プレイレポート
自分だけの世界を創るスマホ向けRPG「EGGLIA 〜赤いぼうしの伝説〜」プレイレポート。ブラウニーズファンの心を満たす“らしさ”が溢れた良作だ
ブラウニーズといえば,「MOTHER3」や「マジカルバケーション」といった“ファンの心に今もなお残り続ける名作”を手がけた亀岡慎一氏の開発会社としておなじみだ。一方のDMM.com POWERCHORD STUDIOは,大ヒット作「艦隊これくしょん -艦これ-」を生み出したスタジオで,そのエグゼクティブプロデューサーとして知られる岡宮道生氏が本作のプロデューサーを務めている。
本稿では,2017年4月13日から配信を開始したEGGLIAのプレイレポートをお届けしよう。ブラウニーズらしさが溢れるスマホ向けRPGの世界とは――。
独立から4年――ブラウニーズが“新たなレジェンド”を生む。スマホ向けRPG「EGGLIA 〜赤いぼうしの伝説〜」開発者インタビュー
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ニーベルエッグの中に封じられた世界を
プレイヤーの手で開放しよう
チャボ |
ロビン |
チャボは本作の主人公であり,世界が封じられたニーベルエッグを割れる唯一の存在だ。プレイヤーはチャボを取り巻くエグリアの物語を見届けながらニーベルエッグを探すことになる。
物語の拠点はなんのへんてつもないマイタウンだ。最初のうちはロビンとマリーがいるだけのちょっとした空き地のような場所だが,ニーベルエッグから新しい土地(ランド)を開放し,物語を進めるとタウンに住民が住み着き発展していく。
例えば,大工仕事が得意なビッケが街にやってくれば,住民の家を建てたり,マイホームを増築したりできる“大工屋”がオープンし,ヒルダ・ヨルダの姉妹が住み着けば,さまざまなアイテムを購入できる“よろず屋”がオープンする仕組みだ。
基本のプレイサイクルは,住民のお願いを聞いてラブリティを上昇させ,新しい卵を得たらワールドに設置して物語を進めるというもの。新たな土地を冒険したら,また新しい卵が……という具合に進行していく。ニーベルエッグと住民,そして物語の進行が紐付いているため,先のエピソードへと進みたいなら住民と仲良くなることが一番の近道だろう。
サイコロで進んで切ってクリアを目指せ
シンプルに見えて奥の深いダンジョン探索
マイタウンの発展と物語の進行に欠かせないのがダンジョン探索だ。ヘックスマスで仕切られたマップには,敵キャラクターのほか,伐採すると木材を入手できる木が生えている。ダンジョン探索はスゴロクの要領でサイコロを転がし,出目の分だけマスを移動できる。隣接したマスに敵や木,宝箱が設置されていると,そのマスをダブルタップすることで攻撃や固有のアクションを起こせるという,進むも戦うもサイコロ次第のシステムだ。
サイコロの出目が大きいほど敵に大ダメージを与えられる。マスを移動してから攻撃を仕掛けると,移動したマスの分だけ出目が減り,与えられるダメージも減少してしまう |
序盤は出目が1でも木を切り倒せるが,中盤頃から木も堅くなり,複数回アタックしなければならないことも。木もなかなかに手強い |
ダンジョンのクリア条件は,規定のターン内でマップ上に設定されたゴール地点に到達することだけで,敵を1体も倒さずにゴールしてもいい。攻略の仕方はプレイヤー次第で,敵を無視して木をひたすら切り倒す“木こりスタイル”でも,とりあえず敵を倒して進む“戦士スタイル”でも問題ない。懐の広い設計のおかげか,バトルを楽しみたい人はジックリ探索を楽しめて,ただ素材を集めたい人はサックリと探索をこなせるお手軽さも持ち合わせているのだ。
リミットまでにゴールを目指す単純明快なルールでありながら,「どれだけ敵を倒すか」「宝箱と木をいくつ回収するか」といったプレイヤーの判断力が問われる場面も多く,あと8ターンあるけど遠くにある宝箱を回収しにいったらターン制限をオーバーしてしまう……なんてジレンマを感じることもあった。システムがシンプルな分,ゲームに不慣れな人でもクリアは難しくないが,深追いをし過ぎると上手い下手に関わらず,ゲームオーバーになる可能性も。
