スクウェア・エニックスから2017年7月13日に発売予定のPlayStation 4用ソフト「
FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE」(ファイナルファンタジー トウェルブ ザ ゾディアック エイジ)。
本作は,ナンバリングタイトル第12作「
FINAL FANTASY XII」(PS2)のインターナショナル版に新要素を加え,2007年8月に発売された「
FFXII INTERNATIONAL ZODIAC JOB SYSTEM」(PS2,以下「FFXII ZJS」)をベースに,現在のプラットフォームに合わせた“進化”を遂げているタイトルだ。
以前
「こちら」の記事でお伝えしたように,背景やキャラクターモデル,ムービーシーンなどの高解像度化や映像演出の追加をはじめ,BGMはオリジナルに加え全曲を再録した“新録盤”を収録。さらにはゲームデザインの再構築をうたうなど,リマスターの枠を超えたと言っても過言ではないほどのこだわりでリメイクされている。
現在公開されているトレイラーを見れば,そのクオリティの一端を感じ取れると思うので,まだ見ていないという人は視聴してみてほしい。
本稿では,本作の世界観とストーリー,キャラクター育成要素の「ライセンス」,時間と距離がバトルの行動すべてに影響する「ADB」(アクティブ・ディメンション・バトル),仲間の行動を細かく設定できる「ガンビット」などを紹介しよう。
物語の舞台となる世界「イヴァリース」とそこに住む人々,そしてヴァンやアーシェら主要なキャラクター達については,以下に引用したリリース資料を参照してほしい。とくに,高解像度のスクリーンショットに登場するキャラクター達には注目だ。
(1)世界観&ストーリー
▼イヴァリース――物語の舞台
“まだ魔法があたりまえのように存在し、天かける飛空艇が大空を埋めていた時代の物語。 ”
『イヴァリース』とは、巨大な飛空艇がゆく大空のもとに広がる、剣と魔法の大地です。
摩天楼がそびえる大都市が繁栄を極める一方、いくつもの国々が戦火に滅んだ激動の時代であり、自由のために戦う者と、義務であるがゆえに戦う者たちの、希望と野望が渦巻く世界です。
▼魔石と破魔石
イヴァリースには『ミスト』と呼ばれる霊的なエネルギーが遍在しています。
ミストは魔法の源になるほか、濃密なミストによって生物が変容し、魔物と化すこともあります。ミストを含んだ鉱物は「魔石」と呼ばれ、物理的なエネルギーを生み出す原動力として活用されています。
たとえば飛空艇は、魔石によって駆動する機関で浮力を得て飛んでいます。
魔石とは、含有したミストを消費してエネルギーを生み出すものですが性質の異なる特殊な魔石の伝承も残っています。
「破魔石」と呼ばれるそれはミストを吸収して蓄える力があり、年月をかけて蓄積したミストを解き放てば凄まじい力を発揮するといわれますが、あくまで伝説上の存在であり、その実在を信じる者は多くはありません。
▼イヴァリースの国々
■ダルマスカ王国/王都ラバナスタ
旧ダルマスカ王国の首都。
かつてイヴァリース全域を平定し、戦乱の時代を終わらせた覇王レイスウォールの系譜を受け継ぐダルマスカ王国でしたが、2年前、新興の覇権国家アルケイディス帝国の侵攻により滅ぼされ、王家の血統は絶えたとされています。
帝国の占領下で庶民は住居を追われ、地下のダウンタウンに強制移住を強いられましたが、人々は旧ダルマスカ国民としての誇りを失っておらず、帝国への抵抗を試みる者たちもいます。
■空中都市ビュエルバ
空に浮かぶ島に築かれた街。空中都市であるがゆえに、地上の戦乱とは一定の距離を保っている中立国です。
歴史上ダルマスカ王国とは友好的な関係でしたが、2年前の戦争でダルマスカが帝国に敗れた際、領主オンドール侯爵は帝国寄りの立場で早期終戦をまとめたため、中立国といえども実際にはなんらかの事情で
帝国の意向に従ったものと見られています。
■アルケイディア帝国/帝都アルケイディス
イヴァリース東方に覇を唱える軍事大国、アルケイディア帝国の首都。
ダルマスカ王家の祖となった覇王レイスウォールの時代には辺境の都市国家に過ぎませんでしたが、帝政下で急速な発展を遂げ、ダルマスカ王国を遥かに凌ぐ経済力と軍事力とで近隣諸国をのみこみつつあります。
西方のロザリア帝国とは200年近くも敵対関係にあり、ダルマスカ王国への侵攻は対ロザリア決戦の前哨戦だと推測されています。覇王がもたらした平和な時代に発展した国が、皮肉にも戦乱の火種となり覇権争いを繰り広げています。
