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フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜公式サイトへ
  • コーエーテクモゲームス
  • ガスト
  • 発売日:2016/11/02
  • 価格:通常版:6800円,プレミアムボックス:9800円,スペシャルコレクションボックス:1万8400円,DL版:6800円(すべて税抜)
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「フィリスのアトリエ」参加アーティストインタビュー。霜月はるか氏,なるけみちこ氏,阿部隆大氏が考える「アトリエ」らしさとは。新曲2曲の先行試聴も!
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印刷2016/07/27 00:00

インタビュー

「フィリスのアトリエ」参加アーティストインタビュー。霜月はるか氏,なるけみちこ氏,阿部隆大氏が考える「アトリエ」らしさとは。新曲2曲の先行試聴も!

 コーエーテクモゲームスが2016年9月29日に発売予定の「アトリエ」シリーズ最新作「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜」PS4 / PS Vita)。同シリーズの楽曲はゲーム音楽ファンからの人気が高く,とくに「黄昏」シリーズ以降の作品では,ゲストとして楽曲を提供する豪華なアーティストの顔ぶれでも大きな注目を集めている。

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 「フィリスのアトリエ」でも,8組のアーティストがそれぞれの個性を活かした多彩な楽曲でゲームを盛り上げてくれるが,今回はその中から,イベントジャーニーテーマ「嵐を越えて」の作詞・作編曲を手がけたなるけみちこ氏,エンディングテーマ「光ノ軌跡」の作編曲を手がけた阿部隆大氏,そして両楽曲を歌う霜月はるか氏という3名のアーティストと,「アトリエ」シリーズのディレクター・プロデューサーを務めるガスト(コーエーテクモゲームス)の岡村佳人氏を招いて,本作と「アトリエ」シリーズの音楽について思う存分語ってもらった。

 さらに今回は,「嵐を越えて」「光ノ軌跡」の2曲について,特別に先行試聴も用意しているので,ぜひチェックしてほしい。

左から,岡村佳人氏,なるけみちこ氏,霜月はるか氏,阿部隆大氏
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「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜」公式サイト



「アトリエ」らしさを継承しつつ

“旅”を意識した「フィリスのアトリエ」の音楽


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは岡村さんに,「アトリエ」シリーズ全体の音楽に関してお聞きしたいのですが,毎回どのように方向性を決めているのかを教えてもらえますか。

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岡村佳人氏(以下,岡村氏):
 タイトルごとにゲームとしてのコンセプトがありますので,それをもとに私のほうで大まかな方向性を決めます。また,シリーズものですから,前作がどうだったかというところも意識します。あとはほぼサウンドチームに任せていますね。

4Gamer:
 「アトリエ」シリーズは,基本的に3タイトルで1つのシリーズを構成していますが,最初にそのシリーズを通した方向性を決めるのでしょうか。

岡村氏:
 3タイトルで1つのシリーズと決まっているわけではありませんが,大枠として続編は意識しています。

4Gamer:
 個々のタイトルについては,具体的にどのような流れでコンセプトを固めていくのですか。

岡村氏:
 「アトリエ」シリーズは長く続いていますので,過去のタイトルを踏まえつつ,今回はどういった部分をベースにするのか,それをどう拡張するのかといったことを考えて方向性を決めていきます。
 たとえば前作「ソフィーのアトリエ」のときは,昔の「アトリエ」らしさをベースに,今の時代に合わせた音楽にすることを意識しました。最新作の「フィリスのアトリエ」は“旅”をテーマにしていますので,前作の流れを継承しつつ全体的に“旅情感”が出るようリクエストしました。

4Gamer:
 なるほど,“旅情感”ですか。

岡村氏:
 ええ。さらに今回は南米の音楽を取り入れてみようと,「コンドルは飛んでいく」などの曲をサンプルとしてサウンドチームに伝えました。また楽器も,ケーナなどアンデス地方の民族楽器を採用してもらっています。
 ただ,あまりにもそのままでは面白くありませんから,外部のアーティストさんにはそれぞれの解釈に沿った楽曲作りをお願いしました。

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4Gamer:
 「アトリエ」シリーズは,1タイトルあたりの曲数が多いですよね。そのぶん,それぞれの楽曲の方向性を1つにまとめるのは大変だと思うのですが。

岡村氏:
 社内のサウンドチームが制作した楽曲については,最終的に私のほうから細かく調整の指示を出すこともあります。とはいえ,長年一緒にやってきていますから,大体のところは口に出さずともお互いに理解しあえる空気ができていますね。
 外部のアーティストさんに関しては,もともと持っていらっしゃる音楽性で,どう「アトリエ」らしさを表現していただくかを考えたうえでお願いしていますので,あとから大きく調整することはまずありません。

