プレイレポート
「Dead Rising 4」プレイレポート。求められるものをすべて詰め込み,より洗練させたシリーズの総決算
2016年12月8日,日本マイクロソフトから人気ゾンビパラダイスアクションシリーズの最新作「Dead Rising 4」(PC / Xbox One)が発売された。
ゾンビだらけのショッピングモールが世界一似合う男,フランク=ウェストが主人公に返り咲き。しかも,舞台は第1作と同じくコロラド州ウィラメッテの街というのだから,シリーズファンにはたまらないはず。そんな本作のプレイレポートを掲載する。
「Dead Rising 4」公式サイト
Dead Risingシリーズと言えば,箱庭となったショッピングモールや街中にはびこる無数のゾンビを相手に,好き勝手に暴れ回れる自由度がウリだ。第1作はショッピングモールが舞台となっていたが,第2作以降は街にも進出。第3作ではエリア移動がシームレスになり,着実に進化を重ねてきた。
「Dead Rising 4」はショッピングモールに始まり,街中へもシームレスに移動できるようになっている。屋外ではさまざまな車両に乗ってゾンビ達を蹴散らし,好きなときにショッピングモールに戻れるというわけで,まさにシリーズの集大成といったところだ。
「無数のゾンビ」については,前作でも尋常ではない数だったが,それをさらに上回っているように見える。道路が完全にゾンビ達の歩行者天国と化しており,その密度は日曜の原宿・竹下通り。ほぼすべての道路がこんな状態なので,「街の人口を軽くオーバーしているのでは?」という気もするが,ブラックフライデーセールで隣町からも客が来ていたと考えれば納得できる。
ちなみに前作では「100,004体」のゾンビを倒す実績が存在したが,「Dead Rising 4」にはその2倍となる「200,008体」のゾンビを倒す実績も用意されている。つまり,「街の人口が……」とか考えてる暇があったら,さっさと芝刈り機でゾンビを倒しまくれってこと。
フランクさんはフォトジャーナリスト!
「やっぱり『Dead Rising』には写真がないと……」という皆様,お待たせしました。さまざまなテーマに沿った写真を撮影する「フォト トライアル」の充実をはじめ,「Dead Rising 4」ではフランク自身の顔をフォトフレーム内に収める“自撮り”が可能になった。
さらにゾンビに気付かれていない状態で背後から忍び寄ると,一撃で倒すことができるのだが,これをカメラを構えた状態で行うと,フランクとゾンビがじゃれ合っているかのような写真を撮れるのだ。
しかも,フランクのカメラには暗視モードに加えて,「スペクトラム アナライザー」というフィルターが新機能として搭載されている。これで指紋をスキャンすれば,パスコード装置の解錠も可能だ。
ストーリーモードでは部屋の中で必要な手がかりを発見する調査パートが存在し,カメラを駆使して,ゾンビの研究に関するものや次に目指すべき場所へのヒントなどを調べていくことになる。
街の住宅には「パニックルーム」と呼ばれる緊急避難部屋が設置されていることがある。ただし,これらの入り口は分からないようになっているので,通常は入れない。
そこで,床に残っている“何かの痕跡”を見つけたり,部屋の間取りから“何かありそうなスペース”を推測したりして,スペクトラム アナライザーで手がかりを探すのだ。
コミカル&高威力のコンボ武器とコスチューム
シリーズを重ねるごとにエスカレートしている武器のバリエーションだが,「Dead Rising 4」でも愉快にゾンビ達を蹴散らすべく,ユニークな武器が多数登場する。もちろん,武器と武器を組み合わせて独創的なコンボ武器も作成可能だ。
いい歳したおっさんが着ぐるみに入ったり,何を勘違いしたのか女装したりと,どう見ても変質者のように振る舞えるのも魅力の一つ。「Dead Rising 4」は,そっち方面でも期待を裏切らない。
「Dead Rising 4」の新要素の中でも,とくに注目してほしいのが「エキゾ スーツ」だ。まるで宇宙戦争に臨むかのようなスーツに身を包み,数々のダイナミックな武器でゾンビ達を蹂躙できる。エキゾ スーツの着用可能時間にはリミットが設けられているが,そのケタ違いの火力によって,完全にボーナスタイムとなるのだ。
