インタビュー
Xbox One/Windows 10向け注目タイトル「ReCore」「Forza Horizon 3」「Dead Rising 4」のクリエイターにインタビュー
会場では,「ReCore」(PC / Xbox One),「Forza Horizon 3」(PC / Xbox One),「Dead Rising 4」(PC / Xbox One)の3タイトルのクリエイターによるプレゼンテーションが行われたが,本稿では個別取材の模様をお伝えする。
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「ReCore」
9月15日発売予定
稲船氏によると,以前の仕事でArmature Studioとつながりがあり,機会があればまた組みたいという思いから,あらためてコンタクトを取ったという。アメリカの開発会社ではあるが,「ゲームに対するビジョンが同じで,意思の疎通がしやすかった。日本の開発会社でも,ここまで共通認識がしっかりできるところは少ない」と語るほど,共同開発はスムーズに進んだそうだ。
当初からパブリッシャやプラットフォームは決まっていなかったが,まずMicrosoftに話を持ち込んだところ,すぐに承認されて「ReCore」の開発が本格的にスタートしたという。
作業分担としては,ストーリーやキャラクター,世界設定をcomcept,ゲームデザインとプログラムをArmature Studioが手がけることになっていたが,それぞれの分野に対して互いに意見を出し合って開発は進められたそうだ。
稲船氏がみずから,E3やgamescomで「ReCore」をプレゼンしてきた感触については「アメリカでやヨーロッパでは,アートがすごく評価された」。comceptがデザインし,それをArmature Studioがフィニッシュした結果,日米のセンスが絶妙なバランスのグラフィックスとなり,これが欧米では新鮮なアートとして受け入れられたそうだ。
開発期間については,「構想も含めて3年程度。この規模のゲームからすると,短いほうだと思う」とのこと。そのため,当初の大きな構想から一部を切り出し,ストーリーやゲーム内容に至るまであちこちを削ぎ落としたという。
コアボットもたくさん用意したかったそうだが,「ゲームとして最低5体は必要」という判断から現在の仕様になった。今後,続編を制作できる機会があれば,さらなるアイデアを投入したいとのことである。
ただ,「開発期間の短さが結果的にうまくいった」と稲船氏は振り返る。当初はバトルシステムがかなり複雑だったというが,エッセンスを抽出してできるだけ分かりやすく,それでいて簡単すぎないように調整した結果,「ReCore」ならではの特徴的なものを作り上げることができたという。
そうした部分を踏まえたうえで,稲船氏は「でも,あとちょっとでいいから開発期間が欲しかった」と語る。また,日本語テキストなどの細かい部分で監修しきれなかったところもあったとのこと。
それでも,稲船氏は「『あれ,意外と面白いぞ!』って感じてもらえるんじゃないかと思う」と自信を見せた。「日本人クリエイターがしっかり関わって作っているので,いい意味での意外性を楽しんでほしい」とも語っており,意欲的な完全新規IPとして応援したい1本と言えるだろう。
「ReCore」公式サイト
「Forza Horizon 3」
9月29日発売予定
まず,新たな舞台としてオーストラリア大陸が選ばれた理由を尋ねると,候補地はいくつかあり,それぞれロケハンを行ったそうだが,オーストラリアの多様性が「Forza Horizon」のゲーム性に最も合っていたという。海があり,砂漠があり,ジャングルがあり,湿地帯があり,都市があり……と,これまで以上にバラエティに富んだコースを作れることが決め手になったとのことだ。
「空がとにかくキレイだった」ことも重要だったという。レースゲームの場合,画面の半分には空が表示されている。そのため,「空をどう表現するかは非常に大事」(Bishop氏)なのである。ゲーム内には,現地で撮影した空の写真が取り込まれており,美しい景観が楽しめるようになっている。
また,「オークションハウス」と「ストアフロント」の復活も,シリーズファンには嬉しいニュースだろう。これらはクルマやチューニング情報をほかのプレイヤーに譲る機能だ。
さらに忘れてはいけないのが,Xbox One向け「Forza」シリーズから搭載された「Drivatar(ドライバター)」の存在だ。「Forza Motorsport 5」以降,それぞれのプレイヤーのデータがクラウドサーバーに保存されており,その蓄積された走行データからクセを解析して,遊べば遊ぶほどそのプレイヤーの走り方をするAIドライバーが誕生する機能である。
具体的には,ブレーキングやアクセルワーク,ハンドリングのタイミングなどが細かく解析されるとのこと。プレイヤーが「Forza」シリーズをプレイする時間に比例して,Drivatarは本物に近づいていく。あらためてみると,トンでもない仕組みを思いついたものだ。
筆者は「レースゲームは,ハードウェアのスペックをフルに引き出す役割も担っている」と思っているのだが,その点をBishop氏に尋ねてみると「それはもちろん意識している」との回答を得た。とくにPC版はDirectX 12対応,4K対応,HDR対応といった,Microsoftの最新技術が積極的に取り入れられている。「Forza Motorsport 6: Apex」を無料で配信しているのも,DirectX 12の素晴らしさをアピールするためだという。
「そんなレースゲームの魅力を多くの日本のファンに感じてほしい」というBishop氏からのメッセージを以下に掲載しよう。
「『Forza』シリーズのために世界中を回っていますが,日本は車文化が盛んで熱い国だという認識があります。日本ではカスタマイズされた車がたくさん走っています。そんな国民性であれば,多くの人に「Forza Horizon 3」を楽しんでもらえると思います。日本車もたくさん登場しますので,ぜひプレイしてください」
「Forza Horizon 3」公式サイト
「Dead Rising 4」
Xbox One版:12月8日発売予定,PC版:発売日未定
そのぶん,使用時間は2分と短いのだが,EXOスーツを着ているときだけ使用できる武器を組み合わせて,どんどん強化していくことも可能だ。新たなゲームエンジンのおかげで,数千体のゾンビが画面を覆い尽くすとあって,派手でハチャメチャな攻撃は無類の気持ち良さが味わえる。
フォトジャーナリストであるフランクが主人公ならば,当然カメラも復活。しかも,ただ写真を撮影するだけでなく,ナイトビジョンやスペクトラムアナライザといったエフェクトで謎解きに挑んだり,ゾンビと一緒にセルフィー(自撮り)したりと,さまざまな要素が追加された。
さらに,Airhart氏によると「アイテム管理や切り替えの操作に不満を感じている人が多かったので,できるだけスムーズにした」とのこと。遠距離用,近距離用,投擲用という3つの武器を同時に装備でき,瞬時に切り替えられるようになっている。
また,マップ上に置いた状態でコンボ武器を作成可能になるなど,細かい部分でも遊びやすさを追求している。
何より驚いたのは,「より多くのファンに遊んでほしかったので,今回は思い切って日本語音声を収録しました」(Airhart氏)という点だ。これまでのシリーズ作品は英語音声/日本語字幕だったので,まさか日本語音声に対応するとは予想外だった。声優については後日発表されるそうなので,楽しみにしたい。
なお,残虐表現に関しては「一部のフィニッシュムーブなど,多少の修正が入ります。ただ,大幅な修正はありません。前作『Dead Rising 3』程度になりそうです」(Airhart氏)とのこと。こちらも問題なく,開発作業は進んでいるようだ。
最後に,Airhart氏は「フランクの復活,日本語ボイス収録,ぜひ遊んでもらって,感想を聞かせてください」とメッセージを送ってくれた。発売まで少し待たなくてはならないが,かなり注目したい1本と言える。
「Dead Rising 4」公式サイト
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