霜月はるか氏(以下,霜月氏):
 私も以前から,これだけ曲数が多いのに,クオリティを下げることなくシリーズを続けているのはすごいと思っていました。

岡村氏:
 ……実を言うと「フィリスのアトリエ」では,当初は80曲以内にしてほしいというリクエストをサウンドチームに出していたのですが,結局ジングルを含めて120曲を超えてしまいました。やはりテーマが“旅”なので,街ごとのBGMが必要になるなど,どうしても曲数が増えてしまうんですよね。さらにボーカル曲が別途ありますので,全部合わせると130曲前後になっています。

なるけみちこ氏(以下,なるけ氏):
 100曲を超えるって,10年前の大作タイトル並みですよ。

岡村氏:
 楽しみにしてくださる方がいるので,それに応えようという気持ちもありますね。

なるけ氏:
 志が高い!

4Gamer:
 さらに「ソフィーのアトリエ」では,1つのフィールドでも昼と夜とでBGMのアレンジが異なりますよね。ゲームのプレイ中は自然に切り替わるのであまり気に留めないのですが,よくよく考えるとすごいことだなと。

岡村氏:
 「フィリスのアトリエ」でも,同じ試みをしています。また前作よりフィールドが大きいので,各曲の尺も長めになっています。これまでは1分から1分半くらいに収めていたのですが,今回は3分から3分半くらいになるよう心がけました。
 また,たとえば滝が近づいたら滝をモチーフにしたBGMが流れるなど,いろんな工夫をしていますので,さらに楽しんでいただけるかと思います。

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阿部隆大氏(以下,阿部氏):
 それは大変そうですね……。

岡村氏:
 まあ,もう音楽関連の作業は一通り終わっていますから(笑)。

4Gamer:
 ちなみに外部のアーティストは,どういった基準で選択されるのでしょうか。

岡村氏:
 日頃から,ゲームに近しいところで活躍されている方の楽曲を中心にチェックしておき,機会を見てご相談するという感じです。
 たとえば「アーシャのアトリエ」のときは,「黄昏」シリーズ1作め,「アトリエ」シリーズ通算14作めということでシリーズ全体を盛り上げていこうと,多くのアーティストさんに話を聞いていただき,賛同していただけたらご協力を仰ぐという形を取りました。アーティストの皆さんのおかげで,本当に多彩なジャンルの楽曲が揃いました!

4Gamer:
 「フィリスのアトリエ」にも,今回初めて「アトリエ」シリーズに参加するというアーティストが何人かいますよね。

岡村氏:
 ここにいらっしゃる,なるけさんも実はその一人です。以前からお願いできないかという話はあったのですが,ようやく今回実現しまして。

4Gamer:
 確かになるけさんのテイストと「アトリエ」シリーズはピッタリですから,これまで実現しなかったことが不思議なくらいです。

岡村氏:
 もともと「アトリエ」シリーズの音楽は,全部社内で作ろうという意向が強かったんです。しかし「アーシャのアトリエ」で少し取り組み方を変えてみたところ,周囲の反応も良かったので,今回も引き続き,さまざまな方にご協力いただいているという次第です。

4Gamer:
 「アトリエ」シリーズの音楽について,「ここだけはブレないようにする」という部分はありますか。

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岡村氏:
 アーティストの皆さんにお願いしているのは,「とにかくメロディを立ててください」ということです。
 とくに3Dグラフィックスを採用したゲームだと,画面に表示される情報量が増加するので,それ以外の情報を少なくしようと楽曲を抑えめにするケースが多く見受けられますが,「アトリエ」シリーズはそうではなく,あえてメロディを前面に出していこうと。
 またボーカル入りの楽曲では,歌詞に「アトリエ」シリーズの世界に存在するものだけを入れてもらっています。

4Gamer:
 たとえば「スマホを片手に〜」みたいな歌詞はNGということですね。

岡村氏:
 まあ,スマホは極端ですけれども(笑)。たとえば「カモミール」を「ハーブ」に書き換えていただいたりしたことはあります。

4Gamer:
 なるほど。ほかにも,「アトリエ」シリーズの音楽を作るにあたって守っていることはありますか。

岡村氏:
 BGM制作にあたって,サウンドチームの新人スタッフには過去の楽曲を全部聴くところから始めてほしいと指示しています。また「アトリエ」シリーズへの参加は初めてという外部のアーティストにBGMをお願いするときは,こちらからサンプルを提供しています。