■ロザリア帝国
東方のアルケイディア帝国と対立する西方の軍事大国。
アルケイディア帝国を攻撃する足がかりとして、東方への進出を狙っていましたが、2年前の戦争で勝利したアルケイディアによってダルマスカを抑えられ、機先を制されてしまいました。
しかしいまなお進攻をあきらめてはおらず。ひそかに工作員や資金を投入するなどして、対アルケイディア戦の機をうかがっています。
▼この世界を形づくる様々な種族達
イヴァリースには、ヒュムをはじめとした様々な種族の人類が存在します。
それぞれの外見や思考、文化は種族によって大きく異なり、社会的な対立がないわけではありませんが、イヴァリースは彼らの共通の故郷となっています。
■ヒュム族
イヴァリースの人類で、最多数を占める種族です。旺盛な探究心で勢力圏を広げたヒュムは、他種族と衝突することもありますが、イヴァリースにおける人類の領域を大きく開拓してきました。
■ヴィエラ族
森の民と呼ばれる種族で、美しい銀髪と長い耳が特徴です。きわめて長命なことから他種族とは人生観が異なるらしく、森にこもり他種族との交流は好まない者が多いですが、ヴィエラにはない価値観と自由に魅了されて、森をあとにする者もいます。
■モーグリ族
ふわふわの柔毛をまとった小柄な種族で、小さな翼で飛び、頭のポンポンが特徴的な種族です。手が小さい上に器用なので、細かい作業が得意で、飛行艇などの機械に精通した機工士として活躍する者もいます。
■バンガ族
爬虫類のような容貌の、鱗ある種族です。ヒュムとは外見こそ大きく異なりますが、気質や文化では共通点が多く、ヒュムとは兄弟のように通じ合える種族といえます。誇り高い種族なので、トカゲ呼ばわりされると激昂します。
■シーク族
ほぼヒュムと同じ身長ですが、体重は大きく上回っています。しかし肥え太ったかに見えるその体躯は強靭な筋肉の塊であり、鈍重どころか極めて高い身体能力を秘めた恐るべき戦士です。
※その他にも、力強く心優しい「ガリフ族」や、砂の海に巣食って旅人を襲う「ウルタン・エンサ族」、霊的能力にすぐれた「ン・モゥ族」など様々な種族が存在します。
▼各キャラクター
空に自由を描く少年 ―― ヴァン
■Vaan
17 / Hum race
旧ダルマスカ王国のダウンタウンで暮らす少年です。
自由な空賊にあこがれて明るく前向きに振る舞いますが、その心には戦争で失った家族への想いが影を落としています。
全てを失った王女 ――アーシェ
■Ashe
19 / Hum race
ダルマスカ王の一人娘にして唯一の王位継承者です。
表向きは2年前、敗戦の混乱のさなか自害したとされていますが、実は正体を隠して生き延びており、祖国の再興をめざして解放軍を率いています。
過去に背を向けた空賊――バルフレア
■Balflear
22 / Hum race
飛空艇シュトラールを駆る空賊です。
どれほどの報酬を積まれても興味がなければ動かない気まぐれな自由人ですが、過去のとある因縁と確執に囚われている一面もあります。
戦乱をみつめる健気な少女――パンネロ
■Penelo
16 / Hum race
ヴァンの幼馴染です。
先の戦乱で家族を失ったこともあり、危なっかしいヴァンを常に案じています。国々を揺るがす陰謀に巻きこまれても自分を見失わない、しなやかな健気さを持っています。
森を捨てて空をゆくヴィエラ――フラン
■Fran
Unknown / Viera race
森の民ヴィエラでありながら故郷を捨てて空賊となった、バルフレアの相棒です。
その物静かな振るまいが神秘的ですらある彼女ですが、過去を捨ててまで得た自由を守ろうとする強い意志と覚悟を秘めています。
忠義の騎士、そして裏切りものと呼ばれた男 ――バッシュ
■Basch
36 / Hum race
かつて勇名を馳せた旧ダルマスカ王国の将軍です。
勇将であるがゆえに2年前の敗戦を認めず、国王を暗殺してまで戦争を続けようとした反逆者として、処刑されたことになっていますが、実は生かされており、牢獄の奥深くに幽閉されています。
覇道を征く兄――ヴェイン・カルダス・ソリドール
■Vayne
27 / Hum race
アルケイディア帝国皇帝グラミスの息子です。
その軍事的才能でダルマスカ王国を攻め滅ぼした張本人ですが、有能ゆえに国内にも政敵が多いようです。
次期皇帝に最も近い人物と目されていますが、彼の最終目的は皇帝となることではなく、同志たちと遠大な理想を追い求めています。
王道を信じる弟――ラーサー・ファルナス・ソリドール
■Larsa
12 / Hum race
