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新型SoCでパワーアップしたGoogle製スマホ「Pixel 9」シリーズが8月22日に国内発売
Pixel 9シリーズは,ベースモデルの「Pixel 9」に加えて,その上位モデルとなる「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」,折りたたみ式モデルの「Pixel 9 Pro Fold」という計4製品をラインナップする。いずれも搭載SoC(Syetem-on-a-Chip)にGoogle独自の「Tensor G4」を搭載しており,同社が注力するAIを活用した機能をより高速に処理できるという。
Pixel 9シリーズのうち,Pixel 9とPixel 9 Pro XLの2製品は,8月22日の発売を予定しており,そのほかの製品は,後日あらためて発売日を発表するとのことだ。なお,予約の受付は全製品共通で8月14日からとなる。Google公式ストアでの税込価格は以下のとおり。
●Pixel 9
- メインメモリ容量12GB,内蔵ストレージ容量128GB:12万8900円
- メインメモリ容量12GB,内蔵ストレージ容量256GB:14万3900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量128GB:15万9900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量256GB:17万4900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB:19万4900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量128GB:17万7900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量256GB:19万2900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB:21万2900円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量256GB:25万7500円
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB:27万7500円
Pixel 9
Pixel 9は,6.3インチサイズで解像度1080×2424ドット,最大リフレッシュレート120Hzの有機ELディスプレイを搭載した製品だ。前世代製品の「Pixel 8」シリーズが6.2インチサイズだったのに比べて,わずかにディスプレイサイズが大きくなっている。さらにパネルの最大輝度が2000cd/m2から,2700cd/m2へと大幅に向上しているのもポイントだ。明るい場所での視認性が,より向上しているだろう。
また,Pixel 9シリーズ全体の共通点として,筐体デザインも変わっている。Pixel 8シリーズでは,本体の側面が丸みを帯びているのに対して,Pixel 9シリーズはフラットになったのだ。
上側面にはマイク孔を搭載する |
下側面は,左からスピーカー孔,USB Type-C,マイク孔,SIMカードスロットが並ぶ |
背面のアウトカメラは,Pixel 8と同じく標準と広角の2眼式だであるが,デザインは変わっている。Pixelブランドのスマートフォンでは,2021年登場の「Pixel 6」以来,アウトカメラはユニット全体が左右端まで広がる帯のようなデザインを採用していた。それがPixel 9では,楕円に形状が変わり,従来とは異なる印象となった。
メインメモリ容量は12GB,内蔵ストレージ容量は,128GBと256GBの2種類となる。主なスペックは表1のとおり。
メーカー | |
---|---|
OS | Android 14 |
ディスプレイパネル | 約6.3インチ有機EL, |
プロセッサ | Google製「Tensor G4」 |
メインメモリ容量 | 12GB |
ストレージ | 128GB,256GB |
アウトカメラ | 2眼式 ・標準:約5000万画素,画角82度,F1.68 ・広角:約4800万画素,画角123度,F1.7 |
インカメラ | 約1050万画素,画角95度,F2.2 |
対応5Gバンド | n1 |
対応LTEバンド | 1 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) |
Bluetooth対応 | 5.3 |
バッテリー容量 | 4700mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.2 Type-C |
公称本体サイズ | 約72(W)×152.8(D)×8.5(H)mm |
公称本体重量 | 約192g |
本体カラー | Obsidian、Porcelain、Wintergreen、Peony |
Pixel 9 Pro,Pixel 9 Pro XL
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLは,Pixel 9の上位モデルに位置する製品で,Pixel 9と比べて,メインメモリ容量が16GBに増加したほか,アウトカメラが標準と広角,望遠の3眼式になっているのがポイントだ。内蔵ストレージ容量は,128GBと256GB,512GBの3種類をラインナップする。
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLの違いは,ディスプレイサイズで,Pixel 9 Proは,6.3インチサイズで解像度1280×2856ドット,Pixel 9 Pro XLは6.8インチサイズで解像度1344×2992ドットとなる。
メーカー | |
---|---|
OS | Android 14 |
ディスプレイパネル | Pixel 9 Pro:約6.3インチ有機EL, Pixel 9 Pro XL:約6.8インチ有機EL, |
プロセッサ | Google製「Tensor G4」 |
メインメモリ容量 | 16GB |
ストレージ | 128GB,256GB,512GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約5000万画素,画角82度,F1.65 ・広角:約4800万画素,画角125.5度,F1.7 ・望遠:約4200万画素,画角22度,F2.8 |
インカメラ | 約4200万画素,画角103度,F2.2 |
対応5Gバンド | n1 |
対応LTEバンド | 1 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) |
Bluetooth対応 | 5.3 |
バッテリー容量 | Pixel 9 Pro:4700mAh Pixel 9 Pro XL:5060mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.2 Type-C |
