インタビュー
シリーズの原点“2on2”を追求しつつ,新世代への進化を。PS4用ソフト「GUNDAM VERSUS」の安田直矢氏&福﨑恵介氏にインタビュー
VS.シリーズと言えば,アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する人型兵器「モビルスーツ」で戦うアクションゲーム。戦術性と競技性が高い「2on2」(2人対2人)のルールを提唱し,シリーズ15周年を迎えている。
「GUNDAM VERSUS」ではこれまでどおりの「2on2」をベースにしつつ,PS4の性能を活かした美しいグラフィックスによる演出を強化。さらに機体を急降下させる「ブーストダイブ」,180種類以上の僚機をアンロックして選択できる「ストライカーセレクト」などの新システムを搭載している。
新世代に突入したVS.シリーズは,これからどうなっていくのか。プロデューサーを務める安田直矢氏とディレクターの福﨑恵介氏に話を聞いてみた。
「GUNDAM VERSUS」公式サイト
VS.シリーズの「第5世代」とは
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
「GUNDAM VERSUS」はコンシューマ向けの新展開として「第5世代」という位置付けになるとのこと。その意図を教えていただけますか。
第4世代の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」シリーズを運営して約5年になりますが,アップデートを続けてきた結果としてゲーム的に尖った部分が生じてきており,少々ハードルが高くなってしまったことは否めません。今後,ワールドワイドに新しいお客様を増やしていくことを考えると,そのままコンシューマ向けに展開するのは難しいと考えました。
4Gamer:
シリーズの歴史が長くなっているがゆえに先鋭化し,新規プレイヤーには複雑に見えるものになったと。
安田氏:
ええ,そう感じる方もいらっしゃると思います。それと同時に「2on2の対戦」という遊びをワールドワイドに広げていくためには,「どのようなVS.シリーズを作ればいいのか」という議論もありました。そもそも海外には,日本ほど多くのゲームセンターがないという事情もありますし。
4Gamer:
そこは重要なポイントですね。日本におけるVS.シリーズのコミュニティは,ゲームセンターを中心としていますから。
安田氏:
そういったことを踏まえて,幅広い層のプレイヤーに遊んでもらえる新世代のタイトルをコンシューマ向けに作ることが決まりました。従来とは異なるコンセプトなので,世代を新たにしたというわけです。
「GUNDAM VERSUS」は台湾や香港,韓国といったアジア圏も日本と同時に発売しますし,その後は欧米や東南アジアでのリリースも予定しています。
4Gamer:
では,アーケードで稼働中の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON」(以下,マキシブースト ON)はどうなるのでしょうか。
安田氏:
これまでどおり運営を継続し,ゲームセンターで楽しんでいただいているプレイヤーに向けての施策を行っていきます。一方,「GUNDAM VERSUS」のほうは発売前ということで未知数ですが,いろいろなご意見をいただきながら長く展開できればと考えていますね。
4Gamer:
自宅では「GUNDAM VERSUS」,ゲームセンターではマキシブースト ONを遊んでほしいと。
安田氏:
遊ぶ環境が異なりますので,それぞれに楽しさも違います。できれば両方遊んでもらいたいです。違った良さがありますから,そこはお客様に選択していただければと。
1人プレイの間口を広げるフィーチャー
4Gamer:
「GUNDAM VERSUS」はコンシューマ専用ソフトですが,1人プレイが楽しくなる要素は用意されていますか。
安田氏:
VS.シリーズはオンライン対戦がメインだと思われがちですが,「GUNDAM VERSUS」はシングルプレイモードを用意しています。なかでも「トライアルバトル」には歴代のガンダム作品をモチーフとしたミッションが登場しますので,ファンであるほど喜んでもらえるのではないでしょうか。
福﨑恵介氏(以下,福﨑氏):
「機体開発ツリー」にまつわるやり込みも楽しいですよ。バトルに出撃して機体レベルを上げると,「ストライカー」「パイロット」「バトルナビ」「称号」「エンブレム」といった要素がアンロックされていきます。ゲーム内通貨「GP」を消費してこれらを獲得すれば,いつもとは違うストライカーやパイロットでプレイできるというわけです。
4Gamer:
やり込みがいがありそうですね。アンロックしたストライカーやパイロットは,そのほかの機体でも選べるのでしょうか。例えば,ガンダムでアンロックしたリュウ・ホセイをユニコーンガンダムに乗せるとか。
安田氏:
アンロック済みのストライカーに関しては,すべての機体で選べるようになります。ただ,パイロットは機体の枠を越えての選択はできません。例えば,ユニコーンガンダムには主人公バナージ・リンクスしか使えないような生体認証がありますから,ほかのパイロットが乗れるのは原作的に違和感がありますので,実装を見送りました。
4Gamer:
戦術の幅を広げるストライカーは作品の枠を越えた組み合わせが可能。一方でパイロットは原作のイメージを守りつつ選べるということですね。
新たに第5世代を立ち上げる際に,2on2というシリーズの枠組み自体も変えるという発想はありませんでしたか。
安田氏:
実は,そうしたアイデアもありました。しかし,すでに2on2というバトルルールを楽しんでいるプレイヤーがいる状況で「別のルールで遊んでください」となると,それは僕達の都合になります。なので,「2on2はブレることなく,継承していこう」という結論に至りました。
4Gamer:
VS.シリーズの伝統を守ったというわけですね。
安田氏:
そうですね。ただし,その代わりではありませんが,2on2に至るための間口を広げるために「1on1」や「3on3」といった新しい対戦形式,そして「アルティメットバトル」では最大6人で協力して戦う「ボスハンター」などのバトルルールを入れています。
4Gamer:
クローズドβテストでは3on3が新鮮でした。
福﨑氏:
3on3は「プレイヤー1人あたりの責任を分散させる」のが狙いです。2on2は競技性と楽しさのバランスが取れている形式ですが,その反面,1人にかかる責任が重いところがあります。これまでのユーザー調査でも「パートナーに迷惑をかけたくない」と感じている方が多いことが分かっています。
4Gamer:
自分のせいで負けてしまったり,パートナーを誤射したりすると,確かに責任を感じますね。
福﨑氏:
それが3on3になると,1人あたりの責任が軽くなるので,より心理的に楽なバトルが楽しめると思います。まずはここでチーム戦に慣れてから,2on2に参戦してみてほしいですね。
安田氏:
今のところ,3on3だと機体が入り乱れるカオスな展開になりますから,「直感的な操作でカッコよくモビルスーツを動かす」という「GUNDAM VERSUS」の特長が引き立つと思います。2on2とはセオリーが変わりますし,3on3も定着してくれるといいなと思っているので,これから育てていきたいですね。
4Gamer:
一方,ボスハンターは従来のVS.シリーズにはなかった面白さがありますね。
安田氏:
協力プレイの楽しさですね。「最大6人のプレイヤーで巨大ボスを倒そう」というルールなので,対戦とは違ったプレイ感覚で楽しんでいただけると思います。
福﨑氏:
元々,VS.シリーズには「2on2の対戦ゲーム」と「機動戦士ガンダムシリーズのアクションゲーム」という側面があります。その後者を強調したのが,3on3やボスハンターです。
「ガンダムは好きだけど,ガチで対戦をしたいわけじゃない」という方もおられると思いますし,そうした層にも裾野を広げたいと考えています。これだけゴリゴリと直感的に機体を動かせるガンダムゲームもなかなかないと思っています。
ここから2on2を普及させていく
4Gamer:
現在,VS.シリーズにおける対戦シーンは,非常に高度かつ緊張感のあるものになっています。その反面,初心者はオンライン対戦に尻込みしてしまう人がいるのではないかと思います。
安田氏:
上級者同士の対戦は見応えがあり,とても楽しいものですが,VS.シリーズに触れたことのない人だと「何が起こっているか,よく分からない」ということになる場合もあると思います。
「表向きは有利に見えるけど,実はチームとして追い詰められている」という状態もありますからね。
安田氏:
ただ,なんとなくでもルールが理解できれば面白くなる。極論ですが,アメリカンフットボールの試合のようなものですね。僕には知識がないので何をしているのか分からず,楽しさが分からないけれど,ルールが広まっているアメリカではNo.1の人気スポーツになっています。
4Gamer:
つまり,見る側にも知識を求められるところがあると。
安田氏:
そうですね。ですから,自分達が2on2や3on3をもっと普及させていかないといけないと思っています。ガンダムを好きな方に,VS.シリーズの良さが伝わらないのは残念ですから。
4Gamer:
VS.シリーズは15周年を迎えましたが,「2on2のチームバトルアクションを普及させる」という原点から始めるということですね。