チャボはデフォルトで剣を装備しているものの,武器や防具を付け替えるシステムは用意されていない。チャボ自身のステータスや使用できるルーン(スキル)は,スロットにセットした最大3体の精霊によって変化する仕組みだ。精霊は攻撃系のルーンと回復/バフ効果を発揮するサポート系のルーンの2つを所持していて,「ASSAULT 1,2」にセットした精霊は攻撃系のルーンを,「SUPPORT」にセットするとサポート系のルーンをダンジョン内で使用できるようになる。
さらに,精霊ごとにレベルやステータスがあり,スロットにセットした精霊のステータスがチャボに上乗せされる。冒険でレベリングしてチャボ自身のステータスを上げるのはもちろん,育成で精霊のレベルを上昇させることも,ダンジョンを攻略する上ではとても重要な要素ともいえる。これに気付かず探索を続けていると,モンスターにボコボコにされて先に進めなくなることもあるのだ。
精霊の育成にはダンジョン探索で入手した芽や種が欠かせない。ダンジョンの宝箱からこれらのアイテムを入手したら,マイタウンの「タオチン」と「テカテ」に渡しに行こう。タオチンとテカテの畝に植え一定時間が経過すると,精霊の経験値になるポテトと,進化に必要な素材である宝石に育ててくれるのだ。
ポテトを活用すれば,精霊を冒険に連れて行かずともレベルを上げることができ,ルーンのマークが付いたものを与えるとルーンレベルが上昇することもある。進化を行うには精霊のレベルがある程度必要になることを考えると,こまめにポテトを与えて育成するほうがスムーズなのかもしれない。
プレイヤーのこだわりを形にできる
部屋作りが想像以上の“沼”だった
本編を進めるうえで必須ではないが,本作を楽しみ尽くすために忘れてはいけないのが部屋作りだ。自由にコーディネートできるのはマイホームのみで,住民の部屋は頼まれた家具を渡すことで部屋作りを手伝える仕組みだ。ランドで収集した素材を家具屋に持ち込めば,素材に応じた家具を製作でき,マイホームを自分好みにコーディネートできる。
家具のラインナップは驚くほど豊富で,あたたかな色彩で表現されたグラフィックスからはブラウニーズらしさが強く感じられる。1つ1つのクオリティが非常に高く,中には触れると音が鳴るもの,アクションが起こるものもあり,ただ部屋を眺めているだけでも飽きがこない。
なにより,ブラウニーズらしさが詰まった小物で自分好みの部屋をコーディネートできるのは,ファンとしてヨダレが出る瞬間でもある。
1度模様替えを始めてしまうと,小一時間はあーでもない,こーでもないといじり始めてしまい,本編そっちのけで部屋作りにのめり込んでしまうほど細かな部分まで作り込まれている。こり始めるとなかなか抜け出せない沼要素なので,部屋作りに着手するのは時間に余裕があるときがオススメだ。
そうはいっても本編の進行もとっても大切。家具は素材がなければ作れないので,物語を進めないと素材のバリエーションは乏しいまま。そろそろ茶色の家を卒業せねば! |
物語が進み,家具屋が成長すればこんな部屋も作れる。部屋に川を作って舟を置いて……あれ,部屋に川があるってどんな設定だ? |
EGGLIAはブラウニーズ印のあたたかなRPG
昨今のスマホ向けタイトルでありがちな,プレイヤーをせかしたり,スタミナによってゲームの進行を止めたりするタイプのゲームではなく,好きなときに好きなだけエグリアの世界に浸れるプレイヤー本位の遊びを提供してくれ,遊び手1人1人が自分なりの楽しみ方を見つけられるタイトルなのではないかと感じている。
ニーベルエッグを開放して創られる世界も,プレイヤーごとに配置の仕方が異なり,遊び手の数だけ“エグリア”という世界が生まれる。プレイヤーの手で創りあげた世界を好きなように冒険する――誰もが一度は夢見るRPG,それがEGGLIAなのかもしれない。
買い切り型のタイトルということで,購入時のハードルは決して低くくはないだろうが,1200円ポッキリで,しかも追加購入なしでこれだけジックリと遊び続けられる作品は非常に貴重かもしれない。本稿で少しでも興味を持ってもらえたなら,あたたかなエグリアの世界をスマホにインストールしてみてほしい。
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