって。「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」でファンのみなさんにスクウェア・エニックスを退社することを報告しました。その退社後,8月にはガンホーに入社する流れになるのですが,じつはその入社前の正月に森下と会って話す機会があったんです。

4Gamer:
 オンラインゲームに造詣が深いお2人の会話,気になります。

田中氏:
 あのときは「FFXI」を運営していくなかで感じていた“プレイヤーの拘束時間”について話しましたね。同時接続型のMMORPGは,同じ時間にログインした仲間と遊ばないとゲームとして成り立たないと感じていて,現にそれが苦痛で辞めていく社会人のプレイヤーが非常に多かった。
 そこをなんとかしたい想いがあって,“非同期型”つまり同時接続ではない環境のもと,PC向けのMMORPGのような人のつながりを感じられるゲームを作りたいと森下に話したんです。
 そうしたら,開発チームが待っているからすぐに来てくれとガンホーに呼ばれたという流れです。まぁ,実際に行ってみたらそのチームは別のゲームを作っていて,そのまま1人ポツンと取り残されましたけどね(笑)。

4Gamer:
 呼ばれて行ってみたら周りはそれどころではなかったんですね。

田中氏:
 その年の暮れに「ラグナロクオンライン」のゲームマスターを務めていた廣瀬が,「どうしても新しいゲームを作りたい。作らせてくれないなら死んでやる」と森下に直談判して開発に加わりました。こうして2人のメンバーで企画は走り始めました。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント
開発本部 担当課長
廣瀬髙志氏
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廣瀬氏:
 そんな言い方はしていないですよ(笑)。

田中氏:
 どんな熱い想いを社長にぶつけたの?

廣瀬氏:
 入社=ほぼ運営一筋を10年続けていましたので,新しいことにチャレンジしたい気持ちが強くなっていた時期でした。新規のプロジェクトに携われるかと言ったら,運であったり,タイミングが合致したりしなければなかなか任せてもらえない。けれど,このまま待っていてもチャンスが来ることはないだろうと,森下との飲みの機会をもらい自分の気持ちを伝えました。
 直談判をしたからといってポロッと移動できるわけではないと思っていたのですが,新しいプロジェクトだからまだチームもないし,人手もないので「手伝ってみるか?」と,異動が決まりました。

田中氏:
 スムーズに進んだように見えますが,社内的には大変だったみたいですね。オンラインチームのキーマンがポコッと抜けてしまったわけで,みんなから「困ります」と言われたもんです。

4Gamer:
 そういった経緯があったんですね。タイトルのコンセプトにも関係することかと思いますが,非同期型のマルチプレイに村の要素が加わったきっかけというのは?

田中氏:
 森下が村を中心とした“冒険者斡旋ゲーム”を考えていたようで,その草案と非同期型ゲームのコンセプトを合わせたのが発端になっています。

4Gamer:
 冒険者斡旋ゲームというと,冒険者をダンジョンやクエストに派遣するイメージでしょうか。

田中氏:
 ええ。旅行代理店のようにツアーを組んで,村を訪ねてくる冒険者をダンジョンへ送りこみ,お金を徴収して村を発展していくゲームですね。その草案からアイデアが広がって,プレイヤーが同時接続していなくてもほかのプレイヤーを感じられる存在として村人が生まれ……という具合にコンセプトが固まっていきました。

廣瀬氏:
 その頃から主人公のイメージは不真面目寄りでしたよね。

田中氏:
 もともとは,冒険者をダンジョンに送って手数料をとるような,楽をしてお金を稼ぐイメージだったからね。

4Gamer:
 悪徳商人っぽいイメージだったんですね。

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田中氏:
 最初の頃は遠征と称して冒険者のパーティを送り込み,自分がログアウトしている間に冒険へ行ってもらう仕組みでした。このシステムを今の「セブンス・リバース」にも機能として実装しようと考えていましたが,今はよりゲーム性を強める方針に方向転換をしたので,この先再度実装する流れになるかはまだ分かりません。

