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  • 日本一ソフトウェア
  • 発売日:2016/07/07
  • 価格:パッケージ版:7344円(税込),ダウンロード版:6171円(税込)
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真 流行り神2

真 流行り神2
公式サイト http://hayarigami.com/shin_hayarigami2/
発売元・開発元
発売日 2016/07/07
価格 パッケージ版:7344円(税込),ダウンロード版:6171円(税込)
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  • 旧作ファンを裏切った上っ面だけの原点回帰 0
    良い点
    システムまわりが快適
    悪い点
    上っ面だけの原点回帰 

    流行り神である必要が全くないふざけたギャグ展開と質の悪いオリキャララノベストーリーをサブシナリオでもパラレルワールドでもなく本編で正史としてやった
    総評
    *流行り神1~3を「旧作」、真流行り神1を「前作」と表記します。

    「原点回帰」と謳っていますが完全に上っ面だけです。
    進めていくたび化けの皮がはがれて流行り神である必要が全くない、それどころか都市伝説でもホラーでもないシナリオライターがやりたい放題暴走した酷いものが出てきます。
    前作の評判は散々でしたが、本作はそれをはるかに下回る出来です。

    良い点はシステムまわりが快適なところくらいです。
    悪い点は掃いて捨てるほどありますが、旧作ファンとしてとくに目についたところを記していきます。


    *無理やりすぎる強調
    前作は都市伝説、ライアーズアートともに描写が足りないというよりほとんどない状態でした。
    今作はそれらを印象づけるためか、ことあるごとに話題に上りますがその描写がしつこくてわざとらしさを感じます。
    とくにライアーズアートはまるで能力バトルものの必殺技のように描写されていて白けました。
    主人公が「ライアーズアートを仕掛けるわ!」というようなことを言ううえに専用の画面もあるせいか、特殊なフィールドを形成して相手になにかしかける、ような感じを受けます。旧作で例えるなら、風海が「セルフクエスチョンだ」「推理ロジックで解決だ」と言っていたら誰でも???と思ってしまうような滑稽さがあります。
    システムとしては、前作の時間が短すぎるのと、受け答えが頓珍漢なところはかなり改善されています。

    *デフォルメされすぎのキャラクター描写
    怪奇現象を取り扱ってはいますが、本作は現実の現代日本を舞台にした作品です。それにしてはキャラクターが極端すぎます。
    まず、主人公のパートナーである愛染刹那がひどいです。
    彼は警察官ですが相手が一般人だろうがかまわず「ブッ殺すぞ!」(伏字、婉曲表現なしに文字通りこのテキストが表示されます。)とすごみます。
    さらには気に入らない相手には殴る、蹴るといった暴力行為をはたらきます。
    しかもそれを同僚の警察官たちは目の前で見ているにもかかわらず止めません。むしろその行為を讃えてさえいます。
    このキャラクターは旧作の小暮宗一郎を超えるキャラ作りを目指して生まれたそうですが、比較のために名前を出すことすら小暮さんに失礼なレベルです。

    科捜研の所長・如月蜜子は「万能キャラ」だそうですが、ドラえもんか何かかというくらい現実離れしすぎた万能キャラです。
    「霧崎水明,式部人見,犬童蘭子のすべてを兼ね揃えている」とのことですが、単純にそれだけの人数の絵を用意できないから、あるいはライターが多数の人物を描写する力量がないのでひとまとめにしました感が否めません。
    万能キャラというよりは、主人公たちが苦労しないで情報を得るためのご都合主義装置です。
    なにより服装が非常にだらしないうえ(いらないことに、風俗店のような安っぽいコスプレ姿まで披露してくれます。)、その見た目に反しない下品な発言しかしないため登場するたび不快でした。

    前作のパラレルワールド方式でキャラクター描写が弱くなったことを踏まえての強調かもしれませんが、使い古された質の悪いラノベのキャラ設定をこじらせたような稚拙さしかありません。寒いギャグや中学生しか喜ばないような下品な話題を流行り神には求めていません。

    *稚拙な怪異・恐怖描写
    旧作では鬼や天狗などといったものは度々登場するものの、ずばりそものではなく正体が曖昧とした恐怖として描かれているのが秀逸でした。今作では何のひねりも隠す気もなく化け物がぽいっと出されています。怖いどころか間が抜けていて唖然とします。

