プレイレポート
[E3 2016]「Sea of Thieves」はどんなゲーム? プレイアブルデモと開発者の言葉から探ってみた
E3 2015での発表時はシリアスな海賊モノアクションアドベンチャーといった雰囲気だった本作だが,一年ほどの沈黙を経て公開されたE3 2016のゲームプレイムービーは,5人のキャラクターが帆船に乗りこんでハチャメチャなアクションを繰り広げるというものだった。
そんな「Sea of Thieves」のプレイアブルデモを触ってきたので,そのプレイレポートをお届けしよう。記事の後半に開発者へのインタビューも掲載しているので,そちらも確認してほしい。
今回のプレイは,筆者を含む参加者たちが,ボイスチャットで担当者にガイドされる形で進んでいった。
ゲームはとある島からスタートするのだが,酒場のテーブルに飛び乗ったり,音楽を奏でたりと,初っぱなから自由なスタイルで楽しめる。酒を飲むとしばらくふらついて真っすぐ歩けなくなるといった要素もあって,おふざけ感が強い。
そんな感じで好き勝手やりながら海岸に向かうと,接岸されている帆船を発見。皆で乗り込み,操舵席に陣取ってみたり,協力して帆を上げたりして,なんとか船を出航させた。
すると,ブースの反対側に陣取っていた別の5人組が乗り込む船と遭遇し,戦闘が始まった。1人が舵を取って,残りの4人は甲板に並べられた大砲を使って相手を攻撃する(相手も大砲で攻撃してくる)。船体が平行になるよう近づき,タイミングを見計らって撃たないと当たらないが,これは海賊モノのアクションゲームやストラテジーゲームでよく見られるメカニックだ。
戦闘のさなか,デモ担当者の言われるがままに船内へ移動すると,相手の攻撃によって船体は穴だらけになっており,キャラクターの胸のあたりまで浸水してしまっている。近くにあった板を皆で打ち付けて,なんとか浸水を食い止めようとするものの,結局船は横倒しになり,海の藻屑に。船をなくしてしまったプレイヤーキャラクターたちが海に浮かんだままデモは終了した。
「Sea of Thieves」デザインディレクター
グレッグ・マイレス氏ミニインタビュー
プレイアブルデモの体験後,筆者はデモブースにいた本作のデザインディレクター,Gregg Mayles(グレッグ・マイレス)氏に話を聞くことができた。
4Gamer:
「Sea of Thieves」は,プレイアブルデモのような“海賊ごっこ”をするゲームなのでしょうか。
Gress Mayles(以下,マイレス氏):
いえ,今回お見せしたのは一部分だけです。5人が帆船に乗り込むというチームプレイの要素がプレイアブルデモに向いていると判断しました。実際には,別の島に行って宝物を探したり,沈没船のある場所を探検したり,秘境を見つけたり,他の港で交易したりと,いろんなことができるようになっています。
4Gamer:
海に住む怪物としては定番となっている,クラーケンと戦うこともできますか。
マイレス氏:
昨年公開したアナウンストレイラーで,岩の上に描かれていたのがクラーケンです。今回もスクリーンショットを公開しているのでご覧になってください。もちろんスケルトンやゴースト,マーメイド,そしてサメやクジラなどの海賊の世界観にマッチするクリーチャーは登場します。他のグループと協力して狩りを行うのも可能であると思っていただいて,間違いではないですね。
4Gamer:
先ほどプレイしましたが,帆を上げると前が見えなくなるし,大砲から出る煙でも視界がなくなるので,なかなか大変でした。
マイレス氏:
帆の場合は,操縦役と物見役のプレイヤーがコミュニケーションを取って船を動かすというチームプレイを大事にしているのです。戦闘するときは帆を下ろして,スピードを出さないようにするといったことも必要でしょう。
大砲の煙も同じことで,「もう一度撃て」とか「甲板の反対に移動しろ」といった指示を受けての協力プレイが勝敗に大きな影響を与えます。
4Gamer:
さまざまなグループや海賊団と戦っていくようなMMOゲームになるのでしょうか。
マイレス氏:
いえ,MMOゲームではありません。本作のコンセプトは「Shared World」というもので,ほかのグループとの出会いが非常に“特別なイベント”になるはずです。必ずしも敵対的に接するのではなく,お互いにバカなことをし合ったり,交易などを行ったりと,友好的なプレイも楽しめます。
4Gamer:
今回プレイした帆船は,プレイヤーキャラクターの誰かの持ち物なのですか。
マイレス氏:
デモとして用意したものなので,帆船の所有者は設定されていませんし,実際のところ,本作でプレイヤーがどのようにして船を入手するのかはまだ検討している部分なのです。
1人乗りから5人乗りまで,さまざまなタイプを用意する予定ですが,購入するのか,アンロックされていくのか,それともクエストなどで手に入るのか……は決めていません。
最終的には,保有している船から,用途や参加メンバーの人数に最適なものを選んで出発したり,船をアップグレードしたりといった楽しみを加えるつもりなんですけどね。
4Gamer:
船が沈没してしまうと,その中の持ち物はすべてなくなるのですか。
マイレス氏:
そのあたりはβテスターの意見を聞いて,緊張感がありつつ,理不尽さを感じさせないところを探っていきたいと思います。
4Gamer:
1人でもプレイできるのでしょうか。
マイレス氏:
はい,そうする予定です。
4Gamer:
ゲーム世界で名を馳せると,二つ名が付いたりしますか。
マイレス氏:
それは面白いアイデアですね。検討しておきます。
4Gamer:
ゲームのビジネスモデルは?
マイレス氏:
Free-to-Playではありません。まずXbox Preview Programでアーリーアクセス版をリリースして,ゲーマーの意見を取り入れながら徐々に成長させていきたいと思っているので,一人でも多くの皆さんに協力していただきたいですね。発売は2017年第1四半期の予定です。
4Gamer:
ありがとうございました。
マイレス氏からは“プレイヤーの意見を聞く”というコメントが何回か聞けたが,実際「Sea of Thieves」は,「ファンと一緒に作っていくゲーム」というコンセプトになっているようで,まだゲームとしてほとんど作り込まれていない雰囲気だった。しかし,プレイしている人の反応はなかなか良さそうで,日本向けの情報こそないが,ここからどのように成長していくのか,注視したいゲームと言えそうだ。
「Sea of Thieves」公式サイト
- 関連タイトル:
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