ちなみに「GUNDAM VERSUS」というシンプルなタイトルも,そうしたコンセプトの表れですか。
安田氏:
そうですね。とくにアジアや欧米などでは,このゲームが初めてのVS.シリーズになるお客様もいらっしゃると思うので,「これが原点なんだ!」とシンプルなタイトルにしました。あまりにシンプルなので,社内では前任の馬場(龍一郎氏)に「これが正式名称なの?」と聞かれたりしましたが(笑)。
4Gamer:
対戦シーンで気になるのが,プレイヤー同士のマナーです。「GUNDAM VERSUS」ではどのような取り組みがありますか。
安田氏:
パートナーにメッセージを送る「通信メッセージ」機能は,プリセットの定型文オンリーとしています。定型文のみにすることで,「海外のプレイヤーに通信を送れば,自動的に相手側の言語で表示される」仕様を実現しました。
4Gamer:
安心して対戦を楽しめそうです。
安田氏:
これまではメッセージを編集していわゆる「煽り行為」として使用されてしまうケースもありましたが,そうしたことはできなくなっています。ワールドワイド展開を見据えた仕様変更が,マナー問題への取り組みにもなったということです。
4Gamer:
それではプレイヤーが意図的に回線を切断する行為についてはいかがでしょう。
福﨑氏:
そうした行為をしたプレイヤーは,短時間ですがオンライン関連のモードを遊べなくなります。一時的にカッとなって回線を切断するケースが多いでしょうし,「一旦,落ち着いてください」ということです。
ただ,何回も切断を繰り返していると,遊べなくなる時間が長くなっていきます。
安田氏:
より多くのプレイヤーが楽しく安心して遊べる環境を作っていきたいと思っていますので,発売後の状況を見つつ,今後も対応を検討していくつもりです。
「使わないと勝てない」ではなく,新たな選択肢を提示
4Gamer:
「GUNDAM VERSUS」では昨年末のクローズドαテストをはじめ,今年に入ってからもクローズドβテスト,オンライン体験会を実施していますね。
安田氏:
クローズドαテストは「新システムが受け入れられるか否か」を測りたいという側面がありました。これまでのシリーズをプレイしてくださっているプレイヤーからの評判が悪いようであれば,あらためてシステムを練り直さないといけないので,かなりドキドキしながら臨みましたね。
ここで我々の考えを強行して,その結果としてプレイヤーに受け入れられないものができてしまったら,シリーズの先がなくなってしまいますから。
4Gamer:
それではクローズドβテストの狙いは?
安田氏:
クローズドαテストで新システムに対してある程度の手応えを掴んだので,より多くのプレイヤーに遊んでいただき,バランス調整を行うことが目的でした。
福﨑氏:
PS4での展開が初めてでしたから,一つ一つ確かめながら進めた感じです。新システムは入っているけれど,プレイ感は「いつものVS.シリーズ」であるにはどうすれば良いか,というところのバランス取りが難しかったです。
4Gamer:
新システムにはどんな反応がありましたか。
福﨑氏:
概ね良い反応をいただくことができましたが,とくに「覚醒」システムは高く評価していただけましたね。「覚醒したときに,しっかりダメージを与えれば勝てる」「パートナーにもプラス効果が及ぶ」といったところが好評でした。
4Gamer:
覚醒システムで苦労された点は?
福﨑氏:
最も難しかったのは,パートナーに対するプラスの効果の調整ですね。強くしようと思えばいくらでも強くできますが,そうすると「どうしてお前は,この覚醒を選ばないんだ」と言われかねない,「選択の固定化」が待っています。
そこで「役に立つが強すぎない」「パートナーが覚醒すると,ちょっとラッキー」という落としどころを狙いました。
4Gamer:
「ブーストダイブ」についてはいかがでしょう。
安田氏:
先日開催した世界最速公式大会や,オンライン体験会の様子を見ていても,ブーストダイブはまだ評価が定まっていないようですね。ただ,「絶対にブーストダイブを使わなければならない」のではなく,あくまで「ブーストダイブという新たな選択肢を提示する」というイメージで導入しています。
福﨑氏:
ブーストダイブは各機体の公平性を担保するためのシステムです。過去のシリーズ作品では,アシストや特定の武器を使って安全に降下するいわゆる「降りテク」を使える機体とそうでない機体がありました。機体ごとに覚えることも多く,各機体の差も大きかったんです。
マキシブースト ONでは新しい機体をリリースすると,降りテクの有無で格付けされるところがあったくらいですから。ある意味で,降りテクを共通システム化したものがブーストダイブという感じです。
4Gamer:
各機体の降りテクを覚えなくても,共通システムであるブーストダイブであれば,降りテクと同様の駆け引きが可能になりますね。