皇帝グラミスの息子で、ヴェインの弟です。
老獪な父と有能な兄を素直に尊敬していますが、彼もまた人々を率いるにふさわしい徳を備えた大器といえます。
その素養ゆえに帝国の権力闘争に巻き込まれていくさなかにヴァンたちと出会い、国を背負う覚悟を示します。
法の番人にして復讐者――ジャッジ・ガブラス
■Gabranth
36 / Hum race
アルケイディア帝国の法を司る騎士“ジャッジ”を率いる武人です。
法に則って秩序を律するジャッジの権限は絶大で、皇帝の代理人となって帝国軍を指揮しています。
剛勇にして知謀に長けたガブラスは、2年前の戦争で謀略の主役をつとめ、ダルマスカ王国の崩壊と敗亡を決定づけました。
本作でキャラクター達を育成する際にカギとなるのが「ライセンス」だ。これはベースになっている「FFXII ZJS」で登場したジョブシステムで,本作では,12種類のジョブから最大2つを選んでキャラクターを育てられる(
関連記事)。
なお,ライセンスを習得するためのライセンスボードだが,本作では選択した2つのジョブでリンクしていて,2つのジョブに共通したライセンスを習得した場合は両方のボードでライセンスが習得済みとなるのがポイントだ。
本来は,習得済みのライセンスに隣接したものを選んで順に増やしていくのだが,“飛び地”ができた場合は,そこから展開することもできる。そのため,有用なライセンスを早いタイミングで習得できる(かもしれない)のである。
ここでは,ヴァンを「ナイト+赤魔戦士」,アーチェを「黒魔道士+白魔道士」,バッシュを「もののふ+ブレイカー」として育てたスクリーンショットを,その特徴を紹介しているリリース資料の引用と合わせて紹介しておこう。
(2)キャラクター育成(ライセンス)
『ライセンス』とは、戦いで必要なあらゆる技術に用意されている資格のことです。全ての武器や防具、魔法やわざなどは、それらに対応するライセンスを習得することで使用できるようになります。
ライセンスはライセンスボード上から『ライセンスポイント(以下LP)』と引き換えに習得することができます。LPとは、敵を倒すことで経験値とともに入手することができるポイントです。
▼ライセンスの種類
ライセンスには様々な種類があり、プレイヤーがどの資格を習得するかで自由な育成を楽しめます。
武器 |
12種類の異なる特徴を持ったものがあります。強力な近接攻撃が出来る剣や槍、距離を取って攻撃できる弓や銃、魔法の効果を高めるロッドや杖などがあります。 |
防具 |
装備することで防御力が上がるだけでなく、HPや筋力が上昇する「軽装備」「重装備」、対してMPや魔力が上昇する「魔装備」があります |
アクセサリ |
装備することで戦いを有利にする追加効果や、ステータス異常の耐性といった効果を得ることができます。 |
魔法 |
攻撃魔法を主体とする「黒魔法」や、回復を主体とする「白魔法」などをはじめ、様々な種類の魔法があります。 |
わざ |
敵の攻撃力や防御力を下げるものや、所持しているお金(ギル)で攻撃する「銭投げ」など、MPを消費せずに特殊なアクションを行えます。 |
ステータス上昇 |
最大HPアップ、「たたかう」や「魔法」の威力アップ、魔法での消費MPカットなど、習得するだけで効果が発揮されます。 |
薬の知識 |
ポーションやエーテルなどの回復量がアップしたり、万能薬の効果がより強力になります。 |
▼ライセンスの取り方
今作では12種類のジョブが用意されており選択したジョブのライセンスボードの中でライセンスを習得していきます。さらに最大2種類のジョブを選択できるため、一人のキャラクターがライセンスボードを同時に二つ持つことが可能です。
そのため、どのジョブを選択するか、どのライセンスをどの順で習得するかでキャラクターの育ち方が大きく変わります。
■ライセンスの習得順
ライセンスは全てが最初から選択可能というわけではなく、習得したものと隣り合ったライセンスが順に習得可能になります。最優先で習得したいライセンスがあれば、そこまでのライセンスを一直線に習得するのも一つの手です。
ライセンスボードは互いにリンクおり、二つのライセンスボードに共通するライセンスを習得した場合、両方のライセンスボードにおいてライセンスが埋まります。これを利用すると思いがけないライセンス箇所が選択可能になることもあります。
|
|
▼キャラクターの育成例
■攻守ともに隙の無い万能戦士タイプ(ナイト+赤魔戦士)
扱いやすく攻撃力もそこそこ高い片手剣と、物理防御力を高める重装備で身を固め、攻撃から身を交わす盾も装備できるパーティーの騎士役となります。
