プレイレポート
2人の視点でゲームが進行するnDreamsのVRアドベンチャーゲーム「The Assembly」のプレイアブルデモを体験してきた
「The Assembly」の舞台は,ネバダの砂漠地帯にある極秘の医療研究所。ここは,政府の庇護のもとで,科学者やエンジニアたちが社会的なモラルや民意を気にすることなく,さまざまな実験を行える場所であり,その中で働く人々も,周囲の学者たちがどんな実験を行っているのかをまったく知らないような状態だ。
そんな世界と隔離されたハイテク施設において,プレイヤーは,自分自身が実験台にされようとしているという,車いすに乗った女性・Madeleine Stone(マデレイン・ストーン)と,徐々に組織の在り方への疑問を持ち始めるベテラン実験者のCal Pearson(カル・ピアーソン)の2人を操作し,ゲームを進行させていくことになる。
nDreamsは,過去2年にわたってGearVR向けのデモを作成したり,「The Assembly」のプロトタイプデモをゲームイベントに出展したりと,試行錯誤を繰り返してきた。
そのせいか,本作のプレイを始めるとすぐに,ゲームシステムから操作性に至るまで,かなりの作り込みが感じられた。
今回のデモはOculus VRの「Rift」を使用し,操作はゲームパッドによって行うものになっていたが,操作方法はマデレインとカルの場合で大きく異なっていた。車いすに乗ったマデレインの場合は,前方向にのみ進むレール型,カレブは,右アナログスティックで自分の行きたい場所を指定し,ワープ移動するテレポート型といった具合だ。
テレポートは,事前にプレイヤーキャラクターのボディが白いシルエットとしてマップ上に表示され,方向も微調整できる。これにより,プレイヤーは方向感覚を失うことなく移動できるのだ。
こんな感じでプレイヤーは,引き出しを探ってロッカーのキーを探したり,机の上にある誰かのファイルを盗み見したり,さらにはパスワードを見つけてコンピューターにアクセスしたりと,さまざまな行動をとってゲームを進めていく。
少々戸惑ったのは,ゲーム中でPCを使用しているときなどにも,視線がディスプレイにロックされないため,何かの拍子に目を離してしまうなどといった,一般的なゲームではあまり見られない問題だ。
アクションゲームではないので,ミスをしてもそれほど困らないのだが,このあたりはプレイし続けて慣れるしかなさそうな印象を受けた。
30分ほど本作をプレイしたが,ストーリーの核心は見えず,まだまだ先は長そうだ。
マデレインのストーリーの序盤では,彼女はすでに何らかの“治療”を施されてしまっているのか,巨大なブロックを使ったパズルゲームをやらされるという趣向が盛り込まれていた。これはプレイヤーを飽きさせないための工夫だろう。
nDreamsのゲームディレクターであるJamie Whitworth(ジェイミー・ウィットウォース)氏は,「The Assembly」のゲームプレイ時間を具体的には教えてくれなかったが,2〜3時間で終わってしまうような多くのVRゲームとは違い,かなり遊び込めるものになりそうだ。
Eメールなどの細かい文字が読めるようになっていたのも,ゲーム世界を知るうえで非常に重要な要素となるだろう。
「The Assembly」は,Oculus VRの「Rift」とHTCの「Vive」向けに7月19日リリース予定となっている。価格は29.99ドルで,VRデバイスなしでもプレイできる「Non-VR Version」が19.99ドルで同時発売されるとのことだ。
また,「PlayStation VR」のローンチタイトルにもなるよう,現在調整中であるという。
非常に高い没入感と,作り込みの細かさが魅力になっている本作。今のところ日本語表示に対応する予定はないようだが,その発売が楽しみなタイトルの1つになりそうだ。
「The Assembly」公式サイト
- 関連タイトル:
The Assembly
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