4Gamer:
 “「アトリエ」シリーズの音楽はこんな感じ”ということを,知ってもらったうえでBGMを作ってもらうと。

岡村氏:
 そういうことです。その過程で,それまでとは違う新しいものが生まれることもあります。


新しい旅の始まりを予感させる

イベントジャーニーテーマ「嵐を越えて」


4Gamer:
 それでは,イベントジャーニーテーマ「嵐を越えて」について教えてください。なるけさんは,この曲をどういったイメージで作詞・作編曲したのでしょうか。

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なるけ氏:
 実は私自身,全部ではないですけれども「アトリエ」シリーズを遊んでいたんですよ。新作情報が出ると,必ずチェックしていましたし。
 その中で私なりの「アトリエ」シリーズのイメージができていたので,今回はそれを活かそうと最初に考えました。特別な何かをやろうとか,私の持ち味を出そうとかではなく,本当に「アトリエ」らしいものにしようと。

4Gamer:
 なるけさんの抱く「アトリエ」シリーズのイメージとは,どんなものでしょう。

なるけ氏:
 やはり,年頃の女の子が冒険を経て成長していくというものです。ですから歌詞は,そうした女の子達を応援するような感じにしています。
 また資料としていただいたシナリオをチェックしてみると,私の曲が使われるイベントには,「竜骨」「帆」「舵」といった船のパーツが出てくるので,それらを歌詞に盛り込もうと考えました。
 ただ,たとえば竜骨という言葉は,このテンポの曲に乗せるのが難しくて……。

4Gamer:
 ちょっと語感が良くないですからね。

なるけ氏:
 ええ。それに何を歌っているのか,聴いた人も歌詞カードを見ないと分からないとなるのは避けたかった。そこで竜骨が船首から船尾まで通すパーツだということを踏まえて,「貫く」という言葉に置き換えたりしました。

4Gamer:
 曲のテンポは,いわゆるミディアムテンポですよね。駆け出す一歩手前といった感じの。

なるけ氏:
 そうですね。船を漕いでいるところをイメージしました。

霜月氏:
 私の中では「ドンブラコッコ,ドンブラコッコ」という感じなんですよ(笑)。

なるけ氏:
 そうそう,そんな感じ(笑)。「アトリエ」シリーズでは速くて格好いい曲が多い印象ですが,今回のイベントの雰囲気に合うように曲調とテンポをゆったりめにしてみました。

SOUND PLAYER:このブラウザは未対応です。PCをご利用ください。

4Gamer:
 そうやって作詞・作編曲されたなるけさんの曲を,霜月さんはどのように歌ったのでしょうか。

霜月氏:
 仮歌を最初に聴いたときに感じた雰囲気が「船」「船出」など,まさに「これから新たに何かがスタートする」という前向きなものだったので,声質を含めて「旅立ち」の希望に満ちたイメージで歌いました。

4Gamer:
 印象に残った歌詞はありますか。

霜月氏:
 サビに「漕ぎ出せ!」という言葉があるんですけれども……。

なるけ氏:
 そもそも「この船は漕げるの?」という疑問を持ちつつ書いたんですけどね(笑)。

岡村氏:
 実はエンジンの付いた,割と大きな船なんですよ。

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霜月氏:
 それはともかく(笑),「漕ぎ出せ!」のメロディにインパクトがあって,とくに印象に残りました。仮歌の段階ではなるけさんご本人が歌っていたんですが,そこからあふれる思いが伝わってくるようでしたよ。

なるけ氏:
 私は当然,はるかちゃんが歌うことを意識して作詞作曲するんですけれども,私が歌うとどうしてもハスキーな感じになっちゃうんですよね……。

霜月氏:
 なるけさんには私のプロジェクトで曲を書いていただいたり,あるいはほかのゲームでご一緒させていただいたりしているんですよね。それもあって,私の歌い方などをある程度把握したうえで曲を作ってくださるので,「ここはこう歌うと良いんだろうな」というのがイメージしやすかったです。

4Gamer:
 岡村さんはこの曲をオーダーするにあたって,なるけさんに何かリクエストしたのでしょうか。

岡村氏:
 先ほどお話したとおり,基本的にはお願いする方の持ち味で「アトリエ」らしさを表現したらどうなるのか,ということを考えています。なるけさんとの実際のやり取りはサウンドチームのスタッフが行ったのですが,最初にキャラクターの年齢や船の大きさなどを伝えて,ゲームの内容と乖離しないよう,綿密なすりあわせをしています。