廣瀬氏:
 構想として“派遣屋”という施設はありました。

4Gamer:
 村の機能の1つにしてしまうのも面白そうですね。本作のコンセプトを固めていく段階で,森下さんから受けたオーダーなどはあったのでしょうか。

田中氏:
 森下と一緒に,元スクエニのプログラマーである成田(※)も加えてあーだこーだと企画を揉んでいました。当時は動いている企画が多かったために開発チームを確保できず,どうやって開発を進めようかと悩んでいた時期でもありました。

(※)ガンホー・オンライン・エンターテイメント執行役員 成田 賢氏

4Gamer:
 社内の開発チームを動かすのは難しかったんですね。その助け船となったのがブラウニーズだったのでしょうか。

田中氏:
 そうですね。困っていた矢先に,たまたまブラウニーズの亀岡さん(亀岡慎一氏)が独立の挨拶にガンホーへ遊びに来て「久しぶりじゃん。いっしょに何かやろうよ」と声をかけたのがきっかけです。

4Gamer:
 亀岡さんとは聖剣伝説シリーズを一緒に開発されていましたね。ブラウニーズのほかにも,シナリオに井上信行氏,サウンドは光田康典氏と,RPG好きが「おっ」となる方々が開発に加わっています。

田中氏:
 井上さんは,当時のブラウニー・ブラウンから独立した際に,亀岡さんからの紹介で仕事をお願いする流れになりました。音楽に関しても亀岡さんと相談して,2人の希望を満たす人を探してみたら光田君が適任だねと。彼の作る楽曲は,情緒があって僕はすごく好きなんですよ。

4Gamer:
 そういったクリエイターのみなさんが集って,いよいよ企画が本格始動したわけですね。

田中氏:
 それが,いざ企画をスタートさせようとした矢先に僕が病気で倒れまして。

4Gamer:
 なんと……。

田中氏:
 開発期間中に3回入院していますが,大事な局面を迎えたときに穴を開けることが多くて,カギとなる部分は廣瀬達に任せました。廣瀬はきっとつらかったんじゃないかなと。

廣瀬氏:
 困ったときに「見ているかな?」と思いながらメール出すと,すぐに返してくれるので,病室で見てくれているんだなと心強かったですよ。

田中氏:
 ほとんど見た覚えがないんだけどね。きっと入院中に暇を持て余していたんでしょう。

廣瀬氏:
 いや,ちゃんと返してくれていましたよ(笑)。

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オートの快適さと遊びごたえを両立した

プレイヤーが攻略法を組み立てるバトルシステム


4Gamer:
 「FFXI」「ラグナロクオンライン」に携わっていたお2人が開発に加わっていることを考えると,PC向けのMMORPGに寄せたスタミナ消費なしで遊べるタイトルにする構想もあったのではないかと感じています。なぜスタミナ消費制のシステムを採用されたのでしょうか。

田中氏:
 理由として一番大きいのは,海外展開を視野に入れたプレイ時間のコントロールです。プレイヤーが根を詰めて遊びすぎてしまう点を考慮して,国によっては連続プレイ時間が法律で規制されているケースもあります。そういった事例も踏まえ,プレイ時間をプレイヤー自身がコントロールできるようにしています。

4Gamer:
 マネタイズの絡みではなく,プレイヤーに自制してもらうためのシステムということですね。たしかにスタミナの概念がなければ際限なくダンジョンを周回したくなる気持ちになるのも分かります。

田中氏:
 マネタイズの面は,開発当初に今のような定額で遊べるサービスのシステムがなかったというのもあって,今の形に落ち着きました。納得した人だけにお金を払っていただくようなシステムにしたかったし,ただ射幸心を煽るようなガチャだけでお金を払ってもらう方向にもしたくはなかった。
 なんなら,バトルでコンティニューするときにパワーストーンを消費してもらって,細々と運営できればいいやと思っていたぐらいです。