福﨑氏:
高高度での差し合いでも,ブーストダイブという選択肢があることで,地上に降りてブーストを回復することができます。ただ,ブーストダイブが読まれると攻撃を食らってしまうので,そこは読み合いになります。
先日の世界最速公式大会でも「飛ぶと見せかけてから,釣られて飛んだ相手を攻撃する」という場面がありました。
4Gamer:
さっそく新たな選択肢として使われていると。
安田氏:
これからプレイヤーの皆さんがどう使っていくか,我々も楽しみです。
こうした新システムを実装した意図として,「システムが強いゲーム」にしたかったということが挙げられます。「機体を変えても,共通システムさえ覚えておけば立ち回りができる」のであれば,ゲームへの入りやすさが全然違ってきますから。
安田氏:
現在のマキシブースト ONでは,良い悪いは置いておいて,キャンセルルートや特殊なムーブが機体ごとにあり,プレイヤーが覚えなければならないことが多くなっています。
福﨑氏:
アーケードだとそれでもいいのですが,「GUNDAM VERSUS」はパッと触って普通に戦えるものにしたかったんです。ただし,「システムが強いゲーム」を目指してはいても,「システムが支配するゲーム」にはしたくありませんでした。
安田氏:
つまり,「特定のシステムを使わないと勝てない」ではいけない,と。
福﨑氏:
強い武器や覚醒が固定化する状況を避けて,バラエティのある動きができるようにしていきたいですね。そのためには発売後の機体調整も欠かせないと考えています。
4Gamer:
調整におけるポリシーやその根拠とするデータはどういったものになりますか。
安田氏:
基本的にはプレイヤーの評判など,定性的なデータですね。ログなどの定量的なデータでは計り切れない部分がありますから。
福﨑氏:
定量的なデータで見てしまうと,プレイヤー視点とはズレてしまいます。例えば,「この機体は弱い」というプレイヤーの声があっても,データ上の勝率自体は高かったりする。しかし,よくデータを見ていくと,その高い勝率は特定条件下で記録されたようなものだったりする場合があります。
安田氏:
クローズドβテストのときもそうでしたが,プレイヤーから寄せられた意見にはすべて目を通しています。それこそ,肌に染みわたるまでしっかり目を通さないといけないと思っています。そうして初めて対戦シーンの現状と課題が見つかるので,裏付けとしてのデータを参照していく形ですね。
クローズドαテストでは座談会形式でご意見をいただきましたし,クローズドβテストの場合は数千単位のプレイヤーの皆様からアンケートをいただきました。
4Gamer:
バランス調整はデリケートな問題ですね。
安田氏:
誰にとっても完璧な調整というものはないと思っています。特定の機体が好きな人は,それが下方修正されるとイヤでしょう。「GUNDAM VERSUS」では「プレイ環境が回ること」を念頭に置いて,発売後も柔軟に調整を続けていきたいと考えています。
たくさんのコミュニティに
たくさんのNo.1を
4Gamer:
これまでにプレイヤーから寄せられた意見の中で印象的だったものはありますか。
福﨑氏:
クローズドαテストはバンダイナムコスタジオ内で実施しましたが,まず最初に何も説明せずに遊んでいただいてから第一印象を聞くと,「いつものVS.シリーズが,PS4のグラフィックスで楽しめる!」という声が多かったです。それがバトルシステムを説明した後に,もう一度プレイしてもらうと「全然,変わってる!別ゲーだ!」と。
まずは「いつものVS.シリーズ」であることを実現し,そこからいろいろと変化のある深みを持たせていくのが狙いでしたから,だいぶ安心しましたね。
安田氏:
「ベタ」って重要だと思うんです。「ああ,いつものだ!」という感覚は大事にしたいと思っています。プレイヤーは目が肥えていますから,ただトリッキーなもので目先を変えようとしても,すぐに本質を見抜かれて二度と触ってもらえないという可能性も考えないといけない。
福﨑氏:
「相手の着地を狙っていく,以前のVS.シリーズに近い」と感じられた方も多かったようです。かつてのシリーズファンにも,我々の意図が伝わったことが嬉しかったですね。
4Gamer:
それでは発売後の展開を教えていただけますか。
安田氏:
追加プレイアブルモビルスーツをダウンロードコンテンツとして配信する予定です。まずは7月下旬に「ガンダム・バルバトスルプス」と「ガンダムヴァーチェ」を配信します。
追加プレイアブルモビルスーツには,すべて「機体開発ツリー」が含まれています。ストライカーや称号といったアイテムはもちろん,機体にもよりますが,パイロット,バトルナビ,エンブレムといったアイテムも獲得可能です。