なるけ氏:
 確かに船については,結構細かくやり取りしました(笑)。


この先も旅が続いていくことを示す

エンディングテーマ「光ノ軌跡」


4Gamer:
 それでは続いて,エンディングテーマ「光ノ軌跡」について教えてください。

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阿部氏:
 実は曲を作るにあたって,岡村さんからほとんど指示をいただいていないんですよ。

霜月氏:
 「阿部君なら大丈夫だろう」と(笑)。

阿部氏:
 僕のところに最初に来たオーダーは“「アトリエ」っぽい感じで”でしたからね(笑)。

岡村氏:
 こちらからお願いする場合,ある程度気心が知れた方には,信頼してお任せしてしまうことが多いんです。阿部さんには前作「ソフィーのアトリエ」でBGM,その前の「エスカ&ロジーのアトリエ」「シャリーのアトリエ」の2作でそれぞれボーカル曲を作っていただいていますし,ライブにも出演していただきましたから,もうお任せして大丈夫だろうと。

阿部氏:
 ですから今回は,“「不思議」シリーズだから,こっち寄りかな”とか,自分で考えながら曲を作りました。

霜月氏:
 そんな感じだから,ガストさんのチェックもすごく早かったんですよ。デモを送ったら1時間くらいで「何も問題ありません」と返事が返ってきて(笑)。

阿部氏:
 自分の中では3つくらいアイデアを検討したんですけれども,霜月さんに聴いてもらって以降は,何の修正もなくスムーズに進みました。

霜月氏:
 私が阿部君と一緒に仕事するようになったきっかけは,ガストプレミアムライブだったんです。お互いが抱いている“「アトリエ」とは”というところは大体理解し合えているので,この曲に関してもイメージの違いはほとんどありませんでした。

阿部氏:
 これまで「アトリエ」シリーズ向けに書いた曲は,僕のバンド,ACRYLICSTABの色を打ち出したロック調のものだったんですが,今回はエンディングテーマということもあり,キラキラした感じや軽快なイメージを意識しました。

霜月氏:
 そこは最初に,ガストさんから「いかにもなロックではなく,世界観やBGMのイメージにあったサウンドにしてほしい」とリクエストをいただいていましたよ。

阿部氏:
 かと言って,しっとりしすぎるのもまた違うという話もありましたね。

4Gamer:
 確かに,これで終わりではなく,まだ旅が続いていくという雰囲気の曲調になっていますね。

岡村氏:
 すでに少し情報を出していますが,「フィリスのアトリエ」はストーリーの進行で,最初は1年という期限の中で目標を達成することになります。そして,それを終えたあともストーリーは続いていき,エンディングを迎えます。「光ノ軌跡」は,最初の目標を達成したときにかかる曲なので,ここからもまだ旅が続いていくというイメージで作っていただきました。

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霜月氏:
 歌詞を書いたのは,私が歌う多くの曲でも作詞していただいている日山 尚さんなのですが,彼女もシナリオを読んだうえで「この先もつながっていく」というところを意識して書いてくれています。その中に,「フィリスのアトリエ」をイメージさせるキーワードが散りばめられているので,私自身もそれを意識しながら歌いました。

4Gamer:
 アコースティックギターのイントロに続いて,笛の音が入ってくるという出だしですが……。

阿部氏:
 あれがまさに僕の考える「アトリエ」っぽさなんです。笛を入れたら何とかなる,と(笑)。

霜月氏:
 あの笛はガストのサウンドチームのスタッフが演奏しているんですよ。

阿部氏:
 最初からその人に笛の音を入れてもらおうと考えていました(笑)。

霜月氏:
 逆オファー(笑)。

4Gamer:
 ちなみにあの笛は,何という楽器なんですか。

岡村氏:
 ティンホイッスルという,ケルト音楽で使われる楽器だそうです。

4Gamer:
 そのあとに霜月さんの伸びやかなボーカルが入ってくるので,グッと引き込まれる展開になっていると感じました。

霜月氏:
 ありがとうございます!

