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球団運営シミュレーション「野球つく!!」がさらにパワーアップ。2017年の展開について,ディレクター陣に聞いてみた
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印刷2017/01/14 00:00

インタビュー

球団運営シミュレーション「野球つく!!」がさらにパワーアップ。2017年の展開について,ディレクター陣に聞いてみた

 2016年6月に正式サービスを開始したオンライン野球シミュレーション「野球つく!!」PC / iOS / Android)は,自分だけのプロ野球チームを組んで,日本全国のプレイヤーとペナントレースを競う「プロ野球チームをつくろう!」シリーズの最新作だ。ホームタウンと共に球団の成長を目指すマクロな視野,3Dグラフィックスによって描かれるリアルな試合シーンなど,さまざまな新要素が盛り込まれている。

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 そんな本作だが,2017年はどのような展開を予定しているのだろうか。開発ディレクターを務める徳永 剛氏,運営ディレクターの小川卓哉氏に話を聞いてみた。

セガゲームス「野球つく!!」開発ディレクター 徳永 剛氏(右),同 運営ディレクター 小川卓哉氏(左)
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「選手育成の楽しさ」と「野球らしさ」を両立させるために


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 「野球つく!!」は2016年6月に正式サービスが始まりました。まずは,そこからこれまでの歩みを振り返っていただけますか。

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徳永 剛氏(以下,徳永氏):
 サービス開始当初はサーバートラブルや不具合などが発生し,プレイヤーの皆さんにご迷惑をおかけしました。ただ,現在は大きな不具合がなく,サーバーも安定しており,順調にアップデートを重ねています。この半年間は,あっという間に過ぎた印象ですね。

小川卓哉氏(以下,小川氏):
 運営面では,選手カードの排出率について苦労が多かったですね。排出のタイミングや枚数といった要素によって,ゲームバランスが崩れることもありました。プレイヤーからご意見をいただきつつ,ノウハウを積み重ねましたので,今では安定供給ができるようになりました。

4Gamer:
 サービス開始当初と比べて,スムーズにサービスを行えるようになったということですね。

小川氏:
 最初は手探りで進めていたところもありましたが,今は「野球つく!!」が皆さんにどう遊ばれているかが分かりました。登録者数が30万人を突破し,リーグも過熱しています。運営側の体制が整ったということで,ここからはさまざまなイベントやアップデートを仕掛けていくターンになりますよ。

4Gamer:
 2016年のプロ野球は,北海道日本ハムファイターズが広島東洋カープを破り日本一の座を勝ち取りました。非常にドラマチックな展開となりましたが,「野球つく!!」における盛り上がりと連動するようなことはあったのでしょうか。

徳永氏:
 日本シリーズが盛り上がった日には,新規プレイヤーが多くなる傾向が見られました。「野球つく!!」には,自分の好きなチームを「ファン球団」として設定するシステムがありますが,日本シリーズの盛り上がりに合わせるかのように,日本ハムや広島をファン球団にするプレイヤーが増えましたね。

4Gamer:
 熱心なプロ野球ファンのプレイヤーも多いと思いますが,「野球つく!!」に対してどのようなフィードバックがありましたか。

小川氏:
 試合シーンについて「もっと自然に“野球らしく”してほしい」という声をいただいています。

4Gamer:
 3Dグラフィックスで描かれる試合シーンに不自然さがあったということでしょうか。

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徳永氏:
 たとえば,「バントの打球をキャッチャーがつかんで送球する」というシチュエーションがあったとしましょう。現実なら「利き手でボールを拾って,そのまま投げる」ところですが,「野球つく!!」だと「ミットで捕球してから,利き手で投げる」という表現になっていました。

4Gamer:
 確かに,打球に勢いがなければ,そのまま拾って投げるのが自然ですね。普段から野球を見ているからこその指摘だと思います。

小川氏:
 「野球らしいか否か」が,プレイヤーの物差しになっているようですね。

徳永氏:
 このあたりは今後のアップデートで修正する予定です。

4Gamer:
 それでは,サービスが進むにつれてプレイヤーの動向に変化はありましたか。

徳永氏:
 目立ったところでは,サービス開始当初は野手の打力を強化されるプレイヤーが多かったことですね。野手は毎試合でも打席に立ちますし,打撃系のパラメータは「長打」「巧打」「走力」と直感的になっていて,育成の成果が成績として見えやすいというのが理由でしょう。

4Gamer:
 投手はあまり重視されない傾向にあったと?

