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2019年の「Legion」はRTX 20シリーズ搭載でパワーアップ。Lenovoが2019年モデル新製品をeスポーツイベントで紹介
Legionの新製品自体は,CES 2019で発表済みであるうえ,ハイエンドノートPC「Legion Y740-17ICHg」(以下,Legion Y740-17)といった一部製品になると,すでに国内販売も始まっているため,今回新たに登場した製品というものはない。しかし実機の写真やいくつかの新情報もあったので,簡単にレポートしたい。
改善を積み重ねてきたLenovoのゲームPC
国内においても選択肢となりうる製品に
Lee氏はまず,2014年から続くLenovoのゲーマー向けPCの歴史を振り返った。Lenovoのゲーマー向けPCがスタートした直後を思い返すと,日本市場においてはスペックのわりに価格が高く,デザインもイマイチという褒めるところの少ない製品が目立ち,好意的に評価はできなかったものだ。
それが2015年頃からデザイン面での改善が見られるようになり,2017年にはLegionというブランドを確立,そしてLee氏が「ブランドのリラウンチ」(再スタート)と述べる2018年モデル(関連記事)になると,価格対スペック比の点でも見るべき点のある製品をラインナップするまでに改善が進んできた。Lee氏によれば,ゲーマーコミュニティの意見を聞きながら改良を重ねて,高品質かつ高耐久性で,機能とギミックの両方を大事にした結果であるという。
2019年1月に発表となったLegionの新型ノートPCは,2018年からの良い流れに乗って,デザインとスペックの両面で改善したものだ。ハイエンド市場向けの上位シリーズである「Y740」と,ミドルクラス市場向けの下位シリーズ「Y540」という2つのシリーズ展開は今までと同じであるが,NVIDIAのノートPC向けGPU「GeForce RTX 20」シリーズを全面的に採用し,合わせて筐体の設計も大きく進化させたのがポイントであるという。
ハイエンドのY740シリーズはDolby Atmos対応スピーカーを初採用
とくにLee氏は,高性能なGPUを内蔵するために内部の冷却機構を一新して,2基の空冷ファンを使って底面から吸気し,側面後方と背面から採用する構造「Quad Venting Solution」を採用したことを,Y740シリーズの設計における大きなポイントに挙げていた。
Lee氏がY740におけるポイントに挙げていたのが,Dolby Laboratories(以下,
たとえばLegion Y740-17は,17.3インチサイズで解像度1920×1080ドット,垂直最大リフレッシュレート144HzおよびNVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」に対応する液晶パネルを採用しているが,製品バリエーションの中には,DolbyのHDR表示規格「Dolby Vision」に対応する液晶パネルを用意しているといった具合だ。
また,筐体底面の左右前端近くに内蔵したステレオスピーカーは,ゲーマー向けノートPCでは初という「Dolby Atmos Speaker System」を採用し,スピーカーでもDolby Atmosのバーチャルサラウンドサウンドを再生できるという。
ところで,Y740シリーズのサウンド周りには,ちょっと気になる機能として,これまたDolbyの技術である「Sound Radar」という機能を採用している。
Sound Radarは,ゲーム映像上にレーダー風の小画面をオーバーレイ表示しておき,ゲーム中において敵の位置特定につながる音が鳴ると,音の方向や強弱をレーダー内で示すというものだ(関連リンク)。似たような機能は,すでに他社製品でも実装済みなので珍しいものではないが,Dolby自体が用意してきたのにはちょっと驚かされた。
加えてLee氏が,Sound Radarを「eスポーツにも適する」と述べたのにも驚いた。Sound Radarや同種の技術は,ハードウェアチートと見なされかねない機能だからだ。当然,質疑応答では会場の記者から「Sound Radarを競技会で使っていいということか?」という質問が出たのだが,Lee氏は,「家庭における個人のプレイで使うことを想定している」とかわしたうえで,「大会によって(Sound Radarに関する)ポリシーは異なる」とも述べていた。
大会側が認めれば使えるよということだろうが,Lenovoや同種技術を採用する企業がスポンサードするイベントといった特殊事例を除けば,やはりeスポーツイベントでルール違反に問われず使える機能ではないように思える。
Y540およびそのほかの新製品
今回は実機の展示が行われなかったものの,Lee氏はミドルクラスのY540シリーズについても簡単に説明を行った。
Y540シリーズは,GPUにGeForce
デスクトップPCでは,2018年11月に国内販売が始まったキューブ型PC「Legion C730」およびタワー型PC「Legion T730」のGeForce RTX 20シリーズ搭載モデルを継続して展開していくとのこと。また,エントリー〜ミドルクラス市場向けのデスクトップPCである「Legion C530」と「Legion T530」にも,GeForce RTX 20シリーズ搭載モデルを拡充していくそうだ。
日本ではまだまだ知名度の低いLegionブランドのPCであるが,価格対スペック比が良好でデザインも個性的と,日本のゲーマーにとっても選択肢になり得る製品を展開していることは,正当に評価すべきだろう。Legion Y740シリーズの15インチモデルや,Y540シリーズの展開にも期待したい。
Lenovo,RTX 20シリーズ搭載のゲーマー向けハイエンドノートPC「Legion Y740-17」を国内発売。液晶パネルは垂直144Hz&G-SYNC対応
2019年1月22日,Lenovoは,ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ採用のハイエンドノートPC「Legion Y740-17」を1月25日に国内発売すると発表した。17.3インチサイズでフルHD解像度,垂直144HzかつG-SYNCにも対応した液晶パネルを組み合わせた製品だ。税込価格は24万3000円からとなっている。
Lenovo,43.4インチ3840×1200ドットの144Hz駆動モデルなどゲーマー向けディスプレイ2製品を発表。RTX 20搭載ゲーマー向けノートPCも
北米時間2019年1月7日,LenovoはCES 2019に合わせ,43.4インチで解像度3840
Lenovo 日本語公式Webサイト
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