公称本体サイズ | Pixel 9 Pro:約72(W) Pixel 9 Pro XL:約76.6(W) |
公称本体重量 | Pixel 9 Pro:約199g Pixel 9 Pro XL:約221g |
本体カラー | Obsidian、Porcelain、Hazel Rose Quartz |
Pixel 9 Pro Fold
Pixel 9 Pro Foldは,2023年に登場した「Pixel Fold」の後継製品で,本体を開いた状態の内側と,たたんだ状態の外側にそれぞれディスプレイを搭載する折りたたみスマートフォンだ。
本体を開いた状態のメインディスプレイが8インチサイズとなり,Pixel Foldの7.6インチサイズよりも大きくなったのが見どころである。
本体を閉じた状態で使用するサブディスプレイは,6.3インチサイズで解像度1080×2424ドットと,これだけでもPixel 9に匹敵するほどだ。
アウトカメラは,標準と広角,望遠の3眼式だ。すべてのレンズを横並びに配置するほかの製品と異なり,Pixel 9 Pro Foldの場合は,左上にまとめたごく一般的な配置である。
Pixel 9 Pro Foldは,筐体も薄くなった。折りたたんだ状態の厚さは10.5mmとなり,Pixel Foldの12.1mmと比べて,大幅に薄くなった。Googleは,日本国内で正規購入可能な折りたたみスマートフォンとしては最薄だ,とアピールする。
上側面。スピーカー孔とマイク孔,そして5Gのミリ波用アンテナホールと思われるくぼみがある |
下側面。マイク孔とSIMカードスロット,スピーカー孔,USB Type-Cポートが並ぶ |
メーカー | |
---|---|
OS | Android 14 |
ディスプレイパネル | ・メイン:8インチ有機EL, ・サブ:6.3インチ有機EL, |
プロセッサ | Google製「Tensor G4」 |
メインメモリ容量 | 16GB |
ストレージ | 256GB,512GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約4800万画素,画角82度,F1.7 ・広角:約1050万画素,画角127度,F2.2 ・望遠:約1080万画素,画角23度,F3.1 |
インカメラ | ・メインディスプレイ側:1000万画素,画角87度,F2.2 ・折りたたみ時:約1000万画素,画角87度,F2.2 |
対応5Gバンド | n1 |
対応LTEバンド | 1 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) |
Bluetooth対応 | 5.3 |
バッテリー容量 | 約4650mAh |
連続待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.2 Type-C |
公称本体サイズ | ・展開時:150.2(W) ・折りたたみ時:77.1(W) |
公称本体重量 | 約257g |
本体カラー | Obsidian、Porcelain |
Tensor G4採用で新たなAI機能を搭載
冒頭でも紹介したように,Pixel 9シリーズでは,搭載SoCにTensor G4を採用したのが見どころだ。本稿執筆時点では,Tensor G4の詳細は明らかになっていないのだが,Googleによると,前世代の「Tensor G3」よりも性能は向上しており,AI処理の高速化に寄与しているという。
Pixel 9シリーズと同時に発表となった機能として,目玉の1つになるのが,新たな写真撮影機能の「一緒に写る」だ。アウトカメラで撮る一般的な集合写真の場合,セルフタイマー機能や外部のリモートシャッターを使わないと,被写体と撮影者を一緒に撮るのは難しい。「一緒に写る」機能は,従来の集合写真と撮影者だけの写真をAIで合成して,撮影者も含んだ集合写真を生成するというものだ。
「一緒に写る」機能では,カメラの測距機能も使い,被写体の前後関係を自動的に調整して写真を合成するとのこと。ただ,樹木や建築物といった位置が動かないものがある場合は,ある程度自然な調整となるが,背景が空のみといった参考にするような目印が乏しい場合は,合成が難しい状況もあるようだ。
さらに,撮影済みの写真を使った画像加工機能も追加。全身写真からポートレート写真を切り出したり,生成AIで背景を新たに描くことで,写真の画角を買えたりといったことも可能だ。
GoogleのAIアシスタント「Gemini」の有料プラン「Gemini Advanced」を活用した,「レシピ検索」機能も加わった。食材の写真を撮影すると,それをもとにGemini Advancedが料理のレシピを提案するそうだ。
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XL,Pixel 9 Pro Foldには,Googleのサービスがセットになった「Google One AIプレミアム」の利用権6カ月分が,特典して付属するという。Google One AIプレミアムには,Gemini Advancedの利用権も含まれる。
Googleによると,将来的には既存のPixelシリーズでも,一緒に写る機能やGemini Advancedによるレシピ検索機能を利用できるようになるそうだ。
また,Pixel 9シリーズでは,出荷時のOSが現行のAndroid 14になるという。次期バージョンのAndroid 15は,例年と同じペースで開発が進んでおり,現在は最終版となるβ4をを開発者向けに配信している。それほど遠くない時期に,正式版が登場するだろう。なお,Pixel 9シリーズでも,7年間のOSとセキュリティアップデートが提供される。
Pixel Watch 3,Pixel Buds Pro 2
ここからは周辺機器を紹介しよう。
まずは,スマートウオッチの「Pixel Watch 3」だ。Pixel Watch 3は,文字盤のサイズが既存製品の「Pixel Watch 2」と同じ直径41mmサイズに加えて,新たに45mmサイズも加わった。いずれもディスプレイのベゼル幅が狭くなったことで,表示領域が広くなったという。
製品ラインナップと税込価格は以下のとおり。
●41mmサイズ
- Wi-Fiモデル:5万2800円
- LTEモデル:6万9800円
- Wi-Fiモデル:5万9800円
- LTEモデル:7万6800円
完全ワイヤレスイヤフォン「Pixel Buds Pro 2」は,ハウジングを変更することで,従来製品と比べて装着感が良くなったとのこと。また,Google製ワイヤレスイヤフォンとして初めて,AI処理用プロセッサの「Tensor A1」を搭載したのが見どころで,アクティブノイズキャンセリング性能は2倍に,音声処理に要する時間を90倍に高速化したそうだ。
さらに,会話検知機能を搭載することで,ユーザーが話し始めたことをPixel Buds Pro 2が認識して,動作モードを外音取り込みモードに変更したり,音楽再生を停止したりする。
税込価格は3万6800円となっている。
Google公式ストアのPixelシリーズ製品情報ページ
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