徳永氏:
 投手の場合,先発はローテーションがありますし,中継ぎやリリーフも出番がないことがあります。投球系のパラメータも「球速」「球威」「制球」など,慣れるまでは効果が感じられにくいものが多く,サービス開始からしばらくは「打高投低」の状況となっていました。

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4Gamer:
 そうなると,点数がどんどん入る派手な展開になりますね。

徳永氏:
 「打者が打ちすぎる」「打率や点数がリアルじゃない」というお声をいただいたのも事実です。しかし,現在は修正を施しましたので,現実的な打率や点数になっています。

4Gamer:
 いくらゲームとはいえ,あまりにも現実離れした打率をマークしてしまうと,プロ野球ファンは気になるかもしれません。

徳永氏:
 ただ,リアルにこだわるあまり,選手を強化しても成績が上がらないのでは本末転倒です。そのあたりに注意して,バランスを調整しています。皆さんが選手に持っているイメージが成績として現れるようにしている,と言い換えられます。

4Gamer:
 「選手育成の楽しさ」「野球らしさ」を両立させるということですね。

徳永氏:
 最近ではゲームへの理解が進み,投手を重視されるプレイヤーも増えてきましたので,打高投低の状況が解消されています。チーム全体を平均的に強化したり,一点豪華主義的に強化したりと,さまざまな育成傾向が出てきたのも面白いところです。

小川氏:
 とくに外野の配置には,プレイヤーの野球観が現れますね。センターに守備力の高い選手,ライトに肩が強い選手を配置するといった傾向があり,チームを見ていて面白いです。ローコストの選手を効果的に使っているプレイヤーも興味深いですよ。

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4Gamer:
 「野球つく!!」では,獲得した選手に「契約期間」が設定されています。この期間が終わると引退してチームを去ってしまいますが,プレイヤーの反応はどうでしたか。

徳永氏:
 今のところ,否定的な意見はあまり届いていないと思います。どんな選手でも期間が終われば平等に引退すること。そして,引退によってチームメンバーが入れ替わるといったあたりが,プロ野球シミュレーションゲームのリアルさとして受け入れてもらえたのではないかと思います。

4Gamer:
 以前のインタビューでは,契約期間と引退の存在により,球団の黄金期や低迷期が表現できるのではないかとのことでしたが。

徳永氏:
 そうですね。契約期間が存在することで,選手の引退に備えて選手層を厚くしたり,新たな選手を補強したりといった球団運営が体験できます。
 一般的なカードゲームの場合,「運営側はカード能力をインフレさせて,プレイヤーはカードを溜め込み続ける」というサイクルになりがちですが,そうしたゲームとは違った楽しさを提供できているのではないかと思います。

4Gamer:
 ホームタウンや「つくろう選手」といった要素についてはいかがでしょう。

徳永氏:
 ホームタウンはレベルが上がるにつれて,施設の配置を念入りに考えていかなければならないようなバランスになっているのですが,その中で収入面に特化したり,つくろう選手の育成に特化したり,あくまで街の美観にこだわったりと,さまざまな方向性が打ち出されています。

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 つくろう選手についても,いろいろと試行錯誤を繰り返していただいています。現在は何らかの能力に特化したつくろう選手が活躍する傾向があり,守備に特化した捕手が人気ですね。全体の約1割のチームに,捕手のつくろう選手が在籍しています。


気になる今後のアップデート内容とは


4Gamer:
 それでは,今後のアップデートについて教えてください。

徳永氏:
 まずは2017年2月頃,ホームタウンに関するちょっとした改善を行います。そして,3月には大型アップデートを実施する予定です。新シーズンに向けた選手データの更新はもちろん,新要素の追加も考えています。

4Gamer:
 それはどういったものですか。

徳永氏:
 まだ詳しくお話しできませんが,プレイヤーにとっては新たに頭を使うポイントになります。試合中に特定の条件を満たすと発生し,選手の特徴や個性をより強く表現できるものですね。
 開発チームでは「『野球つく!!2』を作る」というくらいに気合いが入っていて,カードのデザインも一新します。もちろん,3Dグラフィックスによる試合シーンや各種UIの見直し,新規要素もてんこ盛りです。