さらに緑魔法や裏魔法を全て操ることができ、中級レベルのものであれば回復魔法と攻撃魔法も使うことが出来るまさに隙の無い万能の戦士になります。
万能の戦士に育つため、バトルメンバーとのバランスを考えながらどのライセンスを優先するかはプレイヤー次第です。
|
|
■攻撃魔法と回復魔法を同時に極めた魔道士特化タイプ(黒魔道士+白魔道士)
強力な攻撃魔法で敵を殲滅できる黒魔法と、味方のピンチを一手に挽回できる白魔法を極める、魔法のプロフェッショナルになります。
「魔法の効果アップ」などのライセンスが非常に効果的に働くため、優先的に修得するとどんどん強くなります。
強力な魔法はその効果の分だけ消費MPも膨大になっていきます。レベルアップすることでもMPは成長していきますが、「魔装備」カテゴリーの防具類を装備すればさらにMPや魔法ダメージに関わりのある魔力ステータスがアップします。魔道士を極めるなら、魔法と同時に「魔装備」類も習得すると効率的です。
|
|
■近距離戦を一手に引き受ける戦士特化タイプ(もののふ+ブレイカー)
ブレイカーの各種「わざ」により敵の攻撃力や防御力を下げつつ、強力な刀による連撃で自ら大ダメージを与えにいく近距離戦のエキスパートになります。
重装備で身を固めつつ、斧や刀などの強力な武器による攻撃を繰り出せるため、通常の戦闘からボス戦まで常に安定した力を発揮します。
攻撃方法は物理攻撃が主体なので『物理攻撃が強くなる』のライセンスは出来るだけ優先して習得することをオススメします。
|
|
本作では敵に対して何らかのアクションを行うか,敵がこちらを認識するとバトルが始まる
|
ここからは,ADBとガンビットを紹介していこう。
「FFXII」では,時間に加えて“距離”がバトルに影響する仕組みになっている。装備している武器,コマンドで選ぶ行動で有効な距離が決まるほか,キャラクターの“スピード”によってアクションを実行する速さに差が出るという感じだ。
ファイガやケアルガなど複数ターゲットが対象の呪文でも範囲距離が決まっていたり,距離が離れすぎるとアクション自体を実行できなくなったりするため,バトルを有利に進めるには,相手との間合いを戦略に組み込むことが求められるわけだ。
ガンビットとは,仲間になったキャラクターの操作を自動化できる編集機能だ。
ガンビットには,対象となる「ターゲット」に対して行う「アクション」が対になっている。ターゲットとアクションを指定した“命令”を複数用意しておくことで,仲間キャラクター達は状況に応じた行動を取るようになるわけだ。
以下にその例を引用して紹介しておくが,ガンビットをうまく編集して“教育”することで,プレイヤーが直接操作しなくても期待通りの行動を取ってくれるようになる。
ガンビットは多数用意されており,ターゲットは街のガンビット屋で購入できる。アクションは「たたかう」のほか,キャラクターが入手した魔法や技,アイテムなどを指定できる
|
●後方支援ならお任せ!回復・補助役の基本ガンビット!(白魔道士+時空魔戦士)
◇ガンビット構成
(1)戦闘不能の味方にレイズ
(2)リーダーにヘイスト
(3)HP<30%の味方にケアルラ
(4)味方一人にエスナ
ガンビットは、基本的に上に設定した行動を優先していきます。
この構成の場合では、戦闘不能の味方を最優先で復活させ、次にリーダーの行動速度を速め、攻撃や回復を潤滑にします。
またもしHPの少ない味方がいれば回復させ、HPの少ない味方がいなければ、障害ステータスを持った味方を回復させようとします。このような回復や補助のガンビットを組み込まれた味方は、プレイヤーが危機に瀕した際にもすぐに対応してくれる頼もしい存在です。
●確実に相手の弱点を突き大ダメージ!MP消費の効率が良いガンビット!(ブレイカー+黒魔道士)
◇ガンビット構成
(1)HP 100%の敵に魔防破壊
(2)雷に弱い敵にサンダガ
(3)氷に弱い敵にブリザガ
(4)風に弱い敵にエアロガ
このガンビット構成では、自動で相手の弱点に合わせた魔法を放ち大ダメージを与えることが出来ます。またHPが減っていない敵には「魔防破壊」であらかじめ魔法防御力を下げることで、弱点を突いた時のダメージをさらに高めることができます。
その都度に最も有効な属性で攻撃するため、MPの使い方が上手な、賢い魔道士となってくれます。
今回紹介する情報は以上だ。発売はしばらく先となるが,最新の技術で表現された「FFXII」の世界を体験したいと思った人は,発売日の7月13日を楽しみに待とう。