インタビュー
開発インタビュー 自由度の高いキャラクタービルドやトレハン要素など,「SEVENTH DARK(セブンスダーク)」の気になる点を聞いてみた
本作は,「幻想神域」や「星界神話 -ASTRAL TALE-」を開発した台湾のX-LEGEND ENTERTAINMENTが放つ新作MMORPGだ。可愛いキャラクターとカジュアル寄りで手軽に楽しめるゲーム性など,同社が得意とする路線はそのままに,自由度の高いキャラクタービルドやトレハン要素で,新分野に打って出た。
今回は,開発を担当したX-LEGEND ENTERTAINMENTのComma Wang氏にセブンスダークの特徴と魅力について話を聞いてみた。本稿を読んで気になった人はぜひゲーム本編をプレイしてみてほしい。
七つの大罪をテーマにしたストーリーと爽快感を重要視したバトル
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,Commaさんの開発における役割を教えていただけますか。
Comma Wang氏(以下,Comma氏):
4Gamer:
では,セブンスダークがどのようなゲームなのか,概要を教えてください。
Comma氏:
セブンスダークのストーリーは“七つの大罪”をテーマに,人の欲望とか感情といったものに焦点を当てています。アクションは,バトルの爽快感を追求して制作しました。既存のX-LEGENDタイトルにはなかった2.5D(視点半固定の見下ろし型3D)のシステムを採用していますが,グラフィックス面では日本のプレイヤーにも受け入れてもらえるような,X-LEGENDらしい可愛らしさを前面に押し出しています。
4Gamer:
台湾のほうではすでにサービスが開始されていますが,プレイヤーからの評判はいかがでしょうか?
Comma氏:
これまでのX-LEGENDのタイトルは,3Dで描かれたものが多かったので,それらに慣れている人だと最初はバトルに戸惑いを感じることもあったようです。ですが,ゲームを進めていくうちにプレイヤーの多くは独特な戦闘方法にも慣れ,いまでは既存のX-LEGENDタイトルにはない面白さがあると評価していただけています。
4Gamer:
確かに,3Dの箱庭空間でのバトルから,レベルデザインを重視した2.5Dのバトルへ変わったわけですから,既存のX-LEGENDタイトルのバトルを想像していた人は戸惑うかもしれませんね。
Comma氏:
はい。開発としても新しい挑戦でしたので,マップの設計を含めてバトルのバランス調整には苦心しました。結果としてはプレイヤーの皆さんに喜んでもらえるものに仕上がったと思います。
4Gamer:
今までのゲームでは,プレイヤーが主人公となって世界を救うような壮大なストーリーが多かったように思うのですが,セブンスダークでは,ある意味,身近なテーマである七つの大罪にスポットを当てていますよね。ストーリーに関しての評判はいかがでしょうか?
Comma氏:
仲間と協力してボスを倒すようなドラマティックな展開もありますが,おっしゃるとおり,本作では人間が持つ感情など,身近なテーマを扱っています。ストーリーの内容については,本作ならではの展開に面白みを感じていただけているようです。既存のタイトルよりもストーリーの進行が速く,また,矢継ぎ早に追加するようにしていますので,テンポよく物語を楽しめると思いますよ。
4Gamer:
七つの大罪ということで,“嫉妬”や“怠惰”など,それぞれの罪に対してボスが登場して対決する流れがイメージできますが,“七つ”と限定されているので,それらを全部倒してしまったらどうなるのか気になります。
Comma氏:
先日台湾でアップデートを行いまして,そこで追加されたストーリーの中でも書いたのですが,実は七つの大罪よりも深い闇がありますので,物語が終わるということはありません。
4Gamer:
人の欲望が尽きないのと同じで,ストーリーも尽きないわけですね。公式サイトで公開されていたPVでは,ブリュンヒルデや騎士団長ルドベキアといったNPC達が存在感を出していましたが,そうした魅力的なNPC達はストーリーにどう絡んでくるのでしょうか。
Comma氏:
神から特別な力を授かった者達を「神の子」と呼んでいます。ゲーム序盤で登場するルドベキアもその神の子の一人としてストーリーに関わってくるのですが……詳しくはゲームをプレイして確認していただけると幸いです。
冒険を補佐してくれる頼れるパートナー「守護者」
4Gamer:
「幻想神域」の幻神や「星界神話」の星霊など,X-LEGENDのタイトルでは,冒険を手助けしてくれるパートナーキャラクターを大事にしていますが,セブンスダークではいかがでしょうか。
Comma氏:
セブンスダークでは,「守護者」という存在がプレイヤーのパートナーキャラクターとして登場します。ストーリーに関連する守護者は最初3人で,これは今後増えていきます。
4Gamer:
パートナーキャラクターは,毎回特に可愛くて人気のあるキャラクターがいますよね。
Comma氏:
本国でもまだ4人めが追加されたところで,まだまだ数は少ないのですが,先ほど話に出ましたブリュンヒルデは,ストーリー展開を含めて人気があります。所持するスキルが強く,バトルでも役立つところが人気を後押ししている感じですね。また,巫女服を着た女の子もいて,こちらは日本でも人気が出るのでないかと期待しています。
4Gamer:
ブリュンヒルデは,喜多村英梨さんがCVを担当するという発表でも話題になってましたね。ほかに守護者の特徴といえるものがあれば教えてください。
Comma氏:
パートナーキャラクターは,独自のスキルを使って戦うのが基本ですが,今回はプレイヤーが習得済みの武器スキルも使えるようになりました。さらに,スキルをプレイヤー自身が設定して,条件を満たすと自動発動させることも可能です。例えば,プレイヤーのHPが何パーセントになったら,このスキルを発動するといった感じです。
4Gamer:
なるほど。バトルでは,守護者をいかに活用するかも重要になりそうですね。続けてバトルについてお聞きします。爽快感を追求したということでしたが,開発するうえでのこだわりがあれば教えてください。
Comma氏:
まずはスピード感のあるバトルになるようキャラクターの動きを作り,テンポよく進めるようにザコ敵のHPを調整しました。ただ,スキルを適当に使って敵を倒していくだけでは楽しさは感じられません。そこで,ボス戦は,敵の攻撃を回避しながら戦うスタイルにして,攻略していく楽しみを得られるように工夫しました。
4Gamer:
2.5Dのバトルでは,具体的にどういったボス戦が行われるのでしょうか。
Comma氏:
ノンターゲット方式になっていまして,マウスカーソルのある方向に攻撃が出ます。画面の中を自由に動き回ってボスの攻撃を回避しながら,隙を見つけて反撃することになるでしょう。
4Gamer:
ターゲット方式だと,敵をロックした後は,後ろに下がりながら攻撃をしていくだけだったりしますが,戦い方そのものが今までとは違っているんですね。
Comma氏:
そうした戦い方の根本的な違いで,戸惑っている方が少なからずいたわけです。ただ,ボスの攻撃を避けられなかったら,すぐに戦闘不能になってしまうような理不尽な難度ではありませんので,操作に慣れ,敵の動きをほんの少し研究すれば,どんな強敵ともよい勝負ができると思います。また,アクション性が高いこともあって,台湾のプレイヤーには,ゲーム内に実装されているPvPシステムも人気があります。
4Gamer:
確かにPvPでは駆け引きもあって,モンスターとの戦いとは違った面白さがありますよね。ただ,日本ではPvPは流行しない傾向ではありますが……。
Comma氏:
実は,日本運営チームからは,日本仕様としてPvPは外したいという話がありました。しかし,開発としてはPvPは今後バリエーションを増やしていく重要なコンテンツの一つであると考えていますので,PvPで得られる報酬を日本向けに変える形で導入することになりました。日本におけるPvPコンテンツは,ミニゲーム要素といいますか,PvPをしないと損をするような類のコンテンツにはなりませんのでご安心ください。
4Gamer:
対人戦というよりカジュアルな対戦要素という雰囲気でしょうか。
Comma氏:
日本では,PvPを好んでプレイする人が少ないことは理解しています。ただ,面白い仕掛けをこれからもどんどん追加していきますし,ポイント制の導入など気軽にプレイできる環境も整えてまいりますので,気が向いたら一度プレイしてみてください。
職業と武器の組み合わせでビルドを組む。トレハン要素もあり
4Gamer:
Comma氏:
ファイター/ウィザード/ナイト/スカウトという四つの職業に,両手武器で攻撃力が高いクレイモアや魔法攻撃が得意なロッドといった各種武器を自由に組み合わせて戦うのが本作の特徴で,職業と武器,それぞれで固有のスキルを習得することができます。プレイヤーは,シチュエーションに合わせて自由に武器を切り替え,戦闘スタイルを変化させながら戦うのが基本です。
4Gamer:
職業を最初に決め,武器はザコ敵をまとめて狩るのか,ダンジョンの最後でボスに挑むのかで変えていくといった感じでしょうか。強い武器の入手は,キャラクターの強化にもつながるような重要な要素になりそうですね。
Comma氏:
ボスだけでなく,フィールドのモンスターも数多くの武器をドロップしますし,ドロップした武器にはさまざまな能力がランダムで付与されていることがあります。プレイヤーは,経験値稼ぎだけでなく,より強力な武器を求めて冒険に赴くことになります。
4Gamer:
いわゆるハックアンドスラッシュのような,武器を掘る楽しみもあるわけですね。この手のゲームだとボスしか良い武器がドロップしなくて,結局は同じダンジョンを往復するだけになったりしますが,フィールドのザコ敵もよい武器を落とすのでしょうか?