ゾンビも進化。一筋縄ではいかない新たな強敵達
昨今,ゲームに登場するゾンビの移動速度が上がっているようだが,ついに「Dead Rising 4」では目視では追い切れないほどに俊敏なゾンビが登場する。また,目が赤くて攻撃力と耐久力が増加した「なりたてゾンビ」の存在も脅威だ。こいつらを見つけたら,早めに倒してしまいたい。
というのも,無数のゾンビが迷彩の役割を果たし,“進化型ゾンビ”の出現に気づかないことがあるのだ。雑草を刈るようにゾンビを倒していると,群れに紛れて進化型ゾンビの接近を許してしまうことも多い。かなり危険な状態なので,油断は禁物だ。
ゾンビだけでなく,敵対組織「Obscuris」に所属する人間と戦う機会も多い。彼らは複数で登場し,容赦なく銃を撃ちまくってくるため,ぼーっとしていると蜂の巣にされてしまう。
そんなとき,ゾンビは逆に利用したい存在だ。Obscurisとゾンビは手を組んでいるわけではないので,Obscurisの兵士がゾンビに囲まれている場面を目撃することも珍しくない。フランクにとってはラッキーな状況なので,生暖かい目で見守りながら,消耗していくのを待ちたい。
前作までの「サイコパス」に相当する強敵は,「Dead Rising 4」では「マニアック」と呼ばれる。マニアックはゾンビ達と戦っている最中に遭遇することもあり,その時点で体力が半分近くになっていることも。まるで「ゾンビの有効活用」を促されているようだ。
より洗練され,爽快感が高まったシリーズの総決算
コンボ武器や設計図探し,スキルポイントによる成長要素,オープンワールドとシームレスなエリア移動。ナンバリングを重ねるごとに追加されてきた新要素はほぼそのままで,「Dead Rising 4」はシリーズファンが求めるものを網羅している印象だ。
また,前作まではボス戦でリトライを繰り返すことも多かったが,今回はとにかくサクサク進められた。街中でゾンビの大群に車で突っ込んでいくときも,前作ではゾンビがブレーキの役目を果たし,蹴散らしながら疾走する爽快感が得にくかったが,「Dead Rising 4」ではあまりスピード感が損なわれず,スムーズに轢き殺せるように感じられた。
しかし,「スムーズに轢き殺せる」ってヒドイ表現だ。
ストーリーモードのクリアに要する時間は,おそらく10〜15時間程度だろう。しかし,収集要素のコンプリートや実績の解除を目指すならば,その倍の時間を費やすことになる。
クリア後はデータを引き継いで,好きな章をやり直せるうえ,クリア特典も存在する。クリアしてからが,本当の始まりと言えるかもしれない。
街をさまよい,住宅に侵入してアイテムを探し,生存者が助けを求めていたら芝刈り機を持って暴れ回る。もはや「どっちが危険人物?」という有り様だが,こうしたカオスなやりたい放題こそ,Dead Risingシリーズの真骨頂である。
前作でも好評だった最大4人でのCo-opモードも搭載し,マルチプレイ限定のスキルも用意されている。オンラインでも賑うに違いない。
シリーズ第4作ということで,「前作を遊んでいないとストーリーが分からないのでは?」と不安に感じている人もいるだろう。その点はご安心を。「主人公のフランクさんは,以前にもこんなゾンビ騒動に巻き込まれたらしい」ということを知っていれば,まったく問題ない。
シリーズ初となる全編日本語吹き替えを実現しているので,つねに字幕を追わなくてもいいという気楽さもある。よくしゃべるフランクさんの軽口を楽しみつつ,ひたすらゾンビを蹴散らすことだけを考えるのが,正解だと思う。
クリスマスの予定がある人もない人も,あるはずだったのになくなっちゃった人も,「サンタクロースの服はなぜ赤い? それはね……返り血を浴びたからだよ! ヒャッハー!」とか叫びながら,思う存分ゾンビ狩りに精を出してほしい。
「Dead Rising 4」公式サイト
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