4Gamer:
 パーティが全滅する前に,保険で1人だけ復活させるときにパワーストーンをよく使います(笑)。あとはスタミナポーションの存在に気付いていなくて,パワーストーンでスタミナを回復することもありました。

田中氏:
 スタミナポーションに気付いていない人がけっこう多いんですよね。

廣瀬氏:
 今行っているキャンペーンでポーションを配布していますので,活用してほしいですね。

2016年12月16日23:59まで村長&ギルドパワーアップ!ログインボーナスが実施されている
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4Gamer:
 難度の高いダンジョンだとスタミナ消費が激しいので,ポーションの配布はすごくうれしかったです。

廣瀬氏:
 たしかに現状のバランスだと,中盤以降でスタミナが枯渇しやすくて,ストーリーを楽しみたくてもスタミナが足りない状態になりがちなんですよね。育成系の鍵ダンジョンやイベントダンジョンを周回する際も同様で。プレイヤーのみなさんがもっと遊びたいと感じている部分はあると思うので,スタミナ消費量を調整するテコ入れをしていきたいですね。

4Gamer:
 ダンジョンと言えば,本作のバトルシステムは基本の攻撃はオートで行い,スキルの使用は手動という形をとることで,プレイヤーに操作を促すような仕組みになっていますよね。プレイヤーの判断力が問われるこのシステムは,最初からコンセプトが固まっていたのでしょうか。

田中氏:
 リリースの1年前のバージョンは,もう少し操作が必要なバトルシステムでしたね。今は任意に発動できるのはプレイヤーのスキルのみですが,もともとはパーティメンバー4人分のスキルを選択できたんです。ただ遊んでみると,操作が1パターンに偏ってしまうことが多く,それなら戦略性の高い形を目指しましょうと。
 そこから,ほかのメンバーが誰かに操作されているような形にすることで,プレイヤー同士の連携を意識させ,MMORPGのような雰囲気へとシフトしていったみたいです。その最中,僕はまた入院していたんですけどね(笑)。

4Gamer:
 そうだったんですね。

田中氏:
 退院して実物を見てみたらビックリしました。「おー,こんなんなったかー」って。前のシステムでも僕は好きでしたけど,今の形はパーティメンバーの存在感がより増していていいんですよね。

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4Gamer:
 こういったバトルシステムのPC向けMMORPGも多いですし,それをスマホ向けに最適化したような印象です。パーティメンバーにバトルを任せる“ながらプレイ”を基本にしつつも,強敵やボス相手には自分なりに攻略法を試行錯誤する要素があって,遊びごたえがありますね。

廣瀬氏:
 難度高めのところは,自分で攻略法を組み立てて遊んでもらいたい狙いがあります。しかし,すべてのダンジョンで同じように操作を求めるのが正解なのかを考えると,もう少し気軽に遊んでもらえるようなところがあってもいいと思うので,近々のアップデートで,オートプレイ中でもプレイヤーキャラのスキルが自動で発動するような調整を予定しています。

田中氏:
 そんなに直近でやるの?

廣瀬氏:
 年末か年明け早いうちにはなんとかやりたいなと。

4Gamer:
 難度の低いダンジョンはオートで,高めのダンジョンはプレイヤーが少し介入するぐらいのバランスになったら,より気軽にダンジョン周回ができそうです。仮にオートに任せる機会が増えても,バトル中にほかのパーティメンバーのコメントが表示されるので,ぼんやり眺めているだけでも楽しいですし。

田中氏:
 ほかのプレイヤーがその場にいなくても擬似的に会話しているような気になりますね。

廣瀬氏:
 あれは,メインプログラマーの野中がどうしても入れたいと提案して作ってきたものなので,“野中システム”と呼んでいます。野中はチーフのプログラマーをすべて見なければならない立場で,十分な作業時間があるわけではないのに自分の手でこのシステムを完成させていました。彼のアイデアと努力のおかげで,MMORPGっぽさがより演出できたと思います。