阿部氏:
 あと今回は,できるだけ生楽器でやろうと意識しながらアーティストを揃えたんです。そのおかげで世界がさらに1段階広がった印象になったので,良かったかなと。

SOUND PLAYER:このブラウザは未対応です。PCをご利用ください。

4Gamer:
 ティンホイッスルのように,普段はあまり使わないような楽器を「アトリエ」シリーズの音楽であえて使うことはあるのでしょうか。

阿部氏:
 たとえばアコーディオンですね。あとは,「アトリエ」シリーズの曲を作曲するときだけ電源が入るシンセがあります(笑)。

霜月氏:
 私自身は今回,作曲はしていないですけれども,もともと私がやっている音楽と,「アトリエ」シリーズの音楽にはリンクする部分が多いので,両方のファンになってくださる方も多いのかな,と捉えています。今回の2曲にしても,私のカラーから外れることなく,むしろすんなりと「霜月はるか」らしい曲になっているんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 どちらもアコースティックな曲ですけれども,それが「アトリエ」シリーズのイメージということなのでしょうか。

岡村氏:
 「黄昏」シリーズでは,それまでの「アトリエ」シリーズのイメージから外れたことにもあえてチャレンジしていたんですよね。
 そこで「不思議」シリーズでは,世界観に合わせてアコースティック系の楽器とアイリッシュ系の民族楽器をメインに,ファンの皆さんがイメージする「アトリエ」シリーズの音楽の実現を目指しました。お話したとおり「フィリスのアトリエ」では,そこに南米の要素を足していますが,だからと言って大きくブレることはないかと思います。

霜月氏:
 イラストのイメージから,音楽の方向性が変わることはあるんですか? たとえば「不思議」シリーズのイラストは柔らかくて可愛らしい印象ですけれど。

岡村氏:
 もちろんあります。「不思議」シリーズは,イラストの中に“キラキラ成分”とでも表現すべき要素が多いんですよね。そのため音楽も,それを意識したものになっています。


「アトリエ」シリーズで印象に残っている楽曲

そして,ライブで最も盛り上がる歌は……?


4Gamer:
 それでは,ご自身で作ったものもそうでないものも含めて,これまでの「アトリエ」シリーズの楽曲の中で皆さんの思い出に残っているものはありますか。

なるけ氏:
 好きな曲はたくさんあるんですけれども,その中でもピアノメインでちょっとキラが入った程度の,すごくシンプルな曲が今でも大好きで。どのタイトルの何という曲か,ちょっと忘れてしまったんですが……。

岡村氏:
 なんでしょうね。「トトリのアトリエ」「雪割草」とかでしょうか。

なるけ氏:
 もしかしたら,それかもしれません(笑)。

霜月氏:
 私はいろいろやらせていただいているので,どれが一番印象に残っているかと言われると迷うのですが……。思い入れが深いということだったら,初めて「アトリエ」シリーズに関わることになった「イリスのアトリエ」「白夜幻想譚」です。これは本当にいろんなことのきっかけになった曲で,たとえば今こうしてガストさんと10年以上お付き合いすることになるとは当時は思ってもみませんでした。

4Gamer:
 同じシリーズの音楽に10年以上携わるというケースは,あまりないでしょうね。

岡村氏:
 確かに,社内のほとんどのコンポーザーよりも,霜月さんのほうがガストの音楽と付き合いが長いかもしれませんね。

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霜月氏:
 誰よりもガストサウンドの変遷を見守ってきました(笑)。
 さっきも少し触れましたけど,私自身の音楽のファンと「アトリエ」シリーズのファンとの親和性が高いことを実感しながら10年以上過ごせたことは,本当にありがたいことだと思っています。主題歌,挿入歌,企画ものと本当にたくさんの曲で歌ってきて,ファンの皆さんから「声を聴くと安心する」と言っていただけるようになったのは,ボーカリストとして幸せなことです。その意味では,やはり最初の「白夜幻想譚」が一番印象に残っているかなと。
 もちろん,それ以外の曲それぞれにも思い入れがありますし,ファンの皆さんからもいろんな曲に対する感想をいただきます。皆さんがゲームの音楽を愛していることを強く感じますので,そういったタイトルに携われているということが嬉しいですね。

4Gamer:
 阿部さんはいかがですか。印象に残っている「アトリエ」シリーズの楽曲というと。

阿部氏:
 やはり最初に手がけた「エスカ&ロジーのアトリエ」の「無限大クロニクル」ですね。今でも好きだと言ってくださる方が多くて,ACRYLICSTABのライブでも必ず演奏しています。もちろん,ガストプレミアムライブで演奏したときのこともよく覚えていますよ。
 またこの曲が縁で,今でも声優の赤羽根健治さん(「エスカ&ロジーのアトリエ」アウィン役)とは仲良くしてもらっています。ほかにも多くの方とそういった縁がつながった,思い出深い曲です。

4Gamer:
 ちなみにガストプレミアムライブはここしばらく開催されていませんが,予定はないのでしょうか。

岡村氏:
 やりたいとは思っていますし,たびたび議題にも上がるんですけれども,なかなか具体的な話にまではなっていません。2017年は「アトリエ」シリーズ20周年なので,何かできるといいのですが……。