4Gamer:
 それは楽しみです。

徳永氏:
 ペナントレースでは専用の報酬を用意します。そして,上位プレイヤーのみが参加できる「強豪リーグ」を設立する予定です。

4Gamer:
 さまざまな層のプレイヤーに,新たなモチベーションが生まれますね。

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徳永氏:
 多少,時期が前後するかもしれませんが,プレイヤー同士でコミュニケーションを図れるシステムも実装予定です。
 また,以前のインタビューでお話しした「皆で選手を持ち寄り,1つのチームを結成して競い合うドリームチーム」の開発も継続しています。こちらの実装時期は明言できませんが,期待してください。

4Gamer:
 2017シーズンの開幕に向けて,新たな展開が待っているというわけですね。

徳永氏:
 新展開と並行して,プレイヤーの要望にも応えていきたいと考えています。
 たとえば,ホームタウンについて「施設をたくさん配置したい」「土地をもっと増やしてほしい」という声をいただいていますので,こうしたニーズを叶えられる方法を模索しています。

4Gamer:
 つくろう選手については?

徳永氏:
 現在,1チームにつくろう選手は1人だけですが,上限の緩和を考えているところです。新たな強化方法も模索しています。
 また,プレイヤー間でのトレード,自分のつくろう選手が誰かのホームタウンに出現するといった試みも検討しています。

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2017年もプロ野球ファンに向けて――


4Gamer:
 公式プレイヤーズサイトでは,プロ野球OB選手へのインタビューが掲載されています。この企画は今後も続けられるのでしょうか。

徳永氏:
 はい。これまでに秋山幸二さん,桑田真澄さん,松中信彦さん,和田一浩さんのお話をうかがいましたが,現在も大物OB選手と交渉中です。

小川氏:
 インタビューの際,実際に「野球つく!!」をプレイしていただいているのですが,なかなか好評ですよ。ゲームに登場するご自身の姿を見て,能力値についてリクエストされることもありました。

「野球つく!!」公式プレイヤーズサイトより
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4Gamer:
 公式サイトでは「プロ野球ニュース」の配信ページもあり,プロ野球ファン向けのコンテンツが充実していますね。

徳永氏:
 「野球のあらゆる要素を取り入れる」という意気込みの現れだと思ってください。皆さんのご意見を参考にしつつ,開発を進めていきます。

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小川氏:
 野球ファンに向けて,運営を頑張っていきます。今後はOB選手やコーチ,監督のカードを増やしていき,「プレイヤーだけのドリームチームを作れる」という方向性をさらに強化したいですね。

徳永氏:
 大型アップデートを予定している3月と言えば,新シーズンの開幕に加え,日本代表「侍ジャパン」が出場する世界大会「ワールド・ベースボール・クラシック」第4回大会も行われます。大会期間中はさまざまなキャンペーンやイベントを用意していますので,ぜひご注目ください。

小川氏:
 日本代表には頑張ってほしいですね。大会で活躍した選手のパラメータを強化するといった取り組みも考えています。

4Gamer:
 最後になりますが,これからゲームを始めるプレイヤー向けのアドバイスをいただけますか。

小川氏:
 まずは好きな選手でチームを組んで試合に挑み,秘書のアドバイスに耳を傾けてください。秘書は試合の勝因や敗因を的確に指摘してくれますから,選手を強化していくための参考になるでしょう。

徳永氏:
 それから,「野球つく!!」では選手の「調子」が重要です。いくら能力が高くても,調子が「絶不調」だと実力を発揮できないので,調子を見極めて交代させてあげてください。
 ライトなプロ野球ファンが遊んでも大丈夫ですよ。「『野球つく!!』を始めてから,野球の見方が変わった」「実際の試合を見ていると,選手のコストやパラメータが浮かんでくる」という声もありますから(笑)。

小川氏:
 現在はログインボーナスを増量中で,復帰したプレイヤーを対象としたボーナスも配布しています。有力な選手を揃えやすくなっていますので,サービス開始当初に離れていた方も,ぜひこの機会に「野球つく!!」を遊んでみてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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