4Gamer:
 おもしろい言葉を設定しておくと,それを見たほかのプレイヤーがもっとおもしろい言葉を入れてくる,その流れがいいですよね。そういえば,「年末」と聞いて思い出したのですが,12月になった途端に村が雪景色に変わって驚きました。

廣瀬氏:
 サプライズで楽しんでいただく要素として,四季に合わせた背景を用意しています。ちなみに,サービス開始後は秋だったんですけど,違和感はなかったですか?

4Gamer:
 あれは秋の景色だったんですね(笑)。復興途中の村という設定のもと,ちょと寂れた景観なのかなと思っていました。

田中氏:
 単に秋なんですよ。リリースがもっと早ければ,我々が開発中に見ていた夏の景観でしたが,なんやかんやで秋になってしまいました。

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12月15日にアサルトバトルが開幕

ギルドメンバーとの連携が攻略のカギに


4Gamer:
 ギルドメンバーと協力してモンスターを討伐する“アサルトバトル”が,12月15日から開催されますね。アサルトボスを討伐するとポイントを得られ順位を競い合えるということですが,このバトルの仕様を詳しくお聞きしたいです。

廣瀬氏:
 各々がバラバラのダンジョンへ行って討伐するのではなく,エリア上に現れるアサルトボスを協力して倒すイベントになります。通常のボスとは異なり,倒すごとにアサルトボスは強くなっていきますので,自分だけで倒し続けるのは厳しいです。
 その倒せなくなったタイミングに,ギルドメンバーへ救援要請を出して代わりに倒してもらう流れになります。

4Gamer:
 アサルトボスは時間経過によって出現するのでしょうか。公開された画面を見ると,スタミナを消費する項目があるようですが。

廣瀬氏:
 基本的には時間経過で出現しますが,待たずに戦いたい人はスタミナを消費して呼び出すこともできます。あと,アサルトバトルに挑戦するにはBPが必要で,BPを多く使用するとより有利になる仕組みです。

4Gamer:
 なるほど,BPポーションはそれを回復するためのアイテムだったんですね。

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アサルトバトル
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廣瀬氏:
 ええ。今回のアサルトボスは風と射撃攻撃が弱点になっていますので,風の魔法とレンジャーのスキルが有効になります。12月12日に追加されたガチャに,アサルトボスに有効な弓と風属性の全体攻撃スキルが付いた杖,風属性の攻撃力を高める防具が追加されていますので,そちらもチェックしてみてください。風属性は経験値ダンジョンに出現するモンスターの弱点でもありますし,手に入れておくと便利かもしれません。

4Gamer:
 すごくその杖がほしくなりました(笑)。アサルトバトルでは個人のランキングのほか,ギルドでのランキングもあるとか。

廣瀬氏:
 ギルドメンバー全員の総合ポイントでも競えます。個人とギルドそれぞれに報酬がありますので,力を合わせて上位を目指してほしいですね。

4Gamer:
 1つ気になったのですが,ギルドメンバーをパーティに入れるメリットはありますか?

廣瀬氏:
 アサルトバトルの場合は,ギルドメンバーを連れて行ったほうが得られるポイントが多くなる仕組みです。
 ギルドメンバーとパーティを組みやすくしてほしい,チャットのようなやりとりをする機能がほしいという声をよくいただくので,こちらも年末か年明け後のなるべく早いタイミングでの導入を考えています。というか,まさに作っています。

田中氏:
 掲示板の機能を最初から載せていなかったのにも理由があって,この手のゲームの掲示板って,一部の人しか書き込みをしない風潮がありますよね。書き込むことを負担に感じる人もやはりいるみたいで。本作のギルドのデザインも,このようなギルドマスターの負担を考慮したものになっています。プレイヤーの勧誘や掲示板の管理といった負担なく,ギルドを運営できるような形にするのがポイントでした。