阿部氏:
 ガストプレミアムライブで演奏していると,1曲1曲に対するお客さんの思い入れがすごく伝わってくるんですよね。「あの曲はやらないのか」とか。その中でも「メルルのうた」が超盛り上がって(笑)。

岡村氏:
 ああ,「メルルのアトリエ」「錬金少女メルルのうた」ですね(笑)。

霜月氏:
 私がガストプレミアムライブで印象的なのは,BGMのメドレーなんです。ボーカル曲で盛り上がっていただけるのは当然嬉しいんですが,BGMで盛り上がっているのを見ると「やっぱりプレイ中はBGMを一番繰り返して聴くんだよな」ということを実感させられます。


最近注目しているのは映画音楽

ゲームに応用できそうな手法も


4Gamer:
 それでは皆さんが最近聴いて印象に残った音楽,あるいは参考にしたいと思った音楽はありますか。

岡村氏:
 僕はガチガチの洋楽リスナーなので,あまりゲームの楽曲の参考にならないんですよね……。たまにサウンドチームに「こういう感じで」とサンプルを送りつけるんですが,ほぼスルーされてしまいます(笑)。

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なるけ氏:
 私は「逆転裁判6」「追求」のBGMです。ニンテンドー3DS本体の音源を知り尽くした人が,ツボにはまった良い音を鳴らしているというのが伝わってきて,すごいなと思いました。
 あとは最近やっとまともに見た「パイレーツ・オブ・カリビアン」ですね。実はこれまでサウンドトラックは持っていたんですが,映画本編は見たことがなかったんですよ。音楽だけを聴いていると音が割れているところもあったりして,相当荒々しいのですが,今回初めて映像と合わせて見て,いろいろ発見がありました。

4Gamer:
 ……と言いますと?

なるけ氏:
 あの映画には,剣がぶつかったり,何かが壊れたりするときに高音のSEがたくさん入っていますよね。そしてそれを活かすためなのか,BGMはあえて高い帯域の音をスパッとカットしているんです。つまりセリフやSEとBGMの帯域が被らないようになっていて,どのシーンでもそれぞれが微妙に良く聞こえるんですよ。これはすごいなと。

4Gamer:
 なるほど。それはゲームにも応用できそうですね。

なるけ氏:
 そうですね。もっと勉強しないといけないな,と思いました。
 ただ外部の人間だと,そういったBGMとSEのすり合わせにまではなかなか介入できないので,サウンドディレクターの手腕に頼るところかもしれません。

岡村氏:
 ガストの場合はBGMもSEも基本的に社内で作っていますので,比較的良い感じに仕上げやすいと思いますよ。今でも,ボイスやSEが前に,歌は後ろといったような距離感には気を配っていますし。

4Gamer:
 阿部さんは,最近気になった音楽はありますか。

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阿部氏:
 2015年の映画で,アカデミー賞脚色賞を獲得した「マネー・ショート」です。ニルヴァーナとか,昔のロックをうまくアレンジしたBGMが面白いな,と思いながら見ていました。ただ,ゲームとはあまり関係ないかもしれません。
 もう1つは2014年の映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」ですね。こちらはBGMをドラムだけでやるというところが面白いなと。そういった制限の中で,いろいろ試してみたいと思いました。

4Gamer:
 ゲームでは,ちょっと難しいかもしれませんね。

阿部氏:
 映画という2時間の枠だからこそできるという部分はあるでしょうね。

岡村氏:
 一般的なRPGのようなものだと,ちょっとハードルが高いですね。
 ただゲームでも,何かに特化した内容や特定のテーマをウリにしたタイトルなら比較的やりやすいかもしれません。たとえば「いけにえと雪のセツナ」のBGMはすべてピアノがメインですが,あれにはちょっと驚きました。

霜月氏:
 「無限回廊」のBGMもそういった制限を設けた曲ですよね。坂本英城さんの作った75分7秒の長い曲が1曲だけあって,その中で人の一生を追うように展開していくという。

阿部氏:
 そういう挑戦は一度やってみたいですね。実際にやったら大変だと思いますけれども。

なるけ氏:
 坂本さんご本人は「譜面にスタッカートを打つだけでも3日掛かった」とおっしゃっていたので,相当大変だったみたいですよ(笑)。

4Gamer:
 霜月さんが最近気になった音楽はありますか。

霜月氏:
 私も映画なんですけれども,「オデッセイ」のBGMですね。話自体は主人公が絶望的な状況に置かれるという内容ですが,主人公の心理や演技がポジティブなことに加え,音楽によって全体の雰囲気がすごく明るくなっているんですよ。「ここでこういう曲が流れると気持ちが明るくなるんだな」ということを強く感じました。

