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[E3 2016]「Forza Horizon 3」セッション&プレイレポート。シリーズ最高のグラフィックス表現やソーシャル機能に注目
今回4Gamerでは,E3会場で実施された本作のプレスブリーフィングに参加できたので,その模様をお伝えしよう。また,試遊台のインプレッションも後半に掲載しているので合わせて目を通してほしい。
「Forza Horizon 3」公式サイト
新たな舞台はオーストラリア。シリーズ最高峰のグラフィックスに注目
すでに発表されているとおり,FH3の舞台はオーストラリア大陸だ。ちなみにオーストラリアのコンシューマゲーム市場は,Xbox Oneのほぼ圧勝状態となっている。このあたりがオーストラリアを舞台に設定した理由なのか,という質問をPenrose氏にぶつけてみたところ,笑顔で「違う」と否定されてしまった。
なぜオーストラリアなのか。それは,美しい景観や広大な大地,バリエーション豊かな自然環境といった特徴が,オープンワールド型レーシングゲームであるFH3にハマったためとのことだ。
余談だが,お隣のニュージーランドはPlayStation圧勝の国であり,このコントラストは面白い。
※6月21日追記
文中の「オーストラリアのコンシューマゲーム市場は,Xbox Oneのほぼ圧勝状態」という表記に関し,複数の問い合わせを受けました。著者に確認したところ「同席したオセアニア地区の記者の話」とのことで,客観的な資料や数値に基づいた記述ではないと判断し,ここに追記し,お詫び申し上げます。
さて,FH3はシリーズ最大級のゲーム世界がウリになっている。その規模たるや,前作「Forza Horizon 2」の2倍。キャンペーンモードの想定プレイ時間は100時間超というから,なかなかの規模である。
オーストラリアの熱帯雨林地帯から海岸地帯までを取材し,そのデータを元に膨大なゲーム世界を世界を構築しているとのことだが,とくに力を入れたのが,オーストラリア独特の変幻自在な表情を見せる空模様とのこと。晴天,曇天,雨天といった変化をシームレスに表現する天候システムを構築したという。雲のレンダリングにもこだわり,空模様をテクスチャとして貼り付けただけのスカイボックスではなく,プロシージャル的なアプローチでレンダリングしているそうだ。
太陽は,当然ながらハイダイナミックレンジ(HDR)光源として設定されており,主役となる車だけでなく,路面や草木,水面,泥地,砂地といったすべてのマテリアルが物理ベースのシェーディングで再現されている。
FH3はオープンワールドであるため,太陽の移り変わりによる昼夜表現システムも実装。ライティング条件がどういう状況になっても,ゲーム世界のマテリアル達は現実世界のそれと同様の表情を見せるわけである。
なお,E3開幕直前に行われたMicrosoftのプレスカンファレンスでは,「FH3はHDR出力に対応する」と発表されていたが,E3会場の出展バージョンでは,その機能は未実装であるとのことだった。
またPenrose氏は,アスファルト主体の舗装道路から泥地に移動できるのは従来と同様だが,さらに砂地を経てシームレスに海岸線の浅瀬を走行できるようになったことをアピール。デモプレイとして,FH3のイメージカーである「ランボルギーニ・センテナリオ」の片輪を海辺に浸しながら疾走する様子を披露してくれた。
ちなみに,このセンテナリオ。ランボルギーニ創業者の生誕100周年記念モデルで,生産台数がわずか40台という超限定モデルである。日本円に換算すると2億円超の価格ながら,すでに完売済み。そんな希少車で海岸線を走れるのは,確かにゲームならではの体験だ。
「シリーズ最高のソーシャルゲームを目指した」
FH3のソーシャル機能を解説するにあたり,Penrose氏は「FHシリーズ最高のソーシャルゲームを目指した」と語った。
FH3では,マップ内に点在するレースイベントスポットにおいて,プレイヤーが自由にレーストーナメントを企画できる「ブループリント」と呼ばれる機能が搭載されている。もちろん,レースのレギュレーションや使用車種などは細かく設定できる。また,フレンドが企画したレースイベントは,Xbox Liveを介してプレイヤーのマップに反映されていくそうだ。