4Gamer:
 いくつかの項目さえ設定してしまえば,条件に合致した人がいつの間にか入団してくれるので,ギルドの管理がしやすいです。7日以上放置していたら自動でキックする,とか。

廣瀬氏:
 昔のMMORPGだと入団前に面接があったりしますよね。そうしないと何かあったときに「ギルドマスター何してるの?」って,メンバーに怒られてしまうこともあるんです。こういったキックをしなければならない状況は心の負担になりますし,キックする側も,される側もいい気分ではないですよね。であれば,脱退する条件を決めて自動で処理してもらったほうがいい,という結論に至りました。

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プレイヤーの動向を見つめて分かった改善点

今後のアップデートで新ジョブ追加も


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4Gamer:
 プレイヤーの動向で気になっていることがあるのですが,実装済みの7つのジョブのうち,プレイヤーに人気なのはどれですか。

廣瀬氏:
 数で言うとファイターとウィザード,次いでレンジャーですね。

4Gamer:
 ウィザードですか!? 自分の村を訪れる村人や村長ランキングのジョブの割合から,ファイター,パラディンあたりがダントツなのかと思っていました。

田中氏:
 ウィザードが多いのは,火属性の全体攻撃スキルが付いている灼熱の杖をガチャで手に入れたからでしょうね。強いですから,エクスプロージョンは。

廣瀬氏:
 エクスプロージョンの付いている灼熱の杖か,多段ヒットするランツクネヒトが付いたカッツバルゲルか,みたいに手に入れた武器に左右されているところはあります。

4Gamer:
 そういえばゲーム開始直後はレンジャーでしたが,カッツバルゲルを手に入れてあっさりファイターに転職してしまいました。

田中氏:
 全部のジョブをまんべんなく育てている人もいれば,1つのジョブを極めている人もいるみたいですね。僕なんかはプリースト1本ですよ。

4Gamer:
 そうなんですね! 前線でバリバリ戦っているファイターのイメージがありました。

廣瀬氏:
 私もてっきりファイターかと(笑)。

田中氏:
 後方支援型のジョブが大好き。みんなが全滅するさまをよく見届けていました。「FFXI」でも大体後ろにいましたよ。

廣瀬氏:
 私は,気付かれない位置から敵をチマチマ倒すスタイルのウィザードが好きなのですが,残念ながら灼熱の杖ではなくてカッツバルゲルが出てしまって,ファイターにしています。

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ウィザード
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レンジャー
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ファイター

4Gamer:
 目当てではなかった強い武器が出るのって,ガチャあるあるですよね(笑)。ところで,現状の動向を観察してみて,プレイヤー達の遊びのサイクルはリリース前に想定していたものになっていますか?

廣瀬氏:
 ダンジョンでアイテムを集めて,交換したり,強化したりといったところに関しては思ったとおりでしたが,村に建物を設置するときにジェムが足りなくなることが多いみたいで,村の発展があまり進んでいない印象です。

4Gamer:
 たしかに,グリーンジェムが全然足りません……。

廣瀬氏:
 やはり足りないジェムは人によって変わるんですね。私はブルージェムが足りないです。ジョブのアビリティを習得しようと頑張っている人は,ジョブアビリティ貧乏になってゴールドが足りなくなってしまったり。

田中氏:
 ゴールドはたしかに足りなくなりますね。1日中ゴールドダンジョンにいますけど,経験値が全然入らないのが寂しいんですよね。ちょっとぐらいサービスしてもいいんじゃないの?