4Gamer:
 確かに流れている音楽によって,そのシーンの受け取り方が変わるということはありますね。

なるけ氏:
 そう言えば,以前はるかちゃんに似たような質問をしたとき,「最近は『ねこあつめ』の曲を一番聴いてるかも」と言っていたことがあったんですよ。そのとき私は「ねこあつめ」を知らなかったので急いでチェックしてみたら,「ホッヘホホヘッホ〜」という曲が流れてきて「これは確かに耳に残るわ」と(笑)。

霜月氏:
 私はどんなゲームでも結構BGMを聴きながらプレイするので,そのとき一番ハマっているゲームの曲が,一番聴いている曲なんですよ。

なるけ氏:
 「ねこあつめ」の曲は,聴いていないときも頭の中をグルングルン回っていて。

霜月氏:
 それを狙った作りなんでしょうね。空気のように邪魔にならず,でも耳には残る。
 ボーカル曲では,1曲の中でサビで盛り上げたり,落ちサビで楽器の音を減らしたりといった起伏を作るんですけれど,ゲームのBGMだと主張しすぎてイベントの邪魔になったり,意図と違う印象を与えたりするようでは困りますからね。とくに作業ゲームの場合は,空気のように漂っていることのほうが重要だったりしますから。
 そのあたりに気づくとやっぱり感心しますし,いざ自分が作る立場になったらすごく頭を悩ませると思います。

岡村氏:
 「アトリエ」シリーズでも,そういった繰り返しプレイすることになる部分のBGMはいろいろ考えていますよ。やっぱり一番聴くことになる楽曲ですから,長時間聴いても疲れないようにとか。理想は,空気のようでいて,よく聴いてみたら良かったと思ってもらえるような曲ですね。


万年筆,バッティングセンター,そして旅

多彩な趣味から生まれるアトリエサウンド


4Gamer:
 それでは音楽とは関係なく,最近ハマっていることがあればぜひ教えてください。

なるけ氏:
 私はこの6年くらい,万年筆に凝っています。なるべく手書きをするようにしようと,6年前にちょっと良い万年筆を1本買って,それからいろいろ集めるようになりました。すでにこの先,50歳になったらこの万年筆,60歳になったらこの万年筆とラインナップも決めています(笑)。

4Gamer:
 それは相当ハマってますね。

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なるけ氏:
 それに,物を書くスピードで考えると,いろいろひらめくんですよ。書いているうちに「ああ,そうだった,そうだった」となって,実際に「そうだった」と2回書いていたりもするんですけど(笑)。でも,その2回書いているあいだに,また別角度からのひらめきがあったりして。
 たとえばキーボードで文章を打ち込んで,それをPCの画面で見るときは,割と客観的に全体を眺めていますよね。ところが手で書くと,それとはまったく違う新鮮な感覚が得られるんです。日記でもいいですし,仕事でもいいんですけれど,手書きを習慣化するとすごく面白いですよ。私にとっての万年筆は,そういうことを楽しむためのものです。

4Gamer:
 身体を動かすと脳が活性化するという話を聞きますけれど,それと同じような感じでしょうか。

なるけ氏:
 そういうことなんだと思います。
 あと身体を動かすと言えば,最近バッティングセンターに行っています。

霜月氏:
 えー,それは意外(笑)。

4Gamer:
 阿部さんは何かハマっているものはありますか。

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阿部氏:
 僕は趣味らしい趣味がないですからね,機材集めくらいで……。
 あ,でも最近は知り合いと京都旅行に行きました。僕は仕事以外であまり出かけたりしないんですけれど,たまに気分転換でベタな観光旅行をしているんです。

岡村氏:
 旅はいいですよね……。なかなか機会がないので,「せめてゲームの中だけでも」という願望を形にしたのが「フィリスのアトリエ」なのかもしれません。

霜月氏:
 私も旅がしたい……。

阿部氏:
 霜月さんは移動なら多いですよね。全国ツアーとか。

霜月氏:
 ある意味,旅かもしれませんけど(笑)。

4Gamer:
 ツアーで全国を回ると,やはり土地ごとの反応の違いがあるんですか。

霜月氏:
 全然違いますね。実は今やっているのが,私にとって初めての全国ツアーなんですけれど,どの土地にも「初めてライブを見た」という方が必ずいらっしゃいます。その中でも東京から遠い地域の人ほど「熱い思いを抱いているのに,ライブにはなかなか行けない」という方が多くなるんです。
 そういった「10年前から聴いてました」とか,それこそ「『白夜幻想曲』からのファンです」と言ってくださる方から,「ずっとCDで聴いてきた曲を,初めて生で聴くことができました!」というような感想をいただくと,私が直接届けられない音楽を聴いてくれる人がこんなにいるんだということを実感します。それはすごく私のパワーになっています。