Comma氏:
ドロップ率自体はそう高くありませんが,フィールドのモンスターからも「紫」等級の武器が入手可能です。武器のスキルは紫等級の武器を装備しないと熟練度が溜まらないシステムとなっているので,そういった意味では“使える”武器ですね。
4Gamer:
手に入れた武器を露店やオークションといったシステムでほかのプレイヤーに売ったり,逆に購入したりもできるのでしょうか?
Comma氏:
オークションのシステムもあります。ただ,最上位の等級である「金色」の武器は,オークションに出せないシステムになっています。ただ,熟練度上げの難度を下げることを考慮して紫等級の武器はオークションに出せるようにしました。
4Gamer:
運が悪い人は,ほしい武器が出なくてスキル習得もままならない可能性もありますからね。ちなみに,最上位の金色の武器はボスからのドロップになると思うのですが,率は相当低いんでしょうね(笑)。
Comma氏:
ダンジョンに毎日通って,早い人なら1週間くらいで金色の武器を手に入れられるのではないでしょうか。もちろん,プレイヤーさん個人の運次第ですので,1か月以上掛かる人もいらっしゃいます。ある程度達成感を得られるよう,あえて低い確率にしていますので,ぜひチャレンジしてみてください。
また,ダンジョンは,毎日入場回数に制限がありますが,日本独自仕様としてその入場回数をリセットできるアイテムを導入します。
4Gamer:
ボスを倒したあと一喜一憂するプレイヤーの姿が目に浮かびます(笑)。武器は自由に使えるということでしたので,「レアな武器が出たけど自分の職業に合わない」といったことがないのは嬉しいですね。ここでちょっと気になるのが,例えば,いかにも魔法攻撃が強そうなウィザードが,クレイモアなど物理攻撃武器を装備しても戦えるのか,という点です。
Comma氏:
物理攻撃の面だけでいえば,やはり物理攻撃の得意なファイターがクレイモアを持ったほうが強いですが,ウィザードの遠距離攻撃で先制して,近づかれたらクレイモアで殴るといったこと戦略で戦うことも可能です。少なくとも,ソロで進めることが多いストーリーパートでは,どんなスタイルでも問題なく戦えると思いますよ。
4Gamer:
Comma氏:
ええ。本作では,キャラクターのステータスをいつでも無料で振り直せるようにしています。いろいろな武器を試し,自分なりのスタイルを探してみてください。ちなみに武器を切り替えると,あらかじめ設定したステータスに自動で切り替わるようなシステムも考案中ですので,利便性は今後どんどん上がっていくと思います。
4Gamer:
分かりました。まだ正式サービスも始まっていませんが,今後の展開として,開発に力を入れているコンテンツはどこでしょうか。
Comma氏:
台湾でもサービスからさほど時間が経っているわけではありませんので,ストーリーはどんどん追加していきます。また,X-LEGENDのタイトルは,ハウジングとか結婚システムとか,横方向へコンテンツを広げていく傾向が強いのですが,本作はバトルの中心となるダンジョンを追求して開発を行っていくつもりです。通常のダンジョンとは異なるタイプの挑戦ダンジョンも導入予定ですのでお楽しみに。
4Gamer:
アップデートの軸になるであろう職業や武器の追加はどうでしょうか?
Comma氏:
4Gamer:
職業は分岐もあるので短い期間で新しく追加するのは難しいと思いますが,武器はどんどん追加されていきそうですね。
Comma氏:
日本では正式サービスの時点でクレイモア/ロッド/デュアルブレイド/シールドソード/バトルボウ/グレイブの6種類で,正式サービス以降に銃,その後追加する「鎌」(台湾でも未実装)までは決まっています。
4Gamer:
最後に4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いします。
Comma氏:
セブンスダークは,バトルの爽快感やスピード感を出すため,今までのX-LEGENDのタイトルとは違ったアプローチで開発を行いました。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが,ゲームを進めていくうちに本作でしか味わえないバトルやストーリーの楽しさを感じていただけると思います。
いままでの可愛い路線は引き継ぎつつも,開発チームは新しい挑戦をしてセブンスダークを制作しました。既存のX-LEGENDタイトルを遊んだことがある方も,遊んだことがない方も,ぜひ本作をプレイしてみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「SEVENTH DARK」公式サイト
- 関連タイトル:
SEVENTH DARK(セブンスダーク)
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