廣瀬氏:
 ああ,プレッシャーが……(紙にメモ)。消費スタミナが多めではあるので,バランスの調整は検討中です。

4Gamer:
 それはうれしいですね。

田中氏:
 こちらの想定としては,スタミナが切れたら村に戻って強化合成をしてほしいところですが,現状のUIだとその流れがスムーズではないんですよね。

廣瀬氏:
 さまざまな要素が絡んでいるせいか,気軽に強化合成をしにくい面もあったのかなと。

田中氏:
 強化合成,継承合成,限界突破……という具合に強化のメニューが並んでしまっているのは,初心者にやさしくなかったと感じています。段階を踏んでメニューを開いていく形でもよかったのかもしれません。

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4Gamer:
 あまりゲームを遊ばない層の人だと,強化と限界突破の仕組みや,進化合成との違いをスムーズには読み取れないですもんね。そのほか,調整を検討されているものはありますか。

廣瀬氏:
 ジョブの特徴をより際立たせたいと感じていて,ジョブアクションの効果や内容を見直しながらバランスの調整をしていきます。これも間に合えば年内に実施したいですね。「自分のジョブが弱い!」という声はどんなMMORPGにおいても出てくる声ですが,ある程度のゆらぎを残しつつも,ジョブごとの特徴を強くできればいいなと。

4Gamer:
 ジョブアクションの見直しもされるとなると,ウィザードのダブルキャストの効果見直しも期待したいですね。今だと3%の確率で攻撃魔法が2回発動する仕様で,出れば強いですが,なかなか出てくれなくて……。

廣瀬氏:
 まさにそういったところですね。現状だと,ウィザードに転職せずに,魔法攻撃力の高いプリーストに攻撃スキル付きの杖を持たせる人も多いみたいで。

4Gamer:
 やはりそうなんですね。プリーストに灼熱の杖を持たせている人をよく見かけるので,ウィザードが多いというお話に驚いたんです。

田中氏:
 ジョブのバランス調整はほんと難しいんですよ。性能の弱体はできなくて,強くすることしかできないもので,ちょっとでも突出した性能を持ったジョブがあると,そこにプレイヤーが集中してしまう。そして「俺のジョブをなんとかしてくれ」という声も出始めて,またこっちのジョブを……これが終わらないんです。

4Gamer:
 「FFXI」でもそういった話題で盛り上がりましたよね。

田中氏:
 それもまた楽しいんでしょうけど,そのジョブを極めている人にとっては切実な問題です。

4Gamer:
 ちなみに,ジョブを追加する予定はあるのでしょうか?

廣瀬氏:
 もちろん,あります。次に何を追加するかも決まっていますが詳細はもう少しお待ちください。

4Gamer:
 もしかしてサムライですか。

田中氏:
 はっはっは(笑)。

廣瀬氏:
 「何も言えねぇ」という感じです。

4Gamer:
 あっ……。

廣瀬氏:
 構想自体はあと7ジョブ分ありまして,どのタイミングで実装するとは言えませんが,順次バランスを整えて追加していきたいですね。

4Gamer:
 楽しみにしております! そのほかに今後のアップデートで追加される要素はありますか。

廣瀬氏:
 エリアの拡張を順次していく予定で,年明けのなるべく早いタイミングでエリア8と各ダンジョンの公開を行う予定です。
 イベントものでいくと,年末に幻獣戦という難度が高めのイベントと,どなたでも参加していただけるお正月のイベントを予定しています。


4Gamer:
 エリアを実装するとなると,エリア7に到達しているプレイヤーが増えてきているということですか。

廣瀬氏:
 クリアしている人はいらっしゃいますね。レッド……。

田中氏:
 それ言っていいの?