Penrose氏はゲーム内の実績(Bucket List)がフレンド達と競えることにも言及した。たとえば,車を猛スピードで崖から飛び出させると「ジャンプ飛距離」の実績が計測される。これがフレンドの記録を上回ると,その旨を知らせるメッセージが画面に出現し,しばらくしてフレンドにこのメッセージを送るか否かの選択肢も現れる。
つまり「Aさんの記録がBさんに破られました」というメッセージを,フレンド達に通知できるというわけ。これは仲間内での競争心が一層かき立てられそうだ。
続いて,「Drivatar(ドライバター)」システムに話題は移った。
ドライバターとはForzaシリーズ特有の要素で,プレイヤーの運転特性を学習して構築されるAIドライバーのことである。従来のFHシリーズでは,フレンドの分身であるドライバターが敵車として出現したが,FH3では仲間として雇えるようになったという。
協力プレイのミッションでは,仲間のドライバターと一緒にプレイでき,通常のオンラインプレイと同様に実績がクリアできるというから興味深い。
Penrose氏は「デキの悪いドライバターは,どんどんクビにしちゃうといいよ」と笑いを取っていたが,親しいフレンド(の分身)を雇って仲間にしたり,あるいはクビにしたりするのは,自分がチームリーダーになったようで楽しそうだ。なお,1人のプレイヤーが雇えるドライバターは4人まで。
また,FH3ではプレイヤーがゲーム内でコンテンツを制作して,ゲームプレイを盛り立てる要素も強化された。自車をチューニングしたり,エアロパーツを調整したり,バイナルグラフィックスを貼ったりと,性能や見た目を自在にカスタマイズできるが,それだけでなく,自前のコンテンツをゲーム内のオークションに出品できるようになったという。もちろん,欲しいコンテンツがあればゲーム内クレジットで購入できる仕組みだ。
頻繁にカスタムカーを売りに出したい人には,「ストアフロント」と呼ばれる自分のブランドを設定して,オンライン上に公開できるシステムまで用意されている。いわば,FH3のゲーム内でオリジナルブランドのチューニングショップを営むような体験が楽しめるというわけだ。
Penrose氏の言うように,FH3のオンラインソーシャル要素はかなり力が入っていると言えるだろう。
試遊版のインプレッション
どちらの試遊台も選べるゲームモードは同じで,通常のロードレース,海岸線を爆走するレース,ドリフトチャレンジ,オフロードレースが連続でプレイできた。
マシンのグラフィックスはもちろんだが,本作は背景が実に美しい。とくに夕日が沈む時間帯の海岸線は見応えがある。FH3は「Xbox Play Anywhere」に対応しているので(関連記事),「PC版はもっと美しいのかな」と思ってしまったりもするわけだが。
一方,オフロードレースは濃くて青い,いかにもオーストラリアといった風情の空をバックに,鬱蒼と茂る草木を掻き分けていくようなコースだった。これがHDR出力/広色域出力となったら,さぞかし美しく見えることだろう。
ドライブフィールには,従来のシリーズ作品から大きく変わった様子はなく,ややアーケードレーシングゲーム寄りといったところ。ゲームパッドでプレイした限りでは,ブレーキオンを多用するより,アクセルオフの前荷重移動からのターンイン,続く空走状態からの緩やかなアクセルコントロールとステアリングコントロールで曲がっていけるタイプのゲーム性だ。終始,気持ちよく走れた。
障害物に当たったり,コースアウトしたりしたときに,時間を巻き戻してなかったことにできる「リワインド」システムも健在だ。
オープンワールド型レースゲームが好きな人はもちろん,HDR対応4Kテレビを持っているが持て余している人も,ぜひFH3に注目してほしい。HDR出力はPC版だけでなく,Xbox One Sでも対応予定だ。Xbox One S版は4Kアップスケーリングに対応とのことなので,とにかく期待大である。
「Forza Horizon 3」公式サイト
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(C)2016 Microsoft. All rights reserved. Playground Games logo trademark of Playground Games.
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