4Gamer:
新モードの追加予定はないのですか。
安田氏:
新モードなどの機能拡張はDLCではなく,無料アップデートでご提供できればと思っています。7月末には階級の近いプレイヤーと競い合える「ランクマッチモード」の解禁と,「アルティメットバトル」にボスのみが出現する新コース「BOSS SURVIVAL」を追加する予定です。それ以外にも追加要素を検討しています。
4Gamer:
ランクマッチモードは上級者向けといった位置づけでしょうか。
安田氏:
上級者だけのものではないです。より高みを目指したい方はもちろん,「ふだんは1人で遊んでいるけれど競い合える対戦相手を探したい」という方にも楽しめるものにしたいと思っています。
我々としてはピラミッドの頂点を決めるというよりは,「No.1がたくさんいてもいいじゃないか」という考え方で展開していきたいと思っています。友達同士や身内などのコミュニティがたくさんあって,それぞれにNo.1のプレイヤーがいる。みんなで集まってワイワイと対戦する,そこからコミュニケーションが生まれて,さらにその輪が広がっていくゲームにしていきたいですね。
4Gamer:
今後,「第5世代」としてはどのような展開を予定していますか。
ぶっちゃけ,まだ分からないです(笑)。そこは自分達の都合でやっていこうとは考えていません。いろいろなチャレンジに対して,どんなフィードバックがあるのか,ご意見をいただきつつ,より良いシリーズにしていければと。
なかでも,「2on2をより愛されるものにしていくためにはどうすればいいか」という部分を大切にしていきたいです。とくに海外では,これから土壌が作られていくと思いますので,VS.シリーズ初のワールドワイドタイトルというチャレンジを,どこまで受け入れてもらえるのか。我々は「まだまだこれから」と思っています。日本で15年間,作り上げてきた歴史と同様,これからまたお客さんと一緒に作り上げていきたいですね。
4Gamer:
それでは,初心者向けに遊び方のアドバイスをお願いできますか。
安田氏:
まずは「トライアルバトル」で慣れてもらいつつ,積極的にアルティメットバトルをオンラインでプレイしていただきたいですね。たまーにオンラインマルチプレイが発生するので,少しずつほかの人とプレイすることに慣れていただけると嬉しいです。
福﨑氏:
アルティメットバトルのオンラインマルチプレイは,勝っても負けてもデメリットがなくゲームを続けられます。まずは好きな機体を使って,好きなように動かすところから始めてみてください。
4Gamer:
注目の機体も教えてください。
安田氏:
難しい質問ですが……ここはあえて各作品から参戦している量産機ですね。ここまで量産機と真剣に向き合っているゲームもなかなかないと思います(笑)。
福﨑氏:
2017年になっても,ガイア,オルテガ,マッシュのボイスをすべて新録しているようなガンダムゲームはないでしょうね(笑)。
ネモなんかは,「ガンダムゲーム史上初ではないか」というくらい,格好よく仕上がっていると思います。何と言っても「機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ」から十数年ぶりの参戦ですから。
安田氏:
プレイアブル機体以外でも,ストライカーだけで180機以上選択できますから,きっとバトルを繰り返していくうちに心に刺さる機体が見つかると思います。
4Gamer:
新旧のガンダムファンが楽しめるタイトルと言えそうですね。
安田氏:
もちろん,そう感じていただけると嬉しいです。発売直前に実施しているオンライン体験会に参加していただいている方もおられると思いますが,その内容は製品のごく一部です。さらに楽しんでもらえる要素をたくさん詰め込んでいるつもりです。
これまでにVS.シリーズをやり込んでいる方も,「GUNDAM VERSUS」が初めての方も,ぜひ友達を誘ってプレイしてみてください。
福﨑氏:
7月6日に発売日を迎えますが,「ここで完成した」と言うつもりはありません。これまでのVS.シリーズと同様,機体の追加や調整を経て,もっと完成度の高いものを目指していきますので,ぜひ皆さんの声をいただきたいですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「GUNDAM VERSUS」はVS.シリーズの新作であると同時に,「2on2の魅力を伝える」という原点に立ち返った作品でもある。15年目のリブートがシリーズファンからどのような評価を受けるのか,あらためて発売日が楽しみになるインタビューだった。
「GUNDAM VERSUS」公式サイト
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