    *推理要素がほとんどない
    主人公たちがほとんど捜査らしい捜査をしません。疑問点があっても如月蜜子のドラえもん性能のせいであっさり片が付くので、旧作にあったような、地道な検証や説明は見られません。セルフクエスチョンも両ルートともオチがほぼ一緒のため意味が感じられません。

    *浮いているご当地ネタ
    ご当地ネタが織り込まれているとの事前情報でしたが、これが異質です。
    テレビ番組を見ている途中に挟み込まれるCMを想像してもらえれば良いです。
    あきらかに本編に関係がない、唐突に入り込んでくる何かです。
    料理やそれを食べているさまを描写して「これぞ味の万華鏡!」なんて流行り神でやる必要がどこにあったのでしょうか。

    *本作最大の癌・ふざけたシナリオ
    4話以降のシナリオが最低です。
    ネタバレを避けるために詳しくは書きません。3話までは、そこそこ旧作を思わせるシナリオでした。
    それが4話から大崩壊です。例えるなら、シリアスで硬派な現代劇を見ていたのに、突然シャークネードばりのトンデモなサメ映画展開が挟まってきた……というものです。悪いことに、それがシリーズの正史であるというあきれ果てたことになっています。揶揄でも誇張でもなんでもなく、本当にC級映画のようなふざけた話に”本編の”まる1話を費やしています。
    5話以降は、シナリオライターが自分の出したかったメアリー・スーオリキャラを登場させています。流行り神の作品世界に合わせようという気が一切ない、見た目の中身もどこかのアニメやマンガの設定を寄せ集めて作った三文ラノベの「ぼくのかんがえたさいきょうのきゃらくたー」です。ストーリーももちろん、オリキャラたちが活躍する流行り神そっちのけのオリジナルストーリーです。
    作品発表の場をもらえたので、いい機会だから自分の書きたかった話や出したかった設定やキャラを好き放題だして絵も描いてもらえたラッキー!くらいにしか思ってないぽっと出の、流行り神をなにもしらない人物が書いたシナリオだと言われても不思議ではないくらいひどいありさまです。しかもそのメアリー・スーたちが今後も登場することが示唆されます。

    3話までと、4話以降ではまったく別作品と言えるくらい出来が違います。そして終わってしまえば最初にあれだけわざとらしいくらい見せつけていた都市伝説や怪異はどこへやらです。
    雰囲気を寄せようと努力しているならまだ「がっかりだった」ですんだかもしれません。しかし流行り神でもなければ都市伝説でもホラーでもない、世界観を完全無視して旧作ファンの気持ちを逆撫でするようなものを堂々と本編に出して「原点回帰」というのは理解を超えています。
    真1のようなパラレルワールド方式だったらなかったことにできたのに……
    インタビューによれば、本作は「前作でがっかりされたファンの期待に応えるために作ったもの」だそうですが、こんな、旧作流行り神が築いてきた雰囲気を侮辱するようなふざけたものを本気で「期待に応えられる」と思って世に送り出したのでしょうか。

    公式サイトでは3話までしか情報がなく、5話以降登場のキャラも事前に公開されませんでした。
    原点回帰をうたっていながら、それに反するものの存在が内容の半分以上を占めているのにその存在をまったく示さないのはもう、これらの情報を公開したら旧作のファンなら買うのを控えるのがわかっていたのでわざと隠していたとしかいいようがありません。少なくとも自分は、もし5話に登場する3人の絵が事前公開されていたら購入はしていませんでした。
    流行り神そっちのけでシナリオライターが自己満足しているだけのひどいシナリオをだましうちのような形で見せられて誰が喜ぶんでしょうか。

    第一報から不安しかなかったのですが、社長自ら「旧作からのファンの期待に応えたかった」とおっしゃっていたので、それを信じて予約までして購入しましたが完全に馬鹿を見ました。
    これを本当に原点回帰、旧作ファンのため、と思っているのなら判断力が完全に欠如しているとしか言いようがありません。そうではないとわかっていながらその点を隠し「原点回帰」というラベルをつけて釣ろうとしたというのであれば前作で失望しながら社長の言を信じてここまでついてきたファンを舐めています。
    もう信用できる要素は一切ないのでこのシリーズは二度と購入しません。
    プレイ時間
    20〜40時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    2 3 1 1 1
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