なるけ氏:
 会場のサイズも良いんでしょうね。お客さん全員と写っている写真がブログに載っているのを見て,今回の演奏形態と鑑みてちょうど良い人数感なんだろうな,といつも思っています。きっちり届いている感じがいいなあと。

画像集 No.006のサムネイル画像 / 「フィリスのアトリエ」参加アーティストインタビュー。霜月はるか氏,なるけみちこ氏,阿部隆大氏が考える「アトリエ」らしさとは。新曲2曲の先行試聴も!

霜月氏:
 あとは,ゲームそのものに対する熱意を語ってくださる方もときどきいますね。私自身ゲーマーですからその気持ちがよく分かるので,語り合いたくなります。「自分で歌ってますけど,この曲がこのシーンで流れる瞬間,すごく熱いですよね!」とか(笑)。そういう触れ合いがあることは,本当にありがたいと思います。

なるけ氏:
 そうやって直接,ゲームのファンとやり取りをすると,自分が仕事をしたという実感が湧くと同時に,そのゲームに対する責任を感じますよね。
 私が人前に出るようになったのはここ数年のことなんですけれど,その意味ではもっと早く出ておけば良かったと思います。

霜月氏:
 たとえばゲームの開発スタッフさん達も,ゲームを遊んでいる人の声を直接聞く機会はなかなかないですよね?

岡村氏:
 そうですね。私はイベントに出演する機会があるので,直接お客さんの反応を見ることも多いんですが。それで,実際に会場に足を運んでくださるお客さんを見て熱量のすごさを感じていますし,またそうした皆さんに支えられていることを実感しています。

4Gamer:
 それでは話も尽きませんが,最後に「フィリスのアトリエ」に期待している人に向けて,皆さんからのメッセージをお願いします。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「フィリスのアトリエ」参加アーティストインタビュー。霜月はるか氏,なるけみちこ氏,阿部隆大氏が考える「アトリエ」らしさとは。新曲2曲の先行試聴も!
岡村氏:
 おかげさまで前作「ソフィーのアトリエ」でご好評をいただき,今回はさらにパワーアップした「アトリエ」をお届けするべく開発を進めています。ゲームの内容に注力しているのはもちろんですが,今回もさまざまなアーティストさんにご参加を願い,ガストのサウンドを盛り上げていただきました。ゲームもサウンドもこれまでの「アトリエ」を超えることを目指していますので,ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

なるけ氏:
 歴史ある「アトリエ」シリーズに関わることができて,本当に嬉しいです。あと,はるかちゃんや,以前ほかのタイトルでご一緒したスタッフさんと,またお仕事できたのも本当に嬉しいです。私にとって嬉しいことばかりだった「フィリスのアトリエ」,ぜひ期待してください。

霜月氏:
 ここ最近の「アトリエ」シリーズには欠かさず参加させていただけて,本当に光栄です。今回は2曲担当しており,「アトリエ」ファンの方にも,私のサウンドを好きな方にも気に入っていただける仕上がりになったんじゃないかと思っています。
 気心の知れた阿部君やなるけさんとご一緒できて,私自身も気持ちよく仕事ができました。楽曲も,ゲームの中のすごく良いシーンで使われているので,ぜひ実際にプレイして楽しんでください。

阿部氏:
 「アトリエ」シリーズは僕もすごく好きなので,毎回「新作の仕事は来るのかな」とドキドキしています。今回も無事関わることができて,すごくありがたいです。
 とくに今回はエンディングで使われるボーカル曲の楽曲提供,しかも歌うのは“アトリエと言えば”の霜月さんということで,すごく光栄です。実際にエンディングまでゲームをプレイして,曲を聴いていただけると幸いです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜」公式サイト


画像集 No.018のサムネイル画像 / 「フィリスのアトリエ」参加アーティストインタビュー。霜月はるか氏,なるけみちこ氏,阿部隆大氏が考える「アトリエ」らしさとは。新曲2曲の先行試聴も!

(2016年6月21日収録)
  • 関連タイトル:

    フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜

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    フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜

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