プレイレポート
競技性とカジュアルな楽しさを両立!注目のオンラインFPS「BLACK SQUAD」のインプレッションを掲載
競技性とカジュアルな楽しさを両立したFPS
BLACK SQUADは,韓国NS Studioが開発したPC用オンラインFPSだ。国際連合傘下の対テロ組織「ピースメーカー」と犯罪組織「バイパーサークル」の戦いを描いた作品で,分類としては“現代戦モノ”といったところだろうか。韓国では2016年7月時点で登録IDが100万件を越えるなど,好評を博している。
e-Sportsを強く意識した競技性の高い内容でありつつ,モードによってはキャラクターが昇級したり,さまざまなスキルが使えるようになるなど,カジュアル層への配慮も行われており,すでに韓国では大会も開催されているという。
本作のルールは「カジュアル」「クラシック」「バトル」に大別されており,それぞれに2つのゲームモードが用意されている。
カジュアルは文字どおりのカジュアル層向けで,いわゆるチームデスマッチである「殲滅」と,マップ上の拠点を奪い合う「占領」がプレイできる。
クラシックは競技性の高いルールで構成されている。1つが特定地点に爆弾を仕掛ける,FPS大会でお馴染みの「爆破」で,もう一方がVIPを狙っての攻防が展開する「暗殺」となる。どちらもスキルが使えない実力勝負となっている。
バトルは最大16人対16人の大規模戦となり,互いに敵の物資を攻撃する「破壊」と,チームのキル数が規定値に達すると勝利となる「強襲」がプレイできる。
e-Sports志向の爆破モードをプレイ
試遊会では,爆破と破壊の2モードをそれぞれプレイできた。
爆破モードは,前述のとおり本作の高い競技性を象徴したゲームモードだ。攻撃側はマップ上に存在する2つの目標地点のいずれかに,C4爆薬を仕掛けて起爆させることが目的となる。一方,防御側は爆破を阻止するために目標地点を守り,時にはC4爆薬を解除することが求められる。これは「スペシャルフォース2」や「サドンアタック」といったFPSにおいて,e-Sportsの大会で用いられることでも有名なルールだ。
今回体験できたのは,現代美術館を思わせる「コレクション」というマップ。遮蔽物が多い屋内から,比較的開けた建物の外や駐車場まで,景観的にも地形的にもバラエティに富んでいる上,スロープや階段などで適度な高低差がある。良い意味で奇をてらっていない,正統派という印象だ。
前述のとおり,スキルなしの純粋な実力勝負で,リスポーン(倒された後の復活)もない。そのため,クリアリングや連携と言った,FPSの基本技術が非常に重要になってくる。試合中は息詰まるような緊張感があり,競技としてのFPSの面白さが再確認できた。
スキルが飛び交い,戦場がカオスになる破壊モード
一方,破壊モードは,カジュアルに楽しめるゲームモードだ。カジュアルとはいっても,単にルールが簡略されたようなものではない。スキルシステムがあるため,爆破モードとは違った意味の奥深さがあるのだ。
スキルシステムとは,簡単に言えば“戦果に応じてもらえる「スキルポイント」を支払い,さまざまな特殊攻撃であるスキルを使っていく”というもの。
MOBA的な「その試合限りのレベルアップ」をFPSに組み込んだシステム……と言えば分かりやすいだろうか。試合に貢献すれば経験値兼MP(スキルポイント)が手に入るので,これでスキルを行使していくのだ。
プレイヤー達は何のスキルも持たない「二等兵」からスタート。敵を倒したり,敵軍の物資にダメージを与えたりして試合に貢献すると「スキルポイント」が蓄積され,一定値に達すると「昇級」(レベルアップ)する。最初の昇級時には,それぞれに異なるスキルを持つ4つの兵科,「突撃兵」「援護兵」「工兵」「偵察兵」のいずれかから選ぶことができる。
突撃兵は対人地雷を設置する「クレイモア」や,グレネードランチャーを入手できる「M32」といった攻撃的なスキルを,援護兵は「体力回復キット」や自動攻撃する「セントリーガン」など補助的なスキルを持っている。工兵は「弾薬補充キット」や,敵のロケット弾や手榴弾を撃ち落とす「トロフィー」など特殊なスキルを装備。偵察兵は敵の位置を探知する「UAV」「ソナービジョン」,長距離狙撃の対物ライフル「STEYR50」といった,索敵やピンポイント攻撃ができるなど,その効果はバラエティに富んでいる。
スキルポイントの累計値が一定値に達するとさらに昇級。一定の階級に達すると,レベル3,レベル4といった強力なスキルがアンロックされる。スキルを使ったからといって昇級が遅くなるようなことはないので,どんどんスキルを使って戦果を上げていきたい。強力なスキルほど大量のスキルポイントを消費するため,低レベル帯のスキルをこまめに使うか,高レベル帯のスキルで一発を狙うかはプレイヤーの判断次第だ。
スキルシステムが,カジュアル層でも楽しめるという理由の1つに“スキルポイントや階級,選択した兵科は,あくまでその試合限りのものである”という点がある。ある試合では突撃兵,またある試合では偵察兵というように,自由に変えていくことができるのだ。
また,武器と兵科の組み合わせが豊富なことも面白い。兵科を選ぶシステム自体はほかのFPSにも存在するが,ほとんどの場合,兵科によって使える武器が決められている。本作では兵科と武器の組み合わせは自由。例えばスナイパーライフルを持った状態で突撃兵になり,遠近両方に対応できるような組み合わせもできるし,ショットガンを手に援護兵に昇級,セントリーガンを置いて中距離に特化することもできる。もちろん,最初に昇級する時の選択は自由なので,試合の状況に応じて少ない兵科を補うことも可能……といったように,試合ごとにいろいろなセッティングが楽しめるわけだ。
破壊モードは,比較的狭いマップで両軍が互いの物資コンテナを攻撃する。敵を倒すだけでなく,コンテナにダメージを与えるとスキルポイントが手に入るため,試合は自然とコンテナ狙いとなる。
ただ,コンテナは非常に丈夫なため,銃でチマチマと撃っていたのではすぐに弾が切れてしまう。一番効率がいいのはナイフで斬りつけることだが,そのためには敵陣深くへ突っ込んでコンテナに接近する必要がある。もちろん,そんなことをすると敵に見つかりやすくなってしまうため,なんとかして裏をかいたり,逆に自軍のコンテナを狙う敵を待ち伏せたり……といった駆け引きが生まれる。
とくに面白いのが,お互いにレベルが上がってからの後半戦だ。どの兵科も,レベル3や4のスキルは広域攻撃など強烈なものが揃っている。工兵が呼び出した攻撃ヘリが上空から敵を掃射すれば,突撃兵が強化装備の「タイラントユニット」を身にまとってミニガンで突撃,偵察兵の戦闘爆撃機があたりを爆撃するなど,かなりカオスな状況になる。いい意味でしっちゃかめっちゃかになったところで決着が付くという感じで,勝っても負けても「もう一回!」とプレイしたくなるテンポの良さが印象的だった。
そんなBLACK SQUADでは,10月にクローズドβテストが開催される予定だ。本作に興味がある人は,今後のアナウンスを楽しみに待とう。
「BLACK SQUAD」公式サイト
- 関連タイトル:
BLACK SQUAD
- この記事のURL:
Published by NHN hangame Corp. (c) NSSTUDIO INC. All Rights Reserved.