廣瀬氏:
 秘密の強敵ですね。すでにレベルを現状のマックス値である50まで上げているプレイヤーもいました。

田中氏:
 配信からまだそんなに経っていないのにスゴイですよね。僕は相互フォローしている人達に追いつかなくて,いつの間にかフォローを外されて寂しい思いをしてますよ(笑)。

廣瀬氏:
 僕もいつの間にかフレンドではなくなっていた方が……。

4Gamer:
 私もです。これって,あるあるなんですね。


どんな物語も人とのつながりには敵わない――

「セブンス・リバース」で大切にしたものとは


4Gamer:
 MMORPGの開発に長く携わっていたお2人だからこそ「セブンス・リバース」は今の形になったのだと,お話を聞いていて強く感じました。本作を開発するにあたって大切にされていることを教えてください。

廣瀬氏:
 キャラクターを集めて強くなるのではなく,自分自身を強くしていく昔ながらの遊びを大切にしています。1人でプレイできるスタンスを保ちながら,MMOとしての完成度を上げ,人の温かさや息吹を感じられるようにしたかったんです。仲間と協力したり,ときに競争しあったり,お互いに目標を共有しながら遊べる要素を今後も増やしていきたいと思っています。
 特定のキャラクターがいれば,工夫しなくてもクリアできてしまうものは嫌で,プレイヤーが試行錯誤することで越えられる壁を用意したいんですよね。工夫して倒すからこそ面白い,そこだけは崩したくないんです。

田中氏:
 コンテンツを提供するだけの一方通行ではなく,プレイヤーとのキャッチボールがオンラインゲームの最大の魅力だと思います。プレイヤーの中で遊びを作り,開発側はそれに応えられるような環境を提供する。こういったやりとりを重ねてゲームの世界を育てていくことが開発の責務だと思っています。
 リリースして一段落するのかと思ったら,こんな感じに次から次へとやりたいことが出てくるんですよね。

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4Gamer:
 今後のアップデート内容を聞いて感じましたが,「セブンス・リバース」はPCのオンラインゲームのようなものですもんね。まさに,お2人のノウハウが活かされるタイトルだと感じました。

廣瀬氏:
 ゲームの根本の面白さは,洗練された遊びとルールにあると感じています。本作だけではないですが,これから作っていくタイトルは外側だけが豪華なものではなくて,根幹となる面白いルールが活きたものを手掛けていきたいです。

田中氏:
 繰り返しになりますけど,僕らは人と人が遊ぶ場を提供していきたいと思っています。オンラインで繋がったプレイヤーとのやりとりや温かみは,僕らが作るものよりも面白いと思うんです。作りもののお涙頂戴のストーリーをいくら作っても,人とのつながりにはかないませんよ。
 ずっと親しかったあの人がゲームをやめてしまう,もう会えない,その切なさ。一緒に戦って味わった喜びや,リアルの涙にはかなわないんです。そういう“つながり”を体験できる場を提供していきたいですね。

4Gamer:
 それでは最後に,本作を遊んでいるプレイヤーのみなさんにメッセージをお願いします。

廣瀬氏:
 プレイヤーのみなさんが発信している要望やメッセージは,すべては見られないですが,なるべく目をとおして参考にさせていただいています。私どもスタッフ一同,常に遊びやすく,より面白いものにしていけるよう尽力していきますので,今後のアップデートにぜひご期待ください。

田中氏:
 今公開しているエリア7までは世界観を知ってもらうための序章に過ぎません。その世界観をベースに,プレイヤーからの声を拾いながら,みなさんと一緒にこの世界を作っていきたいと思います。今後とも「セブンス・リバース」をよろしくお願いします。 

画像集 No.032のサムネイル画像 / どんな物語も人とのつながりには敵わない――「セブンス・リバース」田中弘道氏,廣瀬髙志氏へのインタビューで語られた“はじまりとこれから”
画像集 No.034のサムネイル画像 / どんな物語も人とのつながりには敵わない――「セブンス・リバース」田中弘道氏,廣瀬髙志氏へのインタビューで語られた“はじまりとこれから” 画像集 No.033のサムネイル画像 / どんな物語も人とのつながりには敵わない――「セブンス・リバース」田中弘道氏,廣瀬髙志氏へのインタビューで語られた“はじまりとこれから”

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