インタビュー
[E3 2017]セガゲームスの飯塚氏と中村氏にインタビュー。今年発売の「ソニックフォース」と「ソニックマニア」の見どころを聞いてきた
アメリカ・ロサンゼルスで開催されたE3 2017の会期中,SEGA OF AMERICAのブースにて,ソニックシリーズのプロデューサーを務める飯塚 隆氏と,ソニックフォースのプロデューサーを務める中村 俊氏に,両作の見どころを聞けたので,その内容をお届けしよう。
4Gamer:
よろしくお願いします。まずは,ソニックフォースのコンセプトから教えてください。
中村氏:
ソニックフォースでは,エッグマンが世界を支配しているところから始まり,ソニックをはじめとするヒーローのレジスタンスたちが,エッグマンの軍隊と戦いながら世界を取り戻すというストーリーが展開されます。
そのなかで今回は,プレイヤー自身がアバターを作って物語に参加し,ソニックとともに世界を取り戻していくことになります。
4Gamer:
アバターを導入しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
飯塚氏:
自分の考えたキャラクターをゲームに出したいというファンからの要望がすごく強かったんです。それもありまして,自分の分身として,アバターをソニックの物語で活躍させられるところを目指したのが,アバターのコンセプトであり,取り入れたきっかけになります。
4Gamer:
昨年25周年を迎えたソニックシリーズですが,今年もこうして新作が登場します。ファンから求められる要素というものは一貫しているのでしょうか。
中村氏:
やはりファンの方がソニックに求めているのはスピードだと思っています。最近ではアクションやバトルを重視した作品をリリースしましたが,今回のソニックフォースはハイスピードでステージを駆け抜けながら,いかにアクションをするかという部分をフィーチャーしています。
我々がソニックシリーズの開発を通してためてきた経験値をしっかりと使って,今できる最高のものを提供できればと思います。
4Gamer:
クリアタイムの記録を更新していくのが,本作の遊び方の1つになると思うのですが,オンラインリーダーボードなどは用意されていますか。
中村氏:
オンラインを通じてタイムの共有は可能です。過去作では,開発者でも出せないようなタイムを記録する人がたくさんいたので,本作でもビックリするタイムが出てくるんじゃないかと期待してます。
4Gamer:
レースゲームでは,アウト・イン・アウトの感覚をコーナーごとに覚えてタイムを縮めていきますが,ソニックではどのようにタイムを縮めていくのでしょうか。
飯塚氏:
ソニックの場合は,レースゲームのように決まったルートが存在しません。我々ゲームデザイナーは,ゴールまでの道のりを考えてエネミーを配置したりするのですが,上級者は開発者の想定していない方法でルートを編み出すので,毎回驚かされます。それが楽しみの1つでもあるのですが。
中村氏:
ステージの構造をしっかりと研究して,驚くようなタイムを出してくるので,そこは本当にすごい文化だなと思います。
4Gamer:
なるほど。それではマニアについても教えてください。今回ソニックマニアを作ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
飯塚氏:
メガドライブのころのソニックは好きだけど,3Dになってからソニックを触っていないという方がすごく多いんですよ。それを知っていたので,往年のファンに向けて,何か新しいことはできないか,という考えから生まれたのが今回のソニックマニアです。
4Gamer:
メガドライブ時代のソニックをやりたいという要望は,やはり多かったのでしょうか。
飯塚氏:
多かったですね。ソニックの1作めや2作めはモバイルなどにも移植してますし,実は1991年のソニック・ザ・ヘッジホッグは,今でもPlayStation StoreやXbox Storeではダウンロード数上位を占めるほど人気があるんです。なので,そういったコアなファンの方たちに向けて,単なる移植ではない,新しいコンテンツを何かできないかなと。
4Gamer:
ということは,リマスターというわけではないんですね。
飯塚氏:
昔のゲームをリメイクしたりHDでリマスターしたりというのは,去年からたくさんありましたけど,ゲーマーがほしいのはたぶん,そこじゃないと思っているんです。昔の思い出のまま,新しいコンテンツを遊んで,新しい驚きを味わいたい。ソニックマニアは,移植でもないしリマスターでもなく,昔の雰囲気を残したまま新作として作るという,ほかでは見られない新しい試みに挑戦しました。個人的には,ほかのパブリッシャさんもぜひ真似してほしいですね(笑)。
4Gamer:
では,ソニックマニアの新要素について教えてください。
飯塚氏:
ソニックマニアは,ドット絵のクラシックシリーズのソニック1作めから3作めまでと,ソニック&ナックルズ ,そしてソニック・ザ・ヘッジホッグCDの5タイトルの中から,いくつかのステージを選りすぐり,そこに新しい遊びを加えて新規のステージとして作り直しました。完全新規のオリジナルステージも含めて,1本のストーリーで構成されています。
4Gamer:
ステージはどのように作り直されているのでしょうか。
飯塚氏:
グリーンヒルで言いますと,昔のグリーンヒルを仕掛けも含めてまったく同じように再現します。その後に崩したり新しい仕掛けを加えたりといった感じで,進めていきました。
4Gamer:
苦労された点はありますか。
飯塚氏:
今の時代にドット絵でゲームを作るのって,ポリゴンで作るより難しいんですよ。ポリゴンで3Dモデルを作ってモーションを付けるほうがよっぽど楽なのですが,それをやってしまうと,ソニックマニアで大切にしているクラシカルな雰囲気がなくなってしまいます。
あくまでも,クラシックのテイストのまま新しい仕掛けを作るといった感じで,昔のテイストを保つってところが一番苦労しました。
4Gamer:
発表されたときのは反響はいかがでした。
飯塚氏:
すごかったですね。昨年7月のソニック25周年パーティで発表させていただいたんですけど。会場が震えるほど大歓声があがりました。そのあとYouTubeとかでもリアクションビデオがいっぱい流れまして,こんなに喜んでもらえるとは思っていなかったので,驚きました。
私は25年もソニックを作ってきたので,なかなかファンの目線に立てないところがあるんですけれど,もし自分が昔好きだったゲームが,その思い出のまま新作として出ると聞いたら,やっぱり自分も喜ぶだろうなと。
そう考えると,今回のソニックマニアはそういう人たちにドンピシャな作品だったんじゃないかなと思います。
4Gamer:
最後に,「ソニックフォース」と「ソニックマニア」で見てほしいところを教えてください。
中村氏:
ソニックフォースはアクションもそうなのですが,ストーリーも含めてかなり深く楽しんでいただける作品になっています。とくに日本のソニックファンは,ソニックのストーリーが好きな人も多いので,そういう部分にはしっかりと応えられる作品になってますし,キャラクターが総出演して戦うため,ファンであれば本当に楽しくてしかたない展開が目白押しなので,ぜひ遊んでほしいなと思います。
飯塚氏:
ソニックマニアは,昔のクラシックソニックが好きだった方に100%楽しんでもらえる内容になっております。ソニックマニアは8月,ソニックフォースは今冬といった感じで,少し間が空きますが,どちらも遊んでいただければ,必ず満足できると思うので,2本合わせて楽しんでもらえると嬉しいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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