Double Fine Productionsが「Full Throttle Remastered」やVRゲーム「Psychonauts: In the Rhombus of Ruin」などを続々とアナウンス

　元LucasArts Entertainmentのデザイナー，Tim Schafer（ティム・シェーファー）氏が率いるインディーズデベロッパの雄Double Fine Productionsが，2015年12月5日と6日に同社のお膝元でもあるカリフォルニア州サンフランシスコで開催されていたPlayStation Experience 2015で大きな存在感を見せていた。

ティム・シェーファー氏

　まず，昨年のPlayStation Experience 2014で発表されて以来，しばらく音沙汰のなかった「Day of the Tentacle Remastered」（PC/Mac/PS4/PS Vita）がプレイアブル出展され，2016年3月のリリースが発表された。グラフィックスやサウンドは強化されているものの，ほぼオリジナルどおりのゲームがPlayStation 4などで楽しめるとのことで，その仕上がりを楽しみにしているファンも多い様子だった。

Day of the Tentacle Remastered

　1993年にリリースされた「Days of the Tentacle」は，「Maniac Mansion」の続編として，LucasArts Entertainmentの後期開発陣を支えたシェーファー氏を中心に開発が進められた作品だ。タコの触手のようなモンスターが知能を獲得して世界制覇を狙っていることを知ったドクター・フレッドと奇妙な仲間達が，タイムトラベルを使いながら問題を解決していくというポイント＆クリック型のアドベンチャーとなっている。


　その2年後の1995年にリリースされた「Full Throttle」は，ホバークラフトのような浮遊型の乗り物が存在する近未来の世界において，バイクギャングのリーダーである主人公ベンが，殺人の濡れ衣を着せられたことで降りかかる，さまざまな困難を乗り越えていくというアドベンチャーゲームで，LucasArtsのSCUMMエンジンを使ったゲームとしては最後の作品となる。

　リードデザイナーはもちろんシェーファー氏だが，こちらも今回のイベントにおいて，「Full Throttle Remastered」（PC/PS4/PS Vita）というタイトルで復活することがアナウンスされた。今のところ，これ以上の情報はないものの，オリジナル版はパソコンに搭載するCD-ROMの需要が劇的に上がった時期に投入されたゲームだけに，日本でも記憶しているファンは少なくないだろう。続報に期待しておきたいところである。

Full Throttle Remastered

　また，PlayStation VR専用のゲームとしては，「Psychonauts: In the Rhombus of Ruin」というゲームが新たに発表されている。Double Fineは，シェーファー氏がLucasArtsから独立後に初めて手掛けた「Psychonauts」の続編，「Psychonauts 2」の制作を発表したばかりだが，この「Psychonauts: In the Rhombus of Ruin」は，2つの作品のあいだをつなぐストーリーになっているという。

Psychonauts: In the Rhombus of Ruin

　そのストーリーは，超能力スパイとして認められたばかりの主人公ラズ達が，誘拐されたサイコノーツのリーダー・ザノットの行方を追うというものになるようだが，現時点ではデモやプロトタイプ画像などは公開されておらず，どのような作品になるのかは不明のままだ。


　さらにDouble Fineは，2015年8月に制作をアナウンスした横スクロールアクション「Headlander」（PC/PS4/Xbox One）を，イベント会場で初公開した。主人公は頭部だけが専用ケースに入った宇宙飛行士だが，容器の底にジェットエンジンが装着されているので，浮遊して移動できる。そして，敵ロボットの首部分を破壊することで，そのボディを乗っ取る能力を備えており，強力な武器を持った敵に乗り移ったり，ジャンプで届かない場所にボディを乗り捨てながら移動したりするのだ。

Headlander

　なんとも奇妙な設定だが，ゲーム自体は非常にサクサクと進められる横スクロールアクションで好印象。以前公開された映像では，犬ロボットのボディを乗っ取るなどしていたが，そうしたユーモアのセンスも，いかにもDouble Fineらしい作風と言えるかもしれない。
　まさに，フル・スロットルで活動中といったDouble Fine Productionsだが，今後もさまざまな旧作のリバイバルや，コミカルなアドベンチャーの制作に取り組んでもらいたいところだ。